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帰ってきてもファンタジー!? 作者:月見ココア

試験編 第二章「テストを利用するモノ」

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04-29 キツネの遊戯

数字が一緒なのはわざとです。



しかしなんだこのワンサイドゲーム(笑)
ここでようやく“彼女”の意外な顔が明らかに……

ガーエン義勇軍・ガンマチームの主目的は単純明快といえた。
他チームの行動により混乱した防衛網の隙をついて学園校舎まで侵入。
然る後、建物を破壊していく光景を撮影し世の中に流すことにあった。
ガレスト学園は両世界の交流の象徴としての意味合いも世間では持つ。
そこをいとも簡単に破壊してみせることの衝撃は大きい。
彼らのデビュー戦を彩る上でこれ以上はない戦果となる。

アルファチームを囮にし上陸した彼らは気付かれぬよう学園敷地へ。
既に内部協力者の手により教職員達は職員室に事実上監禁されている。
防犯・防衛システムも沈黙しているため彼らの活動を妨げるものはない。
それでも他チームの状況によっては攻撃中止や支援活動に移る事もある。
正規部隊と戦うアルファの援護か教師や生徒を抑えるベータとの合流か。
万が一の場合は他の部隊の撤退支援という役目も与えられていた。
彼らは学園と目と鼻の先にある並木道を形成する木々の裏手で
光学迷彩により隠れ潜んでいずれかの指示が来るのを待っていた。
そしてそこへ待望の通信が届く。

『オメガ1よりガンマチームへ。
 アルファ、ベータ、共に順調。作戦を決行せよ』

「ガンマ1、了解」

聞き慣れた(・・・・・)隊長の指示に頷いたガンマチーム隊長は即座に隊を動かす。
ステルス機能を解き、自らの正当性の主張だといわんばかりに大胆に
真正面から学園に乗り込んで作戦を決行しようとした。だが、そこへ──



「あら、みなさんそんな物騒な格好でどこに行こうというのですか?」



──場違いに軽い調子で、そしてどこか艶っぽい女の声が耳朶に届く。
翻訳機が即座に反応しそれを日本語からガレスト語に訳して伝えた。
咄嗟に声の主を探すがどうしてか大半が明後日の方向に視線を向ける。
その声を皆がそれぞれ違う場所から聞いたように感じられたのだ。

「全方位確認っ、索敵なにをやってるっ!!」

隊を預かるガンマ1もまたその一人であり即座に周囲への警戒と
索敵係へ怒鳴るように反応がないのかと問い質していた。しかし。

「………………」

各種センサーによる警戒を担当していた女性隊員からは返事がない。
彼女は決して仕事をさぼっていたわけでもミスをしたわけでもない。
声の持ち主はどのセンサーにも“発言するまで”引っ掛からなかった。
ゆえに彼女は誰よりも先に声の主の正確な位置を把握してしまった(・・・・・・・・)

「おい、返事はどうし、た?」

応答がない部下を再度怒鳴るがその視線は上官たる彼を見ていない。
何かに目を奪われたかのようにある一点だけにその視線は向いている。
ではどこに向かっているのかとガンマの隊長はそれを追った。

「っ────!」

女がいた。
当然の話だ。響いた声は女のそれだったのだから。
だがその姿を見た途端に我を忘れて息を呑む程に彼女は圧倒的だった。
ただ『何が?』と聞かれたら果たして何人がそれを正確に語れるか。
そこにいたのは自らの巨大な尻尾に座るようにして寛ぐ一人の獣人。

「くすっ……」

実りの稲穂を思わせる金色の毛色が放つ輝きに意識が引き付けられる。
隠すモノなどないと曝された白い肌に自然と視線が吸い込まれてしまう。
軽く身じろぎするだけで揺れる柔らかそうで豊かな胸は本能を刺激し、
抱き寄せたら折れてしまいそうなくびれた腰は嗜虐的な欲求を呼ぶ。
そしてまるで見せつけるように長い手足を組み替えられて生唾を呑む。
微かに漏れ出る吐息でさえまるで耳を犯すかのように入ってくる。

「─────」

もはや息を呑むという行為すら彼女の前ではまともにできない。
そこにいたのは金色をまとう“圧倒的な『美』”の化身だった。
妖艶としかいえない美女が濡れた瞳でこちらを見据えて、笑う。

「そんなところで呆けてないで、こちらに来てくださいまし」

おいで、おいでと手と共に頭の上で三角形に近い耳が何度もお辞儀する。
蠱惑的という言葉の具現を前にしては男も女も関係がなかった。
もっと根深い本能的な何かを誘惑する仕草と吐息に彼らは全てを忘れている。
ひとり、またひとりと誘われるまま夢遊病のようにふらふらと近づいていく。
偶然、最も彼女に近付いた誰かが本能的な欲求のままその手を伸ばした。

