ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
当作は著しく通俗的な倫理観を冒涜した作品です。
殺人を主とした殺し合いの物語ですので、残酷な描写も度々描かれます。
それを踏まえた上で、この物語を紐解くか否かを決めて下さい。
尚、キャラクター独自の歪んだ見解なども描写されるので、気分を悪くされる方はこの場でお引取り願います_(._.)_
【逢夜 壱】 キルト
 ――人を殺す事に意味は無い。人が生きる事自体、意味が無いのだから。

 父親代わりをしてくれた男の言葉だ。私がその意味を知る前に、そいつは死んだ。何で死んだのか、詳しくは知らない。()る日、そいつは私の前から姿を消し、以後、出逢った事は一度も無い。
 人を殺す事に躊躇(ちゅうちょ)しないし、戸惑いは覚えない。人が死ぬのは摂理であって、とても自然的な事だからだ。
 私が人を殺す事によって何が変わるのかと問われても、大して変わらないと答えるしかない。ただ、それは世界的観点からの話であって、実際問題、殺された者の家族や友人などの知己にとっては大事件で、精神的にも影響が多々在ると思う。――でも、それだけだ。人が死んだ位じゃ世界は変わらないし、変わりようが無い。
 世界とは絶対的な存在で、何者の干渉も受け付けない。私に言わせれば――『神』だ。神の存在を信じていようがいまいが構わないが、世界とは絶対的な存在且つ不変的な存在に違いなく、戦争を起こそうが、環境を破壊しようが、その在り方に変わりは無い。「世界が滅ぶ」と言う言葉は、「人間が滅ぼす」と解釈するのではなく、「世界が滅びを望んだ」と考えるべきだとさえ思う。
 その絶対的且つ不変的な世界――『神』に、私は守られている。私は『神』の加護に在り、絶対に殺される事は無い。言わば不変的な現象……神的な現象が働いている。

 私は一介の殺人鬼で、……ただの人間に過ぎない。

 でも、人とは少し違う。私は、――普通じゃない。


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。