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戦国小町苦労譚 作者:夾竹桃

元亀四年 室町幕府の終焉

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千五百七十三年 六月上旬

五月下旬、戦国時代の終焉を告げる歴史的イベントが美濃は岐阜城で幕を開けた。
戦国時代を代表する大名の一人と言っても過言ではない上杉謙信が、信長の居城である岐阜城にて臣下の礼を取った。
これを以て越後は信長の支配下に組み込まれる。これが意味することは一国が陥落しただけで終わらない。
美濃より東国は上洛しようと思えば、必ず信長の支配地を通らねばならず、結果的に上洛が不可能となった。
織田、徳川、上杉の三ヶ国で以て西国へ通じる道へ蓋をした。
この事実は信長にとって東国に対して動員する兵数を少なく出来、かつ西国問題へと集中対応できるようになるというメリットを齎す。
一方、勢力を分断された形となった越中や越前の一向宗は窮地に陥った。
陸伝いの補給路は断たれ、織田・上杉の二正面作戦を強いられることとなる。武力で劣る一向宗では逆立ちしても勝てない図式が出来上がっていた。

周辺国が突如として塗り替わった勢力図に対応すべく奔走しているなか、元凶の一人たる静子は別件で忙殺されていた。

「どうしてこうなった?」

何がどうなって今の状態になったのか、静子をして理解できなかった。上杉謙信が信長の許を訪ね、臣従するまでは予定通りだった。問題はその後だ。

「どうしてうちの新築祝いが、いつの間にか上杉家を歓迎する酒宴に変わったのかな?」

静子は一人愚痴を零す。新居が完成したものの、新築祝いが出来ていなかったため、身内を招いて内輪だけの祝宴を開こうと思ったのだ。
その場に主君たる信長や、その盟友たる家康が参加するまでは、何とか納得も出来た。
自分が知らない間にその祝宴に上杉謙信までもが参加することが決まったと知らされ仰天した。
そもそも上杉家が臣従することを、祝っても良いのかという根本的な疑問が静子にはあった。

「これからは我々も静子殿の身内となる。身内の祝い事に不満などあろうはずがない」

しかし、当の謙信が全く意に介しておらず、それどころか静子邸の造りに興味津々で祝宴へと参加する始末。

「これが尾張の今様(いまよう)屋敷……随所に工夫が凝らされておる」

「御実城様、暫しの滞在を経て理解できましたが、新旧の建築様式が見事に融合しております! こちらをご覧ください」

「本日はお招き頂き、ありがたく存じます。実に素晴らしき邸宅ですな、静子殿」

「これはこれは静子殿、大層立派な御殿ござるな。某もいつかこのような屋敷を、持ちとうござる」

「がっはっはっはっ、善哉(よきかな)善哉! めでたい事が重なって、我らの行く末も明るいと言うもの」

その後も誘った覚えがない面子までもが次々と訪れる。
武田を打ち倒し、上杉が臣従したことにより、当面の脅威がなくなったためか、織田家の重臣たちも気兼ねなく新築祝いに顔を出せるようになっていた。
予想外の大賑わいに収容能力が試されることとなったが、奇跡的にも参加者全員が宴会場へと収まった。
ただし異常に人口密度が上がっているため、どこに誰が居るのか上座付近以外は判らない有様となっていた。

「もう別に私の新築祝いじゃなくても良いのでは」

静子はそんな事を呟きつつ、この日のために準備してきたデザートの仕上げを行っていた。それは所謂イチゴのショートケーキだ。
イチゴとは言っても現代のようなオランダイチゴではなく、日本に古くから自生しているキイチゴ属のクサイチゴを用いている。
クサイチゴはキイチゴの中でも大型で、現代の品種程ではないにせよ強い甘みを持っている。
現代の品種と異なりやや自己主張の強い酸味を持つが、ジャムなどに加工してしまえば気にもならない。今回は酸味をやわらげるべく、シロップを絡めて少し火を通してある。

余談だがスポンジとクリームを層状に重ね、クリーム飾りと共にイチゴなどの果実を載せたショートケーキは日本発祥である。
英語圏ではレイヤー(あるいはレイヤード)ケーキと呼ばれ、似たようなケーキが存在している。
しかし、使用される生地はスポンジではなく、ビスケットと呼ばれるしっかりとした口当たりの生地を使い、クリームや果実を挟み込むのが特徴となる。
ゆえに日本に於いて誕生日やクリスマスで定番となるイチゴのショートケーキというのは、日本にしか存在していない。

「うーん、やっぱりケーキは良いねえ。食べ過ぎると太るけど……いや、昔とは運動量が違うから、あと一つぐらい大丈夫……かもしれない」

もう一つぐらい、と思った静子だが、丸みを帯びた自分を想像して自制した。そしてお膳にいくつかのショートケーキを載せた大皿を置き、これを濃姫の許へと運ぶよう小間使いに命じる。