「ふふっ、いい子たちね────────でもダーメ」

「え?」

ひらり、とその伸びた手を避けるように美女は立ち上がって飛び退く。
遠ざかる魅惑的な女体に男の声は心底からの残念さがにじみ出ている。
しかし彼女にとってはそれはなんの意味もない雑音でしかない。

「見るのは自由ですよ。元々裸で生活してますし。
 でぇもぉ、この身に触れていいのはこの世で主様(ぬしさま)ひとりだぁけ。
 この身を獣と侮るなかれ、我が種族の女は最強に貞淑で一途なのです!」

誰かに語っているようで実際は誰にもそれは向けられてない。
少なくともこの場にいる誰にも美女は意識さえろくに向けていない。
そこにあるのはここにはいない主人への想いに濡れた瞳。
纏う圧倒的な程の色香とは不釣り合いな初心な乙女の顔。
それさえも朦朧としている彼らを魅了する一助となっている。

「そもそもぉ、ちょっと魅惑をかけたぐらいで
 コロッと堕ちるニンゲンなんてお呼びじゃないのです」

だがそこで初めて誘うように濡れていた瞳にはっきりと侮蔑の色が映る。
瞬間ガンマチームは─遅すぎたが─怯えに似た感情と共に正気に戻った。
彼女はまるでそれを待っていたかのように冷たい微笑みを浮かべると
手近な男に向けて口に手を沿えるようにして小さくフッと息を吐いた。
途端。

「っ、うわあああぁぁぁっ!!??」

最も彼女に近付いていたその男は一瞬で火だるまとなった。
全身に展開されている外骨格さえも飲み込む火柱が彼の姿をかき消す。
その一部でさえ視認する事はできず届くのは屈強なはずの男の悲鳴。
自分達の装備が何一つ警告さえ発しなかった突然の出来事に
誰もが呆然とする中でさすがにその集団の長は我に返った。

「ボ、ボサっとするな!
 スキルで消火するんだ、急げっ!!」

ガンマ1からの指示で我に返った彼らは一斉にスキルを使う。
多量の水を浴びせた事で拍子抜けする程あっさりと火柱は鎮火された。
だがそこに残っていたのは僅かに人型を維持するも溶けて歪んだ外骨格と
それを身に纏いながら身体中に大火傷を負って意識を失った男だった。

「ぅ、ぁ……」

まだ息はある。即座に治療スキルをかけるべきだが誰も動けない。
発生メカニズムは謎であっても見た目としてはあれはただの炎だった。
それがガレスト技術の粋を集めたともいえる鎧を易々と溶かし、
あらゆる防御機構を突破して装着者に大火傷を負わせていた。
その事実を前に彼らは恐怖からか仲間に駆け寄るどころか後退る。

「あら、主様の仰る通りなかなかの頑丈さですね。
 やはり獣身のままでは手間取ったかもしれません。
 うん、じゃあ次はもっと強火でいきましょう」

しかしその美女は彼らの様子を気に掛ける素振りすらなく、
まるで料理の火加減でも語るように“まだ上がある”と口にする。
恐怖心が増していくが同時にあれが彼女の仕業だとやっと飲み込めた彼ら。
これまでは生身であるという点でどうしても警戒心を下げていたのだ。
だが一度『敵』なのだと認識してしまえば武器を抜くのに躊躇はない。
あるいは得も知れぬ恐怖を前に反射的に武器を向けただけか。

「ガンマ4、ガンマ7、俺に続け!」

不意に脳裏を過った情けない(本当の)理由を振り払うように
ガンマ1はフォトンの刃を纏う戦斧を取り出すと声を張り上げ、指示を出す。
それを受けて近接武装を構えた二名の隊員と共に美女へと突貫していく。
何の感情からにせよ未知の力への恐怖を越えて攻撃を選んだことと
比較的まだ平静に近い部下を咄嗟に見分けた点は彼の優秀さといえる。

「うふふ、お馬鹿さん」

それを黄金の美女は素直に嘲笑った。
未知の存在に対して接近戦を挑むという判断はお粗末極まりない。
またどちらにせよ(・・・・・・)攻撃という判断は恐怖心を煽る結果になるだけだ。

「な、にっ!」
「バカ、な!」
「う、うそだっ!?」

彼らの攻撃は防がれた。いとも簡単に。
それが彼らの理解が及ぶナニカであったのなら驚愕はまだ少なかった。
スキルか外骨格。あるいはまだ素手で受けとめられた方が良かっただろう。

「う~ん、なるほど程度が低いわりにそこそこな威力。
 これを量産できるとか主様の言う通り面倒ですねぇ」

鍛え上げたステータスによる筋力。
外骨格による強力なパワーアシストとその推力による突進。
フォトンを纏った武器による鋼鉄を容易く破壊する一撃は、しかし。
受けた本人を感心させただけで慌てさせる事も傷つける事もできない。

「こんな……バカな、ことがっ!?」

ガンマ1はあり得ないと目の前の光景を信じられずに叫ぶ。
そして同じく突貫した部下達は声も出せないまま恐怖に後ずさる。
なにせ彼らの前に立ちはだかったのは彼女のただの尾だったのだ。

三本の大人程の大きさを誇る黄金の尻尾が彼らの武器を受け止めていた。
その見るからに柔らかそうな美しい毛並を僅かに乱すこともできずに。
それどころか衝突の結果フォトンの刃は折れ、穂先は潰れ、戦斧は砕け散る。
同程度の武装と全力衝突した結果欠損するなら彼らも理解ができる。
しかしヒトの肌に突き立てた武器の方が一方的に破損する光景は異常過ぎた。

「ひぃっ!?」

そんな中、誰かが腰を抜かしたように悲鳴と共にその場に倒れこむ。
何があったのかと視線が集まるとそこに浮かぶモニターが偶然目に入る。
そこに映されていたものは“誰か”のステータスであった。


--------------------------------------


筋力:S+

体力:S

精神:AA+

耐久:S-

敏捷:AA+


--------------------------------------


そしてそれがこの状況で“誰”のモノか解らない者は誰もいない。

「……う、そ」

「う、うわあぁっ!!」

表示されるランクを目にしてガンマチームは愕然・騒然となる。
中には最初に見た者と同じように腰を抜かして倒れる者までいる。
それは学園上位者や実技担当の教師などとは比べるのもおこがましいランク。
もはやそのステータスはガレスト全域を探しても比類する者のないランク。
AAAとて貴族の血を引く者や伸び代が大きい者の中でもごく一部しか
到達できないというのにそれを飛び越えた先にあるSランクは
彼らには悪い冗談にしか思えなかった。思い、たかった。

「うふ、一夜で一国を滅ぼす力──の万分の一程度ですが、受けてみます?」

だがそれを証明するような攻撃力と防御力を見せつけられた直後。
嫌な意味で説得力は十二分にあり、その脅威を正確に彼らに認識させる。
勝てるわけがない。微笑む美女を前に彼らの心が呆気なく折れていく。
人数差。各種戦術。新型の武装。培った経験。この日の為の装備。
彼らにはそれらがあったが彼女の前ではまるで意味を感じられない。
相手が生身である事が何の救いにもならず、勝てる道理が見当たらない。
せめて何かひとつAAAに到達した項目があれば道はあったがそれもない。
ランクがSに到達するのはそれだけの事を意味し、それが三項目もある。
外骨格の補助やスキルの強化などその前では瑣末事に成り下がる。
どれだけそれらがあろうともアリではクジラを倒すことは叶わない。
そして。

「ああ、そうそう。私は正直どうでもいいのだけれど。
 無駄に殺すとあとで主様に叱られるから、全力で死なないでね」

にっこりと先程までなら魅了されていただろう微笑みが向けられる。
それだけで理解する。相手がこちらの命には何の執着もしてないと。
殺さぬよう言われているようだがうっかり殺しても気にもしないだろう。
そんな無情さあるいは道端の石ころを見る無関心さがそこにあった。

「フッ」

「っ、ぁ、いやああぁぁぁっっ!!!」

そしてまたも小さな吐息一つで誰かが悲鳴と共に火柱の中に消える。
高温を示すような目に痛い程の赤々とした炎はされど、一瞬で掻き消えた。

「うーん、ブルーレアはあまり好きではないのですが、
 レアまでやってしまうとあなたたち死んじゃいますからねぇ」

その程度で済ませてあげます、と。
くすりと微笑んだ美女の前で燃やされた誰かの体が崩れ落ちる。
息はあっても一目では誰かも解らぬ程の火傷を受けた誰かが。
きっとそれは次の我が身の姿。

「ひいぃぃっ!?!?」
「う、うわわあぁっ!!!」
「あぁ、ぁぁっ、ああっ!!」

それを一度でも幻視すれば後に待つのは恐慌だ。
悲鳴をあげ、腰を抜かし、我先にと這ってでも逃げようとする。
情けない態度ではあったが勝ち目のない圧倒的なステータスと
回避も防御もできない攻撃を前にして冷静でいられるわけもない。
逃げなかった者もいるがそちらは逃げる事もできなかっただけ。
果たして抗えない恐怖を前に動けた者と動けなかった者。
どちらがより幸福といえるのだろうか。

