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帰ってきてもファンタジー!? 作者:月見ココア

修学旅行編 第一章「彼の旅はこうなる」

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04-70 預けもの

それから空腹感が完全に満たされた彼らは母子の邪魔をせぬように静かに
席を外すと夜食を感謝するメモだけを残して調理場を後にしていた。
既に日付を跨いだ時間帯。土産屋などの旅館内の店舗や施設の灯りは
落ちているが旅館全体はまだ明るい。客を迎える玄関に灯りはまだあり、
客達も殆どがまだ寝入っていない。生徒達の部屋は消灯させられているが
果たしてどれだけの生徒が素直に従って眠っているかは怪しい所。

「………」

「………」

そんな時刻を迎えた旅館の灯りが落ちている方の一角。
調理場がある棟から客室棟へと広い中庭を横切る形で存在する渡り廊下。
最低限の光源と月明かりしかない場所を少年少女は並んで歩いていた。無言で。

「……どう、しよう?」

実は少し薄暗い夜の旅館の中庭を二人きりで歩く、というシチュエーションに
気付いてしまった彼女はそれを過度に意識して自然と口数が減ってしまっていた。
一方でシンイチは必要が無ければ会話は基本受け身なところがあるためか。
彼女が黙っているのなら話さなければならない話題もないため黙っていた。
決して話題を探して百面相をしてる彼女の横顔が面白いからではない。
そう決して。おそらく。たぶん。

「そ、そういえばあの指パッチンって便利よね!」

「……いったいどこを何週すれば最後にそれを見つけるのやら」

それはつい先ほどの光景であり倉庫内で教えるといっていた事だった。
はっきりいえば余計な緊張をする必要もない程すぐに見つかっていい話題である。
思わず、考え込んでそれか、という呆れとおかしさに彼はそんな呟きをもらしていた。

「な、なに? 今さら教えるのは嫌だとか無しよ?
 こっちは真言唱えたり、手足の動作覚えなきゃいけないのにズルイわよ!」

だがそれは余程小さい声だったのかすぐ隣の彼女もはっきり聞こえなかったらしい。
早く答えろと急かすように自分でも感じる話題の無理矢理感を誤魔化そうとするが
シンイチはそれを全てわかったうえで何もいわずに内心で盛大に楽しんでいる。
尤も面倒な手順が必要なことが多い数多の術を知る彼女からすればあんな一瞬で、
しかも何かをやっているようには見えないそれを卑怯に思っていたのも事実だ。

「で、結局あれって何をしてるわけ?」

後で教えると既に明言してたこともあってか。
シンイチはあっさりと何でもない事のようにそれを教えた。

「別になーんにも」

実際に何でもない事だ、と。

「は?」

「たいして深い意味はないんだよね、あれ」

あはは、と悪戯がばれた子供のような顔で笑うシンイチ。
それによって何らかの現象が起こるのを度々目撃した彼女は目を瞠る。

「じゃ、じゃあなんであんなことしてるのよ!
 まさか、格好つけているだけなんていわないでよ!?」

「10%ぐらいはそれかな」

「は!?」

まさかの1割正解に叫びたい気持ちが生まれたトモエだが、そのかなり低い
数値に突っ込むに突っ込めない妙なもどかしさも感じて渋い顔を浮かべる。

「昔あれ全然できなくてさ。一年前ぐらいにようやくコツ掴んだんだ。
 それから出来るのが面白くてついあちこちで使ってたら癖になっちゃって…」

さらに1割の理由を苦笑気味に詳しく解説されてより反応に困る彼女である。
シンイチが時折見せる年齢以下な子供っぽい言動は見方によっては微笑ましいが
あれだけの事を易々と出来てしまう人物として見ると実にアンバランスだ。

「むしろそれでバランスとってるのかしら? で、残りの90%は?」

「40ぐらいは何かするという自己暗示による失敗率の低下かな」

「失敗率の低下? 成功率の上昇じゃなくて?」

「俺の場合は成功はするんだよ、たいていのことは。
 お前らに解りやすく説明すると……あれだ。ビット兵器の扱いだ。お前得意?」

「あんたの前だと例え嘘でも得意なんて言えないわね。
 一応は一機か二機ならそれなりに動かせるわ。式とかならもっと動かせるんだけど」

使い方の違いか身に付いているか否かの違いか。
複数の物体を遠隔操作するという点では同じだというのに数十体の式を
手足のように動かせるトモエはどうしてか一機か二機が限界だという。

「慣れもいくらかあるんだろうが、基本的に人間は何もせずに何かをするのが苦手だ。
 念じるだけでモノを動かすってのは案外それだけだと難しい。たいていは注視したり、
 腕を指揮棒のように使ったり、言葉で命じるようにやってしまっている」