その後、別室にて自由気ままに家主不在の新築祝いを堪能している濃姫達に声をかけ、信長のおわす上座へと静子は足を運んだ。
祝われる立場の家主だと言うのに何故あくせく働いているのかと、一瞬余計な事を考えたが、自分が不在の間に信長たち庇護者が政治的なやり取りを取捨選択してくれていると思い直して立ち直る。

「皆の者、今日は大いに飲んで食べて騒ごうではないか」

その後、信長が開始の挨拶をして、静子邸新築祝いの宴会は開幕した。






初めて目にした越後人を一言で言い表すならば、彼らは酒に対して遠慮が無かった。越後人の居る席と、居ない席では酒樽の消費量が目に見えて違うのだ。
余人からすれば恐ろしい勢いで飲んでいると言うのに、酔い潰れもしない蟒蛇(うわばみ)揃いであった。
噂に違わぬ越後人の酒豪っぷりを目の当たりにし、流石の信長や家康も驚きを隠せなかった。

(相変わらず私の禁酒令は解かれていないけど……ね)

流れ作業のように酒樽から汲み出されては、運ばれていく徳利を眺めながら、静子は我が身に架せられた(くびき)を思う。
念の為にと大量に酒を用意し、かつ酒屋からも大量に買い入れたが余ることは無さそうだと彼女は思った。
上杉勢に対して家康たち徳川勢は、未だ清酒に慣れておらず、その消費ペースはゆったりとしたものだった。
今では三河や遠江にも尾張や美濃で作られた清酒が並ぶようになったが、まだまだ生活に浸透するには至っていないようだ。
信長はいつものように、自分のペースで飲んでいた。元より下戸で知られた信長ゆえ、それほどの酒量を欲する訳ではない。どちらかと言えば、彼は酒よりも甘い物を好む傾向にあった。

(内輪だけの気楽な宴会が、なんだか大げさな酒宴になっちゃったなあ)

主役であるため、静子は信長と同じく上座に身を置いている。周囲を見渡せば目に入るのは信長、家康、近衛前久、上杉謙信という錚々たる面子であるため、少しも気が休まらない。
さらにこの後、濃姫たちとも顔を合わせる必要がある。

(気が重い)

少しも寛げない宴会が続くとあれば、流石の静子も気が滅入る。しかし立場上、祝われる家主が参加しないという暴挙はあり得ないため、やがて諦めの境地へと達した。

「相済みませぬ。所用のため、中座致します」

そろそろ頃合いかな、と思った静子は信長に席を外す事を告げる。濃姫たちの事だと理解している信長は、静子の頭をぽんぽんと軽く叩いた後、告げた。

「骨は拾ってやる」

「いや、死にに行くわけではありませんから」

「普段でも一筋縄ではいかぬお濃に、酒まで入っているのじゃぞ。まともな結果に終わるわけがなかろう」

信長の言葉を聞いて静子は思わず、頷きそうになった。しかし主君の目の前で細君の悪口を肯定する訳にもいかず、慌てて態度を取りつくろった。
深々と頭を下げた後、静子は静かに宴会場を後にした。尤も、宴もたけなわとなり、酔漢であふれ返った会場である。
仮に静子が分かりやすく退出したとしても、気に留める者は少なかったであろう。

「ふぅ……疲れる」

宴会場から少し離れた場所に移動したところで、静子はふっと息を吐いた。自身の肩を揉みながら歩くと、曲がり角から彩が姿を見せる。
彼女は静子に気付くと、足音を立てずに静子へ近づいた。何か人に知られたくない事があるのか、と瞬時に理解した静子は、近くの部屋へ彩を招いて先行する。
少しだけ間をおき、彩も静子を追って入室した。

「領内に潜り込んでいた真田の間者を捕縛しました。しかし奇妙な事に、その間者は静子様にこの文を渡すようにと……」

「良く入り込めたね……いや、今だからこそか。部外者がこんなに多く入り込むのは、今しかないもんね」

自分がかつて使った策を使われたのだと、静子は察した。
織田、徳川、上杉の人間が一堂に会したのだ。招待客までは把握できても、付き人の一人一人に至るまでは流石に手が回らない。

「しかし『空番(そらばん)』だけは誤魔化せなかったようです。秘密裡に処分しようとしましたが、真田からの情報を所持していると聞いて、今は縛って牢に閉じ込めているだけにしています」

