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戦国小町苦労譚 作者:夾竹桃

小話 其之壱

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よろしい、ならば戦争だ

ヴィットマンをアルファオスとした彼の群れは、アルファメスのバルティ、子のカイザー、ケーニッヒ、アーデルハイト、リッター、ルッツの計七匹で構成されている。
どの個体も小氷河期が影響してか大型に分類されるほど成長していた。特にカイザーは親のヴィットマンを超えるほどだ。
カイザーだけ大きくなった理由の一つに、親のヴィットマンと位置争いをした事があげられる。
勿論、地位ではない。静子が昼寝をする時のベストポジション争いである。
群れ社会に入って以降、特に静子に可愛がられた(と彼は思っている)カイザーは、獰猛な風貌に似合わず非常に甘えん坊な狼に成長した。
それは成体になっても変わらず、むしろ成体になってパワーとスピードが付いた分、甘えん坊な性質はより強くなった。

赤子から社会性を持つまでは母親、群れの一員となってからは静子に、ととにかくカイザーの性格は甘えん坊である。
親のヴィットマンから大小あれ、その甘えたがり性質は子ども全員に引き継がれていた。
だからこそ、彼らはベストポジションを求めて争う。

彼らのベストポジションとはどこかというと、それは静子から見て左側だ。
他にも頭や足元など別の場所もあるが、彼らにとって至高の位置とは左側なのだ。
逆に右側は不人気である。その理由が、静子は寝ている時右腕を余り動かさないからだ。
なおオスどもが左側を巡ってバトルしている時、バルティはちゃっかり右側を占拠していたりする。

彼らがどれだけ望んでも左側は一匹しか寝転がれない。
それを決めるのにヴィットマンの群れは独特の方法を取っていた。それはトライアスロンである。
ルールは至って単純、静子の家から村を一周する形で走り、最初に帰ってきたものが左側に寝転がれる栄誉を手に入れる。
この時ばかりは群れの階級など関係ない。全力で挑み、勝利したものにのみ玉座に伏す栄誉を与えられる。

「今日こそベストポジションは頂く」

「よろしい、ならば戦争だ」

なんてやり取りがあるかは不明だが、今日もまたヴィットマンたちは寝転べる権利を求めて熾烈な戦いを繰り広げる。
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