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仮題「シャングリラ」第三章
作:月読天舞



第47話「消えるリューヤ」


小夜子・・・・・・・小夜子・・・・・・小夜子・・・・・・
「小夜子・・・・・・」
 リューヤは小夜子の死体の横で呟く。
「あああ、うあああ、わああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
 リューヤの絶叫がこだまする。
 そのリューヤの絶望と悲しみに呼応するように、世界全体が震えだす。
 小夜子・・・・・・・・・得ては失っていく・・・・・・ただそれを繰り返すだけの世界に何の意味がある・・・・俺にとってこの世界は何の意味がある・・・・・小夜子・・・・・小夜子・・・・・・・
「小夜子!!!!!!!!!!」
 リューヤが再び絶叫する。
『選ぶのか?』
誰だ・・・・
『また、滅びを・・・・・』
リューヤは誰とも分からぬ声を聞いていた。
『それも一つの選択』
『終わりゆく世界の』
『選択』
『だが、再び滅びを選択するのか?』
『リーンの生きるこの世界を』
『小夜子の生きたこの世界を』
『アレクシーナの、西城の、そして皆の生き、生きたこの世界を』
『滅ぼすのか?』
『滅びと再生を繰り返すエンドレスの輪を』
『永劫に繰り返すのか?』

俺は・・・・・・・・俺は・・・・・・・・

「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 リューヤの絶叫が三度轟く。

「俺は・・・・・・・・」
 リューヤの姿が世界から消え、地震が収まった。




小夜子の目が覚めた。
「私は・・・・・・・・・」
生きているのか?・・・・・・・・・・いや、生き返ったのか??
「リューヤ!!」
 小夜子が辺りを見回す。だが、リューヤの姿はない。私は・・・・・・・
 気配に気付き、小夜子が振り返る。そこにはリューヤの姿があった。
「リューヤ!!!」
 小夜子がリューヤに抱きつく。だが、小夜子の体はリューヤを突き抜けた。そこにあった、リューヤの体は霞のような存在だった。
「小夜子、俺は行かなきゃならない。全て・・・・・・・思い出したんだ・・・・・・小夜子・・・・・君はこの世界で・・・・・・・生きて・・・・・・・・」
「リューヤ?何を言ってる?」
「きっと、生き抜いて・・・・・・約束だ。」
 小夜子はリューヤがこの世界から消える事を直感的に悟った。小夜子の目から涙が溢れる。リューヤの姿が消えた。
 小夜子はその場に立ち尽くし、ただ、泣き続けた。




 アレクシーナが目を覚ます。
「アレクシーナ様!!!」
 西城が叫んだ。
 アレクシーナの目に、リューヤの姿が映る。
「リューヤ・・・・・・・・」
「すいません、アレクシーナ様。俺は行きます・・・・・・」
「そうか・・・・・・役目が・・・・・終わったのだな。」
 リューヤが無言で頷く。
「後は、頼みました。」
 リューヤはそれだけ言うと、かき消すように消えた。
「い、今のは?」
 西城が聞いた。
「リューヤは、役目を終えてこの世界を去るのだ・・・・・・それだけだ。」
 そう言ったアレクシーナの目にも涙が浮かんでいた。




仮題「シャングリラ3」(了)

ちょっとだけ、4に続きます。














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