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クロネコ

親である事

作者:速水 流
 コレは弊害だと、少し賑やかな放課後の教室で日誌を書く常田 一樹は思う。
「最近なー、肩凝り酷くて試合に支障が出そうなんだよ……顧問が針が良いっていうんだけど、注射駄目な俺が出来るわけないじゃんな」
「そ、そうだな……」
 溜息を吐くクラスメートの肩に口が裂けている小さな子供が座っていた。眼を合わせてはならないと自分に言い聞かせながら一樹は話を聞く。
「でも試合なー……うーん……針……」
「あー……えっと……例えば、神頼み、とか……どうだ?」
「神頼み? お前信心深かったっけ?」
「いや、ほら、困った時の神頼みとか言うだろ?」
 苦笑いをする一樹、内心は少し焦っていた。しかしクラスメートは眼を輝かせていた。
「なるほど、そういう考え方もあるよな。神頼みか……神社に行ってみるかな、それで駄目なら諦めて針に行くか」
「ああ、物は試しに、な」
 良くなればいいがと思う一方、更に悪くなるのではと心配になる。しかし自分には何も出来ない故、“神頼み”しかない。
「アドバイスありがとな一樹、良い報告期待してろよ?」
「お、おう」
 部活に精を出すクラスメートは笑顔で教室を出て行った。何故かあの子供も笑っていたが、気にしない良いだろうと日誌に視線を落とす。
「悪いモノではな……いやいや、何言ってんだ俺は……」
 “あの一件”以来、見えざるモノが見える様になってしまった彼は日誌と眼を閉じ深い溜息を吐く。
 だが結局、“呪いを用いた無差別殺人鬼”に命を狙われこうして生き長らえているのは幸福な事なのだろうと、彼は“見える自分”を受け入れていた。殺人鬼と比べれば、口が裂けた子供が何だというのか。
「サッカーが好きな子供とか……?」
 そして結局、こうして考える。そんな自分に呆れるのに彼はもう飽きていた。

 そろそろ帰ろう、そう思い立ち上がった瞬間周りから“音”が消えた。突然耳が聞こえなくなったのかと錯覚しそうなそれだが、一樹は平然としている。
 賑やかだった教室に誰も居ない、自分以外の生徒の荷物も無い、一瞬にして“消えた”。
「……何なんだよもー……」
 否、消えたのは彼の方。
 そのまま腰を降ろすと、ドアが勢いよく開けられた。
「誰だウチでコックリやりやがった奴ァーー!!」
 怒声を吐く、この学校の制服を着た黒髪の少女・イヅキ。顔立ちは怒りに満ちた顔でも美人であると分かる程に整っている。
 だが一樹は彼女を内心で“コスプレババァ”と呼んでいた。
「何だようるさいな……」
 対照的に冷えている一樹の態度に感化され少し冷静になった彼女は、大股で距離を詰める。
「コソコソとコックリやってる馬鹿が居るみたいなんだけど」
「俺は知らないぞ」
 高圧的な態度の美少女に全く臆せず返せば、深い溜息が返って来た。
「まったく人間ってのは何でこう……」
 机に突っ伏す美少女――基“学校七不思議の正体の一つ”――に、一樹は渋々と問い掛ける。
「で、今度は何だって? コックリってあの、10円玉でやるヤツか?」
「そ、所謂降霊術……なんだけどねェ!!」
 怒声と共に顔を上げたその様に流石に一樹は仰け反った。
 それは歯を喰い縛り、眉間にシワを作り、修羅の雰囲気を纏っている。
「何故人間は自ら危険だと分かりきった事に首を突っ込むのか! アレは無理矢理霊道を開いた上に、自ら身体を差し出す行いだ! ×××か! ×××なのか! 来るモノ拒まずか!」
「えっと……つまり狐、とかじゃなくて、無差別なのか? 来るのは」
 美少女の口からはあまり聞きたくない単語から察した事を口にすると、今にも血走りそうな眼が彼を見た。
「身体が欲しい霊なんて幾らでも居るわよ。そんな状況で道が開いて、その先に身体を差し出している人間が居たら我先にと貰うに決まってるじゃない」
「ちゃんと手順踏んで終わらせたら離れる……わけないよな」
「アレは単なるホームルームみたいなモノよ、終わっても教室に生徒が残ってるでしょ。それにそれじゃ霊道が閉じない、割ったガラス元に戻せないのと一緒」
 忌々しく説明するイヅキは懐から和紙と万年筆を出し、“コックリさんの紙”を作る。
「人間は一度憑かれたら霊媒体質になる。そして自ら霊道を開けたのだから、次から次へとコックリ関係無くやって来る。来たのが悪戯好きな害の無い霊だったとしても、確実に霊障は肥大化していく……」
「その霊道はずっとそのままなのか?」
「自然に発生したモノは自然に閉じるわ。でも人為的なら、そこに少なからず術者の思念が残るから誰かが閉じない限りそのまま……生霊が生まれるパターンもある」
「触らぬ神に何とやらとはよく言ったもんだよ……」
 呆れる一樹だが、表情には焦りがあった。
 生前強力な神通力を持つ者としてあらゆる事象を解決し、現在はその不滅の魂を以て霊人として生きるイヅキが焦っている。それはつまり、手軽に思われているコックリさんという事象はそれだけ危険なモノなのだと証明していた。

 そんな中に自分が居るのは何か“意味”がある筈だと、“前回の事件”で“無意味”は存在しないと学んだ一樹は考える。
 コックリさんの紙に不可思議な文字を書いているイヅキに訊いた。
「なあ、コックリさんやった奴って未だ校内に居るのか?」
「ええ、とんでもないのが来たのか異界に落ちてきてるっぽい上に、空間滅茶苦茶にされて私そこまで行けないの。ほら、教室出てみ」
 人間が暮らす世と同じ姿をしている“異界”の空間を切り貼り出来る者を知っている為あまり驚かない一樹は、言われた通りドアを開ける。だがその先にあるのは廊下ではなく、イヅキの住処である保健室だった。
「……直結」
「今我が校が誇る七不思議部隊がマッピングしてんの。私の霊力分けてるから、頭の中で会話出来るし、一方通行だけど居る場所に転移も出来る、流石イヅキ様よ、ふははははは」
 誇らしげなイヅキ。だが一樹の中には疑問が増えた。
「え、何? 七不思議部隊?」
「七不思議くらい知ってんでしょ」
 違う、疑問に思ったのはそこではない。
 とりあえず一樹は、作業を続けているイヅキに1つずつ確認する事にした。
「保健室から聞こえる“動物の声”はアンタだよな」
「うん」
「夜な夜な校舎中を歩き回ってる“深夜の校長”は?」
「校長室にある私の壺の付喪神。聞いた事あるでしょ、物に魂が宿るってヤツ」
「……ガリガリって音と共に2階男子トイレに出没する“ガリガリ”は?」
「余所から来た幽霊生徒。何があったか知らないけど、トイレで飴玉かじると落ち着くんだとさ」
「体育館の“死合”……」
「校長やガリガリ達がモップや箒で遊んでるだけよ」
「音楽室に男女一組で現れて奇声を上げる“地獄の歌”は」
「住み着いてるカップルが発声練習してるだけよ? ミュージカル志望だったんだって」
「……校舎裏の、たまに見える“人面木”」
「私の霊力でたまにああなる」
「…………屋上の……“自殺少女”は……」
「夢見る幽霊乙女が星空にロマンチック」
 幽霊の正体見たり枯れ尾花という言葉が少年の頭の中に浮かぶ。実際正体は普通ならば恐れるべき人外なのだが、なんだか釈然としない。
「アンタ、七不思議のボス……?」
「そうなるわねェ、彼等が問題無く活動出来るのは間違いなくこの私のおかげだし。ま、七不思議部隊って名乗りは、人間が勝手に“七不思議”にしたからなんだけど」
「……流石だよ」
 今は感心しとおくのが正解だと思いながら溜息を吐く。

 しかしふと思い出した。
「あ、この七不思議は八つ目があったな」
「八つ目? 私は知らないわよ」
 予想外の返答に一樹は首を捻る。
「え? 何処からともなく子供の声が聞こえるって話……」
「それこそ気のせいじゃないの?」
「……気の、せい」
「七不思議が八つあったら七不思議名乗れないじゃない」
 確かに七不思議を名乗っているのに八つ目があるというのは妙だろう、メリットは恐らく無い。“七不思議の八つ目”と、その不可思議なモノを人間が勝手に騒いでいるだけと考えるのが自然。
 だが、彼の中に更に違和感が生まれた。
「んー……何だ……?」
 違和感の正体が分からず腕を組む。するとイヅキが万年筆をしまい、替わりに取り出した小刀で鳥居にを付けながら言った。
「しっかしアンタも運が悪いわよね、こんな面倒な事に巻き込まれて」
「巻き込まれても何も、俺を此方に呼んだのはアンタだろ」
 白々しいと言いたげな言葉と態度。だが次の返答もまた、予想外だった。
「確かに、そうとも言えるわね……あっちが私を巻き込んだから、血筋のアンタが釣られて落ちてきたんだろうし……」
「……ん?」
 首を傾げる少年、彼女の言葉の意味がよく分からなかったのだ。
「血筋って何?」
「アンタ、私の子孫よ」
「へー」
 日常会話の様な返しに納得しそうになった一樹だが、すぐに我に返り叫ぶ。
「はぁ!?」
「うっさいわねェ」
「うっさいで片付けんなよ! おれの人生を左右する重大な事だぞ!」
「左右も何も、一生怪奇事件と付き合うのは決定事項じゃないかしらね」
 とんでもない事をいうイヅキは、何故か溜息を吐き彼を見た。
「私、当事にしては長生きした方なのよ。それに合わせて子供沢山産んでね、アンタの父親がその内の1人の血筋ってわけ。
 前回の呪殺騒動が不思議だったのよ。人間にしては怪奇に耐性があるし、アンタの父親は霊体になっても己を維持し続けてたって話だし……調べてみたら、私が11番目に産んだ娘の血筋」
「どうやって調べるんだんなもん……」
「魂には情報っていうのがあってね、アンタが昼休みで寝てる間に覗かせてもらったわ」
「……勝手に何やってんだ」
 怒りをぶつけるべきか驚くべきか何が正しい反応なのか分からない少年は、とりあえず遠くを見た。

