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最終話と言うことでタイトルをかえてみました。
クライマックスは、とりあえずその目でお確かめを。
後日談・最終話  魔砲使いと日陰の少女〜The Embodiment of The best lovers.
「何よ! どいつもこいつも、私を置き去りにして! 私の、何がいけないっていうのよ!」
 レミリアが唐突に叫ぶ。
そして、覚悟の決まった顔で、
「レミィ・・・貴女は、怖かったんでしょ?」
パチュリーは言い放つ。
「何だって言うのよ、私が、この『紅い悪魔スカーレットデビル』が何をおそれるって言うの?!」
「さっき、言ってたじゃない。置き去りにされる、って。・・・貴女は、私が、貴女を忘れて、魔理沙だけ見ていると思っていたんでしょ?」
「そうでしょ! 私が、どれだけ話したって、貴女は私に見向きもしなかった!それが、事実じゃないの!」
「私は、貴方を捨てたりしない・・・いいえ、傲慢だったわね。・・・・・・私は、貴女を忘れられない。忘れたくない。貴女は、たった一人の親友・・・それだけは、変わらない」
「嘘よ! 今までがそうだったのに、これからは違うとでも言うの?!」
「・・・貴女は、忘れてしまったの? 私と、いた時の事を」
「忘れてない!」
「じゃあ、どうして私たちは友達なんだと思う? ただ、本のためだけにそんな事を言っているわけじゃないって、貴女もわかってるでしょ」
「私が、一方的に・・・」
「いいえ、私が、言い出したの。貴女が悲しかったときは、私がたまに慰めて、貴方が嬉しいときは、一緒に喜んであげた。・・・それが、楽しかったから、私は、貴女と友達でいたかった」
「嘘も、いい加減にしてよ!」
「違う。貴方が認めたくないだけ。私は、貴女に、真実を言っているだけ」
「違う!! 私は、私は・・・恐れてなんてない! 誰よりも誇り高い吸血鬼の一族『スカーレット』が、忘れられる事を恐れるなんて! ありえない!」
「パチュリー。どうしてだ? こんなにも記憶の違いなんて、何かの病気・・・?」
「ええ、そんなところ」
「この『パチェ』は、要らない・・・! とっても不愉快よ・・・! 殺してやる・・・殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる・・・!」
「・・・・・・いくら偉大な魔術師でも、命は創れない。そんな事をすれば、どうなるか、貴女はわかってる筈よ」
「そんなわけない・・・私にできない魔法は、ない・・・! 現に、こうして・・・」
その手元には、青く輝く光が宿っていた。
「マスタースパークが撃てる!!」
「パチュリー!」
「大丈夫よ、魔理沙。紛い物まがいもののマスタースパークなんて、怖いわけがない」
パチュリーに近付くマスタースパーク。
動じないパチュリー。
これはやばい、とギリギリで叩き落とす準備をしておく、魔理沙。
一定のラインを超えた直後、
「咲夜!」
叫んだのと、魔理沙が動いたのは、ほぼ同時。
「恋心『ダブルスパーク』!!」
「時符『咲夜特製ストップウォッチ』!!」
時計型の魔法が、マスタースパークの動きを止め、ダブルスパークが相殺。
パチュリーは、こう叫ぶことによって魔法が発動するように、仕掛けておいたのだ。
いつ起こるかわからない、不測の事態にそなえて。その場でも、絶対にしくじらない方法で。
「偽者なんて、所詮はこの程度。・・・レミィ」
「何よ?!」
「私は、貴方を忘れたりしない。だから、私達を、認めてくれない?」
「そんなことできるわけないじゃないの!」
 ぎゅっと目を閉じ、強く拳を握り、レミリアは叫んだ。
「私が、貴女達を引き離すためにこんな事をしたんだから・・・いまさら、止められるわけ・・・!」
「・・・レミリア」
 魔理沙が、呼ぶ。
目を瞑り、下を向いているレミリアは、その落ち着きのある声に顔を上げた。
「・・・ぁ・・・」
そこにいたのは、当然、魔理沙とパチュリー。
二人は、アリスの時よりもずっとずっと強く、そして優しく、互いを愛しむ(いつくしむ)様に、手を取り合っている。
そして、ふと魔理沙が空いているほうの手を伸ばす。
「・・・お前も、私たちの、仲間だ」
続いて、パチュリーが、もう片方の手を差し出す。
「・・・一緒に、いて?」
 それが、二人の答え。
今まで貴女がしてきたことなんて、関係ない。
ただ、貴女が貴女でいる限り、貴女は私たちにとって、大切な存在。
だから、一緒にいよう、レミリア。
「・・・・・・知らない」
「・・・・・・」
沈黙。
「『紅い悪魔』・・・そのプライドにかけて、ここで折れるわけにはいかない」
「そうか。・・・どうすれば、いい? パチュリー」
「・・・私に、それを聞くの?」
「・・・そうだな。少しの間、支えててくれるか?」
「ええ。任せておいて」
「その名を継いだあの日から、私はもう・・・!!」
レミリアが手を空にかざし、詠唱する。
そして、パチュリーは、魔理沙の脇に掴まり、その背に額をあてている。
魔理沙は手を前に構え、詠唱文を呟いている。
レミリアの頭上に、真紅に輝く紅符『不夜城レッド』ほど太い槍が、現れる。
魔法で支え、魔法で収束していくその槍は、まさしく神槍・・・いや、業槍。
全てを破壊し尽くす、今のレミリアの全力の証。
 魔理沙の手に、蒼い稲妻の走る球体が現れる。
今にも弾けそうなほど揺らいでいるその球体を支えるのは、魔理沙の気力と、パチュリーの魔力。
二人でないと完成しないこの魔法は、まさしく二人の絆の権化といえる。

