アンノウン・エンジェルず(8/12)PDFで表示縦書き表示RDF


アンノウン・エンジェルず
作:雨月



そのはち 貴族眼帯と竹刀(前編)



あれから数日経ち、校内での反対活動が始まった。
それは異様な光景である。
毎朝、希望者達が集まり廊下をフンドシ一つで練り歩きながら『共学反対』と叫んでいるのである。
そしてもうひとつ変わった事がある。僕が廊下に出たりすると男子生徒は全て逃げ出すのだ。剣治が言うには僕が気絶させた相手はここの番長であり、全校生徒で喧嘩をうったが負けたらしい。つまり、それを倒してしまった実質この男子校の番長になってしまったのだ。まぁ、実は男子生徒にひかれる理由はこれだけではない。 見た目は美男子だが、中身は女の子の満さんが僕に学校中ベッタリくっついてくるのだ。それにより、僕には男好きとのレッテルが張られ剣治以外に男子生徒は話し掛けてくれなくなった。

 はっきり行って早くこの高校から脱出したい。そして今僕は共学の道を開くためいろいろと頑張っているのである。そんなある日それは朝から始まりを告げる事件である。

「時雨君、今日は剣道部から当たってみようか?」

 ・・・・・ついに始まるのか、剣治による生徒会長への栄光のロードが・・・。
 昨日賢治から聞いた共学促進の方法。

 まず、剣治が生徒会長となり全校生徒を掌握。共学を唱える。そして無理やりでも良いので全ての生徒の署名を集めて教師に渡す。
 これが今の所の作戦である。
そしてその作戦を実行させるためには今の生徒会メンバーを倒していき、全てのメンバーを仕留めれば生徒会長に挑戦できるのだ。(この学校では凄いことに生徒会長を倒せば生徒会長になれるらしい。)だが、生徒会長は人間ではないという事を健治に聞いた。そして、その生徒会長は今は不在らしく、なんでも誰かに負けたので修行に出ているらしい。つまり今メンバーを全て倒せば会長不在で強制的に会長になれるのである。

「剣道部の首はすぐそこだ。」

 剣冶が意気揚揚と答えているが何か考えはあるのだろうか?相手は剣道部の首領である。鞄を持って剣冶と一緒に家を出ると満さんが立っていた。

「さ、学校に行きましょう。時雨君。」

 ・・・・なぜ誰も女の子ときがつかないんだろう。声も女の子だし、風体も女の子の体つきである。

「やれやれ、朝からおあついねぇ。お邪魔虫の僕は先に学校に行ってるよ。」

 剣冶はダッシュで走り去り、それを慌てて追いかけようとした僕は腕を満さんにつかまれて阻止されたのであった。

「時雨君、逃げちゃ駄目だよ。」

 ・・・・・人生逃げなきゃいけないときだってあるんですよ。

「あ、空にスカイフィッシュが大群で飛んでますよ。」

「え、あ、ちょっと待ってよ時雨君!」

 脱出成功!

「甘い!甘いよ時雨君。この私から逃げるなど不可能。」
 振り返ると既に満さんの姿はなく気が付くと僕の隣を走っていた。走っているというより浮いているのだ。

「足なんて飾りだよ。
えらい人にはそれがわからないんですよ。」

 うわ、仮面をつけた赤色大好きな人が言いそうなせりふだなぁ。だが、僕だってつかまる気はあまり無い。

『我は、天界魔界を統べる罪深き天使という名の悪魔。』

 あたりの時間を止めてついでに逃げさせてもらおうか?

 だが、世の中上手くいかないのである。満さんはさっさと僕にしがみつきプロレス技みたいな事をしてきた。よってこの状態で次官を止めると僕も動けなくなってしまうので、今日は諦めることにしたのである。

 やれやれ。

 そしてその頃学校では緊急の話し会が行われていたのである。
「このたび緊急に集まってもらったのはボランティアの空き缶集めのためではない。」

「では、何のために我々生徒会メンバーが集められたのだ。」

「転校生霜崎剣冶と天堂時時雨が生徒会乗っ取りを目論んでいるらしい。今、生徒会長は修行のたびに出ているのでメンバーがすべて倒されたらやばいんだ。」

「まず、剣道部の不思議眼帯が止めてくれるだろう。剣の腕は生徒会長の次にうまいんだからな。しかし世の中は凄いものだなあの生徒会長をしのぐ剣士がいたなんてな。」

「そうだな。うわさでは生徒会長はハリセンにまけたらしいからな。」

 そんな話し合いがあっていたのであった。

 そして所変わって剣道場。既に先に言っていた剣冶に追いつき、ただいま僕は、剣道上のハジに座っているのである。

「ねぇ、剣冶剣道部の首領はどんな人なの?」

 これに答えたのは剣冶ではなく僕に引っ付いてる満さんである。

「変な眼たいさんだよ。みてみればわかるよ。」

 いきなり太鼓が鳴り響きレッドカーペットが入り口から転がってきて、目をつぶっている剣冶の前で動きを止める。そして入り口から入ってきた人はギャップの激しい眼帯坊ちゃまであった。

 まず顔は右目をしろーい包帯でぐるぐる巻きにしていてその包帯を頭に巻いて背中にたらしている。鉢巻みたいにしているのだ。更に包帯のうえから黒い眼帯をつけていて、きている服はこてこてしている服である。昔の貴族のような格好である。

「君が、異分子かい?」

 きざみたいに話し掛ける包帯さん。だが剣冶は黙っているので仕方なく僕が答えることにした。

「はい、そうです。あ、すいません自己紹介がまだでした。彼の名前は・・・・・」

 貴族眼帯さんは手で僕を制しどこから取り出したのか赤いバラを手に持ちキザったらしくいうのである。

「ふ、わかっているさ。剣冶君だろう?」
 その先を言おうとして眼帯貴族さんはしゃべれなくなってしまった。なぜなら・・・。

 剣道場の窓が割れて、竹刀が目の前を掠めていき貴族眼帯さんのおでこに直撃。その場に倒れてしまった。

 剣冶は目を開き敵が外にいるらしいことを悟ると外に出て行ってしまった。僕は慌てて眼帯貴族さんを起こしに行く。

「眼帯貴族さん大丈夫ですか?」

 何とか目を開ける眼帯貴族さんは虫の息である。

「少年、私の名前は眼帯貴族ではない・・・」

 だが、この言葉も長くは続かなかった。

 二本目の竹刀が眼帯貴族さんにあっさりヒット。今度こそ彼は気絶してしまった。悪いことは続くようで、倒れた彼に窓を突き破り新たな人物が眼帯貴族さんのうえに飛び乗ったのである。

「ぐえぇ。」

 悲痛な叫び声を上げ動かなくなる眼帯貴族さん。

「ふふっ、弱いわよ兄さん。」

 そんな彼を見下した目で眺めているのは多分彼の妹であろう。

「・・・・・・」

 唖然としている僕に気がつき手に持っている竹刀を向ける。

「あなたが道場破りの愚かなお方かしら?」

 ショートカットの女の子は僕を見下ろしている。だが、僕は答えることが出来なかった。

「時雨君、鼻の下が伸びてるよ。」

 恥ずかしい限りである。僕の視線は彼女のはいているスカートに目がいっていたのである。視線に気がつき慌てて隠す謎の竹刀娘。
 そこで剣冶が戻って来た。

「時雨君。君は災難な男だな、一度厄払いしてもらったらどうだろうか。」

 剣冶からまた竹刀娘に視線を移すと彼女はどす黒いオーラとやらを出していたのである。

「・・・この変態め、覚悟してもらうぞ。」

 竹刀を振りかざし僕に迫る竹刀娘。

「・・・ごめんなさい。つい、出来心でみてしまったんです。ホントすいません。」

 一応、謝ったが無意味のようだ。

「・・・・この世で遣り残したことは無いか?」

 ありすぎて話にならない。

「やれやれ、そら受け取りたまえ時雨君。」

 竹刀を渡されたので間違いなく戦えといっているのである。

「無に帰りなさい。このスケベやロー!」

 竹刀が振り落とされたのでよける。昔の僕ではよけれないだろうが今の僕にはできるのである。

 剣道場の床が抜けた。勿論、竹刀の一撃によるものである。

「・・・その一撃はすいかわりに使ってください。」

「却下だ。」

 逃げきめが繰り出される前に勝負に出る。持っていた竹刀をしない娘の頭に叩き込む。ここでバトルものだったらかっこよく決まるものであったが、僕の竹刀には仕掛けがあったらしい。

 竹刀の先が既に竹刀ではなくハリセンになっていたのである。どんな手品であろうか?
かくしてあっさりと勝負に終止符が打たれたのであった。

 放心している竹刀娘の目の前にハリセンを振ってみる。
 だが反応なし。眼帯貴族さんもいまだにレッドカーペットの上に倒れたままである。

「さて、時雨君、満さん教室に帰ろうか?」

 結局、現状そのままにして教室に戻ることにしたのである。 
 廊下では誰にも会わずに教室にたどり着いた。そして、廊下ではふんどしをついた男達が歩き始めたのである。剣冶はしばし黙っていたが黙って立ち上がり教室を出て行った。

 しばらくお待ちください。

 ・・・・少々何かを殴る音が響いたあとに剣冶が戻ってくる。ホッペに赤い何かがついていた。

「・・・剣冶、口に何かついているよ。」

「ああ、僕としたことがいけないな。ケチャップがついてしまっていたようだ。」

 平然としている剣冶だが、廊下のほうからはうめき声が聞こえるのは僕の幻聴だろうか?共学の道を早く実現させなければこの学校から生徒はだんだん消えていくのかもしれないな。


 いやいや、近頃大変なので最新遅れました。楽しみにしてくれていた人々に申し訳ありません。さて、今回からついに生徒会と時雨軍の戦いが始まりました。まぁ、ようやくエンジンが動き出したみたいなもんですが、これからも宜しくお願いしたいと思います。意見がありましたらどしどし文句つけてくださいね。











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