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戦国小町苦労譚 作者:夾竹桃

元亀四年 室町幕府の終焉

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千五百七十三年 六月上旬

「へくちっ! うう……、誰か噂しているのかな?」

慶次が虎太郎と酒盛りをしている頃、ユダヤ人の少女『紅葉』を伴って信長の許へと向かっていた。訪問の目的はマンゴーが収穫期を迎えたため、まず信長に献上することにしたのだ。
マンゴーは比較的足の速い果実である。現代の環境であっても冷蔵で数日、冷凍であっても二ヶ月程度しか鮮度を保つことが出来ない。
気軽に冷蔵施設を使用できない戦国時代だけに、作付け時期をずらして実施し、収穫時期がばらけるように工夫をしていた。
しかし、今年は静子が三方ヶ原の戦いの準備に忙殺されたため、細かい指示を出すことが出来ずに一括で作付けをしてしまった。
そのため同時期に大量のマンゴーが登熟することとなり、需要量を供給量が上回る現象が発生していた。

価値が未知数であるため、安易に流通させるわけにもいかず、かと言って腐らせるのも勿体ない。
何か良い処分方法を考えたところ、思いついたのが新築祝いにかこつけて招待客たちへの振る舞いだった。
現代ならば生食以外にもマンゴーチャツネやジャムなどに加工することで長期保存も可能だが、いずれも大量に砂糖を使用する上に、チャツネに至っては貴重な胡椒や他の香辛料なども必要となる。
まだまだ砂糖や香辛料が貴重な戦国時代ではコスト的に諦めるほかなく、多くの人が集まる新築祝いで生食して貰うのが最も有用な消費方法だと考えた。

「ごめんね、運ぶのを手伝って貰って。皆、上様相手だと萎縮しちゃってね……」

「だ、大丈夫、です」

紅葉は気丈にも小さな握り拳を静子に見せて、やる気がある事をアピールする。
本人は気合を入れているようだが、静子には頼もしさよりも子供特有の愛らしさしか感じることが出来なかった。

「おや、あの一団は」

曲がり角を曲がった所で、静子は見覚えのある三人を見つけた。徳川家家臣の忠勝、半蔵、康政だ。相手はこちらに気付いておらず、酔い潰れている忠勝に肩を貸して歩いていた。

「この部屋で良かろう。では行くぞ」

「うむ。せーの」

かけ声とともに半蔵と康政が、またしても酔い潰れて酩酊状態の忠勝を部屋に投げ入れた。
正に放り捨てるという表現がぴったりくるほどに手慣れた所作であり、投げられる忠勝への配慮に欠けていた。
一応、忠勝が無事に寝ているのを確認し、半蔵がため息を吐いた時、二人はこちらを眺める静子たちの存在に気付いた。

「これはこれは、静子殿。お見苦しいところをお見せしていしまいましたな。はて、何やら奇妙な物をお持ちですな」

「なんですとー!」

半蔵が静子へ声を掛けた途端、突如覚醒した忠勝が一声叫んで飛び出した。
忠勝を放り投げた部屋の外は、縁側を臨む廊下になっており、部屋に背を向けていた二人は忠勝の突進をまともに食らった。
いきなりの事に二人とも受け身すら取れず、突き飛ばされた勢いのまま縁側から庭へと顔面からダイブした。
それだけに(とど)まらず、忠勝は予想外の激突に足がもつれ、前のめりに廊下を舐める。
顔から庭に落ちて海老反りに倒れる半蔵と康政、顔でブレーキを掛けたことにより悶絶している忠勝。
ごくありふれた廊下での立ち話が、阿鼻叫喚の地獄絵図に塗り替わった瞬間だった。
体面を重視する武士にとって、余りにも不名誉な惨状を見て、静子はそっと紅葉の目を手で覆う。

「皆、立場のあるお方だから、今見たことは忘れるように」

「は、はい」

静子の言葉を素直に聞き入れた紅葉は、静子が手を離すと自身の手で己の目を覆い、周囲の光景を見ないようにした。
静子が再び忠勝達の方へと視線を向けると、忠勝に突き飛ばされた二人が立ち上がり、忠勝と取っ組み合いの喧嘩を始めていた。

「あれは、止められないよねえ」

酔漢とは言え、猛将三名の取っ組み合いだ。
静子のような女が止めに入っても、簡単に吹っ飛ばされるのは目に見えている。いつ終わるのだろうか、と静子は思ったが、決着の時は意外にも早く訪れた。
忠勝程ではないとはいえ、二人ともそれなりに酒を飲んでいる。その状態で激しい運動などしようものなら、結果は火を見るよりも明らかだ。