無意識か意識的かは別として。
そう付け加えるようにいわれた彼女はそれに自然と頷いていた。

「……言われてみれば……」

彼女が知る限りのそれを動かしている光景を思い浮かべればまさにそれ。
一番身近で上手な使い手である陽介─規格外のシンイチは除外─も入学当初は
適正が高いといわれながらも手や口を動かして、操作している場面が多かった。
そうすることで頭の中のイメージと現実の齟齬を少なくすると共に
より自分がしたいことを脳に認識させやすくしているのだ。

「あたしたちが自然と刀印を結んでしまうのと似たようなものなのね」

他の意味や由来もあるもののあれもいわばこれから術を使うという自己暗示と
目標物を狙いつける動作だ。意味合いとしては初心者がビットを動かす時に
やってしまう事と大きな差はない。

「ああ、お前にはそっちで良かったか。だがお前らのは長年の歴史が背景にあるから
 洗練されてて余程深い知識が無ければ何をしてくるか分かり難い利点がある」

傍目からの解り難さは存外に重要だ。
いくらそれらによって“扱い易く”なったところで実戦を思えばそれは
相手に自分が何をしたいか、しようとしているかを事前に教えているに等しい。
確実性を考えるなら使いたいが、無くしたい動作でもあると彼は示す。

「あ、そっか。だからそれなのね。
 ただ使うためじゃなくてきちんと(・・・・)使うための、でも推察しようがない動き」

指を鳴らすだけでは当人が何を狙っているのか想像しにくい。
だが当人の意識は分かっており、するという自己暗示(アクション)を行っている。
それが“起こしたい事”の達成率や命中率等の細かい部分の失敗率を下げているのだ。
尤もフィンガースナップだけでそんな事が出来ている時点で規格外である。
だがそれはそれだけの腕があってなお、その力を信用しきっていない証左ともいえた。

「そういうこと………ちなみに残った50%はこういう理由だ」

しかしそんな力への不信など露ほども感じさせずに彼はいつもの調子で、
且つこれ見よがしに彼女の眼前に手を出すと軽快に指を鳴らした。
咄嗟にトモエは何が起こるのかと彼や周囲を見回して───首を傾げる。

「え、なにしたの?」

「このようにこれを知っている奴は俺が何かしたと思い込む」

「へ、にゃ?」

隙だらけだぞ、と音を出した手とは逆の手の指が彼女の頬をつつく。
そのしてやったりな笑みに彼女は一瞬唖然とした後、真っ赤になって激昂した。

「このっ! あんたってほんとーーーにっ、性格悪いわね!」

「知ってるよ」

思わず出た拳は易々と受け止められるがその向こうにある楽しそうな笑みが
彼女の神経を逆撫でして何度も両の拳を交互に叩き込むが一発も顔に当たらない。

「くぅっ! そのむかつく顔一回ぐらい殴らせなさいよ!」

「やなこった!」

その頑張りさえも面白いといわんばかりの顔が余計に腹立たしいが
コレ相手では無駄に体力を消耗するだけだと57発目には諦めた。
それが有効的な手段である事は頭の片隅で理解はしていたのもあった。
いくらか彼の戦いを見聞きした者には確かに有効な手のひとつだろう。
何を狙っているのか解り難い音を出す動作なのが小憎たらしい。
フェイントや囮として充分に通用する。そしてそれをおおよその半分の
理由にしている点がじつに彼らしい。圧倒的な戦闘力を持つくせに彼の考えや
戦闘方法はよく言えば省エネで芸が細かい。悪く言えばただせこい。あるいはせせこましい。
あれほどの圧倒的な暴力を持つ者にそんな工夫をいくつもされてはたまらない。
だから彼女は悔しいと正直にその顔に書いた。

「呪術が通じればっ……今すぐ腹を下すぐらい出来るのに!」

「……他人のことはいえないが、お前も大概だな」

尤もそれは仕返しの一つも出来ない事に重点が置かれた悔しさらしい。
その通じていればしていたことを匂わす発言にさしもの彼も呆れる。

「はぁ……っ?」

ぐぬぬと唸るトモエを溜め息まじりに眺めていた彼は、だがしかし。
突然訝しむような顔を浮かべると顎に手を当てながら首を傾げていく。

「ん、信一?」

「…………………」

問いかける声に応えはないまま難しい顔で彼は沈黙している。
その視線はトモエの全身を見ているようで実際は顔を凝視していた。
足さえ止めて顔を眺めているシンイチの様子に彼女の足も自然に止まっていた。