「今なら、この屋敷を縄張りにしている子よりも人数の方が多いしね。まあ『空番』のカラスたちなら数も揃っているけども」

ヴィットマンたちやシロガネなど、静子の邸宅を縄張りにしている動物は多い。だが、それ以外にも同じ空間を縄張と定めている動物はいる。
もっとも多いのがカラスファミリーだ。正確な数は不明だが100羽近くが静子の邸宅付近を根城にしている。
掃除屋(スカベンジャー)の位置づけ通り、静子の邸宅から出る生活ゴミの処理をカラスたちは担っていた。

その関係で、静子の邸宅に間者が入りこもうとすると、餌を奪い取る敵と認定され、どこに隠れていたのかと問いたくなるほどの数で、間者たちに襲いかかる。
生活ゴミを指定の場所に捨てるだけで出来る、天然の間者対策だった。

「ふむ……ふむ」

真田からの文を彩から受け取り、静子は文の内容を確認する。読み進める程に静子の顔が険しくなり、必然的に彩の緊張も高まっていく。

「参ったね、これは」

「どのような内容が書かれていたのでしょうか」

「簡単に言うとお家騒動。送り返した武藤喜兵衛が真田家を継いだけれど、彼が武田に背いて織田へと下ることを由としない連中と揉めているらしいね。更に合戦中、撤退命令前に軍を退いたため、責任を問われているみたい。武田家の間者たちも同じような状況みたいだけど」

文の中には武田家の状況と、真田家の置かれている状況が書かれていた。まず武藤喜兵衛は正式に真田家を継いで真田昌幸と名乗るようになった。
しかし真田家を継いだ途端、彼は三方ヶ原の戦いで信玄の撤退命令より先に兵を下がらせた責任を問われた。
責任を問うと言えば聞こえは良いが、ようは敗戦の損失を少しでも補てんするべく、見せしめとして領地を没収すると言い渡されたのだ。
昌幸をはじめ、真田家全体が軽んじられているという状況は想像に難くない。

見せしめに使われたのは武田の間者たちも同様だった。勝頼は信玄が苦心して作り上げた間者組織を「浅ましい人でなしの集団」と断じた。
そして三方ヶ原の戦いにて、織田側の情報を集められなかったことの責任を彼らに負わせた。

これにより武田子飼いの間者ネットワークは壊滅に近い打撃を受けることとなる。
後に勝頼の犯した手痛い失態として度々取り上げられることになるが、戦国時代において間者軽視はごく一般的な考えであった。
だからとは言え、文字通り命懸けで集めてきた情報を、吟味すらされることなく捨てられるのでは士気は保てない。
かつて武田に仕えた間者たちが信玄の死後、真田の配下に収まったのも新生した真田が情報を重要視し、間者たちを捨て駒同然に扱わなかったからだと言える。

「見せしめ……ですか?」

「端的に言うなら組織全体の問題を、特定の個人に負わせることで体裁を保ったんだよ。損失も補てんできるしね。あの状況じゃ、真田が兵を退かなくても勝ち目なんか無かったんだけど……まあ、難癖だよね」

「それは、自分の手足を食べて飢えを凌いでいるだけで、手足がなくなれば畑も耕せません……」

「そういう事だよ。武田は組織全体として負けたと認めたくなかった。それどころか、一部の臆病者が足を引っ張ったとして保身に走った。こちらとしては良い傾向だけど、責任を取らない責任者を抱く組織は、遠からず崩壊するからね」

さて、と静子は顎に手を当てて考える。既に歴史は既知の史実から外れている。これから先、知っている史実通りに各勢力が動くとは限らない。
それを考えると真田昌幸には早く帰参して欲しいと静子は思っていた。これからは情報が何よりも重要視されると、彼女は考えているからだ。

「間者はもう暫く牢に入れておいて。下手に動かれて、これ以上情報を知る人が増えれば確実に消される。それを避けるためにも、牢にいれて後日放つ方が得策よ」

「承知しました。間者については秘匿するよう命じておりますし、万が一知られても情報収集中と答えます」

「よろしくね。これからのいくさは情報が大事になる。今以上に情報収集しなければならないし、それには腕の良い間者が沢山必要になるからね」

これで話は終わり、と言わんばかりに静子は立ち上がった。






濃姫は髪を弄びながら静子はまだか、と呟く。小間使いたちは背筋を伸ばしながら、まだお出でになりませんと答える。
ため息を吐きつつ濃姫は小間使いたちを下がらせた。

「濃姫様、静子は兄上に捕まっておるのでしょう。今暫く、時間は必要かと」

市が濃姫を宥めるが、肝心の濃姫には効果が薄かった。

「殿も静子をこき使いすぎじゃ。せっかくの祝いごとなのだから、気楽に過ごさせるのが良かろうに……のう、市よ」

「妾には兄上のお考えは理解出来ませぬ。それゆえ、何を考えてこのような場を設けられたのか」

「殿の考えは難解に思えるが真っすぐじゃ。おおかた静子の影響力を見せつけておるのじゃろう。外にも、内にもな」

語りながら、濃姫は手前にあった皿に載せられた菓子をつまむ。市には濃姫が若干、苛立っているように見えた。

「しかし、それは男社会でしか通じぬ理屈よ。女ならぬ殿はそこが分かっておらぬ。女子社会(おなごしゃかい)では、婚姻をして子を為し、家内をまとめ上げ、奥方(おくがた)を切り盛りし、嫡子を育て上げてこそ一人前と見做される。その観点で見れば、静子は何の義務も果たしておらぬ、穀潰しよ」