「あはっ、なんか久しぶりですねこういう反応!
 ほれほれ、もっと頑張って這って進まないと食べちゃうぞぉっ」

腰が抜けて倒れ込んだ誰かの顔を覗きこむようにその美女は妖艶に笑う。
その口から出た言葉はあまりにも軽い調子の冗談でしかなかったが、
この状況で彼らを脅かすにはあまりにも効果的であった。

「ひぃやあぁっ!?!? く、来るなぁバケモノォッ!!!」

「な、なんでクトリア程度にこんなバケモノがいるんだよっ!?」

「ふふっ、そうでしょう。そうでしょうとも!
 そこのあなたよくわかっているではないですか!
 主様の従者は化け物ぐらいでないと務まらないのですよ!」

恐怖心を誤魔化すためか地を這う彼らは口々に化け物と美女を罵る。
だが彼女はむしろ名誉ある称号とでもいわんばかりにしなを作って喜ぶ。
“化け物より上”の主人を持つ身にとってそれはもはや褒め言葉だ。

「っ、各員飛べ! 這うな、走るな、飛べ!
 奴には外骨格がないんだ。急上昇した後に全速撤退だ!」

それを隙と見たのか。そのおかげで冷静さを取り戻したのか。
常識外の存在にそんな当たり前の事すら失念していた彼らは
隊長からの指示に藁にもすがるような想いで彼らは次々と実行する。

「……やっと気付きましたが、愚鈍どもめ。
 折角用意したのに(・・・・・・・・)骨折れ損になる所だったじゃないですか」

舞い上がる人型群を変わらないにっこりとした笑みで見詰める美女。
しかし口から出たのは毒舌と準備が無駄にならなかったという安堵の声。
彼らの判断は決して間違ったものではない。正しくもないだけだ。

「え?」

ふわりと重力を無視して浮かび上がった誰かが疑問の声をもらす。
今すぐにでもこの場から逃げたいはずの彼らはただ浮かびあがっただけ。
僅か地上10メートル前後で誰しもがホバリングしているかのよう。
ちょうど並木道を形成する木々よりも少し高い位置に彼らは停止している。

「あれ、なんで? おい、動けよ! 逃げるんだよ!」

「う、動かない!? もう出力は最大なんだぞ!?」

「接触による進行阻害だって!?
 馬鹿いうな、いったい外骨格がどこに引っかかってると!?」

もがきあがき、外骨格の出力を限界まで上げるが、上昇できない。
胸に湧いた逃げられるという希望が絶望に転じて彼らを余計に焦らす。
そんな中でも機械はただその異常の原因を正確に伝えていたが、
残念ながら恐慌状態の装着者たちは誰もが理解できていなかった。

「蜘蛛の巣に引っかかった哀れな虫けら、あ、いえ。
 それだと虫さんたちが可哀想です、彼らも一生懸命生きてるのにぃ!」

自らそう評しておきながら例えに使った虫が可哀想だと嘯く。
そして何もないはずの空間を指で撫でるように弾いた。

「があぁっ!?」
「ひぎゃあぁあっ!!」

途端、幾人かの外骨格が切り裂かれたように破損して
同時にその中身まで傷つけたのか赤い鮮血も飛び散った。

「あらら、物理的な強度はこれぐらいですか。
 ちっ、腕の一本や二本落としてやろうかと思ったのに」

最初の一回なら失敗で誤魔化せたのに、と。
聞こえるように不穏なことを呟きながら再度どこかを弾く。
ピンと小さな音が鳴って、今度もまた外骨格の破片と鮮血が舞う。

「ぎゃああぁっ!!」
「なに、なんだっ、なんなんだよぉっ!!??」

痛みを訴える悲鳴と何をされたのか解らない恐怖の悲鳴が混ざり合う。
その最中、さすがに一部隊を任されるだけはあったのか。
たまたま見えてしまっただけか。ガンマ1はそれに気付く。

「……糸、だと?」

空中に引かれた赤い線。飛び散るも浮かんだままの破片。
光学センサーで拡大させればそのタネは納得はできずとも理解は出来た。
並木道の周囲をそれこそ蜘蛛の巣のように細い糸が張り巡らされている。
それに引っかかった為に彼らはそれ以上の高さに飛び上がれなかった。
それを弾かれた事による振動が強靭な糸を一時鋭利な刃物に変えた。

「バ、バカ、な。
 こんな硬度と切れ味のある糸など聞いたこともないぞ!」

「うふん、おじさまったら、お・バ・カ・さ・ん!
 まさかこの世の全てを知ってるとでも思っているのかしら?」

そういって全ての糸の出発点を手にする美女は満面の笑みで彼らを嘲る。

「思ってるんでしょうねぇ、でなければこんな馬鹿な事する訳がない。
 これなら引き篭もりのニートの方が世の中知ってますよぉ。
 あ、ニートとか引き篭もりというのはですねぇ……」