「待て! 二人とも……うぷっ、まずいぞ……」

「ぬう……こ、ここは一時休戦……」

「そうじゃ……な」

込み上げる吐き気に理性が戻った頃には既に遅かった。三人とも酔漢の赤ら顔から青を越えて土気色に変じるや、口を押えて駆けだした。
向かう先は恐らく厠であろう、と静子は理解すると目を覆い続けている紅葉に声を掛けた。

「もう目を開けて良いよ。それじゃあ行こうか、紅葉ちゃん」

全て見なかったことにしよう、誰にとってもそれが一番穏当な結果になると静子は思った。
紅葉がどう考えたか不明だが、今日の事を吹聴するとは思い難い、こうして彼らの面目は保たれた。

思い掛けない騒動に巻き込まれたが、それら全てを無かったことにした静子は、大量のマンゴーを抱えて信長の許へと向かった。
間もなく到着というところで、不意に信長と鉢合わせしてしまった。

「そやつがこの程雇い入れたという南蛮の娘か」

静子の後ろに見慣れぬ娘が控えていることに気付いた信長が、紅葉を指さしながら訊ねる。突然の声掛けに驚いた紅葉は、それでも荷物を持ったまま平伏する。

「はい。良い子ですよ」

「伏せずとも良い、面を上げよ。ふむ、髪は黒いが目が我らと違うな。翡翠のような碧色をしておる、このような南蛮人もおるのか」

紅葉の髪は少しくせ毛の黒髪であり、瞳は青みがかった緑色をしていた。
宣教師たちとはやや面持ちの異なる紅葉の風貌が珍しいのか、それとも西洋人の骨格に興味を抱いたのか、信長はまじまじと紅葉を観察する。
無遠慮な視線に晒されて萎縮した紅葉は、再び顔を伏せてしまった。

「上様、紅葉が怖がっております。その辺りでお許しください」

「別に敵意など向けておらぬ。珍しい目をしておるなと、思うただけじゃ。光の加減で揺らぐ様が宝石のように美しいな」

顎に手を当てながら、信長は紅葉の目を褒めた。お世辞など言うはずもない信長の言葉に、勘気を恐れた紅葉も再び顔を上げる。

「異人を懐に入れることについて何事か言う者も出るじゃろうが、わしが許す。貴様がわしの為に働く限りは文句を言わせぬ」

「ご配慮痛み入ります」

「して、静子よ。何を持っておる? ああ、甘珠(あまたま)か」

信長は静子が抱える籠を指して訊ねる。静子が籠の中より一つ取り出して見せると、彼はマンゴーのあだ名を口にした。
最近判ったことだが、信長は自分が気に入った物に対してあだ名を付ける癖があった。彼のネーミングセンスは突飛過ぎて、余人には理解し難いが、簡潔に特徴を捉えていた。

「ええ、このほど収穫を迎えましたので、まずは上様に献上がてら、食後の甘味として如何かと思いまして」

「悪くない。ちょうど甘い果実でも摘まもうかと思うておったところじゃ。南蛮のケーキとやらは甘かったが、甘すぎてくどく感じた」

その一言でマンゴーの処理方法が確定した。静子はマンゴーを(くりや)へと運び、急ぎ皿に載せて出すよう命じた。
マンゴーを生食する場合、現代と同様に中央にある種を避けて、果実を3つに切る。
種のある中央部を除き、両側の果実に対して皮ギリギリまでさいの目に包丁を入れ、最後に皮を裏側から押して反り返らせれば食べやすい形となる。
信長に供されない種が付いた部分は、果肉と種子に分けられる。果肉部分は役得として厨の者たちの胃に収まるが、種子は外殻と渋皮を剥がした後、栽培へと回される。

このマンゴーの種子は、挿し木とは別に育てるため、開花結実に至るまでは最低でも六年ほどかかる。
これは静子が海外より持ち込んだ様々な品種にも言えることだが、挿し木や株分けに拠るコピーではなく種子から栽培すると、遺伝や突然変異によって親とは異なる性質を持つことがある。
より甘く、より瑞々しい優良品種を求めて品種改良すべく、種からの栽培を行っている。

「ああ、忘れるところだった。奥方たちにもお出ししておいてね」

静子は濃姫たちにもマンゴーを出すよう命じた後、紅葉とともに厨を後にした。






静子邸の新築祝いはにぎにぎしくもつつがなく終了した。
あれほど準備した酒を飲み尽くしたと言うのに、前後不覚に陥る人間がいないのだから、越後人に酒豪が多いと言うのは本当なのだと感心した。
予想通り、静子が謙信とじっくり会話する機会は設けられなかった。しかし、これは政治的に当然の話であった。
いくら臣下になったとは言え、即座に信長や、織田家家中でも注目の重鎮である静子に気安く接すれば、上杉家は織田家におもねっていると捉えられてしまう。
そうなれば織田家と上杉家それぞれの家臣同士が諍いを始めるのは目に見えているため、謙信としても人目がある状態では慎重な対応を求められた。
その辺りの思惑を察しているのか、信長も謙信の態度に対して何も言わなかった。

(国人の悲哀かな。腹を割って話したい事もあるだろうけど、表立っては動けないもんね。さて、そろそろ大丈夫かな?)

