第50話
目を開き、茂さんの眼をまっすぐ見る
「俺は薫を愛してます」
「それで?」
茂さんも目を逸らさず俺の目をまっすぐに見ている
「いずれ……薫と結婚させてください」
車椅子の上ではあるけれど頭を下げる
「ダメ」
……………は?
聞き間違いだよな?
うんそうに決まってる
「薫と結婚させてください」
「だからダメ」
「…………。」
空気が凍った
というより皆が固まった
数十秒たった
とととにかく理由を聞こう
「何でですか?」
「薫のこたえを聞いてないから」
「へ?私?」
へ?
何その理由は
「薫はどうしたいんだ?」
「私も拓也と結婚したい」
「じゃあタク君OKだ」
おいおい
なんか……あっさりとしすぎているぞ!
「よかったわね2人とも♪」
そして早紀さんは他人事だし……
「では次は私の出番だね」
久々にケンの親父登場
いつぶりだろう?
「まず…拓也君の足の話なんだが……1つ質問するがもし手術で完全に、もちろんリハビリを含めてだが治ると言われたらどうしたい?」
足が完全に治る?
ってことは……
また走れる?
また飛べる?
また…バスケができる?
だったら……
「手術を受けます」
「それが北海道でも…かい?」
「それって……」
薫が言いたいことはわかる
『それはどういうこと?』だ
「北海道に私の知り合いで世界でも有名な技術を持つ医師がいるんだ。ただ彼は有名なあまり忙しくてね……北海道のS市にある病院から離れられないんだ。ただ向こうにいるかぎり彼の治療を受けられる」
「期間はどのくらいかかるんですか?」
「短くても2年間だよ。その間向こうに住んでもらうことになる」
2年?
短くても?
「向こうには運のいいことに君達の通う学校の姉妹校があるし、火野さんと言う方が面倒を見てくれてもいいと言ってくれている」
「でもそれじゃあ……」
薫と離ればなれになってしまう
俺は薫がアメリカに茂さんと早紀さんと行くことに反対した
なのに俺が北海道?
そんなことできない
「わかったかな?何で私が真田病院でこたえをだせと言ったかを。確かに私は君達が婚約をすれば薫を日本にのこしてもいいと言った。あとは自分達で決めなさい」
「俺は……俺はこの町に残ります」
走れないからなんだ?
飛べないからなんだ?
バスケが………
「私はこの町に残って拓也を待つから」
薫の発言に驚いた
顔を横に向けると薫と眼があった
薫の眼からは覚悟を決めたことがわかる
でも……
「俺は薫とずっと一緒に居たいから婚約したんだ。それにここでリハビリをすれば歩けるんだから」
「ダメ!北海道に行って手術を受けてきて」
「でも……お前はずっと俺の帰りを待つのか?待ち続けれるのか?」
「待つよ。拓也を愛してるから……私は夢を叶えてもらいたいの」
俺は驚きのあまり声を出せなかった
「その紙に書いてある拓也の夢を叶えてもらいたい!」
俺の手にはさっき掘り返したカンカンに入っていた紙がある
薫は知っていたんだ
これに書いてあることを…… |