Half-Devil-Sisters〜半魔な妹〜(25/30)縦書き表示RDF


Half-Devil-Sisters〜半魔な妹〜
作:光瑠



第25話 〜浴衣〜


「……悠、お前やっぱり馬鹿だろ……」

 僕の隣に座っている……と言うより、寝転がっている悠を見る。
 ちなみにここは食堂です。
 恐らく悠には学習能力が皆無なんだな。
 鳥の脳よりも記憶力が弱いに決まってる。

 「悠がこれでは……祭りに行けないが……」

 「うぅ……俺も行きたいよぅ……皆の浴衣姿が見たいよぅ……あ、でも陵のは見たくないぞ」

 夕飯で腹をぱんぱんに膨れさせた悠がなにか言っている……。
 つーか浴衣なんて着る気無いわ。お前に見せる気もない!
 って言うか、誰かに見せる趣味はない!

 「お前ちょっと黙れ」

 ありったけの殺意を込めて悠を睨む。
 ……って、こっち見てない……。

 「お兄ちゃんっ! 大丈夫ですっ! ボクはお兄ちゃんの浴衣姿が見たいですっ」

 「いや、見なくていいです。つーか浴衣なんて持ってきてないだろ? 祭りは普通の服で行こう」

 「あ、俺を置いてく事は決定事項?」

 悠は再びこちらを見てる……もう一度!

 「どうせ動けないだろ? それにお前、祭りに行ったら行ったで、犯罪行為をしそうで……」

 「……ぷいっ」

 わざわざ擬音を出すな……正直気持悪い。
 なんだよ『ぷいっ』て。

 「…悠さん気持悪い……」

 ありがとう、シフォン。
 ありがとう、僕の心の代弁者。

 「ふっ……安心しろ! 浴衣なら既に用意してある! 梶原! 浴衣をここに!」

 「かしこまり」

 「……梶原?」

 「誤解なさらないで下さい。これは最近一番流行っている接客の返事なのです」

 いや、流行ってないですよ? それ。

 「ふむ。なら仕方がないな。屋敷の者にも徹底させろ」

 仕方なくない! 小夜の屋敷、おかしな事になるぞ!?

 「かしこまり」

 かしこまらないで下さい!
 あっ、どこ行くんですか梶原さーん。

 「ふっ……これでよし。時代のニーズに付いて行けないようでは五十鈴家として失格だからな」

 「何かが間違ってる……何かが間違ってるぞ……? 小夜がそれでいいっていうならそれでいいけど……結局梶原さん何しに来たんだろうな?」

 「それはもちろん浴衣を……って、あれ?」

 梶原さんは帰っちゃったし。

 「そ、そんな……浴衣が無い……誰がこんな事を!?」

 誰も何もしてないからね。

 「あ、お嬢様、こちらを忘れていました」

 「梶原戻ってきた!」

 「陵様……呼び捨てでも構いませんが……いきなりですと違和感が拭い切れませんね」

 「あ、すみません、つい……」

 「梶原……老いたか」

 「え!? い、いや、そんな事はありません! この梶原、若返る事こそあれば老いる事なぞありません!」

 梶原さん動揺。
 梶原さんにとって老いは恐怖か。
 って言うか若返れるんだ。凄いです。はい。

 「そんな事より浴衣をくれ梶原」

 「そ、そんな事……い、いや、分かりました。こちらを」

 さすが執事……。
 あんな事呼ばわりされても仕事第一か。

 「と、言う事で着替えて来る。鈴、シフォン、行こう。……陵、覗くなよ?」

 「いや、覗かないから。僕だって命は惜しい。……って、なんで僕だけ?」

 「悠は立ち上がれんだろう。立ち上がったとしてもどうなるかは……分かっているがな?」

 悠を見下ろしにやりと笑う。
 あぁ小夜さん、黒い、黒いよ。黒いオーラが全身から立ち上ってるよ。
 これで高笑いとかしたら完璧悪役だね。

 「……なにか言ったかな? 陵?」

 「い、いえ、滅相もございません!」

 そ、その笑顔で話かけないで下さい!




○○○




 「待たせた」

 「おまたせですっ」

 「…どうでしょう」

 着替が終わったのか。
 再び食堂に戻ってきた小夜たち。
 ……おぉ、これは……。
 三人とも浴衣に着替えて髪もあげている。 鈴は肩までしかないからまとめてないけど。
 みんな綺麗だ。

 小夜は黒地に花の模様が描かれた浴衣。
 花は……なんだろう、すずらんだろうか。
 白い花が黒によく映える。
 髪はポニーテールより上の位置でまとめあげている。

 シフォンは白地に紫陽花〈アジサイ〉が彩られた浴衣。
 完璧な白地と言うより、端に向かうに連れて水色のグラデーションがかかっていて、淡いイメージだ。
 髪はツインテールにしてある。
 可憐、という言葉がよくあう。

 そして鈴。
 鈴は藍色にアサガオという浴衣。
 髪は左側だけ編み込まれ、後は流している。
 涼しげなイメージがある。

 「みんな似合ってるなぁ……」

 「ありがとうですっ」

 「…ふふ、ありがとう……」

 「誉め言葉としてはまだまだだが……まぁいい。行こうか」

 「ん、そうだな。悠は寝てるし。うるさくならない内に行こう」


お久しぶりです。
がんばりました。左手で。

骨折してましたのでしばらく更新できないかもです。

申し訳ない…
直ったら再びがんばりますねー

ではでは、十叶ひかるでしたー






ネット小説ランキング>現代コミカル部門>「Half-Devil-Sister〜半魔な妹〜」に投票





ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう