フライングソーサー214 (8/53)PDFで表示縦書き表示RDF


フライングソーサー214 
作:東樹 九林



ナオキはナオキ


 結局アタシのシュートは外れて、リバウンドは8組の手に、悠然と時間をかけて、8組の攻撃が再開する。

 ダン・・ダン・・ダン・・

 コートを叩くボールの音。

 後田がマッチアップしたアタシと相対する。

(次は………どうくる?)

 アタシは腰を落とし、後田の突破に備える。

 ダン・ダン・ダン・・

 右、左、右、左、右、左………アタシの前で後田の手の中のボールが左右を交差する。

(次は意地でも止めてやる!)

 鬼頭のパワープレイを止められた8組は、ここまで後田の突破を中心にディフェンスを崩してきた。

(アタシがここで止めないと………終わりだ)

 ダ・ダダン!
(!)
 後田の身体が大きく右にブレる!!
(止める!)
 アタシは反射的に右に動き――――

「あーっ!!」

 弾丸のように、後田に『左』を突破された。

 きーちゃんと折田がすぐにカバーに入るが、間に合わない。

 後田のイージーなレイアップが、ネットを揺らした。

 0 − 6 

 八組は完全勝利にリーチ。
 あと一点、たった1点とるか、このまま1分ちょいで逆転されない限り勝利は約束された。

 アタシ達はほとんど敗北が決まった。
 あと一分ちょいで7点とらない限り勝てやしない。
 
 次決めたとしても、時間稼ぎをされたら終わりだ。

「こりゃ、終わったなー」
「相羽たちもがんばったんだけどなー」
「やっぱり8組は別格よねー」
「鬼頭くんの存在自体販促だよー」

 ギャラリーの熱も冷めてきた。
 試合の結果がほとんど決まって、興味を失った運動場組の奴らが体育館を後にしていく。

 戻る途中に鬼頭が後田に威圧的に話しかける。

「おい、最後は俺に点取らせろよ」
「わーったよ、キャプテン」

 八組はフィニッシュをどうするかまで決める余裕。

 手も足も立たないアタシ達なんて、まるで居もしないかのように。

 そしてなにより、

「まあ、ここまでよくやったかな」

 平然とした顔に、そんな言葉を貼り付けたかのようなナオキに、少しイラつく。

(う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜)

 もやもやする。

 頼りになるかと思ったけど、やっぱりナオキはナオキだ。
 覇気ややる気が、ほとんど感じられない。












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