 彼女が嘘をついている可能性は無い。知り合い程度の仲だがそう思えとしまうのはその血筋のせいだろうか。
 それとも、こんな“異常”に慣れてしまっただけなのか。
「で……アンタは今何やってんだ」
 とにかく今は悩むよりもこの“状況”を打破しなければならない。
 その為の質問をすると彼女は立ち上がり紙を床に置いた。
「敵の正体が知りたいから、その一部を此処に喚ぼうと思ってね。コックリで来たなら同じコックリで道を開ければ来るでしょ」
「そんなもんなのか……」
「そんなもんよ、難しく考えるだけ損な事が多いわよ人生は」
 年長者――死者にそう呼ぶのが相応しいかは分からない――が言う言葉には重みがあると思いながら一樹は事を見守る。
 イヅキは紙の鳥居に指を置き、深く深く息を吐いた。すると周りの空気が一気に渦巻き始めたのを彼女の子孫である彼は確認し、霊道を開けるという初めての体験に息を呑む。
 その数秒後、窓ガラスが全て砕け散った。
「なっ……!?」
 一樹は驚くが、イヅキが何の反応も見せない事でそれは一瞬に留め事態を見守る。
 砕けた窓の向こうにあるのは“闇”。そこからゆっくりと、小さな手が伸ばされた。
「な、何だ……?」
 肌色の健康そうな手。ゆっくりと、それは這い出て床に落ちた。
「……赤ん坊……?」
 それは何も着ていない、産まれて間もない様な人間の赤ん坊が1人。泣き声は上げず、またゆっくりと顔を上げた。
 眼があるべき場所が闇になっている事を見せつけるかの様に。
「なっ……コレは……」
 分かっていたのに、赤ん坊だからと油断が一樹の中に生まれていた。一瞬でそれが“危険なモノ”だと理解した彼は身構え、イヅキを見て更に驚く。
 彼女は、青い顔で、身体を震わせ、赤ん坊を見ていた。
「そん、な……よりに……よって……」
 強気な彼女を青ざめさせているのは間違いなく赤ん坊。
 更なる危機感を感じた一樹がイヅキの前に立った瞬間、赤ん坊は奇声を上げた。突き刺さる様な声に対して反射的に耳を塞ぐ彼に、巨大な牙を剥き出しにした赤ん坊が飛び掛かる。

 しかしその牙が届く事は無かった。
 赤ん坊の額に一樹の背後から飛んだ札が貼られ、半ば溶ける様にして消滅する。同時に一瞬で窓が元に戻った。
「イ、イヅキ?」
 背後を見ると彼女は立ち上がり、やや荒い呼吸紙を燃やしていた。その様子は明らかに“異常”。
「……どうした?」
「……水子、よ」
 低いその声は震えていた。
「水子って、産まれてこれなかった赤ん坊……だったか?」
「ええ……水子っていうのはね、純粋無垢で何色でもないの、だから何色にも染まり易い。……あの子は、何処かで人間の重い感情に触れて……」
 説明の途中、再び奇声が上がり一樹は耳を押さえる。イヅキの方は口を閉ざし、震えている己の手を己の胸に押さえ付けた。
「くっそ……水子が他に……」
「キンキン声出しやがって……! イヅキ、これから一体どうするんだ」
 一樹は“見る”事は出来てもそれに対して何かを“する”事は出来ない。しかし“実行”ならばする自信があった。だからイヅキが水子に対し“何か”を抱いていると分かっていても、指示を求める。
 求められた方は深呼吸の後に顔を上げ望み通りに告げた。
「出所叩いてとっとと解決するわよ。目指すべきは、馬鹿がコックリをやった現場……未だ見つからないのかしら……」
 そう言って眼を閉じた彼女は、恐らく自分の部下の動向を探っているのだろう。心なしか周りの空気が揺らいでいる。
「……アンタに、渡しとくわ」
 眼を閉じたまま彼女が一樹に渡したのは、懐から出した短刀。こんな刃物を持った事が少年が戸惑っていると、真剣な声で説明された。
「守りの呪を刻んでるから、抜かなくてもアンタを守るわ」
「……何が起きてるかの説明も欲しいんだが」
「校内で水子が大量発生中よ」
 端的な説明を受け一樹の表情が曇る。今の彼女にこの事件を任せるのが心配だった。
 だが“頼みの綱”である連絡先は、今携帯を確認し案の定圏外だと知り断たれる。

