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ユニークウェポンモンスター

「じゃあどうやって……?」

「その前にユニーク武器の説明をさせていただきます」


 で、教官がユニーク武器の特徴を色々と説明している。

 そりゃあ戦い方がわからない状況で、該当の武器を装備したら頭に戦い方がわかると来た物だ。人気だってあるだろう。


「もちろん、十分に修練さえ積めば能力なしでも同等の動きが出来るようになります」

「確かに……かなり有能な能力を授けてくれるんだろ?」

「クマ子ってパラサイビークイーンを瞬殺するくらい強かったし……」

「羽橋もボクサーグローブ使えば良いんじゃ……」

「シッ!」


 と、クラスメイトが気を使って黙りこむ。

 俺はめぐるさんの形見の剣を使って行くと決めたんだ。

 だから、引く訳にはいかない。


「この魔物のテイミング方法はまず、群れのボスを相手に同じ武器で戦い、撃破した際に相手に強いと認めさせ、服従させる事です」


 みんなが俺の方に視線を向ける。

 ……あれ?


「羽橋、なんか違うっぽいぞ?」

「いや、毎回命乞いをしてくるけど……」


 服従させるって……俺が強いんだ、ついてこいってボスに言えって事か?

 そんなシンプルな方法で仲間になる訳?


「あー……俺も見たな」


 という意見がチラホラ。


「ユニーク装備って優秀そうに見えたんだが……能力低めだし、使用しなかったな」

「剣を持っているボスと戦った事があるが、そんな事無かったぞ?」


 と、手を上げたのは依藤だ。


「説明が不十分でしたね。この魔物の武器を手に入れる事が出来ない方がいます。貴方の能力は剣を使う物ですか?」

「はい」

「なるほど、このユニークウェポンモンスターはどういう訳だが該当の能力に近い能力者には武器を落とさないという法則が存在します。将来発現する可能性のある方も入手不可能だそうです」

「重なるから必要性が無いと判断されるって事か……」


 戦闘組もやり辛いって事なのかなぁ?

 剣術系とかのユニークウェポンとか戦いやすくなりそうだものなぁ。


「このボスの出現期間が色々と種類によって分かれます。戦闘向けでは無い能力を授かった方は戦いやすさから、狙う事をお勧めしますよ」

「あの……仲間にした魔物に戦ってもらうって事ですか?」

「いえ? テイミングした魔物に武器化を命じて使用して行けば良いでしょう」

「ガウ?」


 クマ子がグローブの姿に変化する。

 ああ……その姿で戦う方向か。


「もちろんユニークウェポンだけが目的の場合、ボスにトドメを指せばテイミング無しで入手する事も可能です」


 俺以外のユニーク持ちもいる理由だな。

 俺だって最初はそうやって手に入れた訳だし。

 しかし……ボスを仲間にする事が出来るのか。


「ガウー」


 クマ子がグローブからクマに戻る。

 今のクマ子よりも倍くらい大きなクマが加入……。

 あの時のガムを噛んでたベビーブルーパンチングベアーのボスを思い出す。

 いやいや……アイツはちょっとな……。


「俺に付いて来たのがお前で良かったよ」

「ガウゥ……」


 クマ子が滅茶苦茶照れている。

 やはり言葉がわかっている様だ。


「羽橋の話じゃ、ボス以外もテイミング出来るみたいだけど?」

「中身の無いユニーク武器を該当の気に行った魔物に渡す事でもテイミングが可能だそうです」

「なるほど」

「コイツ、グローブ無しだったんだけど」

「ガウー」

「群れに武器なしの個体がいるそうですね。話によると懐き度に違いがあるそうですよ」


 ああ、生まれ付き持っていないのを授けてくれたからって事?