組織同士が交われば、どうしても緊張状態が発生する。織田家家中同士ですら牽制し合っている現状に、一抹の寂しさを感じつつも静子は彩を伴って牢屋へと向かった。
静子邸に備えらえている地下牢は、硬い岩盤が削れて出来た天然の穴を利用して作られていた。
出入り口は頑丈な鉄格子で隔てられ、その身一つで閉じ込められれば、抜け出すことなど不可能だ。そんな牢屋の入居者は、真田家に仕える間者であった。

「起きているかな?」

「起きている」

牢屋の鉄格子を軽く叩きながら静子が闇へと声を投げかける。少し間を置いて、牢の中から人が身じろぎする気配が感じられた。
驚いたことに、返ってきたのは若い女性の声だった。しかしすぐに静子は理解した。武田家は歩き巫女を多用しており、間者が女であることは珍しくないと言う事を。

「ごめんね、不自由だろうけどもう少し我慢してね。こうしておかないと口封じをされる可能性があるから」

「自分の立場は理解している。贅沢を言えば、手足の枷を外して欲しいのだが」

「それは貴女の自由を奪うと同時に、貴女の身を守るものでもあるの。今は外せないんだ、ともかく話を聞かせて貰えるかな?」

「私は渡した文以外の事は知らされていない」

「文から大よその事情は把握したけれど、あれ以外に知らせたい情報があるんじゃない?」

静子の問いに間者は沈黙した。これは黙秘ではなく、躊躇していると察した静子は呼び水をさす。

「(今、無理やり聞き出しても仕方ないかな)ま、いいか。取りあえず後少しだけ我慢していてね。ああ、脱出しようとはしない方が良いよ。流石に私でもそれは庇えないからね」

「……承知している。一つだけお伝えしたい。主の心は既に決まっている。すぐにとは参らぬが、必ずや貴女の許へと馳せ参じると」

「判ってる。私が理解していることを彼に伝えるためにも、大人しくしていてね。数日の辛抱だよ、それじゃあね」

聞くべきことは聞いた。その事を理解した静子は彩を連れて牢を後にした。
静子が言ったように、真田家の間者は数日後、適当な理由を付けて開放した。
その際に返事の文は預けなかった。道中、誰かに捕まる可能性があるため、簡単に口頭で返事を伝えるのみとした。

「さて、今度こそ平和になるはずだ」

背伸びをして体をほぐす静子だが、その言葉を口にする度に平和から遠ざかっている事を彼女は知らない。

真田家の間者を解放してから一週間。季節は梅雨へと移り変わり、日増しに暑くなっていく最中(さなか)、静子は信長のいる岐阜城へ向かっていた。
目的は静子が担当しているインフラ整備事業の状況を報告するためだ。信長は本願寺との和睦が成立して以降、精力的にインフラ整備に取り組んでいた。
京周辺は勿論のこと、近江や伊勢を経由して美濃、尾張へと至る大動脈を整備する大事業だった。
三河や越後は含まれていないが、家康がインフラ整備に乗り気であるため、近く第二次インフラ整備事業として計画に組み込まれることとなる。

「本日は晴天なり、ってね」

梅雨時での遠出となったが、岐阜城へと向かう日は晴天に恵まれた。
雨具の準備が不要となるため道行は容易いが、いつ天気が崩れるのかと静子は危惧していた。幸いにして、岐阜に到着しても天候が悪化する気配は無かった。

「こちらでお待ち下さい」

案内役を務める堀に通された部屋で、静子は信長からのお召しを待つ。計画は順調そのもので、大きな問題も無いことから報告に不安を抱いていなかった。
それ故に今回の旅程を短く見積もり、警備の兵も才蔵を含めた僅かな手勢のみとしていた。

「今回の報告には特に懸念事項は無いなあ。当初、休日制度を導入するって申し入れた時は、説明に半日を要したけど……」

日本では明治時代に入るまで、明確に休日という概念が無かった。大多数の者が休むのは盆暮れ正月と、祝祭日などの特別な日に限定されていた。
ただし朝廷に勤める官吏には()と呼ばれる定休日があった。
毎日が労働であり、体を労わる暇もないのでは健康に良くないと考えた静子は前述の休日を制定した。
漫然と毎日働くよりも、休日を設けて緩急をつけ、労働者が健康でメリハリを付けて働くことで効率が上がり、最終的には社会全体の利益となると静子は信長に説いた。
曜日の制定は尾張にしか浸透していないため、インフラ整備事業に従事する労働者たちを対象に、簡易的な休日制度を試験的に導入することにした。