そしてそれらがきちんと翻訳されないのではと危惧した彼女は
懇切丁寧にその意味を教えようとしたが彼らの翻訳機は高性能だった。

「い、いわせておけばぁっ!!」

少なくとも相手の感情を逆撫でする言葉に翻訳したのだから。

「隊長それは!?」

「ダメですこの距離では我らも!」

「あらまぁ」

単純な挑発で怒りを煽られた彼は感情のまま武装を取り出した。
巨大で長大な砲身にグリップが取り付けられただけの規格外バズーカ。
仲間内から制止の声が出るほど、この美女ですら感嘆の息をもらす程。
それには多量のフォトンが既に込められ、今もなお集束させていた。
本来、学園校舎を破壊するために用意された一種の攻城兵器といえる武装だ。
その威力は推して知るべしといえるだろう。

「そんな風に色んな武装を持ち運べるのも、面倒な所ですよねぇ」

「ぬかせ! 消し飛ばしてやる!」

集束していく多量のフォトンを前にのんびりとしながらそれを眺める。
その態度が彼の怒りの火に油を注ぎ、激高した感情のまま撃たせた。
だが放たれた破壊を付加されたエネルギーの砲弾を見ても美女は笑うだけ。
むしろ向けられてないガンマ隊の方が余波に怯えて身構えていた。

「威力と量だけは(・・・)すごいのですけどねぇ。
 集束の甘い魔力(フォトン)攻撃なんて子供の手習いじゃないんだから」

クスクスと笑って眼前にまで迫った光の砲弾に手を伸ばすと、ちょんと弾く。

「は───?」
「え───?」

デコピンで。
あまりに小さく軽い動きで弾かれた事実に誰もが呆気にとられる。
それはあり得なかった。耐久が高すぎて効果が無いのとは別次元の異常。
物体に接触すればそれは対象に破壊の衝撃を齎すように設定されている。
フォトンの光弾は威力や規模に差はあれど概ねそういう状態で発射される。
だが、指先とはいえ触れたはずの砲弾はされどそのままの状態で弾かれた。
その異常に愕然としたのか認められなかったのか理解が及ばなかったのか。
それとも何らかの反応ができる時間さえ、そもそも無かったのか。
悲鳴らしい悲鳴も無いまま彼らは弾き返された砲弾に呑まれていった。

「魔力運用が機械頼りな人達がそれで私に一矢報いようだなんて」

生じた爆風と噴煙を前におバカさんと毒づきながら失笑する。
フォトンと魔力は名称と宿る物が違うだけで同じ物だと彼女は知っている。
波長を合わせた魔力で体を覆えば完全に同質化し触れる事は可能だった。
鍛錬と実戦の積み重ねで研ぎ澄まされた感覚を持つ彼女の前では
機械的に調整されたフォトンの波長など読みやすいにもほどがある。
それと自身の魔力波長を同調させることなど朝飯前であった。
尤もいくら触れられても狙った方向に弾くには別の技術が必要だが。

「ぅ、っぁ……」

「ぐ……ぁっ」

そしていくらか噴煙が晴れた頃その向こうから苦悶の声が届く。
衝撃で引っかかりが取れたのか彼らは軒並み地に倒れ伏していた。
元々外部からの攻撃を想定して作られた校舎を破壊できるだけの威力。
それをそのまま返されたことで外骨格は大きく破損し火花が散っている。
それでも彼女の炎に比べればまだ原形を保っているといえるが。

「あれ、落ちちゃった?
 糸として(・・・・)使うのはまだまだ練習が足りませんねぇ」

精進しなくては、と小さく両手を握りしめて決意表明をする裏で
張り巡らされた謎の糸は巻き戻るように彼女の()へと戻っていく。
彼らを止め、傷つけたそれは正真正銘彼女自身の体毛を使っていた。
それだけでその強靭さの意味は語らずともわかろうというものだ。

「うっ、ぐうぅっ……お、のれぇ……」

「うん?」

全ての隊員が地に伏し、意識ある者でも身動きが取れない中。
半壊し火花が散るだけの鎧を身に付けた男がふらつく足で立っていた。
元凶たる女を親の仇でも見るかのような憎悪の瞳で睨み付けながら。
よく見れば片足は引きずり腕も動かせないのか体にぶら下がっているだけ。
全身は傷だらけで自らの血で濡れていない場所を探す方が難しかった。
安い挑発に乗って撃った張本人なので自業自得といえたが。