「確かに静子は家を持てど、婿も居なければ子もおりませぬ。しかし、それは兄上の許、天下統一に心血を注いでいるがため。妾たちの生活が豊かになったのも、織田家が隆々たる勢いを保てているのも静子が尽力した結果でございましょう」

「市よ。悲しいかな、人間とはそのように物分かりが良い者ばかりではない。静子がどれほどの難事を成し遂げようとも、女子としての義務を果たしていない、その一事だけを以て批難する輩は掃いて捨てる程におる。特に家という狭い世界に閉じこもり、我が子を育てたことだけを唯一の誇りとする無能(・・)どもにはな」

珍しく感情を隠そうともせず悪罵を放つ濃姫に、市は内心驚いていた。だがそれも市を信用しているがゆえと思えば、それは面映ゆくすらあった。

濃姫が語ったように戦国時代の武家社会の最奥、女社会には明確な義務が存在した。
男社会と密接に関りつつも、その影響から隔絶された社会にあっては、如何に男社会で有用さを示したところで、女社会では一切評価されることはないのである。

「それで、折に触れて静子に無茶をさせておられるのですね」

女として義務を果たしていないにも関わらず、女社会の頂点たる濃姫から寵を得ている。当然下位の女たちが面白く思うはずがない。
しかし濃姫から格別の引き立てを受けつつも、厄介ごとを押し付けられ、ことあるごとに苦労している姿を見せられればどうか?
静子に嫉妬しつつも、その立場に成り代わりたいと思う女は減るだろう。
そして静子が発信する様々な文物を、濃姫が代わりに広めることで軽んじられることも無く受け入れられ、静子本人はともかく、静子の生み出す物は有用であると認識するようになる。
これらの見えない配慮があって初めて、静子は男社会にのみ専念でき、かつ義務を果たしていないにも関わらず女社会でも受け入れられているのだ。
女たちにとって静子は有用であるが、目障りなほどではなく、一身に寵を集めつつも全体として不遇であるという絶妙の配役をこなしているのだ。

「妾が単純に静子を可愛がって引き立てれば、その僻みや嫉みは静子に集中する。どれほど社会全体にとって有益であろうとも、女の義務を果たしていないという一事のみを以て悪に仕立て上げられるのじゃ」

何処の世界でも同じだが、義務を果たさずに報酬だけ受け取る者は嫌われる。たとえどのような偉業を成し遂げようとも、ズルをしたとして評価されない。
例えば株式の誤発注があり、誤って異常に安く放出された銘柄を買い占めて、適性価格で売ることで巨額の富を得た者がいるとする。
世間は彼を評価するだろうか? 人の弱みに付け込んで暴利を貪っただとか、単純に運が良かっただけと評されるのがせいぜいだろう。
しかし、現実にはその場に立ち会えるか否かだけが運の要素であり、異常な安値を見抜く眼や、即座に可能な限り買い込むという決断力や資金力といった、その場に立つための見えない積み重ねが存在している。
これらの要素を見抜ける人は非常に少ない。静子の例で言えば、その数少ない理解者が濃姫であり、運だけで成り上がった女として不要な嫉妬や隔意(かくい)に脚を引っ張られないよう守っているのである。

その甲斐もあってか、静子は男社会では織田家の重臣として一目置かれ、女社会でも自分達に有益な結果を齎す苦労人という立ち位置を確保できている。
それでも関わる人間が増えれば増える程、静子に対して嫉妬を抱くものが出る。こればかりは致し方ないため、折に触れて皆に見えるよう静子を振り回しているのだ。

「ここに来て、静子は殿に課された最大の難事、武田討伐を成し遂げた」

「確かに。知勇備えた多くの将を抱えた武田を倒してこいなど、無茶にもほどがあります」

「だが静子はやりきった。これにて男社会での地位は安泰じゃ。となれば……分かるじゃろう?」

扇子で口元を隠した濃姫が、次に何を言いたいのか市は理解した。市も濃姫に倣い、扇子で口元を隠して声量を下げた。

「(殿は静子に我が子を養子として出すそうじゃ。これで無能どもは黙らせられる)」

「(なるほど……そして静子は兄上の子を我が子とする事で、兄上への忠誠を示せます。一石二鳥とはこの事です)」

「(うむ。殿も静子の婿は考えたそうじゃ。が、何度近衛殿と話し合っても結論が出なかったそうじゃ。もっとも、これは静子が問題というより、奴の軍が崩壊する事が大問題だからの)」

