自覚が無いお色気担当って、素敵じゃない?
by風連地お兄さん
その2 宇久ライナと愉快な三年E組
ここは私立辺田学園高等部、三年E組である。
その1をご覧になった方にはもうお分かりだろうが、宇久ライナが所属するクラスである。
今はちょうど始業のベルが鳴り終え、授業に不真面目な生徒も席に着きだしている。
大方の生徒が着席する頃、教室の教壇側の引き戸がガラリと開いた。
「おぅおぅおめぇら全員揃ってぇんだろうなぁ? 授業はじめるぜぃ」
江戸っ子口調(?)な仮面を被った中年男性、俗っぽく言うとおっさんが教室に入ってきた。怪しさ大爆発だが変質者でも不法侵入者でもない。
おっさんの名前は取古佐竺。数学教師でE組の担任のでもある。いわゆる朝のショートホームルームを終えた後、教材を取りに席を外していたのである。
「ん……取古死ね……」
教壇に近い席の眠たげな顔をした生徒から不吉な合いの手が入る。いつものことである。
「あんだとてめぇ桐支屋!? いつもいつもおめぇは生意気だなばーろーめぇ!」
「……うるさいひげ面……顔を近づけるな……おっさん臭が移る……」
取古先生がその眠たげな生徒――桐支屋伯とにらみ合いを始める。これもまたいつものことである。
「まあまあお二人さん、その辺にせぇへん?」
「一応今は授業の時間だからねえ。お兄さん達はともかく勉強をしたい人だっているんだし?」
「ま、喧嘩なら授業が終わった後、他の奴を巻き込まない場所で二人だけでやってろ、ってことだな! んー、今日も俺様は輝いてるぜ!」
教室の後方からてんでんばらばら、というにはチームワークのいいツッコミが上がる。E組名物3バカ……もとい悪友トリオである。
それぞれ、やや焼けた肌で怪しい関西弁を使いこなす栖辺院斗仁夫、高校生の癖して顎にオシャレ髭を持つイケメン風連地士主、そしてムキムキな弟を持つ小鳥を肩に載せた銀髪赤目土井津義流。E組でトラブルがあったら大体渦中にいると思っていい、要するにトラブルメーカー三人組だ。
「お、おぅ。すまねぇな。桐支屋、そういうわけだ。放課後首を洗って待っていやがれぃ」
「ん……今は土井津達に免じて許してやる……。……お前こそ、放課後までに遺書でも書いてろ……」
仮にも生徒と教師がこんなに殺る気満々の会話していていいのだろうか。だがそれがいわゆるヘタ校クオリティというものである。気にしたら負けという雰囲気が既に漂っているのだ。
そんなこんなでやっと出席が取られるというところで、教室の外から足音と聞きなれたドラム音が響いてきた。
「はぁ……はぁ……、すいません遅れちゃいましたぁぁぁ!」バイーンブイーンドイーン
勢いよく引き戸が開け放たれ、息も絶え絶えに入ってくる巨乳の女子生徒。この重低音でお分かりではあるだろうが、彼女こそ宇久ライナである。
「なんでぇ宇久、今日も遅かったじゃあねぇか。これで何回目でぇ?」
教室の視線が取古先生からライナへ移る。
「はぁ……はぁ……、はい……」
はだけた制服やら赤い頬やら、なんかこう、アニメで言うところのサービスシーンみたいになっちゃっているが、これは文章なのでそんなちょっとエロやかなライナさんを拙く表現することしか出来ないのである。誠に遺憾だがしょうがないのである。ちなみにはだけたセーラー服からおっぱいがチラチラ見えちゃってるのはお約束である。やったね!
「う……その、まぁなんだ、遅刻のワケは後で聞くから、今はとりあえず席に着いて服装を整えろぃ」
ライナがものすごく気まずい格好になっていることに気づき目をそらす取古先生。ライナはそれに気づかずに、教室前方の廊下側に位置する自分の席に座る。
「ん……今、取古が宇久の胸チラチラ見てた……エロ親父……」
「ううううるせぇぇ! つーかよぉ、おめぇなんかチラチラどころかガン見してたろぉが!」
「先生、風連地君が宇久さんの胸チラを録画してまーす。殴っていいですよね?」
「っておいなんで俺に向かってフライパン振りかぶるんだよ帆ヶ梨!? おい押鳥、お前なんとかしろよ!」
「皆さんお下品ですよ! 大体これでは授業が進まないではないですかこのお馬鹿さん達が!」
「まるで地獄絵図やんなぁ」
数行前のやりとりが忘れてしまったが如き騒ぎを尻目に、当のライナはのんびりと服装の乱れを整えていたとさ。
この後、ライナは数学の教科書がないことに気づき、またもや先生に叱られることになるのだが、それはまた別のお話である。
続く
悪友の名前が酷すぎるな……。
苗字は国名をアレンジ、下の名前は人名・愛称アレンジになってます。
人名が無い人は宇久蕾菜さんみたいになりますね。
後どうでもいいですが制服は高等部が学ランとセーラー服、中等部がブレザーになってます。
次回は二年生組のターンの予定です。
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