第23話 企む者
視界が空を捉え背中に鈍痛が走る、ダメだ立てない。気付けばブンも横に倒れている、少し首を動かすとクロスが苦痛の表情で自身の身体を強く抱き締めていた。
「く……っあぁあ……そんな、私が……」
苦痛のうめき声を圧し殺し倒れる。
羽が翼が光の泡のように弾けて光になる、支えにしていた棍棒が折れてまた倒れるが今度は僕が支えてやる酷く冷たい。
「っ……はぁうぅ……ダメ……あぁ……リガン……貴方の仕…業で……すね」
「くく!はは!さすがお偉いさん皇帝さまだ!よ!」
「ふぅん!」
突然、金色の矢が僕達めがけて飛来したが腹部を真っ赤に染めた勇者様が弾いてくれた。
「待たせた」
「うぅ……セイ……私は」
僕からクロスを抱き上げ、泣きそうなクロスの頭をなでる。
「よぉ、死に損ないと銀色誉めてやるよ、クロスを弱らせてくれてさ、ほらよ礼だ!」
ボウガンから打ち出された矢は爆発をおこし勇者と僕を庇ったクロスは酷い火傷をおう。
僕も勇者様も満身創痍だ、リガンはクロスを捉える。
「偉そうにしやがって、バケモノめ、だがやっとこの瞬間が来た」
「リ…ガン止めっ……」
「ついに俺が!世界を!」
目を見開きクロスの胸に手を置く、途端に紫の煙が吹き出し怨霊がクロスを取り巻く、激しい苦痛の悲鳴と共に巨大な物体が徐々に姿を現す。
「あぁぁあ!っ!あぁ……終焉の奏者が」
「俺の手に!永かったやっと!手に入れた!」
「やめろぉぉ!勇者!飛来・豪炎斬!!」
勇者様が斬りかかるが、熱線と雷撃が無数に飛び直撃をする。
『……………!!!……』
勇者様が落下するのを目で追いクロスが駆け寄ろうとするが聞き取れないような短い音が回りに響き、気付けば回りにあった瓦礫や森谷が全て消し飛んでる。
「ははは!素晴らしい!」
「な、なんなんだ?天使?ドラゴン?」
『何と我らの主と同等の力を……この波動が我ら鬼を狂わしていたのだな』
空は赤紫の厚い雲に覆われ輝く純白の六枚の翼は先が見えない、全身に羽毛のような鱗が生えて果しなく強大にして巨大な存在だ、何より特徴的なのは顔が人のようになっている。
『!!!………!!』
回りのあらゆる物質が崩れる自分の悲鳴さえも全く耳に入らない苦痛に歪むがふと音が止まる。
「ソウ腕の傷は?」
「大丈夫、見た目ほどダメージはないみたいクルツは?」
「大丈夫っすよ、だだもう闘えないっす」
薄い氷の幕に洙印静麟が僕達を音から守る。
クルツは青ざめた顔をするも無理に笑い勇者様とクロスを助けた。
「さぁ、俺の元に」
『……!』
終焉の奏者がリガンの体に浸透していく、その光景をクロスは唇から血が出るほど噛みしめリガンを睨み付ける。
やがて光は収まりリガンが項垂れて沈黙する。
「リガン!」
クロスが視線と貌だけの翼が朧気に出現しリガンをいぬく腹部を貫通し頭を吹き飛ばす、大量の血液や臓器が無惨に飛び散るがリガンがビクッと反応すると、みるみる傷が修復される。
「むだだ!小娘!最早お前は最強ではない!俺が支配者だ!」
「あぅ……貴方ごとぎが!」
「銀色!礼を言うぜお前の予想以上の働きでこっちの切り札を出さずに終焉の奏者を手に入れれた」
「……っ!みんな走って!」
「楽にしてやる!受けとれ俺がお前らに鉄槌を下してやる!」
赤紫の球体が解き放たれる回りを消滅させ大爆発が全てを吹き飛ばした。
「はぁははーはっは!」
リガンの笑い声と共に、世界が真っ白に染まった。
「ケイト、トレイス行くぜ、まずはこの世界を手にする」
「了解」
「肯定」
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