魔王に祝福を(200字小説)
たったひとりで無数の魔人を倒してきた戦士は、魔王が住む洞窟の最深部にたどり着いた。
剣を構えつつ最後の間へ入ったが、誰もおらず玉座らしき物もない。
ただ、青黒く光る大きな丸鏡が、ぽつんと岩壁に立てかけてあるだけ。
戦士は注意深く鏡に近づき、ひっ、と息を飲んだ。
鏡に文字が。
『祝、新魔王様誕生』
文字と共に鏡に映っていたのは、ギラついた目をした凶悪そうな顔。
それは、多くの魔人を残虐に殺してきた戦士自身だった。
たったひとりで無数の魔人を倒してきた戦士は、魔王が住む洞窟の最深部にたどり着いた。
剣を構えつつ最後の間へ入ったが、誰もおらず玉座らしき物もない。
ただ、青黒く光る大きな丸鏡が、ぽつんと岩壁に立てかけてあるだけ。
戦士は注意深く鏡に近づき、ひっ、と息を飲んだ。
鏡に文字が。
『祝、新魔王様誕生』
文字と共に鏡に映っていたのは、ギラついた目をした凶悪そうな顔。
それは、多くの魔人を残虐に殺してきた戦士自身だった。