都条例。可決されてしまったが、果たして一体どうなる事やら……(2010.12.15現在)
ども、将来の漫画の在り方に不安を感じています作者です。それ以上に今は今週中に課題が仕上がるか不安なんですがね。
悪霊ネットワークにて、信貴の山の妖怪が討伐された一報が俺の耳に入った。尚、この討伐に於いて何人かの超実力者の存在を確認。内一人は妖怪界における超ビックネームだと判明。ただし姿の確認までは出来なかったとの事。妹紅があそこに向かったのは分かっていたが、まさかそれ以上の曲者がいようとは知らなんだ。
悪霊達の思念を聞き取る事を止め、隣の小傘に目を向ける。小傘は悪霊達の思念を未だ聞き取る事が出来ない。故に思念を取る事が出来る化け傘に悪霊達の思念を聞き取らせ、傘からその報を教えて貰うという手段を用いている。
「……師匠には皆がああなる事が分かっていたんですか? あなたも」 小傘の耳に一報が入った際、俺と化け傘に向けられた第一声。「ああ」と頷いた後、俺は化け傘に全ての事情を伝えるように促した。
「うん、うん。皆が師匠に付いて行けって言ったのはそういう事だったんだ……師匠、一つ聞いてもいいですか?」
「何だ?」
「私は今とても悲しいです。でも私は妖怪であり、人間に恐怖を与える存在であります。そんな……そんな私がですよ。そんな私がこんな感情を持ってていいのかなぁ?」
「んなもんお前の勝手だ。妖怪だろうが人間だろうが生き方なんてのは皆違うんだから。ま、素直に生きるのが一番だろうよ。何よりお前の体はそう思っているから泣いてんだろ?」
化け傘を胸に抱き泣いている小傘の肩を叩き、そっと抱き寄せる。あれだけ親しくしていた奴らが皆居なくなっちまったんだ。そりゃお前みたいな妖怪にはさぞ悲しいだろうよ。斯く言う俺がそうだったんだから。弟子も、な。
俺や化け傘が今こいつに出来るのはこうして傍にいてやる事だけ。せめてその悲しみを少しでも涙と一緒に流してくれる事を祈って。
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「落ち着いたか?」
「はい。お蔭様で大分」
「だったらそんなお前に朗報だ。だ〜いぶ先になるが必ず再会は叶う」
「本当ですか!」と化け傘を強く抱きしめながら小傘はこちらに寄って来る。それよかお前、傘がミシミシ言ってるから少しもち着け。
デコピン一発で冷静さを取り戻させて詳しく説明。日はく「封印を解く者が遠い将来必ず現れる」と。いや、本当だよ? 確かゲームでもそうだったはずだし。……やった事は無いけど。
とりあえず小傘が元気になったし一見落着。これなら旅に支障はでないだろ。にしても旅ね。さてさて、何処に行きましょうかね?
「……とりあえず幻想郷にでも寄ってくか」
という訳で能力駆使してやって来ました幻想郷。久し振りに見た里は何て言うか……すごく、江戸です。相変わらず時代錯誤している感はあるが、ここの人々はいつも活気で溢れている。だから何て言うか、すごく居心地がいい。
隣では小傘がそんな人里の様子に目を輝かせている。ただの唐傘に変化した化け傘を振り回している所から子供の様に興奮しているのがよく分かる。この様子だともう一発デコピンをかます必要になりそうだな。
巷で親しまれているっぽい蕎麦屋に入り、かけそばを注文。客足はちらほら。俺らの他に三、四人蕎麦を啜っている。普通にあった椅子(もう驚かん)に座り、うきうきしている小傘の相手をしながら待つこと数分。……本当に来たよ、かけそば。しかもお椀が普通にきれいだし。
ずるずるっと啜って食ってみる。普通にうめぇ。てか小傘、化け傘に蕎麦食わせるの止めれ。変な子と思われちまうから。
「師匠。そういえばお金はあるんですか?」
「ん、あるに決まってんだろ。それに足りなくなったらお前を売ればいいし」
「さらっと言わないでくださいよ、さらっと」
「んだよ。だったらそっちの唐傘を売るか?」
「………………「悩むなよ」
若干化け傘が湿ってるように感じなくもない。まさか冷や汗掻いているとか? どうやら不貞腐れたっぽいなこいつ。それに気付いた小傘は慌てて化け傘のご機嫌を取る。いや、だからここでそういう事したらマジで変な子と思われるから止めてくれないかな。