「おやおや、さすがはガレスト産の強固な鎧。
 まだ立ち上がれますか……本当に、厄介な技術力です」

しかしそんな姿を見ても彼女の目が映しているのはそのスペック。
血だらけの体をひきずるようにして気力だけで立つ中身に興味がない。
道端に転がる石が汚れているか否かをその美女は気にしないのだから。
そもその程度で気を張らなければ立ってられない軟弱者は目に映す価値もない。
心にあるのは主が語るそれらを量産できる体制が存在する事への危機意識だ。
これならばどんな有象無象も石ころではなく雑兵になれてしまう。
否、させられてしまうことこそ彼が恐れている事態だろう。

「どこにいっても主様には厄介事ばかり、ですか……」

その可能性が見せる悪い未来を危惧する主人を想って瞼を落とす。
只人の犠牲を嫌う彼の心を慮って美女は本気の憂い顔を見せた。

「無、能な、政府ど、もの、イ、ヌめ」

「………………あら」

だがそれも途切れ途切れながらも発せられた彼の言葉で消えた。
自分達が完全な敗北をした事でせめて恨み節だけでも残そうとしたのだろう。
されどそれが女の無感情な目を招きよせ、初めて外骨格の中身を映させた。

「いく、ら、力で抑えこもうとも。
 ここで、我らを潰そうとも……い、ずれ世界は正され、がっ!?!?」

そして美女は続く言葉を耳に入れることもなく鳩尾に拳を刺した。
肉体を貫かずとも息は詰まり、かろうじて残っていた胸部装甲が砕け散る。
しかし、それでも女の攻撃はまだ終わってなどいなかった。

「ぁ、っ、ぐえっ!?」

「頑丈な鎧を着込んだ程度で勘違いしてる哀れな羽虫に
 何をどう勘違いされたところで正直どうでもよいのですが……」

衝撃の痛みより、呼吸が止まったような感覚に苦しむ男の髪を掴むと
顔を地面へと叩き付けたうえでその頭を─気分的に─容赦なく踏みつけた。

「ねえ、おじさま?
 誰を? なんの? イヌと仰ったのかしら?
 私にも解るように教えて下さいよ。ぐえぐえ鳴いてないで、さあっ!」

「がっ、ぐえっ、ぐぁっ」

顔面が地面に押し付けられているので答えたくとも答えられまい。
それ以前にまだ鳩尾への一撃の苦痛が抜けきってもいないのだ。
そうした張本人ながら彼女は答えろと何度も彼を足で踏みつける。
まるで暖かみのない絶対零度の微笑みを浮かべながら。

「馬鹿だ、馬鹿だと言ってきましたが自分達の邪魔をする者を
 体制側の存在としか思えないなんて発想力が貧困過ぎるでしょう。
 そのうえよりにもよってこの私が政府のイヌ?」

万人を狂わせるほどの美貌の中で三日月が笑う。
それだけで10度は気温が下がったような錯覚を彼らは感じていた。

「アハハハっ、なんてくだらない冗談なんでしょう!
 でなければこれ以上はないほどの許しがたい侮辱です!
 せめて主様のイヌと言い直しなさいっ!!」

「あ、ぐ、やっめっ、ぐ、えぇっ、ぅぅ」

「そんな絶対的な常識もわからないのかしら、ホントに頭の悪い連中です」

怒りを携えた笑みのまま容赦のない口調で何度も頭を踏みつける。
その度に苦悶の声がもれるが地面に顔が沈むごとに小さくなっていく。
彼女にとって誰になんと思われようとも自身が仕えている者を
間違われることだけは耐えがたい侮辱であり屈辱であったのだ。

「こんなものはただのボランティアに決まっているでしょう!」

その意趣返しか。蔑む笑みを浮かべて当たり前のように告げる。
これは何の主義主張も、責任も立場もない者による妨害だと。

「なん、だって?」

「ボ、ボランティア?」

そんな言葉に彼らは愕然とした。
信念を賭すため日陰に生き、この日の為に準備してきたこの8年。
それが強者によって阻まれるだけなら、まだ納得はできただろう。

「ええ、ゴミがあちこちでわいてきたので掃除しにきただけです」

たが彼らを阻んだ者の心にあったのは義憤でも責任でも自衛心でもなく、
町内の清掃にでも参加するような気軽で気安い奉仕活動気分である。
これまで美女が見せた言動からそれはあまりに真実味があり過ぎた。

「ふふ、理不尽でしょう?
 なんか気持ち悪いでしょう?
 いろいろ納得できないでしょう?」

くすくす、くすくす、とあざ笑うような美女の声が響く。
癇に障る笑い声に彼らは悔しげな唸り声をあげることしかできない。
勝敗は決している。そも勝負にすらなっておらず逃げることすら不可能。
ただただ彼らは今日までの日々を思い返して強く歯を食いしばった。
脳裏に浮かぶのは政府や地球への反感と義憤から立ち上がった想い。
それを訴えるために今日まで耐えてきたこの8年の記憶である。
だが、まるでそれを狙ったかのように突然美女の声から笑いが消える。