「(兄上も仰っておりました。静子軍がいるお陰で、いくさで抱える厄介ごとが半分になったと。なるほど、今から倍の仕事をしろ、と言われても不満が噴出しますね)」

「(じゃろう? じゃが時期は不明ゆえ、こうして妾たちで静子を守らなければな)」

「(濃姫様の深謀遠慮、誠に感服いたしました。ならば、微力ながらこの市もお手伝いいたします)」

「(これ、難しく考えるな。いつも通りにすればよいのじゃ、いつも通りに、な)」

それを最後に濃姫は扇子を閉じる。秘密の会話は終了、という合図だ。市も少し遅れて扇子を閉じた。






彩と別れた後、静子は濃姫たちがいる女子用の宴会場に足を運ぶ。近づくほどに足が重くなる静子だが、無視する訳にもいかなかった。

「失礼します」

宴会場といっても信長のいる大会場ほど堅苦しくはない。むしろ格式ばった事は主催者の濃姫が嫌うため、酷く砕けた空気が満ちていた。

「おおっ、ようやく参ったか。さっ、こちらへ来やれ」

いの一番に静子に気付いた濃姫が手招きをする。言われるがまま静子は濃姫が指定する場所へ腰を下ろす。

「設計段階でも目にしたが、なかなかに立派な邸宅じゃの。殿も気合いを入れすぎじゃな」

「はあ……確かに過分な豪邸になっています。お陰でいろんな人を雇わないと手が回りません」

「聞いておるぞ。まつ殿の娘だけでなく、明智殿の娘も雇い入れたとか、な」

「どこでお耳にされたか分からないですけど、その通りです。なーんでか皆、我が娘をどうだ、とか仰るんですよね」

明智光秀の娘、名を(たま)(玉だったり珠子(たまこ)の場合もあるが、ここでは珠を採用する)という。
だが明治期にキリスト教徒が彼女を讃えたために、今日(こんにち)では細川ガラシャの方が有名だ。

新邸宅は以前のものと比較にならない広さのため、彩や蕭だけでは手が回らなくなってしまった。
そこで静子は新しく人を雇う事にしたが、これを聞きつけた光秀が「我が娘はどうですか」と推薦した。
これが引き金となったのか、他の武将も我も我もと後に続こうとして、ある種の騒ぎとなりかけた。
知らない人間を雇うよりは、と考えて静子は武将たちの娘を預かる形で雇う事となる。当初は不安もあったものの、そこは教育された武将の娘たちだった。
はじめこそ自分達の暮らしと隔たった環境故に行動が覚束なかったものの、すぐに適応するや、てきぱきと仕事をこなしている。
それでも国語や算数と言った静子邸でのみ必要とされる知識レベルが低いため、時々それらの補習を行って知識の底上げをしていた。
お陰で何も教えていない娘から漢字で書かれた手紙が届く、という愉快な状況があちこちの家で起きていた。

「蕭ちゃんは元気だけど、珠ちゃんは好奇心旺盛ですねー。私が雇った南蛮人にも物怖じしませんからね。まぁ猪突猛進過ぎるのが、珠に瑕です」

「良いではないか。そちらの方がおも……コホン、愉快だからの」

「誤魔化そうとすらしない!」

言葉を言い換えるかと思いきや、濃姫は単に意味は同じだが違う言葉を口にしただけだった。がっくりと肩から力が抜けた静子は、疲れたようなため息を吐く。
実際、敵意のない笑顔をし続けるのは疲れる事だった。

「疲れておるのう。そういう時は、遊び倒すことが肝要じゃぞ」

「これが終わったら暫くは気楽に過ごします」

そんな事を言っていると廊下側から慌ただしい足音が聞こえた。急な用向きがあったのかな、と静子が入り口へ顔を向けた瞬間、襖が勢いよく開けられた。

「とうちゃーく!」

「ちゃくー」

襖の向こうにいたのは茶々と初だった。周囲の驚きを無視して二人は室内を見回す。そして目的の人物である静子を見つけると、表情をほころばせながら彼女に突撃する。

「しずこぉー、あたらしいいえ、おめでとうなのじゃー」

「なのじゃー」

二人は子ども、されど全体重の乗ったタックルは子どもでも堪える。
そんな事を思いつつ静子は二人のタックルを受け止める。だが二人は意に介さず、子猫のように静子の懐でゴロゴロと甘える。