 出来る限りのサポートをしなければと考える矢先、イヅキが彼の腕を掴んだ。
「此処も危ないか……出所の見当ついたみたいだから、行くわよ」
「わ、分かっ……」
 返事の途中で目の前が歪み、思わず眼を閉じると誰かに背中を叩かれた。腕を掴んだままのイヅキかと思い確認するが彼女は目の前に居る、当然背中は叩けない。
 ならば誰かと、高鳴る心音を抑えながら振り向くと見覚えのない制服を着た顔色の悪い細身の男子生徒が立っていた。足はちゃんとあるべき場所にある。
「……誰だ」
「緊張してるなら、飴あげる」
「あ、“ガリガリ”」
 通称を言えば彼は自分の身体を見た。
「……そんなに細い?」
「そっちじゃなくて飴の方な……」
「飴……噛むからなぁ……」
 イヅキの配下ならば警戒する必要は無い上に、顔色こそ悪いが意思の疎通が出来る事に安心する。
 腕から手が離れたのをキッカケに周囲を確認すると、此処は3年の教室がある廊下だった。
「コックリさんやったのは3年って事か?」
「受験に就活に忙しいだろうに……生きてるのに暇な奴も居る……アホらし」
 死者故の説得力のある言葉を呟き彼が指差すのは、2組の教室。無言のイヅキがドアに手を掛けるが開かず、ガラスの向こうは何故か黒一色で何も見えない上に中から何も聞こえない。
「他の所は問題無く開くのに……此処だけ開かないんだ……。水子が居たけど、家庭科室から持ってきた塩ぶつけたら……どっか行った」
「塩って凄いんだな……ってお前も幽霊……」
「……か、家庭科室のだから……」
「それで納得するべきなのか……?」
 塩とは一体何なのだろう、悩む一樹の隣でイヅキはドアを軽く蹴った。
「この場から追い払っただけだから、すぐに戻ってくるわね……アンタ達は外を見てて、絶対に中を見るんじゃないわよ」
「え……」
 何故、と訊く前に気付く。異形と眼を合わせてしまう事の危険性、彼女はそれを危惧しているのかもしれない。
 一樹とガリガリの彼は互いに背を向け――その際一樹はガリガリに食塩の瓶を渡され内心戸惑った――警戒する。
「もう1回言うわ、何があっても此方見るんじゃないわよ」
「……ああ」
 答えた一樹はドアが蹴破られた音を聞いた。

 中は電気が点いている。視界がハッキリしているそこでイヅキが見たのは窓ガラスは砕け、机や椅子は破壊された無惨な教室。
 中心には引き千切られた“コックリさんの紙”と、下腹部が異様に膨れ苦しんでいる3人の女子生徒。その下腹部に赤ん坊の頭が突っ込まれ、白眼を剥き絶叫を上げていた。
「……水子が、帰りたい場所……」
 眼を背けたくなる異常な光景。しかしイヅキは札を出し生徒に近付いた。
「馬鹿な事をしてるから罰が……」
 彼女の足が不意に止まる、何かに足首を掴まれたのだ。
 恐る恐る確認したそこに居たのは、彼女を見上げる可愛らしい赤ん坊。
「あ……」
 札から指が離れ、床に落ちた。

