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青少年的新聞社

紳士的新聞社

本文

老人が動くイスと言うべきか

それは所謂

ゆりかごのように

前後に揺れるイスに座って

一人早朝独特の朝日を薄いカーテン越しに浴びながら

一人その皺が刻まれた目を細く開けて

どこかの国の新聞に目を通していた

まるで体つきは

どこかの絵本のサンタクロースのように肥っていて

その顔つきは老人にしてはどこか

生き生きしている節さえある

それが太っているせいなのかどうかはわからないが

しかし朝食に

軽くチーズを溶かして焼いてある

クロックムッシュに

その横に軽く置いてある朝どりのトマト

さらに横のテーブルにある小柄な白いだけのシンプルなカップには

黒々としたコーヒーが湯気を立てている

見ているだけでそんな朝を向かえてみたい物だが

老人は一向にその朝食にはてを付けず

ただ「ばさばさ」という新聞を広げたてはまた別の面を開く音だけが聞こえた

「・・・・良しそろそろ食べるか」

老人はそう言うと新聞を軽く畳むと

そのし諫な食器がにさんまいのっただけで一杯になってしまうようなテーブルではなく

その奥にある

四五人は食べれそうな木の大きなテーブルに乗せ

さていよいよだと

老人は窓辺を眺めながらいい頃合いに冷めたチーズを頬張るのである


老人はパンを食べ終わるとひょいひょいとトマトを口の中にいれ

それをゆっくりと味わうでもなく味わうと

流し込むように真っ黒い液体を流し込む

「さて」

それを合図に老人はひとつ挨拶をして皿を流し台にまで持って行く

そのあと軽く水洗いをすませるとそばに立てかける

さらにはその横に立てかけてある布巾を取ると軽く水でしぼりきの机を拭きに行った

それが終わるとまた机に置いてある新聞を読もうと思ったが

歯を磨くのを忘れているのに気がつき

いそいそとブラシに歯磨き粉を付けると

それを口の中に突っ込んで磨く

さて終わったとそのままトイレに行き用を足すと

いよいよは磨き粉を流し台には来だして水でよくゆすぐが

その揺れ動く頬はまるで水風船とも

大きなあめ玉をしゃぶっているようにも見える

とにも水を2、3度吐き出して

いよいよ老人は先ほどまで座っていたイスの付近に置いた新聞を取ると

外にでてそこで新聞を読み出す

食べてはよみまた食べては読み

老人はその繰り返しで生きていた

唯一の楽しみが何かを読むこと

それが一人暮らしのサンタのような老人の一番楽しいことであった


「えーーと今日の事件は」

老人は丸い老眼鏡をかけると

小さな文字をまるでにらみつけるようにみる

その一つひとつが老人に恐れをなしたように昨日あった出来事を老人に伝える

それが何とも老人の猜疑心をくすぐる

新聞は何か会話をしなくてもすむ

それでいて世界中のことが何の苦労もなくわかるのだから

老人は実に野次馬根性を持て余しているようなもので

そのたのしみは自然と新聞に行き着く

「えーーと何々

ハロロイド州のケンバッハ村で・・」

老人の脳裏にそのときハロロイド州ケンバッハ村の思い出がよみがえった

ハロロイド州ケンバッハ村は

老人がまだうら若き二十歳の時

彼は新聞社に入社して二年目の二十歳の誕生日をさらに迎える年であった

編集長のケラルドに言われるままに

ここに入社して一番始めに相棒を組まされた

カリナと一緒に事件を追うことになる・・・

「ケンバッハ村で、いっしゅううかんにろくにんのにんげんがしぼうした

そのどれもがしんぞうほっさなどのたわいもないものであったのだが」

そのとしちょうど自動車の免許を持ったケンバンは

意気込んで僕の車で行こうと言われるが

「私は死にたくないはボーヤ」と軽くあしらわれ

結局彼女の「KARUBONA-RA」に乗ることになる

そのクリーム色の可愛い車とは裏腹に

ケンバンは知っているその車が久々車検を受けていないことを

そのくせ飛ばしまくるのだからよっぽどむりがある

「・・・・僕が運転しても」

「百年はやいは」

果たして百年早いのなら僕は一生のるなと言うことだろうか

そんなことを思いながらただ今、運転中なのになのに

その右手はカーステれををいじりながら

反対側の手で遊ぶようにハンドルを握っている

これで無事故なのだから恐ろしい

「・・・・・でもどういう事件なんですか」

ようやくいい曲を捜し当てたのか少し気分をよくして鼻歌交じりに運転をしている彼女に聞く

軽く開いた窓から流れる風が

金髪に軽くブラウンがかかったような落ち着いたような色の長い髪を揺らし、その顔はどこかきりっとしているが凄く綺麗な分類であり

この顔で取材されたらどんな人間でも話さずにはいられないだろう

そんな顔に半ばあきれにも似た感情とうらやましいのか頼もしいのか分からないなと思いながら見た

しかしどうやら僕の質問がよほど気に入らなかったようで

その綺麗な顔をゆがめると

「あんた知らないで来たの・・・・新聞記者止めた方が良いんじゃないの

・・・・だいたいあんたは・・・・」

かくして新聞記者と話んだと言うことまできつく言われた後

やはりこの人にはかなわないと

はじめにあった先輩の偉大さというか

・・・落ち込むのである

「・・まったっく・・・本当にやる来あるのか・・・」

「・・すいません・・・しかし何があったんですか・・詳しくは知りませんが」

「・・・どこまで知っているの」

「試すんですか」

「・・早く」

「・・・・・・・・銃が盗まれたとか」

「・・・・・そんなことで動くと思う」

「でも大変なことじゃないですか」

「・・・・そんな物騒なところに私が行くわけ無いじゃない」

テロ組織に潜入していた人の物言いではない

「それでしたらどういう」

「村人が毎週死ぬ州があるらしいの」

「・・・まさか」

「・・・・あんた新聞読んだら」

「・・・もう記事になっているのに行くんですか」

「・・・・・・・・あんたって人は・・・これ見なさい」

そこに書かれていたのは

晩年の映画俳優の死去

豚は動物だから愛護団体に保護すべきだという記事

「・・・これのどこが」

いよいよ険しくなってきた彼女が

ますます顔をしかめると

怒ったように手を差し出してきたので

これは殴られるかと思っていたら

「バシバシ」としんぶんしをその真っ赤なマニキュアの塗られた綺麗な爪で乱暴にたたく

妙なところで雑である

「・・・えーーーと」

僕は揺れ動く荒い運転の車内でその小さな文字の中でも

ほとんど端どころか

一番下にある枠に目を移した

「キーン・サタロイド二十三歳」

「・・・何なんですかこれ」

僕が言うとまたしてもあの赤いつめが別の場所をはたく

「・・・・何々・・・・葬儀情報・・これが何か」

今度は僕の持っている新聞をはたかなかったがしかし

後ろをグッドの手で親指を向けた

「・・・・・・」

僕はその指さす方に目を向けると

そこには新聞紙が後ろの座席に山になっていた

「・・・・これを読めと」

しかし彼女に反応はない

あまりにも無能のため何も反応を取らなくなったのでなければ

それであっていると取った方が良いのかもしれない

僕はシートベルトをこわごわはずすと

後ろに身を乗り出してその束を持った

そしていざ調べようと思ったが

「・・・・・何を調べればいいんです」

そう聞いて固まってしまう

・・・聞くんじゃなかった

彼女はさらに険しい顔を似割り増しでして

先ほどの新聞紙を睨んだ

「・・・まっ前」

僕は逃げるようにそういうと

そういうことかとそこでようやくが点が行き

束の新聞紙の葬式情報に目を通し始めた

そこで分かったことは

同じ州の葬儀欄に毎週死者が載っているのだ

しかしここまでならさして珍しいことではない

しかし重要なところは

たしか・・・

「・・・・この空欄に載っているの・・・少なくとも大きな州では無いからこれほどまで若者だけが毎週死ぬなんておかしいですね」と言う事だった

その答えに満足したのかようやく普通の声で話し始める

別にがらがら声どころか

まるでハッカ水のような綺麗な音色がしそうなものであるが

しかしなまじ背筋というのか複式呼吸というのか

どちらにしてもあの声で言われると痛いところがある

しかし今は普通だ

少なくとも押しつぶすような威圧感も怒りも感じられない

ようやく平穏が訪れたかと一安心する

しかしこのあと続くことは別段平穏とはほど遠いことであった

「・・・私たち記者はこれは殺人だと思っているの」

「・・・殺人ですか」

「・・・・ゴルフじいさんって知ってる」

「・・・ええ内の店にいつもたむろいでいます」

「そう、彼がこれを発見したの」

確かに何がおもしろいのか

彼はコーヒーには意で一日中うちの店にいる

なまじ洞穴のような居酒屋で

昼間は軽食を振る舞う喫茶店のようであり

別段いようがいまいがろくな大要をしていないので特に問題はないのだが

しかし皆あの偏屈に睨むように新聞を読んでいる人間をどこか尊敬の目で見る

「・・・こう言うことがよくあるんですか」

「・・・まあ・・・最近だとペッパー・レッドの居場所を割り出したわね」

「・・・本当ですか・・・・あの爆弾魔の」

「ええ・・ただ今回は彼も何か違うと」

「・・・・そんな凄い人が何か違うなんて言うくらいなら止めましょう」

「・・・・何怖いの」

「・・・まあ少しは」

「・・・そう」

「・・・・・・」

「・・・・・ところで事件の内容なんだけど」

「・・・・行くんですか」

「あったり前じゃない、記者って言うのは人の不幸に直面したとき

それを前にただ無関係に記事だけを書く

でも別段それはずるじゃない

私たちは起きた後に行くときだけまるで無敵かなんかのかみさまみたいだけど

起きる前に行くときは死ぬ覚悟をしないといけない生き物なの」

「・・・・・・警察に届けましょうよ」

「動いてないから問題なのよ・・・それにこれは実に危険だと思う」

「・・ならなおさら」

「私があなたに第一に教えたことは」

「不幸を食らうからには不幸に食われても文句は言うな」

「・・・・・ほら単純でしょ」

「・・・・・死んでも何かくれる訳ではないでしょ」

「そうね一回だけ花束を飾ってあげようかしら墓石に」

「・・・あなたは生きる気ですか」

「あったり前じゃない、私のような人間がこれくらいの事件で」

「なら何で僕まで」

「・・・まあ腕試しだと思って」

「嫌ですよ・・・だいたい僕は記者じゃなくて・・・」

「まあいいじゃない・・・大体あんたがあそこに行こうとしたらいちにして使い物にならなくなるわ」

「・・・・・・しかししんでしまえば」

「・・・・えーーとまず付いたら何だけど」


かくして僕は命辛々なほどの危険な運転の末

無事とは言えない精神状態のまま

その州に行くことになる

それは森に囲まれた

所謂盆地体質

さらに言えば丼盆地と言う言い方が良いのかもしれない

どちらにしても僕はその待ちに来て早速聞き込みをすることになる

「ホテルとか行かないんですか・・・どうせホテルなんて行う物はないでしょうけど」

「・・・あんたホテルなんて行う物に泊まる気・・」

「・・・っえ」

「えじゃなくて・・そんな金ある訳ないでしょ・・・まああんたが・・」

「それじゃあどこ泊まるんですか・・・まさか野宿なんて」

「・・・まあ半分当たっている」

「・・・・つまり車内泊と・・」

しかし彼女は首を振る

何か嫌な予感がする

「・・・半分・・」

「・・・落語ですか」

「何よそれ」

「先輩が知らないことがあるとは何かうれしいですね」

「・・・そういうことは言葉に出すな」

「・・・出さなくても何か文句言うでしょ」

「・・・・まあ・・と言うか落語は知っているわよ」

「それじゃあ何が」

「何でそこでぼけるかを聞いているの」

「・・・・・・・・それじゃあどこに泊まるんですか」

「・・・・・あんたよく聞かなきゃだめよ

車でもなく

外でも半分正解

それは私が車内泊

あんたが・・」

「嫌ですよ」

「・・・・仕方がないわね・・一泊三十万円で」

「・・・ふざけてます」

「・・・・まあそういうわけだから寝袋は一日五千円でかしてあげる」

「本当にかね取るんですか」

「あったり前じゃない・・・それとも先輩なら何でもくれると思ってた」

「・・・まあ少しくらいは期待はしてましたが」

「・・・まあ、三百円負けて置いてあげる」

「・・・・・・」

「何」

「・・・・いえ」

「それでは問題も解決したし取りあえずエサでも食べに行きますか」

「・・・・・」

先輩は家畜だから何か

人だから何か

車だからと

何かと差別しない

だから物を食べることを動ければいいとエサという

「・・・・豪勢ですね」

「まあね」

「この金があれば宿くらい」

「もったいない」

「・・・・・・・じゃあいただきます」

「何やってるの」

「っえ」

「・・・・・・」

「何で睨むんですか」

「あんたは先輩のご馳走を」

そう言ってテーブル一杯に並べられた地方料理を

自分の方に皿ごと寄せる

「・・・・・・・・・」

「はあ」

僕は仕方なくマスター風の人に

「サンドイッチ一つ」と言うと

「あらそれ頂戴」と言ってきた先輩にまたため息を付くことになる


「もう満足ですか」

結局三十分ほど僕が食べ終えた後にまた注文したせいで遅れて店を出ることになる

どちらにしても

時間帯は朝の八時に来たというのに

もうお昼を回っていた

「・・・あらデザートはまだ・・」

「・・・・」

あれほど食べたというのにまだ食べるらしい

確かにこの人の下で勉強していたとき

食えるときに食べなさいとは言われていたが

・・・・やはり今見てもこれはたべすぎだと思えてしまうが

一度の補給で二十四時間は確実に楽々と不眠不休をを売りとしている

しかしもっと言えば彼女は何も食べなくてもそれくらいで疲れたりはしないが

そうでもしないと食べる口実ができないんだと予想する

「・・・・・」

結果的に道の駅で売っていた「マッシュルームアイス」を二つ買うことでようやく落ち着いてようで

「それではやりますかと」

仕事の顔になっていた

正直言って彼女の場合の仕事の顔とは実に生き生きとしているわけでもまた、落ち込んでいる訳でもない

それは普通かするのだ

まるで忘年の友人とでも言うように

誰でも声をかけてしまうような

それでいて不審がられないような

みなはこれのこととを「カメレオンマスク」と呼ぶ

実際僕もあの人の本性知らなければ十二分にだまされる人間である

と言うかはたから見てついつい騙される

かく言う彼女は何も持たずに車から降りると道の駅に向かう

山に囲まれ

その山頂には僅かにしろい物が見えるが雪だろう

そのせいなのか気温は少し涼しいぐらいで気持ちが良い

まあ、雪が残るくらい標高が高いのは百パーとは言わずとも何だが

彼女は観光客とは別に

道の駅に降ろしに来たであろう人間に絞って話を聞く

その鮮やかと言うかなんというか

僕は端からただただ聞くしかないのだ

しかしどうもこの辺の人はそれをタブー視しているらしく

どうもその話になるとそれと言ったことが聞けない

しかし恐ろしき先輩の話術


「こんにちはー」

なんてかけ声はしない

「よお友」

なんて全く持って危険人物っぽいことを言ってあるいていく

言われた人間は「っえ」と言う顔であたりを見渡すがその人しかいない

「ところでここら辺で最近何かあったか」

まさかという単刀直入にそんなことを聞く

それに対して先輩は

どうせきくのに何か騙すようなのは卑劣だ

そう言っていたが

全く持ってはた迷惑である

しかしなぜだかあれがやるとすんなりする

それが美貌がなす技なのか

それともあのフリーダムな対応なのか

どちらにしても僕がやったら痛くて目も当てられない

と言うか始めの頃やってしまってそれ以来やる気が起きない

「そうそう・・・しかし何で死んでしまったと思いますか」

「・・・・さあね」

聞いているおばあさんはそれこそ、わからないよと言う感じで首をひねる

「・・・・・そうですか・・・誰か詳しい人いますか」

「それなら駐在のゴームと葬儀屋のナガグツがいいんじゃないかね」

「そうかありがと」

彼女はそう言って分かれるとすぐさま車に乗り込んだ

「早くしな」

叱咤されて僕もあわてて急ぎ足にドアを開けて乗り込もうとしたが

それよりも早く動き出すのは些かげっとだと思う

何とかずり落ちずに這い上がる戸とを閉めた

「どっちに行くんですか」

「葬儀屋だろ」

「何でです」

もしかしたらこう言うところに何かの先輩独自の何かがあるのかも知れない

「・・・うーーーん・・勘」

全く宛にならなかった


その日、葬儀場に行ったが

いつも午前ですべて終わるらしく

その建物はすべてに鍵がかけられ

事務所に電話してもまた明日お問い合わせ下さい

と言う留守電電話が鳴るだけであった

「どうします」

腕時計を見るともう三時半を回っていた

「・・・・・・・・もう片方に行くか」

「えーーと・・駐在さんですよね」

「ああ」

「どうしたんです浮かない顔して」

「・・・いや腹が減ってきた」

「・・・・・」

かくして途中の券売機でたこ焼きを買うと

仕方なくそれを食べている先輩を横に自動車をこの町に

唯一一つある駐在所に向かう

「何でお前が運転するんだ」

運転して貰ってどこの世界にお礼を言うのか

僕はそれに不平でも言おうとしたが

しかしそこは長年と言わなくても数日でもこの人の下に付いたなら明白なもので

「・・・・・・・・」

特に気にしないことにした

これで不平なんて言った日には

このあと何日何を言われるか分かったものではない

僕は無言で嵐の過ぎ去るのをそのすいません的な顔を少し出したような顔で耐える

「・・・・・・・何か言いなさいよ」

これで下手なことを言った日には同じく大変である

と言うか何を言っても今のあの人には毒になりかねない

と言うかすべてを何を言おうが悪口としてしまいかねないのである

「・・・・ところでどうして記者になったんですか」

僕はそんなときにどうでも良いことを聞いてみることにする

実際僕は記者になんてなりたかったわけではない

しかし分け合ってこの道には行っているから

当然ここになぜ入っているかなんて興味はないわけで

お釜になった人に

なぜお釜になったなんて聞くのは野暮で

少なくとも聞きたくはないくらい興味はない

しかしいい機会だ

聞いてみて機嫌でも伺っておくか

「・・・・あんたに言うほどの物ではないわ」

これは驚きである

いつの間にか電子たばこを吸っている

この人がたばこを吸ってからだが悪くなって変えたなんて事はないらすしく

どうも分け合ってこんなふざけたことをしているのではないかとみんがが言ってはいるが

誰も怖くて聞いていない

この日のと年齢さえどう言うものか知っている人は少ないだろう

と言うか編集長さえもそのことについて言葉を濁している

どう言うことなのだろう

・・・・・しかしどちらにしても今電子たばこを吸っているという事は

何らかの心の変化がっあったというのは間違いはなく

それならどのようなものかと聞いたとき

先ほどのあの言葉

あんたに話すほどの事じゃない

すなわち俺よりもその存在は低いと自分から言ったのだ

あの高飛車でさえひれ伏すような高飛車な人がだ

とにもかくにもこれはふれてはいけないようなことらしい

もしかすると僕のような新米の時の出来事で

・・・とにかくはいるためには若い必要さえなけれど

