第四十三話 実験の結果
はい、どうぞ!
今回はほぼステータスですが……
もう村には生きている者はいない。
それを確認したゼロは配下達と共に、クロトのいる場所に向かった。
『……実験は成功だね……』
(ああ。最後にちゃんと妖気を使ったしな)
そう、今回の実験はクロトの実力を見るのと、妖気を使って戦えているのかの実験だ。
妖気は、あることを知ってからすぐに配下達と一緒に使えるように特訓していたのだ。
そのおかげで、配下達も妖気も使えるようになり、強くなったのだ。
現に、フォネスの尾が四本になるとわかりやすい強化を見せてくれたのだ。
人間であるマリアが一番使うのに苦労したが、四日目に使えるようになっていた。
人間だからなのかわからないが、三人の中ではマリアが一番苦労したようだ。
「我が神! どうでしたか!?」
「よくやったぞ」
「ははっ、ありがたい言葉です!!」
クロトと合流したゼロ達。
クロトの正体だが、ステータスを見ればわかると思う。
これがクロトのステータスだ。
ステータス
名称 クロト
種族 死体集合体
称号 ”ゼロの配下”
スキル
希少スキル『奇術者』
(収納、思考加速、奇術)
特殊固有スキル『操霊者』
(死体操作、人形作成、自動操作)
通常スキル『毒・麻痺耐性』、『幻覚耐性』、『物理耐性』、『闇無効』、『不眠』、『魔力察知』、『魔力操作』、『投擲』、『妖気操作』
そう、沢山の人間の死体から作り出したのが、このクロトだ。
クロトの希少スキル『奇術者』であるスキルは、まさに、マジックのようなスキルなのだ。
先程の技は、奇術で自分が考えたマジックを現実で発現したのだ。
まさにチートのようなスキルだが、もちろん、制限がある。
奇術で使った技は、一日に二回しか使えない。
同じ奇術ならクロトが言ったように一日に一度だけ。
二回使うと、効果の大小に関わらず、魔力がすっからかんになってしまう。
さらに、効果の範囲は、半径20メートル内しか、発現出来ないし、直接に相手を殺すことは出来ない。
例えば、奇術で相手の首が勝手に落ちたり、心臓を止めたりすることは出来ないのだ。
さっきみたいに反射みたいなのは、相手が自分で自分を攻撃したのと変わらないから直接に殺したわけでもない。
入れ替わりは居場所を変えただけで、クロトが殺したことにならないのだ。
普通なら、使い所が難しいスキルなのだが、クロトも『妖気操作』があるからそれがあれば、魔力が使えなくても妖気で戦える。
ちなみに、トランプは奇術のスキルで造ったものではない。
ただの紙で造られていて、どこでも買えるトランプを魔力や妖気で強化しているから、いつでも使えるクロトの武器である。
特殊固有スキル『操霊者』は、死体を操ったり、さっき使ったぬいぐるみや人形を作ることが出来るのだ。
ちなみに、なんでぬいぐるみも作るのかは、クロトの趣味である。
自動操作は、初めに設定した命令通りに動かせる。
簡単な命令しか受け付けないデメリットがあるが、自動操作なら魔力がある分だけ人形を沢山操れるのだ。
今のところは奇術で使う魔力を考えれば、100体までだ。
初めから造って置いて、収納でいつでも出せるようにして、魔力を注げば、本人の魔力が無くなってもぬいぐるみや人形に溜めた魔力が切れるまで操作が出来て、便利なスキルである。
『……クロトなら、一人でメイガス王国を潰せるんじゃない……?』
(クロトは人形で数の不利を無くせるから他の配下達と違うのがそこだな)
『……フォネスなら、街ごと消すだけなら出来そうだけど、それだと得る物が少ない』
街を全て消し炭にすると、街が無くなっただけで、ゼロ達に得がないのだ。
だから、人形を沢山操れるクロトなら軍隊のような働きを期待出来るのだ。
人形の実力は冒険者のランクで言えば、Bランク程度である。
1体だけに100体分の魔力を注ぐなら、Sランクに届くかどうかだ。
(本当に強くなったよな……)
『……今のお兄ぃ達なら、街を余裕で潰せるよ』
レイはクロトを含めた五人だけでも街を余裕で潰せるようだ。
街はメイガス王国しか知らないから、その街のことを言っているだろう。
そのメイガス王国はほぼ半壊しているから今、攻めれば地図から消えるのだが…………
(メイガス王国は無しだぞ?)
