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スタイリッシュ武器屋 作者:弘松 涼
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88 ひのきのバットの性能2

 ギガスウォーリアは黒い球を渾身の力で投げた。
 それは轟音を立ててまっすぐとアスカに向かっている。


 ギガスウォーリアの口角に浮かんでいる一筋のしわは、勝利を確信した証なのだろう。




 ――ククク。この球はアイテムボックスのように異空間に通じている。
 とあるスポーツ用品店の化学班が長きの研究の結果、一般人の体内に存在するアイテムボックスの具現化及び軽量化に成功したのだ。
 その名も体外アイテムボックス。
 そしてこの中には強力なモンスターを封じてある。
 それも神クラスの。

 購入時、俺はどのモンスターにしようか迷った。
 そして破壊神を選ぼうとした。
 破壊神といえば、ぶっちぎりで最強な気がする。

 さすがスポーツ用品店。
 なんでもあるぜ。

 だがどういう訳か、スポーツ用品店のオーナーのゴンザークが「やめとけ」と言ったんだ。


 何故かその理由を問うと――
 しばらくオーナーは黙り込んでいたが、
「破壊神をアイテムボックスに閉じ込めると碌なことがないのだ」
 と呟いた。


 どうしてか、まったくわからねぇ。
 破壊神をいつでもどこでも召喚できたら、ぶっちりぎりで最強じぇねぇか。


 その時の俺は素直にそう思った。


 だけどスポーツ用品店のオーナーは、静かに首を横に振るだけだった。

「いいか? 破壊神ってのはな、容姿は可愛らしい女の子だ」

「別に性別なんて構わない。破壊神ってくらいだから、無茶苦茶強いんだろ?」

「一応……。地上を瞬時に焦土にできる力がある」

「すげー!! それがいい! 売ってくれ」

「だからやめとけって」

「なんでだ?」

「破壊神はだな、とにかく知能がデタラメに低く、最近では言葉すら忘れもっぱら、あーん、あーん、と泣いているだけだ。使い物にならねぇ」

「まだガキなのか?」

「……いや、バカなだけだ。とにかくそんな奴を使ってもいいことにならねぇ」

「バカとはいえ、それは使い手の能力次第でなんとでもなるだろう?」

「……いや」
「何かあったのか?」

 一度黙り込んだオーナーだったが、静かに話し出した。

「……かつてアイテムボックスに破壊神をぶち込んだ少年がいた。だが、彼がどうなったのか知っているのか?」

 ゴクリ。

「……どうなったんだ?」

「……小説家になった」


「は?」


「……破壊神は自らを封じ込めた少年を抹殺するために、彼を小説家にしたのだ!」


「は????」


「分からんのか? 小説家は生存確率が低く、三年もしないうちに消えるのがほとんどだ。と、まぁそんな噂をどこかで聞いて、それを真に受けて、飼い主を小説家にしようとしたのだ。ここの作者もパン屋を題材にした物語を電子書籍で出したが瞬殺されたしな。まぁなんだ、それとこれを勘違いして、つまり三年以内に消えるってのを、三年以内に死ぬと勘違いして、一生懸命頑張ったのだ。
 破壊神は本気で飼い主を抹殺するつもりで、封じ込めた少年を小説家にしてやった。まぁその少年は自費出版で刊行したんだがな。イラストが良くてわりと売れたらしい。
 ちょっぴりリッチになった少年は破壊神なんていらんとか言っていたので、俺は体外アイテムボックスの技術で安く買い取った。
 まぁなんだ。そんな手しか思いつかんくらい知能が低いのが破壊神なのだぞ! いいのか! 召喚してもちゃんと戦ってくれないぞ!! あーん、あーん、眩しいよー。おめめが痛いよーと言うくらいだぞ? 本当にいるのか? 破壊神ビッチ



 ――破壊神ビッチ



 アイテムボールからなんか『あーん、あーん(出たいよー! 出たいよー!)』

 とか聞こえてくる。


 なんかこれはやめた方がいいな。




 そんなことがあった。



 ククク。そんな俺が選んだ史上最強の魔神。
 戦闘能力も高く、確実にバッターを仕留めてくれる最強の神。


 その名はオーディンだ!!


 アスカよ!
 これでお前も終わりだ!
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