制度は至って単純明快だ。日々の労働に目標を定め、達成できた日が六日貯まれば翌日は丸一日休日とした。逆を言えば、目標未達が続けば永遠に休日は巡ってこない。
この休日は労働が免除されるだけでなく、労働日相当の給金が支給される所謂『有給休暇』であった。休日の過ごし方に規定はなく、法を犯さない限りは何をしていても良いとされた。
労働日に影響を及ぼさない限り、酒を飲もうが行楽へ行こうが自由だった。
未知の制度ではあるものの、労働者にとって不利益どころか有利な制度であり、休日というものを理解した労働者たちは皆、躍起になって休日を得ようと奮闘した。
従来の働き方では、天候が理由で仕事が無くても給金は出ないのだから、働かずとも給金を貰える特典に奮起しないはずがなかった。

「今日はお召しが遅いなあ……。休日制度の成果を聞きたいと言う話だったから、そろそろお呼びがかかっても良いはずなんだけど……」

そんな事を誰にともなく呟いていると、静子の耳に何かが壊れる音が届いた。少し考えて、(かたわ)らに控える才蔵へと顔を向ける。

「気のせいじゃないよね?」

「某の耳にも届いております。あれは襖が破れる音でしょうか?」

「うーん、曲者が紛れ込んだ……とは考えにくいけど、取りあえず確認しにいこう」

いざとなったら人を呼べば良いと、軽く考えた静子は才蔵と手勢の兵に注意を促し、騒音が続く現場へと足を向けた。注意しながら近寄るが、物音が絶えることは無かった。
控えの間にまで届く程の騒音が途切れもしないことに、静子はのっぴきならない状況だと考えを改めて気を引き締めた。

「この愚か者がっ!!」

「ち、父上! お待ちを……げふっ!」

信長の怒声が聞こえた瞬間、全員が荒事に備えて戦闘態勢に入るが、続く怒声の内容を理解するや全身から力を抜いた。
漏れ聞こえる内容から信長の生命が脅かされるような事態ではなく、信長自身が親族の誰かに激怒しているのだと全員が察した。
静子が目配せをすると、才蔵を筆頭に全ての兵士が頭を下げて回頭した。周囲を憚らぬ程に激怒している信長が居るのだ、関わり合いにならない方が良いに決まっている。

「今度という今度は我慢がならぬ! わし自らが、その首刎ねてくれよう!!」

信長の怒気が収まらないことに一抹の不安を覚えた静子は、我ながら損な性格だと呆れつつも仲裁をすべく現場へと足を踏み入れた。
室内は惨憺(さんたん)たる有様だった。信長は憤怒の表情で抜き身の刀を振り上げており、床に尻もちをついている二人の男性に斬りかからんとしていた。
対する二人は、顔色が青色を通り越して白くなっており、鼻や口の端から流血しているところを見ると、信長から殴る蹴るの仕打ちを受けたであろうことは間違いない。
ここしばらくは良い事が続き、滅多な事では声を荒げなかった信長が、これほどに怒りを露わにしているのも珍しいと思いつつ、堀や蘭丸が必死に宥めている信長へと近づいた。

「上様。過度なお怒りはお体に触ります」

「何奴じゃ! む、静子か。お前はそこで待っておれ、この屑共に引導を渡した後に、貴様の報告を聞くとしよう」

「上様、無礼を承知で諫言致します。怒りに任せて家臣を斬れば、後世に恥として伝わりましょう。ここは一つ刀をお納めいただき、事の次第と上様の思惑を、この静子めにお聞かせ願えませんか?」

何が原因で信長がこれほどまでに激昂しているのか不明だが、勘気に任せて家臣、それも親族の首を刎ねたとあらば不名誉となるのは間違いない。
静子の珍しい長広舌(ちょうこうぜつ)が信長に幾分か冷静さを取り戻させたのか、忌々し気に舌打ちをすると、信長は刀を鞘に納めて蘭丸へと放り投げた。

「半年じゃ。半年の猶予を与えてなお、今の状況を脱せぬのであれば、親子の縁を切る! これが最後の慈悲と知れ!」

床に倒れ伏したまま起き上がれずにいる二人に吐き捨てた後、信長は肩を怒らせて歩く。何とか刃傷沙汰を避けられたことに、全員が安堵の息を漏らしたのは言うまでもない。

「助かり申した。正直なところ、あそこまでお怒りになった上様を止められるとは思っておりませんでした」

顔色を青くした堀が静子に礼を述べる。屑扱いされた二人は呆然としており、未だに立ち上がれずにいた。堀は信長の刀を受け止めたまま固まっている蘭丸の肩を叩く。
それで我に返った蘭丸に、堀は医者を呼んでくるよう命じた。屑と呼ばれた二人を治療するためだろう、蘭丸は刀を据え置くと急いで駆け出していく。