「な、何よ。人様の顔をじっと見て?」

「んんぅ、いや、こう……お前って月明かりの下で見ても絵になるなと思って」

そこへぽつりと呟くように、彼はいま思いついたかのように彼女に告げた。
彼女の背後にある中庭は素人目にも見事な造りであり、そこへ注ぐ月光により
昼間何気なく眺めただけで気にもとめなかった場所を神秘的に見せていた。
計算されて置かれているであろう草木や岩が一つの芸術のように光を纏う。
ただその神秘性という輝きは主にそれを背景にする少女を彩っていた。
暗がりであることが余計にそう感じさせるのかいつも真っ直ぐな青い瞳が
太陽の下とは違う光を放っているように見えて、彼もくすりと笑う。

「うむ、案外マジに絵になってる」

誤魔化しのつもりだったのに、と口の中でだけ続きを呟いたが、
どちらにせよ相手の頬の紅潮具合を見ればまともに聞いていなかったろう。

「っ、あ、あんたね! そういうこと脈絡なくいうのやめなさいよ!」

トモエは不意打ちのそれを受けて少し前までの緊張がぶり返してしまう。
彼女にとって容姿を褒められるのもこんな純和風な場所と合っていると
いわれることに経験がなくて、けどだから嬉しくも思ってしまい、
いつも受けるからかい以上にトモエは動揺してしまっていた。
どこか内心でやっぱりこうなったと思っている彼女もいたが。

「脈絡はともかく……雰囲気はばっちりだと思うが?」

そこであたかも確信犯であるかのように振る舞って周囲を見回すシンイチ。
彼が指し示すは夜中の旅館。人気のない中庭。月明かりの下。二人っきり。
まさに、であった。

「言わないでよ! 折角意識しないようにしてたのに!」

思い出しちゃったと赤い顔のまま彼から距離を取りつつ頭を抱えるトモエ。
言外に意識していたと告白している言葉を口にしているとは気付いていない。
そしてそんな態度を目の前でとってこの男が手を緩めるわけが無かった。

「くくっ、なんだったら……月が綺麗ですね、ぐらいはサービスするぞ?」

真ん中の台詞だけ情感たっぷりの声色で囁くように口にする。
前後が明らかに笑い声まじりである事を思えばそこだけまるで別人だった。

「っっ、い、いらないわよそんなリップサービス!
 だいたい勉強苦手っていうくせになんでそういうこと知ってるのよ!?」

月が綺麗ですね───その台詞は何故か彼女の頬をさらに赤く染めた。
それはとある英文を日本人はきっとこう口にするとさる文豪が翻訳したものだ。
真偽不明の逸話だが雑学として広まっており勉学とは違う分野の知識である。
そのため彼でもその言葉の別の意味を知っていた。そして日本人らしさに
思い入れのある彼女なら知っていると見越して、からかったのだ。
何せ件の台詞の元の英文というのは「I love you」なのだから。

「あー、やばい。そんな態度取られると本題忘れそう」

まさに期待通りの反応とツッコミを見せてくれたので彼は楽しげだ。
だがそれはどこかこの先にある厄介事を一時でもいいから忘れたいと逃避
したい気弱さも滲ませている笑みだった。誰だって疲れる事より楽しい事の
方が好きだ。それはいかにシンイチとて変わらない。

「ほら、受け取れ」

「え?」

それでも疲れる事をしない方が面倒だと予測している(・・・・・・)彼はソレをトモエに投げた。

「ちょっ、なに! フォスタ……じゃない?」

慌てながらも危なげなく受け取った彼女は形状から一瞬フォスタと思ったが、
よく見ればそれは試験中に敵対したテロリスト達が所有していた兵装端末だった。
あの時の、と思い出しながら彼女の目は半眼となって彼を咎めるように睨む。

「信一、あんた結局これちゃっかり自分の物にしてたわね?
 相手が犯罪者でも所有物を盗んだら泥棒になるのよ」

「失敬な。
 ちゃんとフリーレ先生の許可は取ったぞ……つい数時間前だが」

「事後承諾どころじゃないわよそれ……で、これがなに?」

正直かつあんまりな返答に彼女は呆れたようにしながらも訝しげな顔を向ける。
彼はひとつ頷いて見せながら簡潔にその疑問に答えた。

「お前のおかげで間に合ったからな、お礼だよ。
 そこにお前専用に改造した外骨格を用意しておいた。何かあれば使え」

「………は?」

端的に用件と中身を告げる言葉にかえって彼女は戸惑った。
ナニヲイッテルンダコイツハ、とでも言いたげな呆気にとられた顔で
固まったトモエはしかし、少しの沈黙のあと真剣な顔で問いかける。

「…………あ、あたしにすら外骨格(コレ)が必要な事態が起きるっていうの?」

まともな理由でBクラスの筆頭でもない自分に外骨格が与えられるわけがない。
それが彼からとなれば余計にそこには表沙汰にできない理由があるはずである。
そう考えての問いかけに彼はいい読みだと思いながらも首を振った。