「――――――――――魔槍『ラグナロクスピア』!!」
真紅に染まるその槍が放たれるのと、
「「魔法『ギアスパーク』!!」」
白銀と蒼碧を持つ光が放たれるのは、同時。

一点集中型の槍は、間違いなく魔理沙とパチュリーを貫く。
それを知っての上、全力で放った魔法。
三日前、二人の言っていた「拡散式スパーク」、その完成体ともいえるものが、これだった。
光が分散し、槍のところどころに入り込む。
だんだんとひびが入り、最後は真正面からの小さな一閃で砕かれた。
「っな?!」
唯一つ、レミリアに向かっていた光が、彼女をひといきで貫いた。
「レミリア、これが・・・私たちの・・・絆だ」
貫かれた瞬間、魔理沙とパチュリーの想いが、少し、伝わってきた気がした。
いや、確かに、二人の気持ちを受け取ったのだ。
だからこそ、ここで負けを認めて、後ろへ倒れこんだのだ。
「パチェ・・・なんて言えばいいのかしら・・・」
「何も、言わなくていいわ。ただ、私の手を取ってくれれば、それで」
「ほら、手を貸すぜ」

 確かに、私は怖かったのかも。
『紅い悪魔』だからと、意地を張って、恐怖から逃げていただけかも。
パチェに忘れられるのが、こんなにも恐ろしいとは思わなかった。
嫌だった。ものすごく、嫌だった。ただ、パチュリーを『私』に縛り付けてしまえば、忘れないと思って、こんな事をしていた。
だからこそ、私は、二人の手を、取れなかった。
眩しすぎる。暖かすぎる。吸血鬼には、あまりにも不似合いな、幸福がそこにはある。
目を背けたい、逸らしたい。
私には、こんな幸福、許されるはずがない。
吸血鬼・・・夜を飛び、血を求む事を何よりの快楽とする生き物。
そんな罪深い生き物に、こんな眩しいもの、似合わない。
たとえ狂気に侵されているのだとしても、この記憶は、罪は、消えるわけじゃない。
だから、私はあえて二人の手を取らず、一人で起き上がった。
「私は、紅魔館で待ってるから。会いたくなったら、来て・・・魔理沙、パチェ」
「・・・ええ、わかったわ。たまには、そっちが来てよね?」
「・・・ああ。また、いつか。必ず会いにいくからな。そのときは、魔法を教えてくれよ?」
「・・・・・・ええ」
二人の要望を、一言で返し、空へと飛びたった。

 時は宵の寅の一つ(四時半程度)。
真紅の月は、全てを鮮明に映し出し、喰らわれた歴史の跡すら薄く現している。
その空を飛ぶ、『紅い悪魔』。
その目には、風の所為か、それとも別の理由か、雫が溜まっている。
しかしその表情は、口元を少し嬉しそうに曲げていた。

「お帰りなさいませ、お嬢様」
深く辞儀をし、従者は主人を迎えた。
「ただいま、咲夜。アリスの家にいく途中で、道に迷ったんでしょ?」
「恥ずかしながら・・・」
「いいのよ。私は、もうあんなことしないもの」
もう一度、従者は深く辞儀をし、
「・・・お帰りなさいませ、お嬢様」
「・・・ただいま、咲夜」
主の、帰来を迎えた。
今度は、しっかりと、主は従者を見つめていた。

「上海、今夜の月は綺麗ね」
「シャンハーイ」
「・・・私、本当は『パチュリーを想う魔理沙』が、好きだったのかも」
「シャンハーイ」
「・・・そうね。こんなに綺麗な月に、ワインを開けないのはどうかしてたわね」
「シャンハーイ」
傷だらけの人形師は、椅子を立ち、洋酒を取りに酒蔵へ向かった。

夜明けも近付く、寅の三つ(五時半程度)。
月は色を薄くし、青い光が空にかかり始めた。
「・・・ねえ、フランドール」
「何? 霊夢」
「あの子達、うまくいったのかしらね」
「さあ? でも、まあ、何か帰ってもいいかな・・・って思ってるの」
「いいんじゃない?」
「でさぁ」
「何?」
「いつになったら、出てくるのかしら、あの二人は」
「さあね。風邪ひかないように、もう帰ったら?」
「・・・見に行くのはどう?」
「さんせー」

「おーい、魔理沙―?」
「パチュリー?」
二人が図書館の扉を開くと、魔理沙とパチュリーは、床に横たわり、寄り添って眠っていた。
強く、強く、手を握りあって。
「何だこいつら。マジむかつく」
「まあまあ、霊夢。とりあえず、この部屋のベッドがあるはずだから、そこに運ぼう?」
「・・・ったく、仕方ないわね・・・」
 手を離させようとして、ふと霊夢は手を止めた。
「どうしたの?」
 そして、『ふっ』と微笑み、
「見てよこの二人。すごく、幸せそうな顔してる」
「そうだね」
 霊夢は立ち上がり、踵を返した。
「しばらく、放っときましょ。こんな二人を見てたら、何だか運ぶのが無粋に思えてきたわ」
 もう、陽はのぼりはじめていた―――――――――――――――――――――――――
         魔法使いと日陰の少女〜Locked girl. fin
さて。
ここまで読んでいるのなら、もう言うことはこれしかないです。
「ありがとうございましたー!(帽子を脱いで礼)」
あ、いい忘れてまいたけど、これはもともと一つのwordファイルだったわけでして。
もしちょっと変なところがあったら、連絡くださいな。
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