妹
今日は間違いなく月曜日だ。
携帯電話でちゃんと調べた。
言っておくが携帯電話を弄って月曜日にはしていない。
結局何も変わらないのだから……
さて、今日も俺が来るのを待っている学校に行くか!
「お兄ちゃん。はい、これ飲んで」
妹の八神 美代が白い飲み物を突き出す。
読者に説明……
美代は俺の妹。
小学生。
髪は桜色で短髪パーマをしている。
身長は114センチ。
……さて、説明はこれぐらいにしとこう。
「ありがとう。これは牛乳?」
美代が首を横に振る。
「違うよ。お茶だよ」
「……なんでっ!? これお茶という概念に反してるよ!?
少なくても家には無いよ!!」
「飲んでくれないの?」
「頂きますっ!」
白い飲み物を一気に口の中に入れる。
あんな涙目でやられたら断れないだろう。
断れる奴出て来いやっ!
泣いている姿を可愛いと思ってしまったのは秘密だ。
……ネトってした! 現在進行形でネトネトしてる! これ一体何なの!? 怖いっ! 妹が怖いっ!
俺を暗殺しに来たのか!?
……ってこれ暗殺にはならないね。
色んな意味で……
必死に飲み込む。
これ飲み物じゃないよ!?
喉に纏わり付く。
吐きたくても吐けない。
美代が見てるし纏わり付いて喉から上に上がって来ないし。
……飲み込みました!
なんとか飲み込めました!
なんでだろう……かなり達成感がある。
涙まで出て来た。
これが苦しさの奥の喜び。
「これ何?」
「お茶だよ」
違うだろっ!? ってツッコミたいが泣く事になりそうなのでツッコまない。
「藍果お姉ちゃんがお兄ちゃんにあげたら喜ぶって言ってくれたのに喜んでない」
美代がまた涙目に……させるかっ!
「かなり嬉しいよ! ヤッホー! バリ嬉しい! 最高ー!」
「……ホントに?」
「当ったり前じゃないかぁ! もう美代最高!」
「良かった……でも、藍果お姉ちゃんが持って来たんだけどね」
落ち込む美代。
さすが俺の妹、扱いにくいっていうか面倒くせぇ!
クッ、これも藍果のせいだ!
さて、読者にも説明しないとな……
藍果というのは倉瀬 藍果。
俺とは幼なじみだ。
あの日から会ってはいない。
何かある時は美代を通す。
決して俺とは直に会わない。
あの日から会うのが気まずくなっただけ、それでもこうして俺を虐めて来るのだから元気なのだろう。
この話はまたいつかするだろう……多分。
俺は美代の頭を撫でてから家を後にする。
あの白い飲み物は追求しない事にした。