「アイディアはフリーレ先生だ。先日の事件を事件と知っている者達だけでも
 装備を整えて自衛戦力を向上させようっていうものらしい。アレで否が応でも
 学園は以前より裏側の注目の的になっちまったからな」

事件に触発されてかあるいは事件そのものの調査目的か。なんにせよ
良くない目的や手段で生徒に接触しようという勢力が出てきてもおかしくはない。
それだけあの一連の事態はクトリアで今まで起こっていたどの騒動や事件よりも
世界に衝撃を与えていた。幸か不幸か裏側だけ、であったが。

「一因のあんたがいうと説得力がまるで違うわね」

先程までの意趣返しか。
あの事件を世界規模の大騒ぎにした張本人を前にくすりと笑う。
尤も彼女も大まかな事情は理解しており、批判する気もない軽口だ。
彼もそれをわかっているのか肩を竦めるだけで話を続ける。

「返す言葉もない………お前が所持できる表向きの言い訳も作った。
 マニュアルに添付したからそっちも読み込んでおけ。乱用は控えてほしいが
 最低ぶっつけ本番でも逃走の足ぐらいには使えるようにしておいてくれ」

「それはわかったけど………で、あんた自身の思惑は?」

あるんでしょ、と欠片も疑ってない視線を向けられて彼は眉根を寄せる。

「あのな。
 その絶対何か企んでるだろ、みたいな顔はやめろ……ただ念のためだよ」

「ふーん」

「1%も信じてないふーんだな、おい」

実際問題彼自身の考えとしては“念のため”という言葉は本当のコトである。
トモエも彼が嘘をついているとまでは考えていないが、何しろシンイチだ。
ほんの数分前でさえあんなことを言っていた男である。

「普段の行いが悪いからよ。あとついさっき自分で、
 嘘は出来る限りつかないけど隠し事はするって言ったじゃない」

「……まったくだ。本当に返す言葉がない」

そう、何のための“念のため”なのかを彼は語っていない。
────正確にいえば、彼自身もうまく説明できない話なのだが。

「だいたいね、それだとお礼でもなんでもないじゃない!」

しかしそんなことよりそれが問題だとトモエは吠えた。
フリーレ教諭発案による戦力強化なら誰からにせよ結局受領する装備だ。
今回の一件に彼女がまるで関与していなくとも与えられた物をお礼と称して
渡される方がトモエとしては隠し事より頭にくる話であった。

「う、バレたか……すまん、用意する時間も店も無くてな。
 旅館の店が開いていればよかったのだが、うむ……」

ただ本気で気まずそうに謝罪すると共にそれでも礼という形で何かを
渡したかったと真摯に悩む姿を見せられては彼女も振り上げた拳の行先に困る。
そこまで本気で怒り心頭であったというわけでもないため余計に。

「え、あ、べ、別に何か欲しかったわけじゃないけど………こいつ、
 たまに変な所が律儀で真面目だから調子狂うなぁ、もう……」

そこまではどうであれ。
彼は自身が気にする部分の話になるとスイッチが切り替わるように遊びが消える。
本人は通すべき筋と考えているがそれは相手(トモエ)が申し訳なく感じてしまう程の差異。
無理を言ってついていったのにこれでは贈り物をねだっているようだ、と。

「あの、本当に別に何もいらないから……」

「前の時は、確か……そうだな、ちょうどいいか……」

遠慮がちな姿勢を見せるが真剣に考えていた彼は聞き流している。
何かを呟きながら頷くと一度は離れたはず二人の距離が縮まっていた。
自然且つ相手に警戒心を与えない動作に違和感を覚える隙間もないまま。
いつの間にか何かを手にしていた彼の手がトモエの首元を撫でるように動いた。

「え?」

触れるか触れないかの繊細な接触と時間にして一瞬の出来事。
首にかかった微かな“重さ”が彼女には一番強く感じられたほどだ。
あまりに邪気や悪戯心のない行動はトモエが彼に気を許している事も
相成って照れも動揺も招くことが無いまま彼女は受け入れてしまっていた。
それに呆然とした彼女だったが結局は最も気を引いた“重み”に意識が向く。

「これ、は?」

見下ろして目に入ったのは自らの首にかけられていた装飾品。
その全容はともかく金色のチェーンの部分には彼女は見覚えがあった。
時折誰かの首元から見えていたものではないか、と。

「もしかしてあんたがいつも付けてた……」

「ちゃんとしたお礼を用意するまでの担保だ。失くすなよ」

詳しい説明を避けるように言葉を遮るも、それを微塵も疑わない柔らかい声。
トモエはどうしてか何かすごく大事な物を預けられたのだと理由もなく理解する。
それを預けられるだけの信頼を得ているのだと何故かその後に気付いて、
こそばゆいものを感じながら、彼女は了承を示すように小さく頷いた。





────その胸元で三日月のペンダントが本物の月光を弾いて煌めいていた

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