尚、お勘定の際「儲けとくよ」と哀れみの目で言われて頭を抱えたくなった。
蕎麦を食い終えた後は神社……ではなく、霧の湖との付近にある俺の住み処に久々に向かう。やはり森を歩くとそれなりに妖怪に襲われ掛けたが、ね。頭突きをかまして強制的に黙って貰った。デコピンなんてかわいいもんだろ小傘。
「しっかしまぁ相変わらずのボロ家だわ」
「ここが師匠の家ですか。しかしまた何故人里から離れたこんな場所に?」
「何、ちょいと昔にある友人と約束しただけさ」
「ぇえ! 師匠って友達がいるんで……ひぃ! デコピンは止めてくださ……あれ?」
「ったく失礼な奴だな。とりあえずここは俺の家な訳だが、お前にも使用許可出すから何時でも好きな時にでも使え。っと確かこの辺に……うし、在ったな。腐食処理を能力ですれば……うん、まだまだいける。寧ろ熟成された味だ」
「あの〜、怒って無いですか?」
「ったくいちいちビクビクしやがって。俺ってそんなに心の狭い男に見えるのか?」
「………………「だから悩むなよ」
まあそれはいい。そもそもここに来たのはこいつに俺の住み処を教える+食料を持って行く為に来たようなものであり、ここに泊まるとかそういう目的で来た訳ではない。
酒、食料を持てるだけ持って向かう場所は博麗神社。まあたまには皆で酒でも飲み明かしたい気分にもなるさ。
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「おいおい、相変わらず神社に入り浸ってるのかよ三悪女」
博麗神社の縁側では以前と変わらぬ様子で魅魔、ゆうかりん、神綺がお茶を啜っていた。ただし巫女さんはパシリ。
「あらあら、久し振りね」と笑顔のゆうかりんに「まあ納めくだせぇ」と例のドライフルーツを献上する。「へぇ、いい味出てるわね」とお褒めの言葉を頂いた所で俺と小傘も縁側に座り込み、巫女さんにお茶の催促をする。「何故私が『ぱこん』フモゥ!」と容赦なくゆうかりんのデコピンが飛ぶのも相変わらずだ。
久し振りと言っても実は前からそれ程時間は経っていない。それでも久し振りと感じるのは白蓮組みに凄く馴染んでいたからだと思う。と、どうやらお客は俺達だけじゃ無かったみたいだ。
「積年の恨みぃぃぃぃぃいいいいいいい!!!」と見覚えのあるすき間から飛んで来る拳を難無く受け止め、そのまま無理矢理引きずり込んで足でげしげし軽く蹴り込む。「床が、床が……あ゛あ゛あ゛あ゛!」何て言いながら巫女さんも参戦。いっけね、お茶零して大惨事引き起こしちゃったZE。
「ちょ、すみません、すみません、すみません!」と必死に謝ってる藍であったが足元に新たなすき間が開け、その場から離脱出来た事で事態も鎮静化した。
「お久しぶりね乱治。先月はお世話になったわ」
「まああれくらいなら。少し位里に貢献しないとどやされそうだしな。お茶も台無しになった事だしどうだ、一杯?」
「あら、気が利くのね。じゃあ戴こうかしら」
飲み物がお茶から酒に変わり始まった飲み会。俺が持って来たドライフルーツや燻製肉は中々の好評で飛ぶ様に減っていく。
途中、酒が切れたので藍がゆかりんにお使いを頼まれた為に席を外す。「やーい、使いっぱ」と囃し立てたら例の如く拳が飛んできたが軽くスルー。しかも運悪く流れ弾の一発がご主人様に当たってしまい「もう、まだ躾足りないのね」とゆかりんはニコニコ微笑みながら藍を足蹴にし、日傘で頬をぐりぐり。
そんな痛々しい光景にもここにいる連中の半分は狼狽える事は無い。ちなみに例に漏れる三人とは巫女さん、神綺、小傘の事ね。
「そういや神綺。最近魔界にすげぇ魔力持った人間が来なかったか?」
「よくご存知ですね。つい最近いきなり現れて物凄く驚きましたよ。まさか乱治さんが?」
「んな訳ねーよ。ただ俺はそいつを封印した奴ってのが気になってな。魅魔、お前は何か知ってる事は無いか?」
「駄目だね。情報網に引っ掛からなかった時点でお手上げさね。ありゃ相当な実力者だよ」
「そっか。ゆうかり……って、何やってんだよ」
割と真面目な話をしていたんだけどね。ゆうかりんは自分の膝に小傘を乗せて、なんか人形を扱うかの様に小傘の頭を撫でている。しかも満面の笑みで。
「乱治、この子くれないかしら? 主に私の玩具的な意味で」とか言ってくる所、半分本気で言ってるっぽい事が伺える。
……何だよ小傘。そんな目で俺を見るなよ。これ以上黙っていると泣き出しそうなのでゆうかりんにもその事を目で伝える。「あら、残念」とニコニコしながら言っているのは、やはり半分はからかいの意味合いもあったという事だろう。
とまあそんな感じでゆるゆるな団欒はこの後も続く。
「紫さま〜、頼まれたお酒を買ってきました。それと稗田の者が是非皆様にお会いしたいとの事なのでお連れしました」
「稗田阿未です。本日はこの“幻想郷”に於いて非常に名高いと言われている皆様方が一同に会していると言う事なので、この機会に皆様方の人となりについて書に記そうと思いたく、今回この場に仕りました」
大量の酒と共に稗田阿未という客人を連れ帰って来た藍。あれだな。藍、グッジョブ。可愛い子は大歓迎だ。
巫女さんはどうやら面識があるらしく、この超強者揃いの茶会に現れた常識人に涙を流しながら抱き着いている。阿未の方も慣れた手付きで対処しており、そんな姿を見て一同は苦笑を漏らす。
「まあとりあえず一杯」と珍しく紫が酌をし、阿未も縁側に座る事で一旦は落ち着いた。
「あなたの要望に応える前に一つ聞きたい事があるのだけれど、“幻想郷”というのはこの里のこと?」
「はい。人里の者は皆そう呼んでおります。ただ誰が言い出したかは分かりません。何時の間にか皆そう呼んでおりました」
「ふーん……いい名前ね。ええ、正式採用するわ。それで、聞きたい事は?」
阿未の方から質問をし、その答えを記録する。当然嘘は付いちゃ正しい記録を取れないから、話せる範囲の真実を話す。ただ紫。「失礼ですが年齢は?」って聞かれて「ゆかりん永遠の十七歳」とか寝言吐かしてんじゃないの。あ、「「嘘付け、ババア」」と息ピッタリのツッコミありがとよ魅魔、ゆうかりん。
怒れるゆかりん17歳(笑)を藍が宥めつつ、苦笑を交えながら阿未は神綺にも話を伺う。「その跳ね毛は自分の意思で動かせるんですか?」と正直聞いてどうすんの的な質問であったが、「あ、これって何故か勝手に動くんですよね」と律儀に神綺は質問を返す。ってか自分でも把握仕切れてないのかよ。
魅魔には「失礼ですが脚はありますか?」と聞いていた。そして何故か俺の方を向いてニヤニヤしながら「悪霊だけどあるよ」とフトモモ辺りまで脚を見せたりしていた。ん、その蔑む様な目は何かね小傘。
で、ゆうかりんには「今興味のある事は?」て聞いており、何故かこいつもニヤニヤしながら「私より強い奴の存在ね」と、それはもうふざけた回答をしていた。救いだったのは俺の方を全く向いてなかったって事くらい。
そしてこの後も阿未は様々な事をここにいる面子に聞いていた。
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「あっちゃー、結局酔い潰れたか」
「まあ人里の者にしては頑張った方ね。藍、お願い」
「分かりました。では失礼して」
酒は飲んでも呑まれるな。縁側で猫の様に丸まった阿未を藍は優しく抱き上げそのまますき間に消えて行く。日が暮れ始めた頃の出来事だ。
他にダウンしているのは小傘。今はゆうかりんの膝の上で『スースー』寝息を立てながらぐっすりと眠っている。そんな小傘を何やら優し気な表情でゆうかりんは見つめている。同じ傘を扱う者の先輩として何か母性本能みたいな物を擽られたのだろう。
そんなある意味無防備な状態のゆうかりんを魅魔がからかって遊んだり、そして煽りを喰らった神綺がゆうかりんに睨まれて涙目になったり。
「さてと、私もマヨイガに戻らせて貰うわ。残った仕事を片付けないといけないしね」
「おう、頑張れよ。じゃ俺も帰るか。ゆうかりん、小傘いいか?」
「……しょうがないわね。起こさないであげてよ」
小傘をゆうかりんに頼んで俺の背中にそっと乗せる。ホント、大人しくしてれば可愛い奴なんだけどな。あ、化け傘には悪いが今は歩いて貰おう。ご主人様はお休み中だしね。
だんだんと薄暗くなってくる山道の中。俺は久々の帰路を辿った。
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