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作者: 姫山 朔

 

 雪が降る

 この町にも雪が降る

 清らかな白

 道を埋める


 私は走る

 この町を駆け抜ける

 黒いコート

 白を往く


 たどりつくのは安らぎか

 それとも抜けれぬ苦しみか

 私は走る

 何も知らず



 道を埋めた白

 輝いて

 道を往く黒

 留めようとす

 けれど黒、走りゆき

 白、輝き残したまま沈黙す



 あそこで止まれば良かったのか

 私にはわからない

 ただ、走ることだけが私にできたこと

 立ち止まることが罪だった



 雪、降り積もり

 世界は白に染まってゆく

 黒、それは異端

 世界で唯一白く染まらぬもの

 黒、白を往く

 自らの異端を知らぬまま



 ようやく足を止め、空を見上げた

 降り積む雪が、私を覆う

 白と黒

 まだらの私

 それは、私が求めてやまないもの



 白の中にあって、白ではないもの

 黒の中にあって、黒ではないもの

 それは、私が求めた「私」

 それが、私が求めた「私」



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