『……やっぱり、お兄ぃはそう言うと思った……』
何故、メイガス王国を襲わないのかは、もう半壊していることに同情ではなく、ただ得る物が少なそうだからだ。
『……私が言う街はメイガス王国のことじゃないよ……?』
(そうだったのか。じゃ、何処かの街に攻めると言うことか?)
『……うん、メイガス王国の近隣にある街だよ……』
(なるほど、それら街なら簡単だな)
何故、簡単だと言うのかは、ポイントはメイガス王国の近隣であることだ。
今のメイガス王国の状態は悪いから、まだ聖騎士や竜騎士も留まって警備してくれているのだ。
ということは、近隣の街は前より手薄になっていることなのだ。
(それはいいな。だが、クロトしか使えないぞ?)
『……本来ならシルも一緒だったのに、勇者がお兄ぃの仲間だと知っちゃったから……』
(クロト一人だとキツイな……)
『……仕方がない。また作る?』
(それがいいだろうな。ったく、勇者はこっちの思惑を狂わせてくれるな)
『……しばらく会う予定は無かったのに、シルが出会ってしまうし……』
(終わったことは考えたって仕方がないな。また造るからしばらく篭るか?)
『……そうだね。出来たらすぐにやろう』
(ああ。俺はまだ目立つにはいかないからな。あと一回は進化さえ、出来れば……)
ゼロはまだ目立つつもりはないのだ。
今は半霊体で、まだ進化があるような予感があるのだ。
まず、ゼロは進化を優先させ、まだ勇者が知らないクロトともう一人で街を襲ってもらい、死体と物を増やしてもらうのだ。
とりあえず、計画も建てたので一度、拠点に戻ることに。
ちなみに、クロト以外のステータスとは…………
ステータス
名称 ゼロ
種族 半霊体変異種
称号 ”死霊使い”
スキル
希少スキル『知識者』(名称 レイ)
(鑑定・統合・思考空間・思考加速・解析)
希少スキル『身体構成』
(作成・維持・強化)
希少スキル『操り人形』
(死体操作・無機物操作)
希少スキル『創造者』
(ダンジョン作成・転移)
特殊固有スキル『魂吸者』
(吸収・回復促進)
通常スキル『全門耐性』、『不眠』、『魔力操作』、『魔力察知』、『隠密』、『毒作成』、『自己再生』、『威圧』、『収納』、『魔導者』、『妖気操作』
ステータス
名称 フォネス
種族 九尾族変異種
称号 ”ゼロの配下”
スキル
特殊固有スキル『焔狐』
(鬼炎・幻覚・変化・思考加速)
通常スキル『幻覚耐性』、『毒・麻痺耐性』、『火炎無効』、『魔力察知』、『魔力操作』、『威圧』、『妖気操作』
ステータス
名称 マリア
種族 人間
称号 ”ゼロの配下”
スキル
希少スキル『暗殺者』
(偽装・毒作成・武器作成・思考加速)
通常スキル『毒・麻痺無効』、『幻覚耐性』、『投擲』、『魔力察知』、『魔力操作』、『魔力隠蔽』、『妖気操作』
ステータス
名称 シル
種族 蟲人族変異種
称号 ”ゼロの配下”
スキル
希少スキル『冷酷者』
(氷晶・思考加速・変化)
通常スキル『毒・麻痺耐性』、『氷結無効』、『幻覚耐性』、『魔力察知』、『魔力操作』、『格闘者』、『剛力』、『妖気操作』
というように、強化されていたのだった…………
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