「はい、二人とも。いきなり入り口を勢いよく開けてはいけません。ものは大切に扱いましょう」

「はーい」

静子の言葉に元気よく返事をする二人だが、静子が何を言いたいかまでは理解していなかった。理解するより先に、興味の対象が別に移ったからだ。

「しずこー、これなーに?」

茶々は静子の背中に乗っかりながら、お膳に乗せられている菓子を指さす。

「これは南蛮のお菓子よ。呼び方は色々とあるけど、私はgateau(ガトー)(フランス語でケーキの意味)と呼んでいるね」

ケーキの歴史は古く、古代ローマ時代に作られた甘いパンがケーキの始まりと言われている。
プラケンタと呼ばれる古代のチーズケーキも誕生しているが、今日のケーキと毛色が少し違う。
現代人が思い浮かべるケーキが誕生したのは、それから一千年近く経った中世ヨーロッパ時代、現代の焼き方になったのはそれから更に数世紀後を経た17世紀と言われている。

一方、日本では戦国時代に伝来したカステラがケーキの始まりだ。それから数世紀経ち、大正時代に不二家が現代のショートケーキを開発・販売した。

静子が作ったケーキは一口サイズのスポンジの間にクリームと果実を挟み込み、上にバタークリームでちょっとしたデコレーションを施した程度のプチサイズケーキだ。
しかし砂糖や卵、生クリームにバターをふんだんに使うため、プチサイズと言っても権力者しか味わう事が出来ない超の付く高級菓子となっていた。

「あまーい、すっぱーい、でもあまーい」

「落ち着いて食べるんですよー。酸味があるのは、クサイチゴを挟んでいるからです」

前述したようにクサイチゴはやや酸味が強いのだが、それでも野イチゴの中では酸味が少なく甘味が強い品種だ。
栽培も容易で、乾燥と日当たりにさえ気を使えば、手間いらずで増やすことができる。
ただし、地植えにすると地下茎を伸ばして野放図に増殖するため、培地を限定できるプランター栽培が望ましい。

クサイチゴは収穫したてのものにシロップを絡めて甘さを強調しているのだが、子供の鋭敏な味覚には酸味が強く感じられるようだ。

「びみょうにすっぱい。でもあまいから、きにならない」

何だかんだと言いながらも、茶々と初はプチサイズケーキを気に入った。並べられているプチサイズケーキを次々と平らげる。
しかし、二人とも一桁代の子ども、満腹になるのはそう遠くなかった。

「まんぞくじゃー」

「のじゃー」

お腹をさすりながら二人は静子にもたれかかる。呆れながら静子は小間使いに毛布を持ってくるよう命じた。
だが、すぐに静子は後悔する。毛布をかけた事で、茶々と初が本格的に寝入ってしまい、動かせない事実に気が付いた時に。






「全身が痺れた」

動けなくなって困っている静子を見かねた濃姫が、茶々と初の乳母を呼んで二人を回収させた。静子は濃姫に礼を言った後、固くなった体を(ほぐ)すためにその辺りを歩く。
宴会場をそっと覗いてみたが、既に出来上がった人が沢山いたため、静子はそっと入り口を閉じ、静かにその場を後にした。

「うーん、体がゴキゴキ言っているなあ」

関節をボキボキ鳴らしながら静子は伸びをする。このままうまくいけば数年の内に、日ノ本が織田家によって統一されるだろう、と静子は考えていた。
無論、それは全てがうまくいけば、の話だ。何かしら問題が出て、とん挫する可能性は十分にある。だが、それでも織田家が天下統一するのは、ほぼ既定路線と言えた。

「ん? あれは……」

「静子殿」

遠くの方で何かが見えた静子だが、目をこらす前に呼びかけられたため、彼女はそちらへと意識を向ける。顔を向けると、そこには若干酒臭い光秀がいた。
彼は静子が自分に気付いたのを知ると一礼した。

「我が娘が世話になっていながら、挨拶が遅れて申し訳ござらぬ。娘はお役に立っておりますか?」

光秀の問いに静子は言葉ではなく、ある地点を指さして答えた。最初は首を傾げた光秀だが、静子が指さした方を見て、手で顔を覆った。

「元気ですよ。ご覧の通り、元気すぎますが」

静子が指さした先には、光秀の娘である珠が猫じゃらし片手に猫たちと戯れていた。今は静子の新築祝い、小間使いたちの彼女も必然的に忙しくなる、のだが彼女はサボっていた。
おおかた猫が気になって、そちらに意識が集中したため、仕事を忘れているのだろうと静子は理解した。
光秀にとっては羞恥の余り茹で上がりそうであり、とても心中穏やかではいられない。

