第24話 〜休息〜
「あー……疲れたな」
まだ明るいが、それなりに日の落ちてきて赤く染まった空を見上げて言う。
「同感だ……今日はもう旅館に戻ろうか?」
「えー! もうちょっと遊ぼうぜー! まだ明るいしさ!」
「こういう人が旅行先で体調を崩してみんなの足を引っ張るんですね!」
「…後先考えずに好き放題するからツケが回ってくる。…因果応報……だね」
「いや……だから、俺なんかしたっけかな……?」
「……」
「おい!? だからなにも言わず肩に手を置くな! おい!? 目をそらすんじゃない陵!」
「まぁ、まだ明日もあるし、今日の所は早めに帰ろう」
「うむ。そうしよう」
「いいさ……俺なんてさ……」
あ、なんか悠の周りだけ空気が淀んでる……?
とりあえず放置して歩き出すと、悠は涙目で付いてきた。
それから海の家でシャワーを浴び、着替えて旅館に帰ってきた。
「それにしても……帰ってきたはいいが……夕飯まで暇だなー」
時計を見ると、まだ夕飯まで時間がある。
「定番のトランプがあるけど……やるか?」
悠の手には年季の入ったトランプが握られている。
相当使ってるんだな……。
「悠……お前は小学生かよ……」
「え? いや、だって旅行先でするゲームって言ったらトランプかウノ位しか無くね?」
「確に旅行先にPS2を持ってくる馬鹿はいないだろうな」
「……」
「ん? 陵、なんで部屋の隅で体操座りなんてしてるんだ?」
ふふふ……いいんだ。
持ってこようとは思ったけど持ってこなかったから……。
壊れたら我が家の経済に大打撃だからな……。
「…私……馬鹿じゃ……ないもん……」
「シ、シフォン? 何故君まで体操座りを……」
「小夜……人には触れてほしくない所があるんです。そっとしておいてあげてください」
「そう……だな……」
「なぁ、トランプ、やんないのか?」
「悠……君はあえて空気を読んでないのか?」
「小夜、悠さんに言うだけ無駄ですよ」
「いや、だから……俺なんかしたっけかな……」
「しただろう」
「しましたね」
「……はい、ごめんなさい……」
○○○
「いいものを見付けてきたぞ」
「ん?」
「ほら、これを見てくれ」
小夜の手に握られていたのは一枚の紙。
そこに書いてある文字を読む。
「宇津美島夏祭り……ネーミングセンスの欠片もないな」
「そこは『文化を感じさせるネーミングだ』とでもいってあげればいいだろう?」
「…どことなく古くさい」
「あ、でも俺こう言うの好きだぜ」
「古くさい人間がここに一人ですっ!」
「え? 俺、古い? オールドタイプ?」
「そもそも人類に当てはまってるのか? ……とまぁ、それは置いといて、行ってみるか?」
「そうだな。夕飯を食べた後にでも行ってみるとしよう」
「…行ってみたいな」
「ボクもですっ」
「よし、じゃあ夕飯食べに行こうか」
「そうだな。ちょうどいい頃合いだ」
「さ、行きましょうっ」
「…お腹すいた」
ぞろぞろと部屋をでていく。
「俺を忘れないで!?」
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