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第百三十二話 半神半人(デミゴッド)



 ”聖救剣エクスカリバー”を発現したカズトはクロトの”七属彗星レインボゥマスター”を消し飛ばす。




「なっ!?」

「誰も失う訳にはいかないんだ……!!」


 クロトは、仮面を被っていて表情が見えないが、笑顔を消えたような気がした。




「この神之能力ゴッドスキル救済神メシア』で全てを救う!」


 まるで、命を掛けてでも、皆を助けると言っているような気迫を持っていた。




「くっ……! これがゼロ様が言っていた勇者の理不尽って奴ですか……………………あれ?」


 クロトは気付いた。いや、怨霊……、魂を司るクロトだから気付けたが正しいだろう。

 目の前にいるカズトの魂が、生命が小さくなっていること…………




「……確か、貴方は半神半人デミゴッドになったはずですよね? なのに、人間だった時より生命力が小さくなっているのは……」


 クロトも世界の声が聞こえていたから、カズトが半神半人デミゴッドになっているのは知っている。




半神半人デミゴッドなのに……………………はっ! まさか、半神半人デミゴッドの意味は…………ク、ククッ!!」


 そこで、クロトはカズトがなった半神半人の意味を悟った。それにクロトは笑ってしまった。

 クロトが知っている半神半人デミゴッドは人間の身体でもありながらも神の資質を持っていて、神に近い存在とされている。

 だが、目の前のカズトは違っていた。半神半人デミゴッドであっても…………






「ククッ!! 貴方は進化し、力を得たどころか、退化しているのと変わらないではないか!! 何と言う資質の無さですか!! 笑せてくれますねっ! ククッ!!」

「ぐっ……」




 そう、クロトの言う通りである。カズトは半神半人デミゴッドに進化したが、内容を聞くと退化していると言われても仕方がないほどに酷いのだ。


 何故、そうなっているのか、少し、刻を遡る…………









 クロトの”七属彗星レインボゥマスター”を発動された後に、カズトの意識が引っ張られた。

 女神ミトラスの手によって…………




「う、眩しい……?」


 しばらく眼を開けられないほどに、眩しかった。しばらくすると、眩しかった方向が弱くなって、ようやく眼を開けられたと思ったら一人の女性が立っているのがわかった。

 その女性は、一言で言えば、美しかった。太陽の様な輝きを持っていて、美人の言葉では足りないぐらいに。




「急に意識を引っ張り出してすみません。緊急時でしたので……」

「え、ここは…………っ!? 他の皆は!?」


 まだ戦いの途中だとわかり、慌てるカズトだったが…………




「大丈夫です。向こうでは時間が止まったように動いていませんので、無事ですよ」

「そ、そうか……」


 ホッとするカズト。だが、目の前の女性は誰なのか気になった。




「自己紹介が遅れました。私は女神ミトラスと言います。一応、太陽神とも言われていますが、知っていますか?」

「女神ミトラス? 太陽神? えっ? ええぇぇぇっ!?」


 カズトは女神ミトラスのことを少しは知っていた。前の世界で読んだ小説だけではなく、この世界で奉っている女神の一人でもあったからだ。




「はぇ、ミトラスって、あの女神ミトラス?」

「はい。驚いている所ですみませんが、呼んだ本題を話しても構いませんか?」

「は、はい」


 カズトは深呼吸して、落ち着かせる。そして、ミトラスが話を始める。




「まず、私と貴方の関係から話をしましょう」

「え、初対面ですよね?」

「はい、初対面で間違いはありません。ただ、関わりがあるだけですが…………、召喚魔法が発動された時に、私が別世界である地球から貴方を連れて来たの」

「…………え?」


 そう言われて、固まるカズト。そのカズトをよそに、話は続く。




「私が他の人ではなく、貴方の意識を引っ張り出したのは、他の人の資質ではクロトと言う者に勝ないと判断したからです」