「……躾のなっていない娘で申し訳ない。粗相をしたら、遠慮なく叱って頂いて構いませぬ」

「普段はきちんと仕事をこなしておりますゆえ、この程度で目くじらを立てる必要もないと思います」

「そう仰って頂けると幾分安堵いたします。しかし、放っておけば図に乗るやもしれませぬ。少し、失礼を」

言い終えると同時に、光秀は珠に向かって大股で歩み寄る。猫に集中している彼女は、猫じゃらしを揺することに夢中で、光秀の存在に気付かない。
光秀が真後ろに立って、ようやく珠は背後に誰かがいる事に気付いたが、遅きに失した。

「ち、父上! こ、これはその……猫可愛いですよ!」

「そんな事は分かっておる! 珠! 仕事を忘れて猫と戯れるとは、どういう了見だ!」

「ぎゃっふん!」

(あ、珠ちゃんがゲンコツ喰らった。言い訳するより、早めに謝罪した方が良いと思うんだけどね−)

アドバイスを心の中で思いつつも、静子は決して光秀と珠の会話に近づかなかった。10分ほど叱られた後、二人は揃って静子の許へ戻ってきた。
ゲンコツが痛かったようで、珠は頭をしきりにさすっていた。それでも猫を抱えている姿に、静子はもはや苦笑しか浮かばなかった。

「しかとお勤めするよう言い聞かせておきました。次に、あのような事をしておりましたら、遠慮なくお申し付け下され。某自ら処断致します」

「静子様、仕事を忘れて申し訳ございません」

最初に光秀が、それに続く形で珠が頭を下げる。

「顔をお上げ下さい、明智様。珠ちゃんが叱られた理由を、しっかり理解しているなら問題ありません。さ、珠ちゃん。遅れた分を取り戻すぐらい働いてね」

「は、はい!」

元気よく返事をした後、珠は小走りに去って行く。走るときも猫を放さなかったが、途中で飽きたのか猫が珠の手を蹴って跳びだした。
一瞬、立ち止まった珠だが光秀の叱りを思い出したのか、猫から視線を外すと慌てて(くりや)方面へ走って行った。

「やれやれ、子どもとはいえ、もう少ししっかりとして欲しいところです」

珠の慌ただしさに、ため息を漏らす光秀だった。






「じいさん、入るぞー……相変わらずだな」

酒瓶を片手に、慶次は虎太郎が籠もる部屋へ入る。相手の返事を待たず入った瞬間、部屋の乱雑さに慶次は苦笑いを浮かべる。
あちこちに書き殴られては床に散らばる図式や計算式は、学のない慶次には理解できない。だからといって、その辺りに散らかすのは如何なものか、と彼は思った。

「……んあ? 何じゃ若造か。頼まれた仕事なら片付いておるぞ」

椅子に座ったまま寝ていたのか、寝ぼけ眼で虎太郎が言葉を口にする。今は星を観測する必要があり、虎太郎は昼夜が逆転した生活を送っていた。

「じいさん、酒でも一杯やらないか」

「断ったらその辺で飲むのじゃろう。全く、少しは老人を労ってくれても良かろうに」

「労ってるからこそ、根詰めすぎてぶっ倒れないよう、こうして足を向けているんじゃねぇか」

「まぁ……それは一理あるな」

立派なあごひげをしごきながら、虎太郎は小さなテーブルを引っ張る。途中、テーブルの角が近くにある本の山を引っ掛けて更に露出している床面積が減ったが、虎太郎はさして気にも止めなかった。

「研究は順調かい」

「順調……とはいかぬが、良い機材が準備されているので困ってはおらぬな」

虎太郎の盃に酒を注いだ後、慶次は自分の盃にも酒を満たしながら訊ねる。虎太郎の研究とは地動説が正しいかを証明する事だ。
その為に静子から色々な機材を与えられていた。望遠鏡(屈折式)は勿論、太陽投影板や専用の太陽時計などだ。
特に太陽投影板は優秀であり、これのお陰で虎太郎は失明の怖れなく太陽を観測出来る。
投影板と仰々しい名前はついているが、原理は単純で天体望遠鏡の接眼レンズの延長線上に、白い紙や板を設置するだけの単純なものだ。
観測対象が太陽ゆえ低倍率の接眼レンズでも機能するが、対象を観測しながらの微調整が出来ないため、太陽を投影板に写す手間の分だけ余分な時間を必要とする欠点も持っていた。

「そうか。俺には何が何やら分からぬが、じいさんが楽しそうで何よりだ」

「コペルニクスの著書を翻訳しただけで、元はそれほど興味があった訳では無かったのだがな。しかし、知れば知るほど面白い。それに、これが正しいと判明出来れば、教会の連中に吠え面をかかせることができる」