「────でも、それって
 あなたたちのやってることと何が違うのですか?
 理不尽で、気持ち悪くて、無理解の塊のテロリストさん?」

そして、彼らの根底にあった何かを無残に踏みつけた。
誰も彼もが衝撃を受けたかのように息を呑んで愕然とする。
それゆえに彼らは口々にそれを否定するように叫んでいた。

「ち、違う!
 俺たちはかつてのガレストを取り戻したかっただけだ!」

「地球からの文化的侵略のせいでどれだけの人が苦労してると!」

「いくら資源不足でも危険な世界と交流する必要なんてない!」

「そ、うだ……我らは、ガレストを、守る、ため……があぁっ!?」

「隊長!」

踏みつかれながらも同調するように訴えたガンマ隊長はしかし。
美女に背中を強く踏まれて苦悶の声と共に黙らせられる。

「うるさい羽虫どもだこと。勝手に騒がないでくださいまし。
 思わず潰してしまいたくなったじゃありませんか」

「がっ、ぎゃああぁっ!?!?」

にっこり微笑みながらさらに強く足を踏み込み今度は絶叫が響いた。
彼女の足が躊躇いもなくあっさりとガンマ隊長の手を踏み、折った。
それも負傷で動かなくなった方ではなく動く方をわざと狙って。
全員が声を失った。その行為だけではない。自分たちを見下すその笑み。
その美しくもゾッと背筋が凍る笑みを前に本能から縮みあがっていた。

「そもそも耳障りな虫けらの主義主張など聞いていません。
 どうせテロ行為をしないと聞いてももらえない意見なんですから」

聞く価値すらないと再びくすくすと美女が彼らを嘲笑う。
だがもはやそれに悔しがれるだけの感情すら怯えで凍っている。
それをじつに楽しげに見据えた美女は高らかに宣言するように告げた。

「ふふ、いいですか。身の程をわきまえることです。
 慈悲深い我が主の恩情によってあなたたちは生存を許されています。
 だというのに無駄で愚かで考え無しの行動で貴重な主様の平穏を
 乱した上にその手を煩わせるとは、なんて許されざる悪徳!
 野良犬でも一宿一飯の恩を忘れぬというのに。恥を知りなさい!」

反省なさい、と男を踏みつけているのとは別の足で地を軽く蹴る。
途端に大地に走った紫電をどれだけの人間が気付けただろうか。
いたとして、それが何の慰めになるのだろうか。

「ぎゃあぁっ!?!?」
「ひぎええぇっ!!!」
「あががががっっっ!?」

倒れ伏した者たちは誰もが逃れることなどできずに、
電流で体を内側から焼かれるような痛みにのたうちまわった。
その痛みは意識を失っていた者を強制的に起こし、あった者たちも含めて
圧倒的な暴力を軽々振るう彼女へと視線と意識を集中させていくことに。
そしてさも当然のことだといわんばかりに彼らに一方的に告げた。

「この世の真理とお前達の罪と価値について話しているのです。
 何を呑気に寝ているのですか………起きなさい」

「す、すすっ、すみません!」

「はっ、はいっ!!」

誰が彼らを撃墜したのか指摘する勇気のある者はここにはいない。
ただ圧倒的な暴君の逆鱗に触れぬようとする奴隷の姿がそこにあった。
電撃で無理矢理叩き起こされた面々も彼女の冷たい視線に震えている。
変革を夢見た兵士たちの哀れな末路の一つがそこにあった。

「もう一度いいますよ。身の程をわきまえなさい。
 あなたたちは所詮、ただの端役の虫けら風情です。
 黙って主役たる我が主を盛り立てる存在であればよいのに、
 かつてのガレスト? 文化的侵略? 危険な地球世界? ハッ!
 なんですかその教科書にでも乗ってそうな定番の文句は?」

もういっそ清々しい程に露骨に鼻で笑う美女。
彼女には彼らの言葉は中身が空っぽにしか聞こえない。
誰かに言われた教えられた事の復唱は当人達が本気なだけに虚しい。

「だいたいそんなものは些末事です。雑事です。くだらない!
 よくもそんな程度の事で主様の手を煩わせましたね!
 いいですか!!
 この世のありとあらゆるモノは主様の為だけにあります!
 お前たち端役はあの方のための消耗品であればよいのです!」

わかりましたか、と。どこか威圧的な口調で強引に頷かせる。
それだけがお前達の存在価値だと傲慢に、そしてどこか切実に断言する。
その他大勢に対する圧倒的な無関心の裏でそうでなければならない、と。
美女が一途に想う主への敬愛と悲哀がどこかにじみ出ている声だった。
尤もそんな事を恐慌状態の奴隷たちが気付けるわけもなく、
壊れた玩具のように首を縦に振り続けるだけだった。