 教室から柔らかい肉を潰した様な音を聞いた一樹は、無意識にふとその“場所”に視線を向ける。しかしそこにあった筈の場所はそこに無く、代わりにあるのは壁だった。
「な……は!?」
 確かにあった教室が少し眼を離した隙に消えている。驚愕の表情で壁に駆け寄り手をついた一樹だが、どんなに確かめても壁は壁だった。
 少し遅れて異常に気付いたガリガリも言葉を失っていたが、突如聞こえた奇声が彼等の思考を戻す。
「この声、水子……!?」
「……戻って来た……」
 ガリガリの呟きを聞き、彼が見ている廊下の奥を確認した一樹は息を呑む。
 大小様々――大きいモノは数メートル、小さなモノは数十センチと物凄く差がある――の、殆どが何処か欠損している未熟な形の赤ん坊達が泣き声の様な奇声と共に赤ん坊とは言えない速度で彼等に迫ってくる。ただその光景は“醜い”というよりも、“哀しさ”という表現があっていた。
「今は逃げるしかないか……っ」
「イヅキを見つけなきゃ……だから、逃げよう」
 互いに顔を合わせ意思の確認をし、2人は水子達に背を向け駆け出す。それを遮る様に前方にも水子は現れたが、咄嗟に瓶の蓋を開けた一樹に中身をぶつけられ消えていった。
「今度っから塩持ち歩かないとな……!」
「盛り塩の仕方……教えようか」
「後でな!」
 校舎の構造は熟知している、だがそんな事今は無意味。

 階段を駆け降りたが出たのは3階、理科室のドアを開けてみれば廊下。体育館に向かおうとしても何故か校長室に着く始末。そして厄介な事に継ぎ接ぎの空間が絶えず“移動”し始めており、家庭科室に繋がっていた1年教室のドアを再度開けるとそこは図書室だった。窓は当然の如く、開きもせず割れもしない。
 これでは何時までもイヅキを見つけることは出来ない上に、部屋に隠れても侵入する為気を休める暇が無い。
「完全に、向こうの支配下、かな……」
 走りながらガリガリは焦りが見える言葉を呟く。それは状況の悪化に対するモノなのは確かだが、それだけではない様な“何か”に隣を走る少年は引っ掛かる。
 だがそれを考える余裕は無い、彼には“体力”という限界がある。
「くっ……、は……」
 足は止めないが、自然と呼吸は乱れていた。守護があるとはいえ、止まれば状況が悪化するのは眼に見えた。
 後ろからは変わらず水子が追ってきており、時折前方や頭上等確実に彼等を仕留めようと襲ってくる。しかしそれは、イヅキから預かった小刀の力か水子を弾き2人を守った。
 走りながらガリガリが心配そうに問う。
「おんぶ……しようか?」
「いや、それは、流石に……」
 心配してくれているという事に感謝はするが、やんわりと固辞する。男のプライドも多少あるが、一番の理由はガリガリ自身更に顔が青くなっているから。

 つまり、このままでは共倒れになる。しかしイヅキは未だ見つからず、他の七不思議にすら出会えない。
 何か自分に出来る事は無いのか、走りながら打開策を考えていたせいか足を動かす事への意識が疎かになってしまった。必要以上に前へ身体が傾き、そのまま重力に従い床に倒れる。
「ぐっ……!」
 こんなお約束なと思いながら顔を上げれば、彼を助けようとガリガリが駆け寄って来ていた。同時に水子達が2人に向かって飛び掛かる。
 そして突然第三者の助けが入るのも、“お約束”なのだろうか。突然窓ガラスが割れ、人よりも大きな黒い何かが飛び込み一樹を跨ぐ様に着地した。
「……犬……?」
 しなやかな身体の、毛づやの良い大きな犬。水子達はそれに近付けないのか一定の距離を保っている。
 その隙にガリガリの手を借り立ち上がろうとしたが、背中に重いモノがのし掛かり再び床に伏せる事になった。
「あはは、やった見つけたー!」
「この、声、……キセ、か……!」
 強かに打った鼻を押さえ立ち上がり、背中に張り付いているモノを剥がせばそれは笑顔を浮かべた少年・キセ。一樹と同年代に見えるが、どうも動作が幼子に見える。
「大変だったんだよ? 僕迷路苦手なんだからー」
「説明するにも順序があるだろ」
「えっと、この子がね、凄い鳴くからもしかしたらって来てみた、まだ学校やってる時間だし居るかなって思ったの」
 嬉しそうに説明をするキセの頭に、犬の背から飛び降りた黒い子猫が乗った。
「この子君の事がだーい好きなんだよねェ、愛されてるねェ」
「なつかれる様な事は一切してないが……」
「イヅキちゃんの血筋のせいじゃない?」
「あー……」
 住処である保健室で動物を飼っているイヅキが関係しているのなら納得出来る一方で、新たな疑問が湧く。
「知ってるのか、イヅキと俺の関係」
「滅茶苦茶ウチで愚痴ってたから、“私の子孫ならもうちょっと顔面偏差値高くても……”って」
「モブ顔で悪かったな。……で、この犬は一体何だ……?」
 子猫を撫でながら問う。
 キセの家も動物が多い故その家の1匹かと思う一樹だが、答えは半分当たりで半分外れだった。
「トメちゃんだよー」
「は?」
「こんなに大きい……犬神初めて、見た」
「は!?」
 キセとガリガリの言葉に彼は眼を見開く。
 トメとはキセの保護者代わりである女性、人間ではないだろうとは薄々思っていた。しかし、正体が呪術に関係するモノだというのは予想外過ぎた。

 そして同時にこんな巨大な呪術だからこそ水子が寄って来ないのかと納得する目の前ど、犬神は不穏な風を纏い人の形になる。
 だが現れたのは、静かな雰囲気や冷たい顔立ちがトメに似た長身の“男”だった。
「あ、れ……?」
「犬神に性別もへったくれもありませんよ」
 疑問を即座に看破され一樹はトメで間違いないらしい彼の言葉を納得せざるを得ない。
 緊迫感の無い会話が続いたが、視界には変わりなく水子が居る。近づく事は出来ないが退く事も無くそこに存在し、時折奇声を上げながら一樹達を見ていた。
「と、とにかく……これからどうするかだな……」
「うん、でさ、イヅキちゃんは?」
 首を傾げるキセの質問に答えたのは、興味深そうにトメを見ていたガリガリ。
「コックリに巻き込まれて、連れていかれた……感じ、かな。相手が水子だし……」
「水子だもんねェ……分が悪いよね、いくらイヅキちゃんでも……いや、イヅキちゃんだからか」
 溜息を吐くキセの言葉を聞き逃さず一樹は問う。
「なあ、イヅキは一体……」
「トラウマって何でトラとウマなんだろうね?」
「は……?」
「イヌネコじゃ駄目なのかなァ、その方が可愛いよね」
 一瞬理解が遅れたが、一樹は言葉の意味を理解する。
 だが確認の為にそれを口にする前にガリガリと共にトメに担ぎ上げられた。そのトメにキセは抱き着き、ほんの少し悲し気に微笑んだのを彼は見る。

 そして再び目の前が歪み、気づけばそこはグラウンドの隅にある倉庫の前だった。
 トメに降ろされた一樹は周りを見渡す。空は“普通”と変わらない夕方だが、案の定車も無ければ人の姿も無い、異様な静けさに満ちていた。
「一体何で此処に……」
「きっとさ、カズキくんとイヅキちゃんが出会ったのは偶然じゃなくて、此処で今カズキくんが居る時にこんな事が起こったのも、きっと“縁”があるからだよね」
「あ……え……?」
 困惑する少年に対してキセはほくそ笑んでみする。
「だって、君が居なきゃ此処には来れないから……“縁の糸”はなかなか断ち切れないのさ」
 それからその手を掴み、倉庫の扉の前に立たせた。
「君になら開けられるよね、 困惑する少年に対してキセはほくそ笑んでみする。
「だって、君が居なきゃ此処には来れないから……“縁の糸”は空間を歪めた程度じゃ断ち切れないのさ」
 それからその手を掴み、倉庫の扉の前に立たせた。
「君になら開けられるよね」
「いや、説明……」
「いーからいーからっ」
 半ば無理矢理ドアに手を掛けさせられた一樹は、後ろに立っているであろうトメとガリガリを見る。どちらも微動だにしない所を見ると、諦めて流されるしかないらしい。
「ったく……開ければいいんだな?」
「うんうん、一気にいっちゃおー!」
 子供の様にはしゃぐキセに一度溜息を溢し、深呼吸をし心を落ち着け手に力を込めた。動かせばやや重くはあるが問題なくドアは開く。
「……、な……っ」
「今君が眼にしたのは、この学校の七不思議の正体さ」

§§§

 水子は涙の代わりに糸を流した。その糸は愛しい“母”を捕らえすがり付く、その“中”へ回帰する為に。
 だが彼女は受け入れず、血ヘドを吐きながらも抵抗した。
「黙……りな……アンタ、達……」
 体育館に張り巡らされた糸に拘束されたイヅキは“叱る”が、すがり付く水子達は奇声を止めない。眼が無い、手足が無い、舌が無い、そもそも人の形をしていない者も居る。その中心で彼女は血を吐き床を汚す。
「ぐ、ぅ……何処の、馬鹿だ……こんなに集めて、捨てて……っ」
 心を許した瞬間に水子達は求める場所へ“帰る”。それがどれ程の苦しみかは、既に彼女は見ている。
 解決する方法は常に存在する、当然今も存在する。至って簡単、この水子達を連れてこの世から消えてしまえばいいだけ。
「……こんな……所で……」
 相手が水子でなければもっと平和的に――あくまで彼女視点での平和だが――解決出来るのにと、己の“弱さ”を呪う。
 その呪いは現実となり、床から細い黒の手が数本伸びた。
「ちゃんと……“送って”……」
 あげるから、呪いの言葉を、違う声が遮る。
「僕達の母さんを離せ!」
「じゃないと酷いんだから!」
 声は刃となり、イヅキを拘束する糸を切り裂き、水子を吹き飛ばす。突然の事に戸惑いながら床に膝をついた彼女に水子は群れようとするが、それを阻止する為に白い着物を着た中学生程の特徴が似た少年と少女が傍に着地した。
「イチ、カ……フタバ……」
 名を呟き崩れ落ちる身体を一樹が支える。真剣の彼の顔を見たイヅキは全て悟った。

 その目の前で少年少女はそれぞれ脇差しと短刀を構える。
「いいかっ、こんな事しても誰も喜ばない! 喜んでくれない!」
「望まれたいなら空の向こうに行くしかないの!」
「君達はどうしたい……! 此処で泣き続けるのか、空の向こうで母を待つのか!」
「私達は橋渡し、望まぬ者は乗せられない、沈むか乗るか、此処で選びなさい!」
 2人の激は水子達を泣かせた。ただただ悲しいだけの涙を流していた。
 すると不思議な事に、涙を流す度に綺麗な赤ん坊へと姿を変えていく。産まれる事が出来なかった赤ん坊へと戻っていった。
「流石、神通者の第一子」
 音も無く現れたトメが呟き、赤ん坊の1人を抱き上げる。軽く身体を揺らせば泣き止み、可愛らしく笑った。
「親に出来ない事を成し遂げる、素晴らしい親子愛」
「い……嫌味、ね……」
 一樹に支えられながら立ち上がったイヅキは、イチカとフタバと呼んだ少年少女に近寄り抱き締める。2人は震えている背中に手を置き、優しくあやす様に撫でた。
「母さん、すぐに来れなくてごめんね」
「あの子達守ってるので精一杯だったの」
「これからもっともっと頑張るよ」
「だからね、えっと、あのね」
 “母”に子供達は笑顔を向ける。
「泣かないで、母さん」
「笑って、母さん」
「……うん」
 彼女はやっと笑ってみせた。
 赤ん坊達は泣き疲れたのか、皆眠っている。

 穏やかになった空気の中で一樹は赤ん坊を抱くトメに訊いた。
「なあ、キセは……」
「……“縁切り”は十八番だから」
 微笑を浮かべそう答えた。

§§§

 荒れ果てた薄暗い家の中で、虚ろ眼の女が一人自分の腹を押さえていた。口元には不気味な笑みが作られ、平な腹に手を置いている。
「次はきっと可愛い子よ……ね……可愛い可愛い私の赤ちゃん……」
 まるで呪言の様に“愛情”の言葉を呟く。
「早くおいで……早く……可愛い子……」
「可愛くなかったら捨てるんだ」
 前方から聞こえた声に眼を見開き顔を上げると、そこには黒い着流しを着た少女が立っていた。
 冷たい眼が女に向けられていた。
「何人捨てたの? 他所の子を何人捨てたの?」
「な、何言ってるの……皆、私の子供よ……」
 笑う女、少女の眼は更に冷たくなる。
「貴女こそ何言ってるの……」
 その口は真実だけを紡ぐ。
「貴女の腹の中に、子供の為の場所は無いじゃないか」
 真実を聞いた女は奇声を上げ、何時の間にか持っていた鋏を振り上げ襲い掛かった。だが少女は横に動く事でかわし、追い詰める。
「水子を入れて、産んで、気に入らないから捨てて……何度繰り返すの? 子供が欲しいのに子供を傷つけて楽しいの……?」
「……う……」
 鋏を投げ付けるが、掠りすらしない。
 女は頭を抱え髪を振り乱し、醜い形相と枯れた声で叫ぶ。
「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!」
「馬鹿みたい……」
「お前に何が何が何が何が何が何がああああああああああ!!」
「何で気付かないの……」
 哀れみの言葉が紡がれる。
「貴女の子供はすぐ傍に居るじゃないか……」
「…………?」
 ゆっくりと女は顔を上げ、少女を見た。少女の眼は女の後ろに向けられている。

 だから女は振り向いた。振り向いて、そこに居る小さな赤ん坊を眼にする。
 可愛らしい赤ん坊は涙に濡れた眼で女を見上げ、手を伸ばしていた。
「……う、そ……」
 女は、
「私の子が……」
 母は、
「……こんなに、醜いわけない!!」
「……醜いのは貴女なんだね」
 否定し、床に落ちていた瓶を握った。
「消えろ化物!!」
「自ら化物産んでるくせに……、いや……」
 素早く移動し赤ん坊を抱き上げた少女は更に真実を突き付ける。
「自分の意思でこの子を捨てて、二度と孕めない身体になっておきながら……今更子供が欲しいなんて……」
 言葉は鋭いが、赤ん坊を抱く手は優しい。眼は冷たいが、抱く手は温かい。
 瓶を投げ付けられたがほんの少し動くだけでかわし、言葉をぶつける。
「後悔するだけでは飽き足らず……鬼子母神もビックリ、お釈迦様も真っ青だね」
「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!! 私の前から消えて!! 死ね!! お前は私に必要無い!!」
「救いようがないってこういう事だよね……この子、ずっと貴女を守ってたのに」
 赤ん坊の背中を撫でながら少女は女に背を向けた。
「……勝手にすればいいよ」
 無茶苦茶に物を投げる女に見向きもせず歩き出す。
「どうせもうだぁれも来やしないんだから」
 着流しと同じ色の闇へと消えていく。
「空っぽの腹に、夢でも詰めていればいいさ」

§§§

 翌日の放課後、屋上には一樹とイヅキとキセ、そして動物の人形で赤ん坊と遊んでいるイチカとフタバの姿があった。
「七不思議は幼子の橋渡しの隠れ蓑……違和感あったんだよ、前に俺が“保健室の動物はお前の仕業か”と聞いた時、動物の管理が甘かったと普通に驚いていたからな。俺等にとっては保健室も“八つある七不思議”の1つだが、そっちにとっては七不思議は七不思議でしかないわけだ」
「こういう連なった怪談は最後の1つを暴いてはいけないって考えがあるからねェ……まあ上手い具合に話が纏まってるならいいんだけど、人間の想像力は凄いわ」
 缶コーヒーを飲みフェンスに寄り掛かるイヅキは空を見上げる。気持ちよい風と共に雲が流れていた。
「此処には私の骨がばら蒔かれてるし、学校だから色んな物があるし、近くに公園があるから子供達を満足させて“向こう”に送るのに丁度いいのよ。ま、それはイチカとフタバに任せっきりだけど」
「やっぱりトラウマなのか、……その……」
 炭酸飲料を片手に口ごもる一樹にイヅキは意味深な微笑を見せる。
「沢山産んだって事は、その分流産や死産も多かったからねェ……一番最初に産んだイチカとフタバなんて、双子は不吉の象徴だつって崖に捨てられたし……水子や幼霊は未だに苦手よ……情けないったらありゃしない」
「……そうか?」
 首を傾げた一樹にイヅキは首を傾げる。双方不思議そうな顔をし、一樹は自分の意見を述べた。
「それでもイヅキはあの2人を探し出したんだろ? そして橋渡しという重要な役目を与えて、2人はそれに応えている……情けないなんて言葉を払拭出来るくらいに。それに馬鹿生徒を助けて、ご丁寧に記憶まで消した……お前じゃなきゃ出来ねェよ、こんなの」
「……な……何よ……何も出ないわよ……」
「何も期待してねェよご先祖サマよ」
 照れているのか俯いている彼女を笑うと脛を軽く蹴られる。しかしその際も顔は赤く、更に一樹を笑わせた。
「わ、笑ってんじゃないわよ……!」
「そっちが笑わせてんだよ」
「ぐ……と、とにかく、さァ……」
 フェンスから離れたイヅキは息を呑み、缶を握り締めている。何か伝えたい事があるのは明白、だから一樹は茶化さずに待った。
「その……あの……こ……今回は、助かっわ……ありがと、ね」
 ぎこちない笑顔だが、それが彼女らしさだろう。
 それを受け取り一樹は神妙な面持ちで返す。
「実は、謝らなきゃいけない事があるんだが」
「えっ、何……」
 緊張が走るイヅキの顔を見つめ、彼は自白した。
「コスプレババァと呼んでた、心の中で」
「…………」
 空になった缶を全力で顔面に投げ付けられた。

 それから目くじらを立てたイヅキはイチカとフタバの傍に行った所で一樹は、牛乳を持ってフェンスに背中を預けて座るキセに声を掛ける。キセの眼は、此処ではない何処かを見ている様だ。
「どうした?」
「ん……んー……」
 フェンスに更に体重を掛け、軋む音を出しながら迷いを孕んだ眼は答えた。
「僕のお母さんってどんな人なのかな……」
 “人間”なんだから、“親”が居た。

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