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番外話・短編集
短編集
 誕生日


  2006年6月4日 海鳴市 市内 八神家


「はやて、誕生日おめでとう。これ、プレゼント」
「わぁ…ありがとうございます。開けてもええですか?」
「あぁ。感想は聞きたいからね」

 はやては紙包みから中身を取り出す。
中から出てきたのは細かい装飾の入った手のひらサイズの黄金長方形の木の板。
中心には青い石が嵌っている。

「…綺麗…」
護符(タリズマン)だ。手製で悪いが、気に入ってもらえただろうか?」
「はい! とっても嬉しいです!」

 今日ははやての誕生日、ついでに守護騎士(ヴォルケンリッター)が来て一周年の記念も兼ねてのパーティー。
去年とは違い、なのはやフェイト、アリサやすずかもいる。

「御剣さん、でもええんですか?? なんや真ん中の石、えらい高そうなんですけど」
「ただのオドントライトだ。そこまでの値はしない」
「オドン?」
「オドントライト。6月4日の誕生日石でもある」
「へぇ~。大事にしますね」
「あぁ」



 桃

 
2006年7月27日 海鳴市 市街地 御剣古美術店


 店の奥に、御剣とはやてがいる。
御剣が客足が一段落ついた所で、はやてを店の奥に招いたのだ。

「しかし、良い時に来たな」
「何ですか?」
「桃だよ。取引先から戴いたんだ。ほら」

 瑞々しくたわわな桃が5つ深めの皿に盛られている。
大きくて張りも良く、歪みも傷もない、立派なものだった。
その見た目に違わず、甘い香りがふわりふわりと辺りを漂っている。

「少し待て。今剥いてくる」
「え~と、そのままじゃ駄目ですか>」

 はやてがばつが悪そうに言ってくる。

「そっちの方がいいか?」
「いえ、やった事無かったんで…」
「わかった。どちらにしろ、洗って来よう」

 程無く、産毛を落とされた桃を2つ持って御剣が戻ってくる。

「ほら。お絞りもここに置いとくぞ」
「あ、ありがとうございます」

 御剣は桃の皮を軽く摘まんで手前に引く。
良く熟れた実は、少し皮をつまんで引くだけでするりと剥けて行った。
あっけ無く剥かれた薄いベルベットの様な皮の下には、濡れた肌の様に淡く光る果肉が有った。
大きく口をあけてかぶり付くと、甘い汁がすぐさま零れ出る。
繊維を含んだ、とろけるような舌触りの果肉を頬張っては嚥下していく。
あふれ出て滴る汁を、まるで口付けでもするように唇ですする。
大方を食べ終え、種を口に含んだところで、はやてがこちらをぼぅっと見ているのに気づく。

「…食べないのか?」

 はやての持っている桃はまだ半分も減っていない。

「え? あ、た、食べます!」
「ん?「チリン チリン」っと客か。すまん。ちょっと行ってくる」

 そうはやてに言ってと種を吐き出し、お絞りで口を拭って店に向かう。

                         ◆

 …あかん。
今たぶん私、顔真っ赤や…
自分でも顔に熱が篭っているのがわかる。

「…何やろう…」

 呟きながら桃に齧り付く。



 苦手


  2006年5月15日 海鳴市 市街地 御剣古美術店


「こ、こんにちは!」
「ん?なのはか。一人で来るとは珍しい。
 少し待て。目録をまとめ…終わった。で、何か用か?」
「え、ええと…」
「模擬戦ならもうやらんぞ…そうか、それがあったな」
「え?」
「いや、以前の事、謝っていなかったな。申し訳なかった。
 過去を覗いた上、それを使って弾劾してしまって」
「あ、いえ。本当の事ですから。
 私が嫌われたくない、っていうのも、良い子を演じていたっていうのも。
 でも、御剣さんと模擬戦やってよかったと思ってます。
 フェイトちゃんとも、もっと仲良くなれたし」
「…そうか。こちらはぶん殴られてもしょうが無い、と思ってたんだがな。
 で、何の用だったんだ?」
「はい! 私と模擬戦してください!」
「…全力で?」
「はい!
 私とフェイトちゃんとクロノくんとはやてちゃんと守護騎士(ヴォルケンリッター)の皆さんとで!」
「…いや、それはもはやイジメだろ…」

 …遠慮が無くなっただけか?



あとがき(と言う名の言い訳):短編集です。
本編考えてる時に思いついたネタをつらつらと書いただけです。

誕生日

黄金長方形は1:(1+√5)/2の長方形です。
名刺とかにも使われてます。
オドントライトはトルコブルーの石。
石言葉は攻撃と防御。
護符は、はやての為に御剣がメディアの技術で作った、安心の御剣ブランドです。



桃は官能の果実。


苦手

O☆HA☆NA☆SHI後日談。


こんな感じです。
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