「資質……」

「はい。私は貴方に力を授けるために呼び出しました。しかし、それでもクロトに勝てる可能性は低いのです」


 ミトラスは、他にいる四人に力を与えて発現する能力では、クロトに勝てないと判断したのだ。

 だが、カズトなら…………と思い、カズトの意識を引っ張り出したのだ。




「ただ、貴方は皆と同様に条件を達されていませんので、普通なら力を与えられません」

「なっ!? なら、何故……」


 呼び出したのだ!? と言う前に、ミトラスによって遮られた。




「普通ならですが…………」

「っ、まさか、他に方法が?」

「はい、貴方にとってはこの取引は得であっても損でもあるのです」

「…………」


 カズトは黙って続きを聞く。




「貴方の持つ全ての希少スキルの破棄と生命力を減らすことで、貴方はようやくクロトを倒せる可能性を持つ能力が生まれます。ただ、勝てるかは貴方次第になりますが…………」

「全ての希少スキルと生命力を……」


 つまり、今まで培ってきたスキルを捨て、さらに自分の生命力を減らしてようやく、クロトを倒せる可能性が少しは出る程度なのだ。




「貴方の潜在能力は高い。いつか条件を達していけば、神になれるほどに…………。しかし、ある条件を達していないまま、このまま力を得ると、新たな能力に制限が掛かり、神になれる資格を捨てることになります」


 さらに、カズトにとって嫌な情報が出る。

 今、代償を支払ったとしても、制限が掛かったまま『神の使徒』として神になれなかった半端な半神半人デミゴッドになってしまう。

 もし、クロトとの戦いで生き残った後にある条件を達して、制限が軽くなったとしても神にはなれず、生命力は減ったままだから人間の時より寿命が短くなるのだ。

 それでも受けるしかないカズト。このまま力を受けるのを断ってもクロトに殺されるだけなのだ。

 そして…………






「……わかりました。受けます!!」


 カズトは覚悟を決めた。この命を減らしてでも、助けたい仲間達がいるのだから。もう救えないのは嫌だからだ。




「……その覚悟、受け取りました。ずっとその覚悟をお持ち下さい。いつか、その覚悟が貴方を助けるでしょう…………」


 カズトの意識が戻っていく。クロトの攻撃が皆の命を奪う前の世界に…………











 カズトとクロトは向き合う。




「ククッ、半端な半神半人ですか。しかし……、その力だけは本物ですね」


 カズトの神之能力『救済神メシア』は制限が掛かっているといえ、神に相応しい力を持っている。

 今、手に持つ”聖救剣エクスカリバー”が”七属彗星レインボゥマスター”を消し飛ばしたのが証拠だ。

 『救済神メシア』の力を一つ、見せることに…………




「はぁっ!!」

「ククッ! 威力が高いだけならこの怨霊を防ぐのは無理ですよ!!」


 怨霊を壁にするクロトだったが…………




「なっ! 消えた……いや、成仏した!?」


 斬られた場所の怨霊達が壁から離れて上に昇っていた。そう、成仏したのだ。

 『救済神メシア』の能力は、文字通りに救う能力である。相手の邪気を払い、霊系の魔物だったら触れただけで消えるか成仏させることが出来る。

 カズトは怨霊達が元は恨みを残した人間の魂だと知っているので、消すのではなく、成仏を選んだのだ。

 成仏させられたクロトは、綺麗になった魂を呼び戻すのは無理だ。クロトの『怨霊王レギオン』は恨みを持った魂、怨霊しか操れないからだ。

 さらに、クロトは怨霊が一部であり、それを成仏されてしまうと、クロトの力が減っていく。




「くっ、嫌な相手ですね…………」

「僕は全てを救うと決めたんだ!!」




 ようやく決定打を手に入れたカズト、少し力を削られたが、怨霊はまだ万単位の数がいるクロト。どちらが勝つのかは、まだ神にもわからない…………







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