【告白】について
Hiratuka SIDE
「……なんか最近、変な登場があるわよね」
2-Fの前の廊下で、私(平塚 優)は最近のこの小説について相沢 紗耶、松本 夢祢、芹沢 麻由美、そして終始喋らないであろう平山 海琉との美少女組で談議していた。
「そんなの仕方ないじゃねぇか。そういう〇色しないと読者も飽きるだろ? てか今、着〇(ピー)の所ピー入れたの誰だ! ああ! また〇色の所に! また!? なんでだ!?」
相沢が禁止ワードを連発しながら抗議していた。
「仕方ないよ。作者にとってそれは禁止ワードだから」
芹沢が宥める。
「なんで着〇(ピー)が禁止ワードなんでしょうか? あ、私もなりました」
松本が可愛く首を傾げながら尋ねているのに私は答える事にした。
「読者はこの小説が本当に行われている事だと思ってるから夢は壊さない様に……ってやつよ。いわゆるサ〇タ(ピー)と同じよ。……これも駄目なのね……。このピームカつくわね」
伏せ音に苛立ちながら話を進めようと思ったが止める事にした。「それに、伏せ字あるからいいじゃない」
「一応、二重にしとこうぜ、みたいなノリだろ」と相沢は言うが私は腑に落ちなかった。
「私達かなり制限されてないかしら?」
「そうだよなぁ」
私に相沢は肩を落としながら同意する。
「でも、同じ所を伏せているだけですから問題はないと……はうっ、ごめんなさい」
私が一睨みすると松本はすぐに頭を下げて謝った。
しばらく沈黙の渦が流れていると芹沢が人差し指をピンと立てて口を開く。
何か思いついたようね。
私は心の中で呟いた。
「じゃあこういうのはどうかな? 編集長に他社に行っちゃうぞ~とか脅しを掛けるとか」
「それは大して意味はないわね。私達の小説が会社間にとって脅威になる程人気がある訳じゃないわ」
「では、編集長を人質に取ってせめて伏せ音を無くす様に言うというのはどうでしょうか?」
「……今さらっと黒い事を言ったわね」
私達(平塚、相沢、芹沢)は松本に素でひいていた。
平山は相変わらず無表情で何を考えているのか読めないわ。話を聞いていない様には感じないのだけど……。
松本は私達の対応に訳が分からず首を傾げていた。
そろそろ本筋に戻すべきね。
私はそう思い話を戻した。
「それで、【告白】に出ていたいかにも危なそうな男を描いたのは誰かしら?」
私の質問に挙手する者がいた。……その人物は松本だった。
「何なのあの危ないキャラは……。本当の事ではないわね?」
静かに俯きながらしっかりと頷く松本。
「……よくやったわ」
「……えっ」
私は松本に微笑んで見せたが松本はそう言われるとは思わなかったのか顔を上げて驚いた表情を見せている。
「八神にはああいう人がお似合いだわ。ついでに聞くとあの男の名前は考えてあるの?」
「あっ……はい。……夜次加です」
「そう……。リアルに出たら面白いわよね」
私は企みを含めた黒い笑顔を皆に見せ付けた。
もちろん皆は対応仕切れていなかったわ……
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