告白
??? SIDE
カタカタカタ……カタカタ……カタ。
俺はあの男の部屋を見つめている。
あの男の部屋で一人の男がパソコンと向き合ってブライドタッチをしている。
パソコンを打つ音だけが部屋に響く。
男の見た目は高校生ぐらいだ。でも誰かを判別するには情報が少なすぎる。
男は時々ニヤついていた。たまに声に出して「ぐふふっ」と言っているがこちらに届いている音が途切れ途切れで音声認識も出来ない。
「くそっ!」
俺はムカついて近くにあった机を殴りつける。
机を叩いた音が男とは向かいのマンションの俺の部屋で鳴り響く。
「いつもあともう少しの所で駄目になる……くそっ!」
俺は昔の古い盗聴器を叩いて「しっかりしろ」と呟いた。
「これさえ出来たら俺は人の上に立てるんだ。その為にもあの男の声を録音しないといけないんだ。頼む、しっかりしてくれ」
俺の耳には男がパソコンを打つ音しか届かない。
……俺にだってわかってる。盗聴器に何かを言った所で何も返しが来ない事ぐらい。それでも言わないと堪えられないんだ。
あの男の部屋を盗聴してからどれくらい経っただろうか? もう軽く五ヶ月は経っている。それしか俺にはわからなかった。
いつからだろう? 毎日めくるカレンダーをめくらなくなったのは。
いつからだろう? 毎日応援のメールが来るはずなのに途中でぷつりとメールが途絶えたのは。
いつからだろう? 親の顔を忘れたのは。
いつからだろう? あの男の顔が見飽きなくなったのは。
いつからだろう? 男を見ると恥ずかしくて顔を背ける様になったのは。
いつからだろう? この気持ちに気付いたのは。
いつからだろう? 俺が悟ったのは。
いつからだろう? あの男が俺に気付いているとわかったのは……
Haya SIDE
「ふぅ~」
一息ついて背伸びをする。
「執筆も疲れるなぁ」
肩を回してほぐしながら呟いた。
字余りだから読者に告白しよう。
この小説。「俺のハーレム集合っ!!」を作っている人は……この俺だっ!
今さっきまでそれを書いていた。
某SIDEの所は優達が書いていたりする。俺の美少女は俺が俺達の事を小説にすると聞いて……「じゃあ、私達で付け加えたりしたいから投稿する前に私達に見せてよね」と言ってきたので某SIDEは優達が書いている。
ついでに言うと俺は何を書いたのか全くわからん。
俺は美少女の言葉は信じるから見る必要はないがやっぱり気になる。俺の美少女は一体何を書いているんだか……
大きなため息をついてからパソコンを打って執筆を開始する。