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デッドゲーム
作:テルル



言葉の理由


「平山か…?」
「あの人も『D』側の人間としてエントリーしてるのかな」

出て来た時、平山がこちらを見て笑ったような気がした。

+++

「俺は『飛脚』の渡邊哲だ! テメーが何者かは知らんが、すぐにゲームオーバーにしてやるぜ」
「ふん。その言葉、そっくりお前に返すぞ」

平山はにやりと笑って渡邊を一瞥した。

「ほざけ」

渡邊は気に入らなさそうに顔を歪めると、地面を蹴って平山の視界から姿を消した。しかし、平山は不敵な笑みを崩さない。

「姿は見えずとも…音だけは聞こえる。…そこだな」

たしたしと軽快な足音に耳をすませ、すっと手を空中に差し出した。

「ふむ…」
「あっ?」

突然、驚いた渡邊の声が耳に届いた。
直後、バランスを崩したような体制で、渡邊が平山の目の前に現れた。肩でぜいぜいと息をし、上から自分をにらみつける平山を睨みつけた。

「て、テメー…。俺に何しやがった?!」
「それがしが少し力を使っただけでこのざまか…。つまらないな」
「この野郎…っ」

冷めた目つきで渡邊を見る平山に、渡邊は顔を真っ赤にして勢いよく起き上がった。そしてすぐに体制を立て直し、自分の身体を反転させて回し蹴りを喰らわせようとした。

「甘い」

がしっと平山に足を手で止められてしまい、渡邊は動揺を隠せない。次の瞬間、渡邊の視界は真っ赤なものへと変わっていた。

+++

「渡邊哲。お前は自分の力を最初から使いすぎだ。ルールを説明した時に言われただろう? 力の使いすぎには注意しろ、と。己の失態を呪うことだな」

平然と言う平山の足元には真っ黒に焦げた人間が1つ、転がっていた。もう誰なのかも判別できない。モニターから見える映像に、桜達は唖然とするばかりだった。

「もう分かったと思うが…」

ふと、平山が1人でに口を開いた。

「『D』の言った言葉が分かっただろう?」

おそらく、モニターでこの様子を見ている参加者達に向けての言葉なのだろう。
桜はごくりと生唾を飲んだ。

「平山の能力は相手の力を奪う能力だ」
「えっ」

ずっと黙っていた番長が口を開いたので、桜は少し驚いて、隣にいる番長を見た。

「今のゲームを見ていて思ったのだが。おそらくあいつは2つの能力を持っている」
「2つの能力…」
「だから『超双能者』と呼ばれているのね。でもそんなのありえないわ…。1人の人間が2つの能力を持っているなんて」

やや緊張した面持ちで河上が続ける。

「相手の能力を奪う力、そして炎の力を持っている。さっきのゲームでそれは分かるだろう。平山はきっと…あのステージでゲームをする参加者の力をじょじょに奪っていく役割を任されているのだと思う」
「だから『D』があんなこと言ったんだ」
「そうね…。最初から力を使いすぎると、その分早く力が奪われちゃうのね」
「そういうこった」

いつの間にか姿を消していた砂時が後ろに立っていた。

「砂時! 今までどこに行ってたの?」
「あぁ…ほら。やるぜ」

その手にはコンビニの袋が握られており、中からは菓子パンが顔を覗かせていた。それを1つ1つ3人に投げてよこした。

「えっ。お買い物行ってたの?」
「アーチの所にいた奴らに許可貰ってな。腹減ってンだろ」

にや、と笑いながら砂時が番長の隣に座った。

「何か悪いわね…あたしも貰っちゃって」
「あぁ?別にかまわんぜ」

申し訳なさそうに言う河上に、砂時は興味なさそうに言った。

「てか、どうして全員メロンパンなの?」
「うめぇだろ」

どうやらメロンパンは砂時の好物らしかった。

「それより…先ほどのゲームを見ていたか?」
「あぁ…ばっちり」

真面目な顔つきで、砂嵐になっているモニターを見る砂時。

「本当に『D』達は何を考えているか分からないよね…」
「ま…イカレ集団ってとこだな」

そんな会話をしていると、再び『D』の声がホールに響いた。

『次の参加者様はステージへ移動願います』

しん、と静まり返り、次の言葉を待つ。

『西側から『氷男』。東側からは『刃物人間』。どうぞ、移動お願いします』



いきなり平山がかっこよくなってしまいました
何故2つの能力があるのかは、理由はちゃんとあります
さて、次回は番長がゲームをします
その相手とは・・・?!
次回もよろしくお願いします!











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