*Non-daily life(2/7)縦書き表示RDF


*Non-daily life
作:久夾



2.ルームメート+a


「もしかして、唯ちゃん…?」
知らない人に、名前を呼ばれた。

此処で、あたしの事を女の子のように呼ぶ人間は居ないはずだ。
勿論、今此処で下手に喋れば性別の事がバレる。

「イキナリ、ごめんね。俺、櫻木 壱夜。貼り紙見なかった?
 今日から、君と俺が相部屋みたいだよ。
 どうやら、新1年生と2年生が奇数みたいで、俺と君が同じ部屋になったみたい。
 まあ、これから、ルームメイトとしてよろしくね。」

櫻木 壱夜先輩が、手を差し伸べてきたから、仕方が無く手をやる。

「香月 唯です。よろしくお願いします。
 聞きたい事があるのですが、何故わかったのですか…?」

これは、普通、聞くだろう。聞かない方が可笑しい。
イキナリ、自分の名前を呼ばれたのだから。

「あ、空瑠ちゃんが教えてくれたんだ。
 小さくて、可愛くて、光りの加減によると髪が赤っぽく見える子、って言われたんだ。」

空瑠ちゃん、というのはさっき居た管理人さんの事…かな。
…にしても、小さくて、可愛いは余計だよっ。

「そう…ですか。」

「あ、ごめんね。男の子なのに、可愛いって言っちゃって…」

全然、申し訳なさそうな感じがしないんですけど。
男の子…に見えるかな。

「じゃあさ、部屋に行こうか。」

壱夜先輩に、手を引っ張られエレベーターの中へと連れ込まれる。

エレベーターなんて、あったんだ。
そういえば、此処に入る時に何階建てか見て無いな。

エレベーターの中に入ると、壱夜先輩は6階のボタンを押した。
エレベーターのボタンを見てみると、どうやら6階まであるそうだ。

「君と俺の所は、6階だから覚えてね。」

チィン

という独特な音がして、6階で止まった。
エレベーターを出て、右側に行って突き当たりを左に行った所で、壱夜先輩が振り返った。

「覚えとか無いと、迷子になるよ。」

今までの道を思い出す。大した道のりでは無いのだが、何処も同じ造りでややこしい。
エレベーターから出て、右、真っ直ぐ、突き当たりを左、そして突き当たりから4つめの所で壱夜先輩が止まった。

「此処。どうぞ。」

と、壱夜先輩が扉を開けた。
中は、広く30畳くらいあって、テレビとパソコン、ソファが目立っていた。
その部屋、30畳だけでなく、他に扉が2つがあった。どうやら、そこは寝室になっていて6畳ずつあるらしい。

「初めに言っとくね。俺は、2年で生徒会長をやっている。此処の6階は生徒会の人間しか入る事が出来ないけど、
 此処の俺の部屋を今年から、君も使うようになった。という事で、君にも生徒会に入ってもらうよ。」

壱夜先輩は、ソファに腰掛けながら言った。

ちょっ、ちょっと待って…、生徒会って…?

「生徒会って、何の話ですか?」

「俺のルームメイトになる対価、という感じかな。簡単に説明するよ。生徒会について。
 まず、生徒会長・副生徒会長がいて、それを補佐する書記が1人ずつ。それと、会計が2人の計6人。
 それで、生徒会長の補佐をする書記を君にやってもらいたいんだ。今年いっぱいね。」

「つまり、僕に生徒会に入って書記をしろと…?」

「まあ、そういう事だね。これからよろしく。あと、そこの部屋は勝手に使って良いから。
 俺は今から5日後の君らの入学式の挨拶について、校長に話さないといけないから行くけど、此処にある物なら勝手に使って良いよ。
 でも、俺が使ってる部屋はあまり弄らないでね。」

と言うと、部屋から出て行った。

此処に1人取り残され、どうしろ…と?
あたしは、仕方が無く壱夜先輩に言われた部屋に入った。
そこにはシングルサイズのベット・本棚・机・洋服箪笥があった。ご丁寧にクローゼットまでついていた。
とりあえず、持ってきた荷物を洋服箪笥とクローゼットの中に入れた。












ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう