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種族資料  作者: 月雪 銀狼
系統別
16/26

魔物種 植魔系

イビルウィード

 蕾や花の部分が口のようになっていて、ご丁寧に歯まで生えている。基本的には大して脅威でもないのだが、手を出されると噛み付いてくるという……自衛手段を持つ雑草だ。

 口から種を遠くまで飛ばして増えるので割とどこにでもおり、その性質上庭師のような職に就いている者にはかなり嫌われている。

 基本的には弱いのだが……噛まれるとちょっと痛い。痛いと言うか鬱陶しい。

 秋口は噛み付きに加えて種飛ばしという攻撃手段が増えるが、これもそんなに危険度はない。目に入ったりすれば危ないのだろうが、大事な種を攻撃に使うのは連中も不本意なようで、滅多にやらない。

 引っこ抜かれると「ギピィッ!」と鳴く。


ウィスパーマッシュ

 西瓜ほどの大きさの、歩き回るキノコ。体当たり攻撃は大した事がないが、眠りの魔法を使うから若干注意が必要ではある。それから有毒の亜種にも注意する必要があるが……この辺はカサの色や模様で割と簡単に見分けが付くので問題は無い。


キラープラント

 殺人植物。

 根っこで歩き、枝で殴りつけてくるイビルウィードを巨大にして、凶悪にした感じの魔物。


トレント

 樹木を守る役割を持つ、木の姿をしたモンスターである。しかし同じ種族であっても、個々はさまざまな種類の樹木を思い起こさせるような姿をしている。

 森を巡りながら外敵が森に入るのを防いだり、時には木々にその方法を仕込んだりするほか、草むしりや種まきなどを行い木々の面倒を見る。

 性格は急くこと無く決断を下す際には慎重であり、重大な事柄については寄合を開いて決めるが、これもそう度々行われない。

 堅固な岩でもたやすく砕く力を持っており、弓矢も毒も効かないため、深手を負わせるには斧で立ち向かうか、火を放つぐらいしか方法が無く、倒すのは容易でない。


フオルン

動く木々や森。

言葉を理解し、話すことが出来る。

気性が荒く、危険。

フオルン達が移動する時にはその周囲に見通すことのできない闇が生じ、実際に移動する中にいても気づけない。


アスコモイド

 大きな卵形の海綿状キノコ。強力な眼力を持ち、スポンジのような感触である。また、内部は空洞になっており、毒性のある胞子のようなものがつまっている。

 胞子を飛ばしてきたり、転がって体当たりなどをして攻撃する。

 成長には光を必要としないが、湿った環境が必要となる。その為、湿度が高く食料源が多くある、あるいはうっかりした通行人が頻繁に来る場所に住む。

 彼らは棲み家を定めないが、ときに同じ場所を繰り返し行き来し、その経路にこれまでの犠牲者の骨を散らかすことがある。

 群れないことが一般的なモンスターではあるが、生息地が似通う為、時に致命的な集合となることがある。

 そのようなこれら巨大な茸の集落は他の生気のない植物の大洞窟の中に潜む。そして振動を看破する能力により、わずかな震えや潜在的足取りでも彼らは転がり、洞窟に隠れるものから肉の粉砕機へと転身する。

 アスコモイドに潰された者やその胞子の犠牲者はぞっとするような終わりを迎え、その死体は素早く育つ不屈の茸の苗床となる。

 アスコモイドの幼体であるカビは急速に芽吹き、一般的には24時間以内に芽を出す。48時間後、そのような犠牲者にはモコモコした茶色がかった緑色のカビが繁茂し、死体には拡散するカビが行き渡り、食べられてしまう。ひと月以内に、新たなアスコモイドがその汚らしい食いカスから形作られる。


モルボル

 複数の眼を持ち、触手に覆われた醜悪な姿で体中粘液で覆われており、悪臭を放ち、大口でなんでも食べてしまう食人植物。

 その「臭い息」を嗅いだ者は、身体に毒・暗闇・沈黙・混乱など様々な異常を引き起こし、油断しているとあっという間に倒されてしまう。

 「モルボル菌」と呼ばれる胞子状の寄生菌によって繁殖し、他の生物がこれを植え付けられると体の自由を奪われた挙句、モルボルにされてしまう。


アティアグ

 別名、オチュー。

 モルボルの亜種。

 体長は約2.4メートル、体重は230kgほどである。

 地下道の最も不潔な場所に棲息する汚らしいモンスター。

 膨れた体は殆ど口で占められており、卵形をした胴体部分に鋭い牙のついた巨大な口がある。脇や頂部からは2フィートほどの触手が3本生えている。うち脇から生えている2本は先端が木の葉の形をしており、鋭いトゲで覆われている。頂部に生えている残りの1本には2つの目玉があり、ここには視覚器官とともに嗅覚器官もある。

 肌の色は褐色や鼠色で、汚物に埋めて身を潜めるに格好の迷彩となる。

 アティアグは1年に1ヶ月ほどつがいになり、メスのアティアグは30日ほどでヒルのような幼体を出産する。幼体のうちは母親の血液を吸って生活するが、やがて生きる技術を学習し1年ほどで親離れをする。完全な成体になるのは5歳ほどである。

 通常、地下の汚物溜まりで、汚物に身を埋め感覚器官のある触手の先端だけを出した状態のままじっとしている。普段は汚物や腐肉を食するが、他に何もない場合や襲われた場合は生きた者も襲い、腐肉にしようとする。

 モルボルよりは臭くないが、そのぶん触手の攻撃が多彩。

 戦闘になれば、長い触手で獲物を絡め取り、大きな口で噛みつこうとする。非常に不潔な生き物であるアティアグの攻撃でダメージを受けると、酷い病気に感染してしまう。殺した後、屍体は汚物溜まりの中に埋めて腐らしてから食しようとする。

 知性がないように思われるが、言語能力はあり、臭いを発することで仲間同士の意思疎通をする。

 餌をくれる者たちを襲うことはなく、護衛することもある。



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