独自解釈という名の捏造、どんどん入ります。納得いかねー、と言う方は回れ右の方向を推奨します。
何がいけなかったのか。もう一度俺は振り返って見る。
道端に穴があった
↓
覗き込んだ
↓
足を滑らせ乙
……笑えよ。
でもまあ落ちたものはしょうがない。問題はその後にある。
気を失ってからどれくらいの時間が経った頃合いだろうか。ようやく目が覚め、とりあえず辺りを見回してみるも土ばから。そりゃ穴に落ちたのだからそうなのだが。また、上を見上げると真ん丸お月様が俺の事を見下ろしている。夜なんですね、分かります。
幸い穴はそう深くなく、手を伸ばせば何とか自力で這い上がれそうなもの。汚れるなど言っていられる場合でもなく、不格好ながらも地上に這い上がったのだが
「……どこよ?」
『知らない天井』何てかわいいもんじゃない。穴から這い上がったら知らない土地でしたとか、マジウケるんですけど。
誰かいないか仲間を呼んで見ても反応無し。マジ孤独。これで俺はなんかやる瀬なくなって冒頭。何がいけなかったのか。
∇
後悔からは何も生まれない。落ちてしまったものは落ちたんだからね。黒歴史として割り切ろう。だけど『穴から這い上がったら道端が森になってました』は無いだろ。
森。辺りを見回すと全面木。しかも自分の何十倍はあろうかってぐらいの。あれだな。俺に森の住人になれって神様は言いたいんだな。
「HAHAHA。全く神様には困ったものだね。……いらないから! マジそういう冗談とかいらないから! だから神様、俺を元いた場所に戻してくれよおおぉぉぉ!」
もちろん返答は無い。空しくも俺の魂の叫びは夜の森にこだまするだけ。……鬱だ。しかしいつまでも落ち込んでいてはいられない。不本意ながらこんな場所にいるが、別に自殺願望があるわけではない。とりあえずここがどこか分からない以上、安全だと言う保証は無いのだ。
というわけで寝る場所の確保。皮肉にも落ちた穴は割りと広い。土で汚れる何て言ってられるほど余裕は無い。今一度穴の中に入り目を閉じる。次目を開けた時に、全てが終わっているという事を信じて……
∇
「……だろうね」
おはようございます。本日もいいお天気ですね。空気も美味しいし空気も美味しいし空気も美味しいし空気も(ry
さて、現実という物は余りに残酷らしく、一人の青年の日常をも劇的に変えてしまうらしい(逆ビフォーアフター的に考えて)。
とりあえず朝飯を食べたい所なのだが、幸運にも木々には何やら果実が着いてる物もちらほら。手頃な物でピンクの球体っぽいのを食べてみると……うめぇ。多少酸味は強いものの昨日の夜は何も食べていないのだ。今は何食っても美味しく感じるのだろう。
「つかこれ求めて獣が来ないとも限らねぇよな」
三十六計逃げるに如かず。ある程度ピンクの果実を持ち、宛も無く森をさ迷う事にする。いや、狙いならある。
人を見つけるor飲み水を探す。前者は絶望的だとしても後者はなんとかしたい。つー訳で『一人森林クルーズ』を決行。手頃な木の枝を杖代わりにして出発。ちなみに方向は杖が倒れた方に真っ直ぐ直進。自身の少ない幸運に賭けてみたいと思う。
「いや、正直あの果実を手に入れた時はいけると思ったんですよ」
水場? 何それ飲めるの? 長い事歩いたけど周りは木ばっかり。太陽の位置も最も高い場所にあるという事は時刻もお昼時なのだろう。休憩を含めて朝採った果実を食べはじめる。うん、うめぇ。
「人が恋しい。一人こあい」
人間というのは淋しがり屋なのだ。俺とて例外ではない。自然に風化したのであろう、倒れた木を椅子代わりにして腰を下ろし、ふと考える。ここどこだよ。森っていうのは嫌って程分かった。そうじゃなくて世界と言った単位で。とりあえず日本……だと言いんだけど。
そんな願望を抱いた時だ。俺の耳に入ったのは微かなノイズ。それも俺が待ち望んでいたやつの。「休憩終わり!」と自分を奮起させその音の方に向かって走り出した。
「いい、『water』ウォーター。これが水よ!」
ろ過? んな必要ないほどにキレイに透き通った水。ここがどこか知らんがとりあえず湖に着いた。早速俺はそんな湖に躊躇することなく顔を突っ込む。
うまい。いや、潤うと言った方がいいだろうか。こんなにも満たされると感じたのはいつ以来だろう。
開放感。何だか知らないが心の底からスーッとした風が通ってる気がする。ただ水を飲んだだけなのに。
……今なら何でも出来る気がする。
「手始めに脱ぐか」
とりあえず脱いだ。
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