「楽しそうだな、じいさん。だが、楽しむってのは重要だぜ」

「もうお偉方の顔色を窺って卑屈に生きるのは勘弁じゃ。どうせ人の生は一度きり、ならば後悔なく死ぬために、好きな事をして生きるのも一興じゃわい」

「そうそう、旨いもの食って、日向で寝転びながら過ごすのも楽しいぜ。今日は祝い事しているから、旨いものを拝借するのも簡単だしな」

「何やら騒がしいと思ったが、そんな事をしておったのか。若造、お前は出なくて良いのか?」

「俺はあんな堅苦しい席はご免だ。腹の底を探り合いながら飲む酒など美味くないだろ」

「違いない」

そこで二人は笑い合い、そして盃の酒を飲み干す。

「最初は奇妙な味と思ったが、慣れるとこの酒も旨いのう」

「へっへっ、今日は祝い事だからな。良い酒がゴロゴロ出てたんだ。ちょっと多めに失敬しても目に付かないって寸法よ」

「なるほどのう。しかし、無性に故郷のワインが飲みたくなる。主人に話せば興味を惹けるか……いや、主人ならばワインの作り方ぐらい知っていそうではあるな」

「静っちなら知っていても不思議はないな。かくいうこの酒だって、静っちが音頭を取って作り始めたんだぜ。まあ、静っちに酒を飲ませると色々と大変だから、皆静っちに酒を飲ませないようにしてるけど」

「酒乱のたぐいか。それぐらいが丁度良い。人間、完璧過ぎるとつまらんからな」

「んー、酒乱……かな。まあ、酒癖が悪いってのは一緒か。ともかく酒に限らず、色々な物事を知っているだろうし、もしかしたら作り方も把握しているかもな」

曖昧な返事を訝しげに思う虎太郎だが、それほど興味を惹かれなかったので聞き流すことにした。それから二人は色々と談笑し、時々酒を呷った。

「南蛮ってのはどんな感じだ?」

「どう……と言われてもな。わしはとある学者の許で働いていた。学者というのは世事に疎くてな。そのお陰で、わしも世俗のことを殆ど知らぬまま歳を取った」

「そりゃあ大変だ。人生は楽しまないと損だぜ。たまには遊び倒さないとな」

「わしの場合は遊び始めるのがちと遅くなっただけじゃ」

「お、なかなか言うじゃねえか、じいさん」

ニヤリと笑った後、慶次は盃の酒を飲み干す。少し遅れて虎太郎も杯を乾す。慶次が虎太郎の盃に酒を注ぎ、ぶっきらぼうながらも虎太郎も慶次に返杯する。

「お前の言うところの南蛮は、端的に言えば最悪じゃ。宗教で民を縛りつけ、暗黒時代を進んでおる。主にも言ったが、わしらはユダヤ人。伴天連どもからすれば、ユダヤ人というだけで悪とされる」

「下らん話だな」

「ああ、実に不条理な話だ。しかし、そう考える人々が集まって国が形成され、その国の国教として据えられたなら、その考え方が常識となる。まあ、わしらユダヤ人とて排他的なところを持つゆえ、多数派になれば変わらぬのだろうがな」

「妙な話だ。俺から見れば、信じる神は同じなのだろう? 日ノ本でも同じ仏を崇めながら、様々な宗派に分かれている。そして自分が属する宗派以外をやれ異端だと排斥する。教えは同じなのだから、解釈の違いでしかないのに争うのでは不毛でしかない」

「そうだな。しかし、この国では宗教家が幅を利かせていないのが良い。聖地奪回だの、異端者狩りだの、そんな馬鹿騒ぎに巻き込まれるのは御免被る」

「うちじゃあ、信仰を強要することがないからな」

「己の配下が何を信じていようと拘泥せぬのか、それも主人の方針か。それで思い出したが、主人は一体何者だ? あの歳で、あれほどの達観している人間などそうはおらぬ。未だ奥底の見えぬ見識を持っているようだしな」

「さあ?」

「さあ……って」

慶次の投げやりに聞こえる返事に、虎太郎は呆れかえった。主人の事を何も知らない、それどころか興味もないという態度に見えたからだ。
虎太郎の表情に気付いて、慶次は邪気のない笑みを浮かべながら言葉を口にした。

「静っちが本当は何者か、なんて知っても意味はない。興味もない。俺たちゃ……少なくとも俺はそう思っている。それは静っちに対して距離を置いているからじゃない」

「……」

「静っちのやる事は面白いし、次にどんな事をしでかすか、期待と興味でわくわくする。それだけで十分」

「なるほどな。確かに期待できるというのは重要じゃ。まあ主人の場合、脈絡のない事に手を広げ過ぎていて、何をやりたいのか見えてこないのが難点だが」

「それすらも楽しめるようになれば、じいさんも一人前さ」

「年長者を半人前扱いするな!」

そう言って二人は笑い合う。それからも二人は酒を交わしつつ会話を楽しんだ。
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