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最近東方関連の二次ばっかり漁っている今日この頃です。
????編
チルノ、おーちゃん。時々パネェの
 森の中での生活は割と快適だ。木々のせせらぎと差し込む光で目を覚まし、大きく深呼吸をすることで意識を覚醒させる。澄み切った湖の水で顔を洗い、チルノと顔を合わせてその日の予定を話し合う。
 朝飯はチルノが何処かしらから果実やら木の実やらを持って来るので、有り難く頂戴している。稀におーちゃんが自身の身体の何倍も大きい獣を持って来てくれるため、貴重なタンパク質を俺は十分に採る事もできる。たまに妖怪の肉も食しているが味、歯ごたえになんら問題は無い。問題があったら能力でふっ飛ばせばいいし。その影響なのか、近頃は身体の疲れが取れるのが早い。何だか複雑だ。
 おーちゃんとは親交を深め、チルノに次ぐ大事な俺の親友となった。まあそういった概念が妖怪などにあるかは定かではないが、少なくとも種族を越えた関係というのは条件さえ満たせば成り立つと言っておく。



「さて、今日の予定。の前に話す事がある」

「ん、どうしたの?」



 先に述べたように、最近身体が嘘のように軽い。というのも、疲れが全く残らないのだ。特におーちゃんが持って来た妖怪を食べた次の日は決まって絶好調。もう妖怪肉の恩恵としか言いようが無い。
 最近は更に拍車が掛かり、「ネテ〇会長ごっこ」と称し、湖の畔で気を整え、拝み、祈り、構えて、(拳を)突いたら、音を置き去りにする所か湖を割ると言うオマケまで付いてくる始末。勿論能力何て使わずに、純粋な自分の力でだ。
 常識的に考えると人間である俺がそんな力を持てる筈が無い。これが妖怪肉の恩恵の存在を裏付けている。



「と言う訳だ」

「確かに妖怪を食べるとその分妖力等を取り込めるって言うけど、そんな効率よく取り込められる訳無いわ。せいぜいお腹と妖力を満たす程度よ。きっとあんたの能力が関係してるとおもうわ。大方、あんたの中の『何か』が無意識の内にふっ飛ばされてるのね」



 能力の影響ねぇ。確かに今現在はそれしか考えられない。というかそれだろ。しかしどう作用してるかは分からない。複雑な工程が存在してる筈だ。
 いつまでも考えてもしょうがないのでとりあえず朝飯の果実を口に入れる。チルノも同様に果実を口に入れ、胃袋に収めてから今日の予定を話し始めた。



「今日は探検よ!」

「探検? 何処を?」



 今まではおーちゃんを含めて能力について熱く談義したり、人里に行って例の果実を何か別の食べ物と物々交換したりと他の妖怪と交流することなく、俺としては非常に安全な生活を送れていた。
 だが探検となると話は別だ。必ずと言っていいほど別の妖怪と遭遇する。それだけこの辺は妖怪が多いのだ。寧ろ今まで別の妖怪と遭遇しなかった方がチルノ達にして見れば驚く事らしい。
 出来るならご遠慮願いたい。例えどんなに強力な能力を有していても人間なのだ。自分の命が一番。



「因みにこれは強制よ。この辺で生きていきたいなら妖怪の“ねっとわーく”くらい知っておくべきよ」



 マジ何時代に流されたの俺。人里の人間は布巻いた位の人達だったんだけど、“ねっとわーく”って単語が何故にある?
 本気でこの世界の在り方について気になったが一応これは保留しておく。生きて行くためにこの辺の地理やら妖怪やらのことを知る必要があるのだ。不本意だが行くしかあるまい。
 ただ、やっぱりチルノだけじゃ不安なためおーちゃんを呼ぶ了解をチルノから貰う。「どうせなら賑やかに行きたい」と言ったら喜んで賛成してくれた。ちょろいぜチルノ。
























 何ら変化も見られない森の奥。だがいつも俺が行動している場所とは確実に異なる事がある。



「チルノ、こいつら俺を食わないよな?」

「大丈夫。話せば分かると思う」



 もうここいらは妖怪のテリトリーらしく、前を見る度に様々な妖怪が目に入ります。確かに割と人間らしい成りの妖怪もいましたが、何故人間らしい姿なのかチルノらに聞いてみると、「人間を騙して攫いやすいから」と笑いながら話してましたが笑えません。彼女らにとって人間は捕食の対象であり、俺は畏敬の存在らしいです。う、嬉しくなんかないんだからね!
 ……ぶっちゃけホッとしている自分がいるわけなんだが、正直複雑だ。まあ今は自分の身を守る術で手一杯だから、人里の皆さんごめんなさい。なるたけ努力はします。
 妖怪と顔を合わす度に俺を食べようとするが、チルノが説得(俺の強さを説明する的な意味で)。それがダメならおーちゃんが説得(鬼の私が手も足もでなかったと脅し的な意味で)。半分弱はここで手を引くのだが、それ以外はおーちゃんの説明が終わった瞬間に襲って来る。いきなり来るだろうと常に警戒していた俺は、二人が説得している間に拝み、祈(ry、襲って来た瞬間に例の正拳突きを放ったら、たいていの妖怪はそこで食欲を抑えてくれた。ただ、それでも分かってくれなかったら能力発動。完膚無きまでに叩きのめし、無理矢理に納得させた。



「お前、そんなパンチ撃てたのか?」

「この前撃てるようになった。おーちゃんが持って来る妖怪肉食ったら更に力が上がったんだよ」



 心底驚いた表情をしていたおーちゃんだが、俺の無敵度向上の発端が自分にあると分かると、膝を着いてorz状態になってしまった。
 とりあえず頭を撫でて慰めてやろうと思ったら「触るな、病る」って言われたので、ラブコメ展開というものを記憶の端から抹消して泣いた。因みに俺は決してロリコンではない。フェミニストだ。



「さてと。まあこの辺りで妖怪達への自己紹介は止めておこう」

「あたいもそれ思った。そろそろ本番に入んない?」



 前方を歩く二人は足を止め、二人して笑顔で振り向く。その笑顔は幼女に相応しくない、良からぬ企みを含んだ奴の物。背中を駆け抜ける悪寒は決して間違ってはいない。
 そもそもだ。こいつらが何年生きてるかは知らないが、精神的にはまだ幼いため「悪戯といったものが好きか?」と尋ねたら十中八九「大好き」と返ってくる事は間違いないと思う。



「……分かったよ。本番行っとこう」



 諦めも時には肝心なのだ。
























 「おーにごっこすーる人こーのゆーびとーまれー」こんな事言ってる時期が俺にもありました。
 おーちゃんを先頭に連れられたのは森の最奥部。人間は疎か妖怪でもあまり足を踏み入れない場所。鬼が最も多く集まる場所らしい。
 だが、そこは森の最奥部と言われているが木という木が殆ど見当たらず、不自然に拓けた広場に見える。何でも鬼同士の力比べがよくここで行われるらしく、闘いの度に木々は折れてしまい、最終的に広場になってしまったそうだ。
 ……もうこの場所の説明を受けた時点で読めた。俺、ここで闘うんだろうな。誰かは知らんが。



「相変わらずここの空気は心地いいね~」

「おーちゃんおーちゃん。俺の相手は?」

「お、察しがいいね~。あそこの桐株に座ってる鬼がいるだろ」



 おーちゃんの視線の先になんか……ものっそい雰囲気醸し出してる鬼がいるんですけど!
 体格は俺の鬼に対するイメージと違いややすらっとしてる。長い白髪を無造作に伸ばしており、その黒に染まった瞳は何だかギラギラといった形容が当て嵌まるだろう。
 ねぇあいつ、なんて雷〇(らいぜ〇)? あんなのと闘うとか、俺に明日を生きる資格は無いのかと。



「おーちゃん、あの、冗談だよね? いや、冗談だな」

「いや、あれ」



 本気だ。この鬼幼女マジで言ってやがる。隣のチルノも「あたいの背がもう少しあれば」とか何とか。背があれば何なんだよ。
 あ、何だかあの鬼がこっちを見た。んでもって目が合った。ってあれ? 周りを見るとみんな顔を逸らしている。もちろんおーちゃんや、あのチルノでさえも。
 ……ひょっとしてあれか。互いに目が合ったら闘い始めるとか、ポケ〇ンバトル方式が採用されてたり?



「あいつ馬鹿か」

「あれと目合わせるとか、よほどの阿呆か実力者か?」

「俺は人間が瞬殺に獣二匹」

「それじゃあ賭にならんよ」

「「「「あははははは!!」」」」



 笑えねーよ! 相当あれってやばいんじゃん!
 チルノとおーちゃんはと言うと、いつの間にか隣から消え、遠くの木の上から「「頑張れー!」」などと抜かしてやがる。周りにいた鬼も同様に、遠くから俺らを見てるっぽい。
 よって現在広場にいるのは例の鬼と俺のみ。その例の鬼はというとゆっくりと桐株から立ち上がり、ギラッギラッの殺気を振り撒く。いや~な空気がこっちに飛んで来た瞬間に俺はそれをふっ飛ばしたけどね。



「おろ? いつもならこれで終わる筈なんだが」

「人間だから?」



 鬼基準で話してんだよね、この鬼。どんだけ規格外の存在なのかと。
 「ふむ」と顎を掻きつつゆっくりとこちらに近付いて来る鬼。対して俺は自身の“恐怖心”をふっ飛ばす事で鬼と相対。本音は早退したいんだけど。
 刻一刻と距離が近付く中で先手を撃ってきたのは鬼の方。顎を掻いてる手とは反対側の手を翳し、何か球体の様な物を俺に飛ばしてくる。無論、俺はそれをふっ飛ばす。ただあまりにも速過ぎて飛ばす方向までは定められず、その辺の木に轟音を轟かせ命中。木は折れ、残った部分も何故か電気を帯びていた。



「ちょ、あれ電気っすか!」

「でんきぃ? ありゃ雷だぞ」



 らい〇えええぇぇぇん!お前のルーツが今俺の前に!
 恐怖心は拭えても流石にあれはヤバイと感じ俺は早々にこの闘いを終える事を決意する。「んじゃ、行く」ぞ、と言いたかったのだろう。鬼を地面に何度も何度もふっ飛ばすが如く叩き付ける。辺りに響く二度目の轟音は、周りの連中にも「信じられない」と衝撃を与える。
 実際に叩き臥せられた鬼は、「何が起こったのか」と何も分からないまま、二度、三度と呻き声と共に臥し続ける。



「人、畜生がぁぁぁあああああ!!」



 あれ、何てデジャヴ? おーちゃんも確かこんな風に怒ってたような。まあ、何はともあれ後暫くこうしてふっ飛ばしていればコイツも大人しくなるだろう。そう考えてる時期が俺にもありました。
 突然俺の身体全体に衝撃が走る。鬼の追撃を避けるべく、飛びそうな意識を堪え直ぐに自分を天高くにふっ飛ばす。そこで俺は何をされたのか漸く理解した。



「雷、は。基本、空か……ら」



 身体が焦げ、如何に先の雷がとんでもない代物か物語っている。自身の痛みと共に、周囲を常にふっ飛ばし続ける。反射的に雷をふっ飛ばすとかは流石に出来ない。自分の周りを避けるように雷は轟き続ける。
 地面に墜落する寸前に、墜落時に起きる衝撃の分だけ自分を空にふっ飛ばす。力加減はほぼ勘だが何とか着地。痛みをふっ飛ばしているため特に今は何とも無いが、身体が動かせる理由はおそらくそれだけでは無いだろう。自身の肉体も能力の恩恵で頑丈になっていた。出なきゃ今頃こうして満身創痍ながら身体を動かす事は出来ない。



「お前、不死身か?」

「はい、隙発見」



 問答無用で地面に叩き臥せる。もう容赦も油断もしない。相手に口を開ける暇すら与えない。
 周りの空気が張り詰める中、未だに地面にキスを続ける鬼にゆっくりと近付く。何しにかって? 決まってる。止めを差しにさ。
 一歩、また一歩と近付いて行く。その間に俺は気を整え、拝み、祈る。もちろん元ネタはネ〇ロ会長だ。 そして鬼の元に。そこで俺は拳を構えて



「しっかり受け止めろよ。って無理か。背中だし」



 いつもの調子だけは崩さずに振り下ろした。

























SIDE おーちゃん



 驚いた。あの“鬼神”のをも打ち負かす人間の実力に。私も鬼の端くれだからそれなりに強いのだが、鬼神の称号を持つあの方は別格だ。私はあの方が負ける所を、少なくとも一度も見た事が無い。
 その方が今まさに、しかも人間という弱い存在にやられたではないか。未だにその光景は信じ難い。
 そもそも私が彼の人間をあの方と闘わせたのは、久々に鬼神たる方の闘いを目に収めたかっただけ、という酷く簡単な理由からだ。 勿論人間は断る事も出来る。無論、奴の事がだからすぐさま諦めると思い、冗談半分。いや、九割で送り出したのが、あろう事か、あの方と目を合わせてしまった。
 その時点で「正気か!」と思った(隣のチルノに関しても)もんだが、結果は人間の勝利。この時点でこの人間に手を出す存在はいなくなったと言っていいだろう。



「おーい、おーちゃん」



 彼の人間が私に近付いて来る。更に驚く事に、彼の人間に苦しげな表情が見られない。
 あの方もおっしゃってたが、コイツは本当に不死身か? 肉弾戦は無かったとは言え、あれだけこっぴどく雷を浴びたのに彼の人間に堪えた様子は全くない。今だに身体からはバチバチと、雷を帯びた音がすると言うのに。



「いや~、身体がボロボロ。悪いけど暫く休ませて。三日は穴周辺から動かないから、暇したら遊びに来て。後あいつには」

「名前」

「ん?」

「名前聞いてない。教えて」



 虚を突かれたような表情で彼の人間は私を見つめる。だがそれもすぐに崩れ「……乱れ治めると書いて乱治らんち。“らんくん”と呼んでくれ」そう言って彼の人間、乱治はその場を去ってった。
 今日の日の闘いを私は決して忘れない。この場にいた鬼達もあの方でさえそれは一緒だろう。
 暫くした後あの方は目を覚まし、私達に彼の人間の事を聞いてきた。



「小さき鬼に氷精よ。あれはお前の知り合いか?」

「ええ、あたいらの友達!」

「名は?」

「乱治。乱れ治めると書いて乱治です」

「乱治。乱治か。……くくっ。はっはっはっ! 鬼神と称され数千年、不敗を誇る我が負けた。それも人間に! よいか、者ども! この森の頂点は現時点を以って我では無くなった。乱治、乱治が森の頂点だ! 異論がある者は我が屍の上に立つを以って、異を申し立てろ!」



 いるわけ無かった。


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