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16歳の夢
作:Madoka


キーンコーンカーンコーンッ
「ねぇ、今日カラオケいかない?」
高校生の愛川夢(あいかわゆめは、今日も友達とカラオケに行くみたい。
「行く行く!」
親友の松田優美子(まつだゆみこ)茨城郁美(いばらきいくみ)は、いつも夢と一緒にいる。「よ〜し!今日はなに歌おうかなぁ〜。」
夢と優美子と郁美はカバンを持って教室をでた。
「郁美、この前会った3年生の加藤勇気(かとうゆうき)に惚れたんでしょ?」
優美子が郁美に聞いた。
「うん。この前ね、加藤先輩があたしがナンパにあってる時にね、ほら、加藤先輩って空手部の主将でしょ。そいつらをこてんぱんにやっつけてくれたの!」
「へぇ〜。」
「加藤先輩のね、「大丈夫?」って言う時の笑顔にきゅんっときちゃった!」
郁美は嬉しそうに話した。
二人はニヤニヤしながら聞いた。
「で?今二人はどこまでいってんの?」
「・・・・じつは・・・・」
「・・・・・・・・えぇ〜!まだ話した事もないの〜?」
「うん・・・・」
「ありえない!だってもうあれから3週間たってるんだよ!?さっさとこくっちゃいなよ!」
「でも・・・」
そう話していると、カラオケに着いた。
「郁美。今のモヤモヤ全部歌ってふきとばしちゃいな!」
夢が言った。郁美はうなずいた。
3人はおもいきって3時間にした。
郁美と優美子が歌っている時、夢は考えた。
『恋か。』
夢は、この16年間、人を好きになった事がなかった。
『人を好きになった時ってどんな気持ちになるんだろう?』
そう考えているうちに夢の番がきた。
3人は、3時間が過ぎても、また3時間延長した。
次の日・・・・・
「ふぁ〜ぁ。眠い・・・」
夢は、大きなあくびをした。
「昨日さ、11時に帰ったじゃん?もううちのパパかんかんでさぁ。2時間もお説教だよ。」
「げ、マジ?」
優美子はあくびをしながら言った。
「そう言えば、郁美は?」
「今日、空手部の朝練があるから見学しに行くって昨日いってた。」
「ふ〜ん。」
学校に着くと後ろから頭を叩かれた。
「おっす!夢!」
そいつは、夢の幼なじみの麻生裕介(あそうゆうすけ)だった。
「その顔はまた遅くまでカラオケ行ってたんだろ。」
「裕介には関係ないでしょ!」
夢は裕介をにらんだ。
「おー怖い怖い。」
裕介はそう言いながら走っていった。
夢と優美子も昇降口に入っていった。
『裕介って、何であんなにかるくなっちゃんたんだろう。』
裕介の評判は、あまりよくなかった。耳にはピアスをしているし、髪だって金髪だ。
ケンカだって強い。でも、顔がいいので、女の子達にはモテている。
小学生の頃、裕介はいじめられていた。靴を隠されたり、トイレに閉じこめられたりもしていた。そんな時はいつも夢に助けられていた。
『まっいっか。あいつの事なんか。』
キーンコーンカーンコーンッ
「やばっ、夢、早く行こう。」
「う、うん。」
夢と優美子は、教室まで走っていった。
お昼休み・・・・
3人は、授業が終わると、弁当を持って屋上へ行った。
「わぁ、今日天気超いいじゃん。」
3人は弁当を食べ始めた。
「そういえば郁美、今日の空手部の朝練どうだった?」
と、優美子が聞くと、郁美はまた嬉しそうに話しだした。
「今日ね、思い切って加藤先輩にね、お弁当渡したんだ!」
「それでそれで?」
夢は箸を動かすのをやめた。
「そしたらね、笑顔で、「ありがとう。」って言って受け取ってくれたんだ!」
郁美は恥ずかしそうに言った。
「やったじゃ〜ん郁美!」
優美子も嬉しそうに言った。
すると、
「うるせぇなぁ。」
という声がした。
「あっ、裕介!」
「昼寝の邪魔すんなよな〜。」
裕介はあくびをしながら言った。
「そういえば裕介君、今日の数学のテストさぼったでしょ〜?」
郁美が聞いた。
「だってさ、こんないい天気の日に教室にこもって勉強なんて、かったりぃじゃん。」
「ん〜、まぁたしかにね。」
優美子は納得したように言った。すると、生活指導の渡辺尚輝(わたなべなおき)先生が、怒鳴り込んできた。
「こらぁ!裕介!どこいった〜!」
「やべっ。生活指導の渡辺だっ。」
裕介は、慌てて逃げ出した。
「くそ〜!おい、愛川、松田、茨城、あまり裕介にかかわるなよ!」
渡辺先生は、夢達にそう言うと裕介を追いかけていった。
「なにあれ〜。」
「あたしもあんまり好きじゃないなぁ。生活指導って。」
郁美と優美子はまた弁当を食べ始めた。
『まったく。裕介ったら。』
夢はため息をつくと、また弁当を食べ始めた。
放課後・・・・・
夢は郁美と優美子と別れた後、本屋に立ち寄った。
「あっ、『ショートベリー』今月号でてる〜。」
夢が本屋で立ち読みをしていると、後ろから男が二人、夢に話しかけてきた。
「か〜のじょっ、一人?」
「な、何ですか?」
「俺らとカラオケ行かな〜い?」
『げ、これってナンパってやつ?』
「結構です。」
すると、男が夢の肩に腕をまわしてきた。
「そんな冷たい事言わないでさ〜。」
「や、やめて下さい!!」
男にどこか連れて行かれそうになった時、
「なにしてんですか?」
と、裕介が男の腕をつかんだ。
「なんだてめぇは?」
男は裕介の顔を睨みながら言った。
「この子の彼氏です。」
と、裕介は夢を抱きしめながら言った。
「はぁ!?」
夢は、顔を真っ赤にしながら言った。
「しーっ、いいから俺に合わせて。」
と、裕介は男に気付かれない様に言った。
「てめぇはひっこんでろ!!」
バキッ
男は裕介に殴りかかってきた。
「裕介!」
夢は急いで裕介に駆け寄った。
「いって〜。しょうがねぇ。」
裕介は立ち上がると、男に殴りかかった。
「このガキ!」
男は二人がかりで裕介を殴った。
「や・・・裕介・・・」
夢は殴られている裕介を震えながら見ているしかなかった。
でも、裕介も黙って殴られてはいなかった。ポケットから、煙草の箱を出すと、男に向かって投げた。
「いって。」
「行くぞ!夢!」
男がひるんだ隙に、裕介は夢の手を引っ張って逃げ出した。
遠く離れた所まで走ると、裕介は走るのを止めた。
「はぁはぁ、夢、大丈夫だったか?」
「だ、大丈夫だけど、裕介は平気・・・なの?」
「あ〜、これ?こんくらい平気。」
裕介は口についている血を手でぬぐった。
「ったく、寄り道なんかしてんからあんな奴らにからまれるんだぜ。」
「だって〜。」
夢はしゅんとなった。
すると、裕介は夢の頭をゆっくりなでた。
「まぁ、夢が無事でよかったよかった。」
裕介はニコッと笑いながら言った。
ドキッ
「こ、子供扱いするな!」
夢は恥ずかしくなって裕介の手を振り払った。
「ったく、素直じゃないなぁ。」
すると、裕介は夢に一個の飴玉を渡した。
「昨日カラオケ行ったんだろ?喉痛めないようにな。」
裕介はそう言うと、走って帰ってしまった。
「な、なによ。」
夢は、飴玉をしばらく眺めてから、飴玉を口に入れて、家に帰った。
夢の家・・・・
夢は、風呂からあがったら、部屋に行き、優美子と郁美にメールを送った。
『今日、優美子達と別れた後、男二人にナンパされた〜。』
と、打って優美子と郁美に送った。
すると、すぐに返ってきた。
『マジ?それでどうしたの?』
と、優美子から返ってきた。
『裕介に『この子の彼氏です。』って抱きつかれて、そしたら殴り合いになっちゃってさぁ〜。』
と、送ったら、今度は郁美から返事がきた。
『裕介君が?そんで、どっちが勝ったの?』
『そりゃあんた、麻生に決まってんじゃん。空手部からスカウトされちゃうくらいだもん。』
優美子からも送られてきた
『優美子も気をつけなよ〜。』
と、送った。
『大丈夫よ。あたしなら。じゃ、おやすみ〜。』
と優美子からメールを受け取ると、携帯を枕元に置き、ベットに入って眠りについた。
翌日・・・・
「うわ〜、やばい遅刻だぁ〜!」
夢は昨日の事を考えていて、あまり眠れなかったらしい。
夢は焼きたてのパンを口に加え、
「いってきま〜す!」
と、ドアをバンッと開け、学校まで走って行った。
「あの生活指導苦手なんだよなぁ〜。」
夢は走りながら、生活指導の渡辺の事を考えた。
学校の門が見えてくると、
キーンコーンカーンコーン
と、チャイムが鳴った。
風紀委員が門を閉めようとするのを見ると、スピードを上げた。
「ちょっと待って〜!」
夢は風紀委員に大声で言った。
すると、風紀委員が門を閉めるのを止めた。
『おっ、あれ加藤勇気じゃん。』
その風紀委員は、郁美が惚れている加藤勇気だった。
『空手部主将のうえに風紀委員かよ。』
夢は加藤勇気に頭をかるく下げた。
それを見ると、加藤勇気は夢に、にっこり笑いかけた。
『あれが郁美の好きな人かぁ。あんましタイプじゃないな。』
夢は後ろから加藤勇気を見ながら、教室まで走っていった。
ガラガラッ
夢はちょっと乱暴にドアを開けた。
「セーフッ。」
夢は膝に手をつきながら言った。
「あっ、夢来た!チャイム鳴っても来ないから休みかと思ったよ〜。」
夢と一緒の班の長澤祐未(ながさわゆみ)が、笑いながら言った。
「よかった〜、まだ先生来てなくて。」
夢は急いでイスに座った。
「おっは〜、夢!」
優美子が後ろから抱きついてきた。
「きゃっ。もう脅かさないでよ〜。」
すると、優美子がニヤニヤ笑いながら言った。
「な〜に?昨日の麻生見て、眠れなくなっちゃたのかなぁ〜?」
「ち、ちがうよ。」
夢は、ちょっと焦った様に言い返した。
「なになに?夢って裕介君の事好きなの!?」
祐未も、目をキラキラさせながら言った。
「ちがうったら!」
「あ〜、顔が赤くなってる〜。」
祐未が笑いながら夢に言った。
夢は、恥ずかしくて、顔を伏せた。
そこに先生が来た。
「お〜い、席につけ〜。」
担任の畑山彰(はたけやまあきら)は、若くてとてもかっこいいので、クラスの女子に大人気だった。昼休みには、他クラスの女子まで来るほどだった。
でも、夢と優美子と郁美には興味無かった。
「出席とるぞ〜。愛川夢。」
「はい。」
「麻生裕介。」
「・・・・・・」
「麻生はまたさぼりか。」
畑山先生は、ため息をついた。
「伊藤智。」
「はい。」
『よかった。裕介来てなくて、恥ずかしくてあわせる顔がないもん。』
夢は、ほっとした。
「では、授業はじめる。教科書32ページを開いて〜。」
夢はつまんなさそうに教科書をパラパラ開いた。
「ここをこうして・・・・・。」
夢は、授業を聞いているうちに、昨日の寝不足のせいか、うとうとしてきた。
『やば、眠くなってきた。』
夢は、眠らないように目をこすった。
でも、我慢できなくて、とうとう眠りについてしまった。
「・・・・・・・」
「・・・・め・・・ゆめ・・・。」
「ん?」
夢は目が覚めた。その時には、もう1時限目を終えていた。
「やばい、寝ちゃった。」
夢はあくびをしながら言った。
「次の授業何?」
「理科の実験だって。理科室行こ。」
「うん。」
夢は、ノートと筆箱を持って、理科室へ向かった。
キーンコーンカーンコーンッ
昼休み・・・・・
夢と優美子と郁美は、今日は裏庭で昼ご飯を食べることにした。
木陰の下に座って、弁当を食べ始めた。
すると、夢達は、畑山先生が、クラスの女子の大勢に、「昼ご飯を一緒に食べないか。」と、誘われていた。
「先生、これ私が作ったお弁当なんですけど、よかったら一緒に食べてくださ〜い。」
「先生!一緒に屋上行って食べようよ〜。」
さまざまな女子の声が聞こえた。
「うっさいなぁ〜。」
優美子が迷惑そうに言った。
「あんな先生のどこがかっこいいんだろうね。」
「郁美は加藤先輩一筋だもんね〜。」
優美子がニヤニヤしながら、郁美に言った。
「ところで、優美子はそういう人いないの?」
夢が優美子に聞いた。
「ん?あたし二日前ぐらいから彼氏いるよ。」
「・・・・・・えぇ〜!」
「だ、だれ!?」
夢と郁美は驚いた。いつも強気で活発で男に興味のない優美子に、『彼氏』がいるなんて。
伊藤智(いとうさとし。」
「あいつ〜!?」
伊藤智とは、バスケ部のキャプテンで、結構女子に人気がある。
「優美子が告ったの?」
「まさか〜、そんなわけ・・・・・。」
「そうだよ。」
優美子が冷静に答えた。
「うそ!マジ?」
夢と郁美は、箸を動かすのをやめた。
「前から気になってたんだけど、いつの間にか好きになっちゃってたって感じ?」
「・・・・・・・。」
二人はあ然とした。
「優美子〜。」
向こうから、伊藤智が呼んだ。
「あ、智。」
「ごめん、今日バスケの試合見に来て。」
「なんで?」
「優美子がいないと調子でないんだよ。」
「アイスおごってくれたらいいよ。」
優美子が笑いながら言った。
「・・・・・分かった。」
「じゃあ、放課後なぁ。」
智が走りながら、手をふった。
「・・・・・マジで?」
夢はびっくりした。あの優美子が、本当のカップルに見える。
「夢達もきなよ。今日空手部午後練ないんでしょ?」
「う、うん。」
キーンコーンカーンコーンッ
「あっ、お昼休み終わっちゃった。」
優美子は、弁当箱を包むと、
「じゃ、お先。」
と言って、先に行ってしまった。
「夢、信じられる?」
「あの優美子に彼氏がいるなんて。」
「・・・・・・・よしっ、あたしもがんばろ。」
郁美も弁当箱を包むと、走って行ってしまった。
「恋心って分かんないなぁ。」
夢も急いで教室に戻った。
放課後・・・・・
3人は体育館へ向かった。
ちょうど、智達のチームが試合をしていた。
「わ、すご。」
隣では、智のファンの子が、キャーキャー騒いでいた。
「なんであたしの周りにイケメンばっかいんだろう。」
夢が首を傾げた。
夢はちらっと優美子を見た。
その優美子は、まっすぐな目で智を見ている。本気らしい。
ピピーッ
終了の笛が鳴った。
「32対4で、赤の勝ち!」
審判が叫んだ。
「すご、智のいるチーム、4点しか入れさせてない。」
郁美は感心したように言った。
「優美子!」
智がこっちに走ってきた。
「見てた?俺の活躍!」
智が嬉しそうに言った。
「うん。さすが智。」
優美子がにこっと笑った。
夢と郁美はドキンッとした。これが優美子の素顔なのか?こんな優美子見たことない。
「あたしも加藤先輩とつきあったら、こんな風にできるのかなぁ。」
郁美が遠い目で優美子と智を見た。
『あたしも、裕介と・・・・。』
夢は裕介の顔が浮かんだ。
夢ははっとした。
『な、何で裕介なのよ!絶対ありえない!』
「ねぇ、夢、郁美、これから二人でアイス食べに行くんだけど、一緒に行かない?」
「・・・・・・・・」
夢と郁美は悩んだ。
「いいよ、これからあたし、用事あるから。」
郁美が断った。
「あ、あたしも買いたい物があるから。」
「そう。じゃあ明日ね。」
優美子は智と腕をくんで帰って行った。
「郁美の嘘つき。用事なんてないくせに。」
夢がくすくすと笑いながら言った。
「夢だって。」
郁美もくすくす笑いながら言った。
「なんか、いつも3人一緒だったのに、優美子の存在が遠くなっちゃったね。」
「・・・・・よしっ、郁美、買い物手伝って。」
「え?」
「やけ買いよ。負け犬は負け犬でパーッといこうよ。」
「・・・・・・・よっしゃ、じゃあ行くか!」
「うん。小遣い0の覚悟で行かなきゃ。」
郁美と夢は笑いながら、女のショッピングに出かけた。
翌日・・・・・
「はぁ。昨日使いすぎて小遣い残り1500円。」
夢は財布の中を見ながらため息をついた。
「夢ーっ、早く朝ご飯食べちゃいなさいよ。」
下からお母さんの声がした。
「はーい。今行く。」
夢は財布をバックの中にしまうと、下に降りていった。
夢の家は、中2の弟をいれて、4人家族だ。この弟もこれまた美形で、学校でも、モテモテらしい。しかも、成績だってトップだ。
「おはよう。姉ちゃん。」
「おはよう進。」
弟の名前は(すすむ)という。毎日毎日周りにはキャーキャー言っている女の子達がいっぱいいて、夢も困っているらしい。
夢は、焼きたてのトーストにイチゴジャムをぬって、口の中にいれた。
「ん〜、おいしい。やっぱ朝はトーストだよ。」
「あ〜あ〜、まったく色気ねぇなぁ。そんなんじゃ、男も寄って来るのも来ないよ。」
進は、夢を見てため息をつきながら、トーストを口へ運んだ。
「ここ、ジャムついてるよ。」
進は、口元を指さした。
「えっ、あ、ああ。」
夢は急いでふきんで口をふいた。
「あ、そうだ。ねぇ、進。お金貸してくんない?」
「やだ。」
「え〜、そんなこと言わないでさぁ。持ってんでしょ?」
「デート代が足んなくなっちまうからだめ。」
「デート代っ・・・・ふ〜ん。あたしとはデートしないくせに?」
「バーカ、誰がお前なんかと。」
進は、夢に向かって中指を立てた。
「なによそれ〜。」
「ほらほら二人共。早くしないと遅れるわよ。」
「はーい。」
夢と進は、少しスピードを早めた。
「ごちそうさま。」
「いってきまーす。」
夢は進と一緒に家を出た。
「進く〜ん!!」
家の外には、待ち伏せをしていた女の子達が押しかけてきた。
「進君、一緒に学校行こ。」
「何言ってんのよっ。愛川君から離れなさい!」
進の腕にはもう女子の腕が絡みついている。
『あ〜うるせ〜。』
夢は耳をふさいだ。
「はいはい、ちょっとそこどいてね〜。」
夢は強引に女の子達をどけて道を空けた。
「ほら、進、早く学校行かないと遅れるよ。」
「分かってるさ。」
進は女の子の手振りほどくと、学校一直線に走っていった。
「あ、進く・・・。」
「ほらほら、あなた達も早く学校行きなさい。」
「は〜い。」
女の子達は渋々夢の家を離れた。
『ふぅ。疲れた。まったく、毎朝毎朝。』
夢も学校へ行こうと道を曲がると、カメラを持った6組の山田章成(やまだあきのり)がいた。眼鏡をかけた、ガリ勉君だ。
「なんか様?」
「い、いや・・・別に・・・・・。」
そう怯えた様に言うと、走って逃げてしまった。
「なんだよ。あいつ。」
夢は、首を傾げながら学校まで走って行った。
「愛川夢・・・・・」
山田の胸ポケットから、夢の写真がちらっと見えた。
「おはよ〜っ。」
夢が、教室のドアを開けると、なんだかにぎやかなのに気づいた。
「ねぇ、祐未、どうしたの?」
「あ、あぁ〜夢来たっ。ねえっ、優美子と智君が付き合ってるって本当!?」
「へ?」
「昨日ね、美咲と一緒に帰ってたら、美咲が、優美子と智君が、キスしてたの見たって言うの。」
「えぇ!」
『あいつらもうそこまでいってんの!?たった三日で!?』
「え、えぇ〜知らなかった〜。」
夢はわざとらしく言った。
「おはよ〜。」
郁美があくびをしながら教室に入ってきた。
「郁美、ちょっと来て。」
夢は郁美の手を引っ張って、屋上まで行った。
「どうしたの?夢。」
「美咲が昨日ね、優美子と智がキスしてんのを見たっていうのよ。」
「ええっ、もうそこまでいってんの!?」
「うるさいなぁ〜、誰だよ。」
裕介の声がした。
「なんだ。またお前らかよ。」
裕介は、頭をポリポリかきながら言った。
「ねぇ、裕介君。優美子と智が付き合ってるって知ってた?」
『わっ、バカ郁美。あんまり言いふらしちゃだめだって。』
「知ってるよ。」
「え?」
「い、いつ知った?」
「ん〜、一週間前くらいから。なんか智に言われた。」
「・・・・い、一週間前?」
「それ確か?」
「ああ。」
「優美子が付き合い始めたのは三日前からのはずじゃ・・・・。」
ガチャッ
ドアを開ける音がした。
「あ〜、二人ともこんな所いた〜。探したよ〜。」
優美子が、息をきらしながら言った。
「う、うん。どうしたの?」
「あのね、クラスのみんなが、あたしと智が付き合ってるって事知ってんの。」
郁美と夢はドキッとした。
「あたしまだみんなに言ってないのにな。智かな?」
郁美と夢は顔を見合わせた。そしてゆっくりうなずいた。
「ね、ねぇ優美子。」
「ん?」
「昨日、優美子と智が、キスしたって、本当?」
「・・・・・・え?」
優美子の顔が赤くなった。
「昨日、祐未と美咲が、二人がキスしてたのを見たって。」
「それに、付き合い始めたのって、三日前じゃない・・・・よね。」
「・・・・・・」
優美子は黙ってしまった。
「・・・・そう。あたし達が付き合ったのは一週間前。智から告ってきた。」
「優美子、自分からって・・・・。」
「確かに、智のことは好きだよ。でも、あたし、その前は、付き合ってた奴がいた。」
「だ、誰?」
「・・・・麻生だよ。」
「・・・・・・え?」
夢は、裕介の方を見た。
裕介は、深刻な顔をしている。本当らしい。
「あたしは本当に麻生が好きだった。同じクラスになったとき、麻生に告った。麻生はOKしてくれた。その後かなぁ。夢と郁美と出会ったの。夢が麻生と幼なじみだと知ったとき、あたしは夢に嫉妬していた。その二週間後、あたしは麻生にふられた。『おれが必要とできるのはお前じゃない。俺、好きな奴がいるんだ。だから・・・ごめん。』って。」
夢と郁美は、黙って聞いていた。そんな話、優美子の口からでるなんて、思いもしなかった。夢は、裕介の方見た。手で顔をおさえている。
「でも、もう後悔はしていない。今は、智ガ好き。これでいいの。」
キーンコーンカーンコーンッ
「あ、授業始まっちゃう。行こ。」
優美子は屋上を出て行った。
『裕介。今の話本当?・・・何か言って。』
夢は心の中で裕介にうったえてた。
「あ、なんで三日前って嘘言ってた理由聞きそびれた。」
すると、裕介は立ち上がった。
「ゆ、裕介・・・・。」
裕介が夢の前を通り過ぎようとしたとき、裕介は郁美に聞こえないように言った。
「今日、裏庭で待ってる。」
「え?」
裕介は振り向かず、屋上を出て行った。
『な、何のようだろう。』
「あ〜っ、夢!授業!」
「・・・・・きゃぁぁぁっ、やばい!」
夢と郁美は、急いで教室に戻った。
キーンコーンカーンコーンッ
お昼休み・・・・・
「優美子。屋上行こ。」
「ごめん。今日智と約束したから。」
「・・・・・・・あ、そう。」
夢と郁美は、仕方なく、二人で屋上へ向かった。
すると、後ろから加藤勇気が走ってきた。
「茨城さん、待って!」
「か、加藤先輩?」
「あ、あの、じ、時間ある?」
「は、はい。」
「あの、ちょっと、裏庭まで来てくれない・・・・かな。」
「は、はい!」
郁美は嬉しそうに加藤勇気についていった。
「ごめん夢。先行ってて。すぐいくから。」
「分かった。」
夢は、一人で屋上に行った。
「あ〜あ、本当はここに優美子がいるのにな。」
夢は、なんだか寂しくなってきた。
でも、夢の頭の中は、裕介のことでいっぱいだった。
『裕介の好きな人って、だれだろう。』
箸で卵焼きを口にはこびながら考えた。
ガチャンッ
「い、郁美。」
郁美は、目を真っ赤にしながら泣いていた。
「ど、どうしたの?」
夢は弁当箱を置いて、郁美にかけよった。
「あたしね、か、加藤先・・・パイに、付き合おうって言われた。」
「・・・・・・・・えぇ!」
夢は、郁美の手を取った。
「やったじゃんっ。郁美!良かったね!」
「う、嬉しくて、涙が止まんないよ〜。」
郁美は、ずっと夢の腕の中で泣いていた。
「よしっ、じゃあおめでとうパーティーやろ!今日はカラオケで盛り上がりまくろうぜ!」
「う、うん。ありがとう。」
「じゃ、お弁当食べよっ。」
「うん。」
夢と郁美は、また弁当を食べ始めた。
「んで、どうやって告られたの?」
「う、うん。裏庭に連れてこられて、・・・」


『なんか、頼み事かな。先輩風紀委員だし。先輩の言うことは、何でもやっちゃうもんね〜。』
「茨城さん、俺の、彼女になってくれない?」
「俺、君を助けたとき、なんだか君のことが気になって、それで、お弁当くれたとき、
君の笑顔が離れなくなって、いつの間にか好きになっていたんだ。」
「あたしも、先輩が好きですっ。」


「って言ったら、抱きしめられちゃって。」
「マジ?郁美、ついに君も大人の仲間入りだね。」
「・・・・・次は夢の番だよ。」
「ええ?だってあたし好きな人とかそういうのいないもん。」
「じゃあ、好きになればいいじゃん。」
「そんな簡単に・・・・・。」
キーンコーンカーンコーンッ
「あ、チャイムだ。教室戻ろう。」
「うん。」
夢と郁美は、弁当を袋にしまうと急いで教室に戻った。
キーンコーンカーンコーンッ
「今日はここまでっ。」
「優美子!帰ろう。」
「あたし、智と約束があるから。」
優美子はそう言って、さっさと行ってしまった。
「優美子・・・・郁美、行こう。」
夢と郁美は、二人じゃつまんないと思い、祐未も誘った。
門の所まで来ると、裕介との約束を思い出した。
「あ〜!」
「どうしたの?」
「あ、いや・・・・レポート書いたノート、教室に忘れて来ちゃった。ちょっと取ってくる。」
夢は、向きをくるっと変え、裏庭まで走って行った。
「先行ってるよ〜!」
「うん!」
裏庭につくと、まだ裕介は来てなかった。
『なんだ。まだ来てないじゃん。急いで損した。』
夢は、バックから鏡を取り出し、髪を直したり、リップをつけたりしていた。
すると、ガサガサッと音がしたので、急いで鏡をしまった。
裕介かと思ったけど、それは、山田章成だった。
「なんか用?」
「あの、愛川さん!僕と付き合って下さい!」
と、頭を下げられた。
「はぁ!?」
「僕じゃだめですか?」
「いや・・・・・うん。」
「なら、君を殺して、僕も死ぬ!」
山田は、かばんからナイフを取り出した。
「ええ!ち、ちょっと待ってよ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ナイフを持ち上げ、走ってこっちに向かってきた。
「きゃぁぁぁぁぁぁ!」
バキッ
「何やってんだ?お前。」
裕介だ。
「何だお前。僕の邪魔をするなぁ!」
山田は裕介に向かって、ナイフを振り回してきた。
ザシュッ
ナイフは裕介の腕に刺さった。
「裕介!」
裕介の腕からは、血がポタポタと下にたれている。
「ふざけんな。」
裕介は、山田の頬を殴った。
そして、むねぐらをつかんだ。
「てめぇ、二度と夢に近づくな!」
「ひ、ひぃぃぃぃぃっ。」
山田は、急いで逃げていった。
「・・・・・・くっ。」
裕介は腕をおさえながら、しゃがみこんだ。
「ゆ、裕介!大丈夫!?せ、先生呼んでくる。」
「待て。行くな。」
裕介は、夢の腕をつかんだ。
「だ、だって傷がっ・・・・。」
裕介は夢に抱きついた。
夢は、固まってしまった。
「ここにいろ。」
裕介は夢をぎゅっと抱きしめた。
「・・・・・・何で、いつもあたしを助けてくれるの?なん・・・・・。」
裕介は、夢にキスをした。
「・・・・」
「好きだ。夢。」
夢は何が起きたのか分からなかった。
「お前が好きだ。ずっと前から。」
「・・・・・・え?」
「確かに、俺は松田と付き合っていた。夢は、俺をただの幼なじみとしてしか見てくれない。だから、松田と付き合って、夢の事はあきらめようと思った。でもだめだった。俺には、お前しかいないんだ。」
パンッ
夢は裕介を殴った。
「・・・・・あ・・・。」
夢は手をおさえた。
「あ・・・・あたし・・・・。」
夢は泣き出した。
そして、その場から走って逃げた。
「くそっ・・・・・。」
裕介は地面を殴った。
「・・・・夢・・・・。」
「ハァ、ハァ、ハァ・・・。」
夢は走り続けた。
家に着いた。
バンッ
「ど、どうしたの?夢。ただいまも言わないで。」
夢は、母の言葉を無視して、二階の自分の部屋に向かった。
「ゆ、夢?」
ガチャッ
夢は部屋のドアに鍵をかけた。
「・・・・・っ・・・・。」
夢は、暗闇の部屋の中、一人で泣き続けた。
『裕介、何で・・・・!?』
夢は、携帯を取り出して、郁美にメールを打った。 
『ごめん。郁美。用事ができたから行けなくなっちゃった。また今度、優美子と一緒に行こう。』
夢は携帯をしまった。
そして、ベットに寝っころがり、涙で枕を濡らしながら、いつの間にか、眠ってしまった。
『夢ちゃ〜ん、待って〜。』
小学生の裕介が、こっちに走ってくる。
『またしゅんや君にいじめられちゃった〜。』
裕介は、泣きながら言ってきた。
『また〜?しょうがないわね〜。あたしに任せてっ。』
『うん!夢ちゃん大好き!』
すると、16歳の裕介に変わった。
『好きだ。夢。ずっと前から。』
バッ
夢はその場面で目が覚めた。
夢はベットから起き上がって鏡を見た。目が真っ赤にはれている。
「ひどい顔。」
コンコンッ
ドアをノックする音が聞こえた。
「姉ちゃん?いる?」
進の声だ。
「う、うん。」
「ご飯だよ。」
「・・・・・・いらない。」
夢は食欲がないらしい。
「・・・・・・姉ちゃん、明日日曜だし、デートでもするか?明日予定ねえし。」
「・・・・・・・うん。ありがとう。」
階段を下りる音がした。
『心配してくれてありがとう。進。』
夢は、またいつの間にか眠っていた。
次の日・・・・・・
「いってきま〜す。」
夢と進は、朝早めに出かけた。
「どっか考えてあんの?」
「ふっ、ふっ、ふっ、俺に任せとけ。」
進はニッと笑った。
・・・・・・・・
「きゃぁ〜!!」
「うっひょ〜!」
夢と進は、遊園地に来て、ジェットコースターに乗っていた。
「はぁ〜、怖かった〜。」
「姉ちゃん、次あれ行こうぜ。」
進が指したのは、今大人気のお化け屋敷だった。
「あ、あれ!?」
「さ、早く!」
進は夢の腕を引っ張った。
「す、進!」
進は目をキラキラさせながら、お化け屋敷に入っていった。
「ガァ〜!」
「きゃぁ〜!!」
夢は泣きそうになった。
「こえ〜な。」
と、言いながらも進は楽しんでいた。
「はぁ〜、もう死ぬ。」
「俺はおもしろかったぜ。」
夢と進は、ベンチに座って休んでいた。
「ねぇ、君かっこいいね。あたし達とあそぼうよ〜。」
大学生くらいの女の人2人が進に話しかけてきた。
『げっ、逆ナンだ。進どうすんのかな。』
「ごめん。俺、今デート中だから。」
進は夢を抱きしめた。
『わっ、なにやってんの!?』
「な〜んだ。その女やっぱし彼女かよ〜。」
「行こう。」
女の人達は、進から離れていった。
「俺あーゆータイプ超苦手。」
「・・・・・・・進。」
「ん?」
「あんた背伸びたね。いつの間にかあたしこしてんじゃん。」
「あ、ああ。なんか一気に伸びちまって。」
『進、いつの間にこんなに男前になっちゃったんだろう。』
「よし、次はあれ乗ろうぜ。」
「ま、またジェットコースター!?」
「レッツゴー!」
2人は、日が暮れるまで、遊園地で遊んでいた。
次の日・・・・・・・
「おはよ〜。」
夢は、教室のドアを開けたとき、ドキッとした。
教室に裕介がいた。
「あ、おはよっ。夢。」
郁美が話しかけてきた。
「一昨日どうしたの?」
「あ、うん。急に用事ができちゃって。」
「ふ〜ん。」
すると、裕介が夢に気付いた。裕介はこっちに向かってきた。
『え?なに!?なんでこっちくんの!?』
「夢。その、ごめん。もう、あんな事しねぇから。」
裕介はそう言うと、教室を出ていった。
「どうしたの?裕介君。『ごめん。』って。」
「う、ううん。」
キーンコーンカーンコーンッ
「ほら〜、席につけ〜っ。」
先生が教室に入ってきた。
「出席をとるぞ〜。愛川夢。」
「はい。」
・・・・・・・・キーンコーンカーンコーンッ
昼休み・・・・・
今日は、郁美は加藤勇気と、優美子は智と食べるという事で、夢は1人で食べることにした。
「あ〜あ、彼氏無しはあたしだけかぁ〜。」
夢は屋上で寝っ転がった。
「・・・・・おい。」
「き、きゃっ。」
裕介が上から夢の顔をのぞき込んだ。
「ここは俺の場所だぞ。」
「ご、ごめん。」
夢は急いで起き上がった。
裕介は、夢が寝ていた場所に寝っ転がった。
夢は裕介の腕の包帯が目に入った。
「そ、その傷・・・・・。」
「あ、ああこれ?平気平気。」
夢は裕介の腕をそっと触った。
「ごめんね。裕介。」
ドキッ
「そ、そうやってむやみにそういう顔見せんなよ!」
裕介は顔を赤くしながら、腕を振り払った。
「は?何いってんの?」
「い、いや・・・何でも・・・。」
しばらく沈黙が続いた。
「・・・・・なぁ。」
「ん?」
「お前の夢って何?」
「夢?」
「そう。」
「ん〜、特にないな。裕介は?」
「俺はな、医者になりたいんだ。」
「医者?裕介が?」
「ああ。親父の影響。」
「ふ〜ん。裕介のお父さんて、病院の院長だっけ。」
「ああ。なんかガキの頃から気になってたんだけど、なりたいと思ったのは最近だけどな。」
「医者か。なんか裕介の白衣姿見てみたいかも。」
「だろ?色っぽいぜ。俺の白衣姿。」
「バカ。」
裕介と夢はの笑い声が、屋上に響いた。
キーンコーンカーンコーンッ
「あ、もう行かなきゃ。」
夢が、弁当箱を包んで、屋上を出ようとしたとき、
「夢。俺はお前が好きだってこと、嘘じゃねぇから。」
裕介がいきなり真剣な顔で言った。
「ば、バカ言ってんじゃないいわよ。」
夢は振り返らないで、屋上を出て行った。
『なんでだろう。裕介がまだあたしを好きだって言ってくれて、すごく嬉しい。』
夢は、長い廊下を走りながら、ふと思った。
「あ、愛川さんっ。」
「はい?」
夢が振り返ると、同じクラスの進藤敦(しんどうあつし)が声をかけてきた。
「何?授業始まるよ。」
「あの、今日放課後、裏庭に来てくれない?」
「は?」
「だめ・・・・・かな。」
「別にいいけど・・・・。」
「じ、じゃあ後で。」
進藤も教室へ向かった。
「なんか最近呼び出されてばっかだな。あたし。」
夢も教室まで走っていった。
「こら!廊下を走るんじゃない!」
生活指導の渡辺に怒られた。
「す、すいません。」
キーンコーンカーンコーンッ
夢は早速裏庭へ行った。後から進藤も来た。
「何?」
「あ、あの、ぼ、僕と付き合って下さい!」
「・・・・・・ええ!?」
「だ、だめですか?」
「い、いや・・・・・。」
『いや、待てよ。彼氏できちゃえば裕介も諦めるかもしんないし、山田よりはマシかも・・・・・。』
「・・・・・・・いいよ。」
「ほ、本当ですか!?」
「う、うん。」
「や、やった〜!」
進藤は大喜びしていた。
『こんなにモテるとは気づかなかったよ。あたし。』
「あ、あの・・・・き、キスしてもいい?」
『は、早!告白してすぐキスかよ。多分付き合ったの初めてじゃねぇなこいつ。』
「い、いいよ。」
進藤はゆっくり夢の唇に顔を近づけた。
夢は覚悟を決めて、目を閉じた。
すると、夢の頭の中には、裕介の顔が浮かんだ。
『夢っ。』
ドンッ
夢は進藤を突き飛ばした。
「あ、いや、その・・・・。」
『な、何で裕介の顔なんか。』
するとまた、裕介の顔が浮かんだ。
『夢、俺はお前が好きだ。』
『お前の夢って何?』
『あたしの・・・・・夢・・・・。』
「ごめん!進藤。さっきの返事無し!」
夢は、いきなり向きを変えて、昇降口まで走っていった。
「あ、愛川さん!」
夢は、階段を駆け足で上り、屋上のドアを乱暴に開けた。
そこには、裕介が地面に寝っ転がっていた。
「ゆ、裕介!」
夢は、裕介の名前を叫んだ。
「ど、どうした?夢。」
裕介は、驚いた顔で夢を見た。
夢は裕介の方へ走り出した。
すると夢は、つまずいて転びそうになった。
「わっ・・・・・・・。」
「おまっ・・・・・・!」
裕介は急いで起き上がって夢の方へかけだした。
ドサッ
裕介は夢の下敷きになって倒れた。
「いって・・・・どうしたんだよ夢。ゆ・・・・・。」
夢は裕介のむねぐらをつかんで、裕介にキスをした。
「夢・・・・・?」
裕介は顔が赤くなった。
「裕介、あたし、自分の夢、分かった。」
「え?」
「あたしは、未来の医者と結婚することです。」
「夢・・・・・。」
「好き。」
夢は裕介に抱きついた。
「あたしの夢・・・・・・叶えてくれる?」
夢は恥ずかしそうにうつむいた。
「・・・・・・もちろんっ。」
裕介は嬉しそうに夢を抱きしめた。
「好きだぜ!夢!」
二人はもう一度キスをした。
夢の初恋は、自分の夢を叶えてくれる、大好きな幼なじみだった。


この小説は、小学生の私が、高校生になったら、こういう恋がしたいと思って書きました。
ぜひ、皆さんが、裕介の様な、自分を一途に思ってくれる男の子と恋をして欲しいと思っています。













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