【『つまらない』と言われようとも】(俣彦『短編ぼくのまち』)
大相撲の本場所で
優勝争いの先頭を走る大横綱と
大関との一番に置きまして
立ち合いの変化により
横綱が勝利を修めた取り組みのあと
(横綱が・・・)
とか
(あっけなく終わってしまって面白くない)
と言いました批判が巻き起こったことがございました。
その取り組みを見ていて感じたことなのでありますが
大関のほうが
あれだけ頭を下げて突っ込んで来る
と言うことは
『はたいてくれ』
と言っているようなものだよな・・・。
これが横綱対幕下以下でありましたら
横綱も胸で受け止めるのでありますけれども
相手は大関でありますし、
横綱のほうも必ずしも得意と感じている相手では無い。
その大関が
捨て身で突っ込んで来るのでありますから
(はたく)
と言う行為を選択されることは
特に問題は無いと思うのであります。
(モロに受け止めて怪我でもさせられたら
たまったものではありませんし・・・)
そして何より
横綱は
負けることが絶対に許されない立場にあります。
ありますので
たとえ
『勝ち過ぎてつまらない』
とか
『取り組みが普通すぎて面白みに欠ける・・・』
と言われましても
勝とうが負けようが
理不尽なブーイングを浴びせられることには
なんら変わりが無いのでありましたら
万全の態勢で勝ったほうがマシ
(これがプロ野球の話となりますと
『勝ち過ぎてつまらない』
と言われて退任に追い込まれた監督さんが
私の記憶の中では
御二方いらっしゃるのでありますが
その球団のその後を見ていきますと
勝たなきゃ面白くないよね・・・
でありました・・・。)
そんなこと思いながら
11日土曜日。
正午のニュースを見ながら思っていたのでありましたが
(まだ対局中なのに
協賛していないところが
わざわざ時間割いて宣伝されるのかな?)
と思いながら聴いていましたら
『21手で投了しました。』
でしたからね・・・
(チェス?)
と思いながら
改めて拝見させて頂いたのでありますが
対局前の段階で
既に開発されましたかた。プロ棋士双方
コンピュータの弱点を把握されていた。と・・・。
通常でありましたら
開発されましたかたが
修整されるのでありますが
ルール上、
許されていない。
故に
今回の対局に置きまして
プロ棋士が
コンピュータの短所を狙いに行くか行かないか
が1つの注目点になっていた。と・・・。
プロ棋士側がその弱点を狙うことは
至極当然のことでありますし、
それをしなくて敗れた場合。
なにを言われるかわかりません。
一方、
これがコンピュータが思考した中から
開発者のかたが決断を下して指す形式でありましたら
『ルートを外れています。』
『ルートを外れています。』
(コンピュータのほうがルートを外しているから
敢えて別の手を投じているのだよ・・・)
しばらくして
『新たなルートを発見しました。』
のカーナビの要領で
軌道を修正をすることも可能なのでありますが
今回、開発者が対局中に出来ることは
白いタオルを投げ込むことだけ。
でありますので
『傷口が拡がる前に』
と言う選択をされたことも
・・・理解することは出来ますね・・・。
今回のヒト対コンピュータの対局を見まして
プロ棋士とコンピュータがタッグを組んで
互いの弱いところを補いながら
互いの長所を活かしていく形式が
幸せな結果になるのかな・・・。
そんなこと思いながら
拝見させて頂きました。