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第百七十話 真・最終決戦 後半

本日六話目。

 


 黒い竜のガロが先鋒となり、他の竜が続いていく。それに乗っている竜騎士も様々な魔法を撃ち込んでくる。




「さっさと退場しやがれっ!!」

「出来るもんなら、やって見せろ。”千刃襲来サウザンドソード”」


 空中に一本一本と形が違う剣が大量に現れた。それをそのまま、竜騎士へ向かうかと思われたがーーーー




「なっ!?生き埋めになっている奴らを!?」

「まず、生き埋めになっている奴らから片付けよう。さて、無視するか?」

「貴様!!」


 現れた剣の殆どは、ビルを壊されたままになっていて、生き埋めになっている人達へ向かっている。竜騎士の皆はすぐに剣から守ろうと迂回しようとしたが、カズトがもう動いていた。




「やらせるか、”四獄聖撃昇天ラディスレイガスディオクション”!!」


 光る龍が千本の剣を喰らい尽くして、守った。続いてゼロに向けて”四獄聖撃昇天ラディスレイガスディオクション”を撃とうとしたが…………




「……あ?」




 カズトは膝を地に付いて、さらに倒れそうなのを防ごうと手を地に付けて身体を支えていた。




「何が……?」

「やはり、半神半人だろうが、身体は人間とあまり変わらないんだな。お前は傷を付こうが回復魔法を使えるし、魔力も回復させる術もあるみたいだな。だが…………体力はどうだ?」


 体力。人間にあって、霊であるゼロには無いもの。

 ゼロとカズトは同じ時間を戦って来たが、たった今、その差が現れ始めた。カズトは今まで疲れは無意識の内に遮断していたようだが、遮断していても身体は限界に近かったから、今のように膝を付いているわけだ。




「体力が切れたら動きも判断力も鈍る。終わったな」


 ゼロは再び、”千刃襲来サウザンドソード”をカズトごと飲み込むように撃ち出す。カズトは何とか迎撃しようとするが、腕はピクとも動いてくれない。




「くーーッ!!」


 カズトはもう駄目なのか?と頭の中にチラついて、目を瞑ってしまったが……………………




 あれ、衝撃が来ない?痛みもないので、おかしいと思い、目を開けてみると、意外な人物が立っていて、カズトを守っていた。




「て、天使?」

「ふん、ガブリエル様からの命令だ。決して、お前のためじゃない」

「人使い荒いわね、自分達が動けないからってね」


 前に立って防いでくれたのは、マギル、テリーヌと共に戦っていた天使だった。大天使達はもし自分で介入しようとすれば、間違いなくミディがそれを止めようとするので、カズトの近くにいた天使に命令を追加させたのだ。

 初めの命令は、メタトロンの核を取り戻す、人間達の戦いを手伝うことだったが、今は方舟がなくなって、核の存在を感じられなくなったからもう人間の手助けをする理由がなくなっていた。だが、追加の命令でカズトを守れと伝達が来たので守ったのだ。




「天使も参戦かぁ?無駄な死体が二つ増えるだけだぞ」

「大天使様はお前を生かしておくのは危険だと判断したようだ」

「だから、カズトに倒して貰わないと駄目ってわけさ」


 天使がたった2人だけが介入したからといっても、勝率が大幅に上がったわけでもない。このままなら、ゼロの言う通りに、死体が二つ増えるだけだろう。

 天使もそれがわかっていても、大天使からの命令を聞くだけだ。倒すまでは死なさせないように……




「うらぁっ!!」

「カズトは少しは休んでおけ!!」

「ナメるなぁぁぁ!!」


 勇者達も竜騎士と一緒に空中にいるゼロへ攻撃を加える。




「無駄なことを…………む?」

「くっ!魔力も気配を消したのに、気付かれるのかよ!?」


 ゼロは無意識に、後ろから忍び寄ってきたマギルの剣を止めていた。ゼロは常に薄い膜のような魔力を放出していて、近付かれるか攻撃されても、張った魔力の膜が歪むからすぐに察知出来るのだ。






 ドバァァァァァン!!






 今度は下から爆発が起きた。ゼロはすぐに”聖域ホーリーサークル”を発動していたから、無傷だが煙で視界を塞がれた。




「今よ!!」


 爆発を起こしたのはテリーヌだった。視界を塞いだ瞬間に、竜騎士と勇者達が近接攻撃をしようと突っ込む。魔法だと”聖域ホーリーサークル”で防がれる可能性があるので、魔法剣を打ち込もうとする。

 全位方向から魔法剣の攻撃が向かってくるゼロだが、慌てるような事態ではない。




「視界を塞がれただけで弱くなると思ったのか?全位方向から来るならこうすればいいだけだ」


 ゼロの全位方向に”千刃襲来サウザンドソード”を生み出して、全位方向へ放った。見えなくても、魔力で何処か来るのかはすぐにわかるので、一人も撃ち漏らしをせずに剣が竜騎士と勇者達を撃ち落としていく。




「皆!?」

「うるさい。お前は体力の回復に努めていろ」

「だけどっ!!」


 今すぐに飛び出して行きたいが、まだ身体は動いてくれない。




「さて、殆どは片付いたかな?」


 死んでいない人もいるが、ゼロは気に留めない…………が、まだ向かってくる人がまだいた。




「はぁ、はぁはぁ……」

「流石、勇者の仲間ってとこかな。他の勇者は落ちていくのにな」

「俺は、カズトがお前を討つと信じている。なら、俺のやるべくことをやるだけだ!!」

「……そうか。もう死んでもらうぞ」


 ゼロは今まで一人に絞っての攻撃はカズトにしかしてなかった。だから、マギルはまだ生きていられた。だが、たった今はマギルに絞って攻撃することになる。






「っ!!…………さ、させるかぁぁぁぁぁぁぁ!!」






 カズトはゼロの表情からマギルへの殺気を感じ、このままでは殺されると理解した。

 カズトはそれだけはさせないと身体を無理矢理動かせる。

魔泉王エクストール』がその思いに応え、魔力の回復が主である能力が巨大な魔力に変わって動かない身体を動かすエネルギーになる。

 そのエネルギーは紅く燃えているように、カズトの身体を包む。




「うあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「なに!?」


 動けないはずのカズトが一瞬でゼロの元へ着き、聖救剣を振り抜く。ゼロは驚愕しながらも同じ聖救剣で防御をしていたが、力負けしていた。




「くっ!?」

「うらあぁぁぁぁぁ!!」


 カズトの力が前より上がっていて、魔王の時のと変わらない身体能力では力負けするぐらいにだ。

 剣を何回も打ち合うと、ゼロにしたら見逃せないことが起きていた。




 ビキ、ピキッ…………





 なんと、ゼロの持つ剣にヒビが入っていくではないか。『理想神エデン』で生み出した剣には全て破壊不可能とイメージして発動している…………はずなのに、これはなんだ?と困惑してしまう。




(まさか、紅いオーラみたいな奴に何かが?……いや、命を削って身体を無理矢理に動かしているようにしか見えない。なら、何故?)


 困惑している間にも、カズトの剣は止まらず、打ち込んでくるので、ヒビが大きくなっていく。




「は、離れやがれぇぇぇぇぇ!!」


 ゼロは余裕がなくなっていた。ゼロを中心にした爆発が起きて、カズトを引き剥がそうとするがーーーー




 無傷でいるカズトの姿があった。




「な?守りの効果もあるのかよ!?」

「…………俺は仲間に信頼されていて、まだまだ強くなれる!仲間は俺を信じているのだから、俺は自分の強さを信じてお前を討つ!!」


 ゼロの疑問に答えたわけでもなく、自分自身の心情を話しただけだったが、ゼロは理解した。




(………………………………ああ、なるほどな)




 理解している今もヒビが大きくなり、直そうとしても直らないままで『理想神エデン』の効果が発動しない。




(簡単なことだったな……)




 後も何回か打ち込まれ、ついに…………






(俺が、自分自身・・・・を信じていなかったからか)






 ゼロの聖救剣がパキッ!と剣の真ん中から折れた。


 今のゼロには『理想神エデン』を発動出来なくなっていた。


 ゼロの『理想神エデン』とは自分の本質であり、話が変わってしまうが、ゼロは今まで自分自身を信じていなかった。

 いつも一緒にいるレイを信頼していて、何も出来ない自分を全く信じてなかった。




 だからこそ、ゼロ自身の本質を信じてなかったのと同じで、『理想神エデン』は自分が理想であることを現実に変える能力だが、自分の理想が正しいと思えなくなった時点で弱くなったのだ。

 剣にヒビが入ってから自分の能力を疑ったのが始まり、今ではもう自分自身を信じていなかったことを完全に理解したゼロはもう一本の剣さえも出せなくなっている。




 ゼロの剣を破壊し、そのままの勢いで、カズトの剣がゼロの胸を貫いた。

 ゼロは貫かれた胸を見て…………






(自分自身を信じるか信じないの差で負けたか……)






 ゼロの心臓である核が破壊された音が世界中に響いたのだった…………






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