フライングソーサー214 (29/53)PDFで表示縦書き表示RDF


フライングソーサー214 
作:東樹 九林



安く買って高く売れ!!


 ベンチでは治療中の宮瀬に肩を組んで、スールシャール監督が何か耳打ちしている。
(………何語で話してるんだろ?)
 素朴な疑問は解消されることなく、試合は進んでいく。

 宮瀬と交代して、田宮のおっちゃんが入ってきた。監督からの指示を伝える。
「ケンカ売られたんだ…買えってさ」
 ドゥドゥが口笛を吹き、クラレンスはにんまり笑い、内柴は
「血圧あげたくないんだけどなあ」と頭をかいた。
 南部は相手コートに顔を向け
「富山さんよ、うちの悪魔王子を傷つけてくれたんだ………タダで帰れるとは思ってないでしょうね?」
怒気を、露にした。
「こっちは、優勝の二文字抱えてきてんだ。………開幕からつまずくわけには行かねえんだよ」
 松山が、メンチを切りつつふんぞり返る。デイビスその他人間山脈も威圧的に見下す。
「ましてや最下位チームなんかに…ましてや中坊のガキなんかにコケにされたままで、いられねえんだよ!!」
 はあっと溜め息をついて、南部がチームに向き直り
「富山さんはお国にかえりゃあお薬がいっぱいあるそうだ」 ケンカを、買った。
「遠慮なく、潰してやろうぜ。傷だらけにしてな」
『オオウ!!』
 FFSの選手達が高々と拳を振り上げた。

 試合は、更に荒れた。ラグビーやアメフトのように巨体のぶつかり合う音が絶え間無く響く。
 審判が笛を吹く回数が激増し、両チームのファウル数が跳ね上がる。声を荒げ罵りあう。お互いまだ手はでていないものの、ルール違犯すれすれのぶつかり合いが止まらない。
(……えーっと、これバスケの試合だよねえ)
 冷や汗が流れてくる。いつ乱闘になってもおかしくない緊張感に。












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