危うい綱渡りではあったが、何とか惨劇を回避した静子には、未だ難関が待ち構えていた。

「何をしておる! 静子、貴様は付いて参らぬか! 他の者は下がれ! 馬鹿息子には仕事に掛かるよう伝えよ!」

「(ああ、やっぱりこうなるよね)それでは皆様、失礼いたします」

信長が押し開けた襖の向こうから怒声が飛んでくる。自身の進捗報告に加えて、信長の愚痴に付き合うという仕事が追加された。才蔵たちには先に戻るよう伝えて、静子は信長を追った。

「全く、箸にも棒にもかからぬ愚息どもよ!」

静子が差し出した壺から金平糖を一掴み口に放り込み、荒々しく噛み砕きながら信長は吐き捨てた。

「お怒りの原因は、伊勢の開発が遅れている事でしょうか?」

「その通りじゃ。長島を陥落させた今、尾張と伊勢との海運はわしが掌握した。ゆえにこそ、尾張と伊勢から伸びる街道整備は重要となる。港から運ばれる品々と、それを運ぶ商人の往来が活発になればなるほど織田領は潤う。陸路の整備は早さが肝心だと言うのに、馬鹿息子どもは状況を理解できず、それどころか本願寺の手の者に足元を掬われる始末じゃ!」

(商人たちから漏れ聞こえてきていたけれど、あんまり進んでいないのね、道路整備)

静子は信長の愚痴から、事の次第について大よその推測を立てた。
伊勢は紀伊半島の東側に位置する。伊勢湾を掌握した今、信長は全国からの海運を引き受け、陸路へと繋げようと考えていた。
京へと繋がる経路は複数あることが望ましい。たとえ再び織田包囲網を構築して海上封鎖をされようとも、陸路が健在であれば信長を封じ込める事は困難となる。
どちらか片方だけでも維持できれば、兵員輸送も物資運搬もできるのだから。

「伊勢を含む地域は、急峻な山岳地帯であるため、交通の便は思わしくない。その為、山を切り開いて道を通そうと言う計画でしたが、それが進んでいないと言う事でしょうか?」

「少しぐらいの遅延ならば問題にせぬ。失敗から学び、次に生かせばよい。問題は奴らが責任を逃れようとしたことじゃ」

「……納得致しました」

挽回不可能な失敗でなければ、信長は失敗に対する処罰を下せど、挽回する機会もまた与えている。挽回できれば良し、失敗すればそこまでだ。
信長の仕事に対する基本的な姿勢はこれに尽きる。無論、何度も失敗を繰り返すようなら、その限りでないのだが。

「誰にも先んじて歩む道ならば、わしも失敗に対して考慮する。その失敗を研究することで、後に続く者たちへの手本となるゆえに。しかし、愚息どもは失敗から何も学ぼうとせず、(いたずら)に時間を浪費し、同じ失敗を繰り返しておる。それも尻拭いをした後よりも状況を悪化させるというおまけ付きでな」

「新たに半年の猶予を以て最後、という訳ですか。確かに、そのお話を伺えば十分に温情を掛けておられますね。これでも失敗するのなら、斬首となっても誰も異論は唱えぬでしょう」

「今からでも首を刎ねたい気持ちもあるがな。さて、不愉快な話はここまでじゃ。貴様の報告を聞こうか」

信長は咳払いをすると、話題を変えた。静子も本題に入り、表情を引き締める。とは言え、改まって報告するような事は殆どない。これは早く帰宅できると、彼女は内心でほくそ笑む。

「報告と申しましても、現状は第二段階、第五十四工程まで滞りなく終わりました。計画よりも前倒しで進めているところです」

「思っていたよりも随分と早いな。第五十四工程と言えば、来月から開始する予定(・・・・・・・・)だったではないか。予定以上とは素晴らしい。これからも一層励むが良い」

「有りがたきお言葉。労働者には少しの休暇と褒賞を与え、鋭気を養うよう命じました。これからは天候が崩れやすくなる時期ですゆえ、労働環境や衛生環境にも気を配らなければなりません」

梅雨の時期は雨天となれば工事を中止せざるを得ず、工期が遅れていれば、それを取り戻すべく無理な労働を強いる可能性が出る。
インフラ事業は今後も続く大事業であるため、ノウハウを蓄積したベテランの労働者を使い潰したくはない。

