「はい、これで貴方は 工藤新一に戻れるわよ」そう言って灰原は、コナンに薬を渡した。
「これか‥‥‥‥ これで、江戸川コナンは終わるんだな」
薬を受け取った。
これで 俺は 工藤新一に戻るんだな‥‥‥。あんなに元に戻りたかったのに、終わるとなると 江戸川コナンも名残惜しいなぁ。
「あら、戻りたくないのかしら? 名探偵さん?」
「いやっ、そんな事はない。ただ ちょっと心配なんだよ。あいつらのことが」
「大丈夫よ。心配しないで。あの子達なら心配ないわ」
「そうか‥‥。 じゃあ、そろそろ元に戻るか」
「さよなら 江戸川君」
そう言って灰原は、部屋から出ていった。
コナンは薬を飲む。
体中が焼けるような痛みがして、気付くと俺は 工藤新一になっていた。
「戻ったんだ‥‥ あいつに 会いに行かなきゃな」
新一は家を出て、毛利探偵事務所へ向かった。そこではきっと 蘭が待っている。
毛利探偵事務所に着いた。うれしいことに蘭が出迎えてくれた。
「あっ!? 新一!!!! もうどこ行ってたのよ〜。心配したんだからね。あ〜〜 でも、良かった〜 新一が帰って来てくれて!
どうする? これから公園 行く?」
どうして公園なのかわからないけど、新一と蘭はそこに向かっていた。
「あっ!? 新一兄ちゃん!」
「本当だ。久しぶりに見ましたね」
「おーい 工藤新一! これからも事件を解決して、町の平和を守ってくれよ!」
「お願いします!」
「ほんと、新一って有名人よね。歩美ちゃん達から町の平和を依頼されるなんて」
彼らが走り去った後、蘭に言われた。
そっか‥ 俺は有名人なんだ‥‥ だからあいつらは俺のこと知ってたんだ。相変わらず元気そうで良かったぜ。
公園に着くと二人は、ベンチに座って話を始めた。
「お前、俺がいなくなって悲しんだのか」
どうして こんな事をきいたのかわからない。その答えはもちろん知っている。
「そりゃ、もちろんよ。新一が急にいなくなっちゃって、すごく不安で 心配で‥‥ 新一がいない事がすごく悲しかった‥‥」
やっぱり俺が突然いなくなった事は 蘭を不安にさせ、悲しませ‥‥‥‥ 俺のせいで、蘭をこんなに困らせてしまったなんて‥‥‥‥。
「‥‥でも、今 私は幸せだよ。だって、新一が戻って来てくれたんだもん。 私 絶対、新一が戻って来てくれるって信じてた。信じていれば 実現するって本当なんだね。
だから、私は 今 幸せだよ」
幸せ‥‥‥‥‥蘭は今、幸せ‥‥‥‥‥ それは‥‥‥ 俺が戻って来たから‥‥‥‥‥
そんな事 言われたら俺だって幸せだよ
「‥‥‥‥ありがと‥‥‥‥ 待っててくれて‥‥‥‥」
自然と感謝の言葉が口をついて出て来た。
「えっ。何よ、それ?」
「はっ! 何って‥‥‥ 何だよ」
お互い照れてしまい、まともま会話ができなくなった。
そこで二人は毛利探偵事務所に帰った。
毛利探偵事務所には コナンの所持品がたくさんあった。
「あれっ? 小さい服がいっぱい。かわいい!」
えっ!? 蘭、まさかコナンのこと忘れてしまったのか‥‥‥‥。
蘭がコナンを忘れてしまったなら 蘭はコナンがいなくなった事で悲しまない。 それは いい事だ。俺はもう、蘭を悲しませたくない。
俺は 工藤新一なんだ。もう、江戸川コナンにはなりたくない。
もう江戸川コナンには‥‥江戸川コナンには‥‥‥‥なりたくない
「あれっ? 何これ? おもしろい腕時計。」
「あっ、それは腕時計型麻酔銃だ」
あれで迷探偵を名探偵にしたんだよな。
「見て新一。針が打てるみたい」
「えっ!?その針は‥」避ける間も無く 麻酔針は新一に命中した。
体が 重い
まぶたが 重い
眠い 眠い
俺、このまま寝て 大丈夫なのかな? 工藤新一になって初めて寝るんだ。起きたらコナンに!! っていうのは勘弁してくれよ。
俺は工藤新一なんだ。でも、江戸川コナンだったんだ。薬で大きくなったんだ。
寝て起きたら薬の作用が切れて小さくなっていたら‥‥‥‥‥‥
蘭になんて説明すればいいんだ。
もう嫌だ 江戸川コナンに戻りたくない。
工藤新一のままでいたい
工藤新一のままでいたい
工藤新一の
姿でいたい
工藤
新一の‥
「起きて! 起きてよ」
蘭の声が聞こえる。
どうやら俺は無事のようだ。
「ねぇ! 起きてよコナン君」
えっ。嘘だろ。
コナン君?
そんな まさか?
「ほら、お友達と遊ぶ約束してるんでしょ」
遊ぶ約束‥‥‥‥‥‥
いつの間にそんな事を‥
あっ、そういえば昨日あいつらと‥‥‥‥
「ほら、コナン君。起きなさい! もう、昨日寝るの遅かったから〜」
そういえば昨日 携帯いじってて‥‥‥‥
それなら、寝る前 工藤新一になった俺は一体何なんだ?
「もういい加減 夢の世界から出て来てよ!」
『夢の世界』
もしかして 工藤新一に戻った俺は夢の世界にいたのだろうか?
まあ、しょうがないか〜。やっと戻れたと思って嬉しかったけど‥‥‥
みんな幸せそうで‥‥ すごく楽しそうな世界だったけど‥‥‥
江戸川コナンの生活も それなりに楽しいからな。よし! 今日は、あいつらと遊びに行ってやろう!!!
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