 だからクマ子は俺に懐いてくれているのか……。

 元々は嫌々俺のセコンドをしてくれいたのかもしれないし。


「ガウー」

「ああ、はいはい」


 自分が注目されて照れてるのか、さっきからずっと俺にじゃれかかってくる。

 説明の邪魔にならない様に撫でてから静かにしている様に命令する。

 するとクマ子は静かに座って大人しくなった。


「注意事項として、ユニーク武器の強化時、該当のユニークウェポンモンスターのボスとの戦闘で敗北した場合、武器を奪われて使用不能になるので気を付けてください」

「魔物の方は?」

「そのまま継続して仲間として行動してくれますが、技能にロックが掛ります。復帰させる場合は、敗北したボスと同等の相手に同様の武器で勝利する事だそうです」


 色々とよくわからない法則が存在する魔物みたいだ。

 あの生物達はそういう魔物だと割り切るしかないな。


「優秀な能力を授けてくれるユニークウェポンですが、難点もあります。特定の動作を禁止する事も多いので、対人等では弱点とされて使われない事もあります」

「あー……背面攻撃や蹴りが出来ないな。グローブ使うと」

「そんな難点もあるのか……注意しないといけないな」

「でも使わない手は無い。狙って行きたいぞ」

「気になる方は、該当のユニークウェポンモンスターを事前にお教えしますので、後ほど個人相談を致します。いつでもお聞きください」


 そんな説明を受けてから俺達は出発する事になった。

 魔物の飼育に興味のあるクラスメイトもいるし、ユニークウェポンの調達に興味のあるクラスメイトもいる。

 なんでもクマ子が色々な面で人気があるらしく、みんなも仲間にしたいそうだ。


 そういや茂信もまだ見習いに近いのに防具の注文の方が多めだって説明していたな。

 この世界の連中ってクマ子みたいなユニークウェポンを収集する事を目的に冒険しているのだろうか?


 ともかくそういう訳で、俺は近いLvのクラスメイトと国の紹介した騎士と冒険者と一緒に、三日くらいの魔物退治の仕事をする事になった。


「羽橋幸成です。よろしくお願いします」

「ガウー」

「よろしくお願いします。ハネバシ様」


 ネットゲームとかで言う所の臨時パーティーって奴かな?

 代表の騎士は……ラムレスという名前だ。

 槍使いの騎士って感じで、顔は割と良い方じゃないかな?

 育ちが良さそうなイケメン。パッと見は年上だ。

 金髪だし、本当俺達は異世界に来たんだと自覚させてくれる。

 ラムレスさんから一応、連絡先とかを教えてもらった。

 優先順位は高めで応答してくれるそうだ。


 そんなこんなで三日程、Lv上げの旅に出る事になった。

 森から出て、そこまで詳しく見聞きしていた訳じゃないから、異世界の風景ってのに目を向ける。

 石畳の道、城下町から出ると、果てしなく広がる草原。

 遠くには山が見えたりする。

 山の造詣が日本と少し違っていて、異世界って雰囲気だ。


「ガウ」

「ああ、わかってるって」


 なぜか俺はクマ子の背中に乗って行く事になっている。

 クマ子はどうも俺を乗せたがるんだよな。


 さて、そこまで遠い場所までは行かないそうで、ちょっとしたハイキングって感じに山奥へ行くそうだ。

 山奥で出てくる魔物の討伐が今の俺達の仕事となった。

 ちょっとした狩りの気分だ。


 上には上がいるらしいけど、今の俺達よりもちょっと強い……茂信の装備があったら楽勝だろうって所へ行く感じだ。

 旅は順調だな。

 クマ子が元気過ぎて、むしろクラスメイトや冒険者と騎士が疲れるくらいだった。


「食事とか物資を取り寄せしたかったら言ってくれ」

「ガウー」

「ハネバシ様は転移の能力でしたか。確かにそれは便利な能力ですね」

「取り寄せも出来るから、茂信の工房に置いといたモノなら持って来れる。言ってくれれば良いから」


 便利と言われる代わりに戦闘向きじゃないんだけどさ。

 とはいえ、戦闘だけが評価される訳じゃない。

 ここが今までと違う事を自覚させてくれる。


 そんな調子で必要な物があったら俺が取り寄せる形で、その日は山奥まで移動して魔物退治を行った。


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