「そう言えば、インフラ事業とは別に気付いたことがございます。今、お話してもよろしいでしょうか?」

「構わぬ、申してみよ」

「貨幣の流通量が減っているように感じられます。手の者に拠れば京や近江などでは、物々交換の市が復活しているとのこと。早急に貨幣を増やさねばならないと存じます」

貨幣を増やす、という言葉で信長の表情が変わった。
顔色から察するに、信長も貨幣の流通量が減っていることは把握していたのだろう。しかし信長は、それに対して有効打を思いつけなかった。
だからと言って信長を無知と笑う事は出来ない。経済学など存在しない時代に、貨幣を増やすという考えに辿り着くのは、いかに思考が柔軟な信長と言えど難しいのだから。

「……そう思うか。やはり、貨幣が問題か」

「通貨発行に関する権限は、朝廷より織田家が拝領しました。最上の策は不換紙幣を以て経済をコントロールする事ですが、それには色々と制約がございます。今は銀貨、金貨を鋳造し、市場の取引規模に相応しい貨幣量を担保することが急務かと思われます」

「金が足りぬのなら、作れば良い。ふっ……口にすれば簡単だが、誰もその答えに辿り着けなかった。やはり一足飛びには進められぬか」

自嘲気味に信長は笑う。貨幣が不足しているのなら、新たな貨幣を製造して投入する。非常に簡単な対策だが、その答えにすら自分は辿り着けなかった。
静子が今も尚、知恵者を集めて数多くの研究を進めているのも、新しい事を始めるには地道な積み重ねが必要だと判断しているからだと、信長は理解する。

「最終的に目指す地点は見えていますが、現状では不可能だと思われます。まずは鐚銭(びたせん)を駆逐し、新たな貨幣として金・銀・銅銭を流通させるのが先決だと思います」

「そもそもの話だが、何故に貨幣が減るのじゃ? そこを理解せずに、話を進めることは出来ぬ」

「そうですね……仮に日ノ本全体で銅銭が一千万枚あるとします。発行当時は日ノ本に一千万文の銭があります。ですが流通を経ることで銅銭は摩滅したり、鋳つぶして混ぜ物をすることで銅の割合を減らしたりして鐚銭が生まれ始めます。この鐚銭があることと、精銭条文によって通用する貨幣の数が変わります。判りやすく半分が精銭、半分が鐚銭となったとします。鐚銭は五枚で精銭一枚とすると、銭自体は一千万枚あるのに、精銭五百万文と鐚銭百万文の合計六百万文しか通用しないことになります。当初流入ささえた銭の数よりも貨幣が減っている状態です。こうなると貨幣の価値が上がり、逆に物価が下がります」

永楽銭は明から輸入している銭だ。貨幣供給量がゼロの現状では、市場に存在する貨幣は減る一方である。
今は精銭であっても、いつしか鐚銭に変わり、更に貨幣価値を押し上げ、物価が下がり続けるデフレ経済に陥る。
正に今がデフレ経済状態だ。これを解消するには内需の拡大が良いとされる。
しかし内需を拡大しようにも、取引量に相応しいだけの貨幣が必要となる。そこで静子は既存の歴史に倣い、銅銭だけではなく金や銀の貨幣も投入するよう進言した。

「上様の定められた精銭条文は、金の重さ・・に対して交換できる金子・・を決定しています。これでは貨幣は減り続けます。金や銀を加工して、貨幣として流通させ、しかるのちに公共投資を行って内需の拡大を目指すのが良いと私は考えます」

「ふむ……金や銀は南蛮との取引に使用していたが、それを我が国でも使用するという事か。当面は市場に存在する貨幣の枚数を増やすのじゃな。ならば早急に金や銀を集め、新たな貨幣を鋳造する必要があるな」

「新たな貨幣の形などはお決まりですか?」

「奇抜過ぎても使いづらかろう。永楽銭に似せた形でありながら、偽造を封じるようにすれば良い。無論、偽造した者には根切りが待っておる」

「それが宜しいかと存じます。古来より通貨偽造は重罪……根切り、即ち一族郎党皆殺しにするぐらいで妥当です」

「話は決まったな。早速技師を集めよ。技師自体にも厳しい監視を敷け。金銀から金子を生み出すのだ。よこしまな考えを持つ可能性は有り得る」

「承知しております」

古来より通貨製造に従事するものは、厳しい監視下に置かれた。
江戸時代に於いては、江戸幕府が通貨を製造する金座、銀座、銅座という貨幣鋳造機関を設立し、それぞれの座に通貨を製造させた。
特に最も価値の高い金貨を鋳造する金座は、幕府から厳しい監視を受けていた。
高位の役職に就ける家柄を限定するのは勿論、職員として採用される時には誓約書の義務づけ、作業者による相互監視体制、奉行所からの巡視などだ。

特別江戸幕府が厳しい訳ではない。現代でも紙幣製造に関する技術は極秘扱いが基本であり、関わる職員が私生活に至るまで制限を受けるのは至極当然の話だ。

「誓約書の義務づけ、職員の相互監視、第三者による巡視などの取り決めが必要ですね。職員には少しでも怪しげな動きをした者を密告すれば、報奨金を渡すと各々に言い渡せば裏切り者も出にくいでしょう」

「流石じゃ」

静子の説明に信長はニヤリと笑った。






上杉謙信が信長に臣下の礼を取ったが、その一事を以て臣従が担保されるかと言えば、そうではない。まず臣下の証として人質が信長へと送られることが決まった。
誰を送るかという選別は、意外にも時間を要さなかった。
信長への人質となるのは上杉景勝であった。これは上杉景虎が北条家の出であるのに対し、景勝は上田長尾家の出であったことが影響している。
そして越後長尾氏は長年一門同士の権力争いを続けていた。
特に上田長尾家と古志長尾家は現状も敵対しており、古志長尾家からすれば人質の件は景勝追放のまたとないチャンスだった。

景勝は兼続などの僅かな側近のみを連れて越後を出立する。道中何事も無く岐阜へと到着し、信長へと挨拶を済ませた。
信長は景勝が送られてきたことを然して気にすることなく、人質として迎え入れた。
本来ならば岐阜の城下町で生活をするのだが、美濃と越後は地理的に近く、連絡も取りやすいという不安があったため、景勝は尾張での人質生活を送ることとなった。
そして尾張となれば、景勝の面倒を見る人物は一人しかいない。

「あー、まー、そーなるんじゃないかなーと思っていたよ」

信長からの命令書を読み終えた静子は、投げやりな態度で受け入れた。美濃に景勝を留め置けば、謙信ならばいかようにしてでも連絡を取ることが可能である。
しかし、尾張までとなると物理的な距離が間に横たわる。間者を遣わそうにも発見される可能性は高くなり、謙信もおいそれと連絡を取ることが出来ない。

「上様のご命令です。堅実に実行をお願い致します」

「人質か。で、蘭丸よ。お前、静子の質問に答えられるのか?」

凛とした表情で言葉を発する蘭丸に、長可がニヤニヤと笑いながら茶々を入れる。だが、蘭丸は長可の言葉を聞き流す。

「上様のご命令に異論などありはしないでしょう。それから兄上、この場では私は上様の使者。そのような粗暴な口調は如何かと思います」

「口だけは一人前を気取るようになったな」

「はいそこ、いちいち突っかからないの。別に受け入れは問題ないよ。細かい指示は全部書かれているしね。で、上杉家の人質の扱いは、こちらに一任されていると考えて良いのですね?」

「はい。上様からは『可愛がってやれ』との伝言を承っております」

「承知しました。お勤め、ご苦労様です」

特に質問がなかった静子は、そこで会話を終了させた。その後、蘭丸が岐阜へ戻り、こちらの指示に従って景勝たちが側殿の一つに入る。
それらが終わると景勝と兼続が、静子へ謁見を申し出た。到着の挨拶だろうと理解した静子は、二人をすぐに呼ぶよう小姓に命じる。

「長尾喜平次と申す。長くなるか、それとも短くなるかは判らぬが、それまでよろしくお願い申し上げる」

「樋口与六です。同じく、これからお世話になり申す」

「話は聞いているよ。いくつか行動に制限は設けるけど、比較的自由に過ごして貰って構わないよ」

静子は二人に細かな制限を課す気はなかった。過剰な制限を設けた結果、監視側の人員不足に陥ったのでは元も子もない。
また、幾ら謙信が信長の臣下になると決定しても、不満を持っている人間は必ずいる。そういった連中につけいる隙を与えないためにも、人質の扱いは厳しくする気はなかった。
不満を持つ人間が恩を仇で返すような真似をすれば、信長や謙信が粛正する際に大義名分となるのでは、という下心もあった。

「今いる家の中なら自由に行動して構わないけれど、外出時はこちらの人間がつくから、そこだけ注意してね」

「過分なご温情、心より感謝いたす」

「細かい話を省くと、大体こんなところかな? 後は監視役の慶次さんに都度尋ねて下さい」

その後、景勝と兼続は慶次に連れられて退出した。出て行く直前、お酒がどうのこうの、という慶次と兼続の会話が耳に届いたため、静子は若干不安を感じた。
お酒の減りが激しくなるのでは、という不安に。






もうすぐ浅井・朝倉攻めかな、と静子がぼんやり考えていると、金属加工に従事している元奴隷の弥一と瑠璃が訪ねてきたとの連絡を受けた。
呼び出した覚えがないため、何か相談事かなと考えた静子は二人と面会することにした。面倒でも謁見の間まで移動する。
案の定、二人は相談事、というよりは頼み事を願いに静子との面会を求めていた。

「家を持ちたい?」

それは二人で暮らす家が欲しい、という相談だった。それぞれ働く場所が違うため、現在弥一と瑠璃は別々に暮らしている。
今まで離れて暮らした経験がないため、これが見えないストレスとなっていたとの事だ。
そこで二人で一緒に住みたい。しかし許可なく待遇を変えては叱責される、と弥一が考え、静子に許可を取りに来たという話だった。

「うん、別にいいよ。それで仕事の効率が上がるなら、こちらとしても断る理由はないよ」

静子の許可を得られて弥一と瑠璃はホッと胸をなで下ろす。
そこまで気にするものかな、と思ったが奴隷生活が長かったために、彼らは雇い主の許可を得るのが癖になっているのではと静子は理解した。

「ところで仕事は順調かな?」

「はい。最初はぎこちない関係でしたが、今では皆さんに、とても良くして貰っています。ただ、職人さんたちの真面目さ、だけは今も苦手です。ちょっと、ついていけないです」

「若い人や、情熱的な人からは先生や師匠って呼ばれて嬉しいです。でも、みんな生真面目過ぎて、こっちが逆に恐縮しちゃいます」

「そっか、それは良かった。まぁうちの職人たちは負けず嫌いだからね。二人の技術を学んで、いつかそれを超えたいって思っているのでしょう」

話を聞く限り、弥一や瑠璃と職人街の職人たちの関係は良好だった。彼らが作る商品も飛ぶように売れる、とまでは行かないが徐々に注目されるようになっていた。
特に1ミリ程度の細い針金状の銀や金で細工した帯飾りは、普段装飾品を身に付けない武家の婦人の間で、密かな人気商品となっていた。

「有り難い話、です。ですが、同胞が今も不遇な扱いを受けている、と思うと、心から喜べない自分がいます」

根が真面目なのか、弥一は自分だけが救われた現状を受け入れられずにいた。瑠璃が弥一の背中をさすって慰めるが、いまいち効果はなかった。

「はん、お前はいつから他人(ひと)様の心配が出来る身分になったのだ」

静子が掛ける言葉を考えていると、いつの間にか虎太郎が弥一の背後に立っていた。驚いた弥一が振り返るが、そんな彼を見て虎太郎は鼻を鳴らす。

「少しばかり余裕が出来たからと言って、若造が思い上がるな。我が身すら思い通りにならぬお前が、他人の身を案じようなど烏滸(おこ)がましいわ」

「……はい」

「今は自分の足場を固め、自分が独り立ちできるようになるのを優先しろ。他人の面倒などはそれからだ」

主である静子が何か言うよりも、同じユダヤ人である虎太郎の言葉が納得し易かったのか、先ほどまで思い詰めていた弥一だが、今は迷いの晴れた顔をしていた。
弥一の表情に満足したのか、虎太郎はニヤリと笑いながら座った。

「済まない、御主人。今日は頼み事があって来たのだが」

「今さらな話ですね。今回は良いですが、次回からはちゃんと手順を守って下さいよ」

「善処しよう。それで、話というのはワインを作りたいから、その環境を揃えて欲しい」

誰から教えられたのかと思うような慇懃無礼な言い様に、心の中で突っ込んでいた静子だったが、ワインと言う単語を聞いて考える。
キリスト教においてワインとは『神の血』であり、非常に重要なアイテムだ。だが実はユダヤ教においてもワインは喜びの象徴、安息日にお祈りを捧げるなど重要なものである。
余談だが、ユダヤ教には戒律に適合したカシュルート(コーシェルとも言う)という食事規定がある。

カシュルートを厳格に守るならば、ワインはユダヤ教徒が手順に従ってぶどうを栽培し、ワインを作り、瓶詰めしたもの以外は認められない。
無論、カシュルートに適合したワインを異教徒が触れても同様に穢れたものと見做される。

「それは戒律に則ったぶどう酒を作りたいという事でしょうか?」

「ん? あっはっはっは、戒律など考えもしなかった。純粋にワインが飲みたくなったというだけだ。だがブドウを集めるのは、今のわしに出来ぬ事だからな。御主人に縋っている訳だ」

「それなら後数か月で甲州ぶどうが収穫時期を迎えます。その時に、生食に向かないものをワイン用にしましょう」

「よろしく頼みます」

言い終えると同時に虎太郎は踵を返し、用は済んだと言わんばかりに謁見の間を後にした。自由すぎて周りは呆気にとられていたが、慶次と静子だけは笑っていた。
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