「…………よろしい。
 わかったのなら、お前たちはもう用無しです」

その姿に湧き出るようだった怒りも萎えたのか完全に興味をなくす。
指を鳴らして紫電を走らせると今度は一方的に意識を刈り取った。
ついでとばかりに腕に装着された兵装端末の回路を焼き切る。
自身の存在を記憶はともかく記録されるのは面倒の種でしかない。
さらに死なれても面倒だと重傷者のみ軽く治癒魔法をかけた。
それでもう仕事は終わりだと軽い足取りで樹木の頂点に飛び乗る。

「んんぅ、もうこのへんに怪しい奴はいないみたいですねぇ」

人間や機械以上の鋭敏な感覚で探っても校舎内部にしか気配はない。
監禁されているのは知っているが主から救出命令がない以上放置だ。
そもそもいま出てこられても邪魔なだけで本人たちにとっては檻でも
彼女からすれば結果として身を守っているシェルターともいえる。
出す必要性を微塵も感じていなかった。

「あれ、主様の気配が……また中に?
 なんかまーた面倒くさいことをなさっているようですね」

それ以上に気になるのは現在の主人の動向である。
距離があろうとバリア越しであろうとその美女の感覚には関係がない。
だが“今”主人がどこをどう動いているかを察して大きなため息が出る。

「本当なら主様ひとりでこの程度の連中どうとでもなるでしょうに。
 まあ後々を思えば全体の経験値アップは確かに必要でしょうけど」

主のいる地は必ず騒動が勃発し、高い確率でそれに巻き込まれる。
あるいは関わらずにはいられない状況に既になっている事が多い。
ならばこの先の騒動を考えてこれをレベルアップに使う気なのはいい。
周囲の能力が上がればその分、彼女の主も楽ができるのだから。

「ですがねぇ、リリーシャの所のメイドたちならともかく。
 ここの生徒たちなんて一部除けば程度が低すぎるでしょうに」

その数で押す。ぐらいしか彼女は生徒達の活用法が思いつかない。
それでも守ろうと、育てようとするのが自身の主だと知っている。
真っ当に生き、その中で努力する者。平穏を生きる者を大切に思う。
それが彼女の主だ。ならばその通りにするのは何の疑問もない是だ。
求めに応じて力を振るうことになんの躊躇もない。
対象者の能力不足などその前では些細な問題だ。
不満があるとすれば別のこと。

「欲を言えばもっと色々命じてくださってもよいのに。
 ええ、わかっておりますとも私がここを守護する意味ぐらい」

学園を不穏分子の手から守ることには複数の意味がある。
対外的な影響はもちろん脱出してきた生徒達の正面を守るためだ。
外に出られても学園とフィールドからの挟み撃ちを受けてはたまらない。
だから彼女はこの場に配置され、学園を守ることで生徒達を守っている。
そしてそれに不安がないからこそ彼女の主は“今”フィールド内で
好き勝手に動いて事態収拾の一手を打つことができていることも。
その意味と価値を彼女は正確に理解しその信頼を誇りにも思っている。
だが。

「はぁ………どうしてこんなことばっかりなんですか。
 誰よりも平穏を望んでおられるあなたはいつも騒動の渦中だ。
 口惜しいです。私一人ではお支えしきれないなんて」

自分という一手だけでは主の手助けにはまだ程遠かった
能力ではなく単純に人手が足りないだけというのが余計に悔しい。
いくら圧倒的な力を持つ彼女でも複数の場所で同時に活動はできない。
主が遭遇する面倒な騒動において実は最も必要とされることだというのに。

「能力はともかくあの娘たちではまだ主様と出会ってから日が浅い。
 お心を癒すだけでもまだ不十分……せめてあなたがいてくれたなら──」

まだ敬愛する主人の疲労と心労は軽くなっていただろう、と。
この場に、この世界にすらいない相手に愚痴りながらその名を呟いた。

───ステラ

どこか切なげにも、悔しげにも聞こえる声で。
彼女が知る限り主人が最も信頼している一人の女性の名を。




学園強襲部隊ガンマチーム──壊滅


防衛対象及び防衛戦力──損傷・消耗ゼロ


学園防衛──続行

あえて記さずともこの美女が誰かはいわずもがな……だね。
四尾目を使うと本人が大変というのはおもにこういうこと。

ちなみにこれまであんまり触れてなかったけど彼女は日本語がわかる。
主とはファランディア語で話してますが教えてもらってたのです
一応これまで漫画を読んでいるだの、周囲の発言を理解してたりしたのは
日本語だったから、もしくはそう翻訳されてたから、です。
しかしニートだの引きこもりだのなんて言葉教えてたんだ主ぇ
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