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 チャイムが鳴るギリギリまで遅刻者を待ってあげる風紀委員って、実はものすごく優しい人だと思いました。
 だから土井津も俺に優しくしてほしいです。
 by板利
その1 五月某日 晴れ 板利と宇久先輩が遅刻をした  
 朝のチャイムが鳴る5分程前、高等部の校門へ走る二つの影があった。
「ヴ、ヴぇええ……、ちゃんとセットしたはずなのに……目覚ましが止まってて起きれなかったよぉ……、ヴぇぇぇ……」
 一人は高等部二年A組の板利(いたり)フェリ。ヘタレでちょっとおバカなことに定評があるモテカワスリムの愛されボーイである。後半は嘘である。口からヴぇーという鳴き声を発するトマトとピッツァと女の子が大好きなお茶目さんである。
 そしてもう一人。
「はぁ……はぁ……、胸が重くて、上手く走れないよ……」バイーンドドイーンビビーンブブイーン
 このやたらと大きいおっぱいが奇怪な音を発している少女は宇久蕾菜(うくらいな)。三年E組である。前記の通りやたら胸が目立つことと、ややドジで泣き虫なことで知られている。あとめちゃめちゃ怖いことで有名な従弟妹がいたような気がするが、そんなことはどうだっていいんだ。
 そして校門の前にはなんかムキムキでめっちゃ威圧感のある男子生徒が一人。
「こら板利何をしている! もうすぐ予鈴がなってしまうぞ!? 今月だけで何回遅刻すれば気が済むんだ! そしてそこの三年生! 名前は……宇久先輩だったか? まあいい、早くしないと授業が始まってしまうではないか!」
 土井津流人(どいつるうと)、板利と同じ二年A組の風紀委員である。なんか凄い真面目でムキムキな30代子持ちな軍人っぽい見た目だがれっきとした17歳なんである。ジャガイモが大好物で、同級生からは「芋隊長」とか「ムキムキドS」とか「芋ビール」とか呼ばれてたりする。未成年がビールって、とかはツッコんじゃあいけない。
 二人がやっと校門にたどり着いた所で予鈴が鳴る。授業開始五分前のチャイムだ。
「やれやれ、二人ともギリギリセーフか。板利はともかく、宇久先輩、貴女は今年受験生だろう? もう少し自覚を持ったほうがいい。板利、お前は後でじっくり遅刻の理由を教えてもらうぞ。とにかく、明日は二人ともちゃんと余裕を持って登校するように。以上だ」
 やっぱり軍人としか思えない口調でテキパキ注意し、さっさと教室へ向かう土井津。うかうかしていると授業に遅れて遅刻扱いになってしまうからである。まあ、委員会の仕事なので先生方も大目に見てくれるだろうが、土井津はそれに甘える程自らに甘い人間ではなかった。
「ヴぇええ! 待って土井津、置いてかないでぇぇぇぇ! 靴紐解けちゃって結べないんだよぉぉぉ!」
 ヘタレ丸出しに土井津にすがりつく板利。それに土井津はやれやれといった感じに靴紐を結ぶ。
「ヴぇー、土井津ありがとー。あ、そうだ! ねえねえそこのお姉さん、後で一緒に食堂でランチしない? あそこのパスタすっごく美味しいんだy「板利ィィィィィ! もうすぐ授業が始まるのにナンパしている場合か! 早く行くぞ!」
「ヴぇえええええええええ!? 痛い痛い耳を引っ張らないでぇぇぇぇぇ!!」
「……行っちゃった」ドイーン
 呆然とするライナ(漢字めんどいからカタカナでいいや)を尻目に、さっさと教室へ向かう土井津とタケシよろしく耳を掴まれ引っ張られていく板利。
「二年生かぁ……もしかして依伴ちゃんの友達かなぁ? だったらわたしとも友達になってくれるかな……?」ブイーン
 なにやら意味深な独り言をつぶやくライナであったが、そうこうしている間に始業のチャイムが鳴ってしまい、結局遅刻になり先生に怒られてしまうのでした。

 続く
もうちょっとだけ続くんじゃ


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