しかした分は若い自分の頃

そのときの過ちが絡んでいるのかとあらかた推測した頃合いで

「・・・さて行きますか」と

先輩は小さな

と言ってもそれなりの建物のほうへ扉を開けて出て行く

つまりは警察署に着いたのだ

一軒しか交番がないのにと思われるかも知れないが

どうやらそこまで小さいがそれでも必要不可欠らしい

どちらにしても足早に僕を置いて自動ドアの中に入る先輩を僕は追いかける

こういう場所に記者なんぞなかなかこないせいもあって

田舎の記事というのはすぐに話してくれるとはないにしても

聞くだけでそのほころびが露わになることは多々ある

しかし僕のような若輩者の場合は

たいして変わらないのかも知れないが

中は広いロビーが続いているが

しかし人はまばらで

これでもしここが市役所であるならば

この市はおしまいだと思うだろう

どちらにしても彼女つまりは先輩はめぼしい人に目星をつけて話を聞いている

「あのすいません、記者の物なのですが話を伺いたくて」

そう聞いたのはこの広いロビーで数人しかいないうちの

数少ないどころか唯一の女性であった

しかし受付嬢というわけでもなく

若いのにおしゃれをしている雰囲気はなく

それどころか

灰色のスーツはどこかよれ

眼鏡は丸

さらに後ろに長髪を三つ編みに縛っているとなると

それはどこまでもきまじめでさえないようだが

しかしその書類にかじり付いている様子からは

あのがり勉風な色はなく

ただただ威圧的な

それこそ男でさえたじろぎそうな何かがある

しかし彼女がようやく大声で聞いたとき

始めて書き込むというかは刺すような細い色の筆を止めて上に顔を上げた

その目は実に険があり

田舎でも刑事なんだと分かる

・・・と言うか刑事なのか

「あのすいません・・・私カドマツ新聞社の物なのですが

実は最近ここで若者だけが毎週必ず一人死んでいるでいることについて

お話を・・・」

するとその女性はいきなりイスからたちががった

一瞬怒鳴られるのかと思ったが

しかし彼女はその手を僕たちというか先輩の方に

待って

と言う感じで手の平を力強く

それこそ空手か何かの一種みたいに素早くやると

なにやら乱雑に積み上げられている書類やら何や等のデスクから

一つ書類を抜き出す

どうやら付箋がしてあるらしくそれが可能なようだが

しかしそれがかなり上の方だと言うことから最近のことなのかも知れないが

しかしその素早い動きを平然とした彼女は

積み重なる書類を寸分違わず動かさずに

そしてそれに目を通すことなく

ピンクの付箋がまだついているそれを彼女に渡すと

そのまま席に着こうとした

・・と言うか着いてまた猛烈に書類を制作を始めたのだ

「・・・・」

先輩はさすがに驚いたようだが

これ読んでいいのですか

と聞くと

こくりと彼女は見ることもなく頷くとまたさして変わらす書き込む

それこそ何もなく

変わらないように

・・・・・・・・

仕方なく僕たちはそのロビーの入り口に久しく誰も座らないことを示すように

荷物が乱雑に置かれているイスが数席ある場所に腰を落ち着かせると貰ってきた数枚の薄い紙をホッチキスでとまた物に目を通した

もちろん先輩が先と思いきや

「・・・・」

僕につきだして

読んで良いわよ

と顎でしめす

本来ならはしたないと思うがこの人だといつもやるのか堂に付く

僕は仕方なくそれを読み始めた


「若人殺人事件


11月20日


十一時三十分午後

一人の学生が死亡


11月27日

バーで20歳の女性が死亡


12月4日

図書館で小学生が二人死亡

・・・・・」


僕はそれを見る途中で少し休む

実際にはその内容に吐き気を催しかね無かったが

しかしそれが理由ではない

それは名前なんかを保護している理由で書いていないのかも知れないが

そこには死亡としか書かれず

どうして死んだのか

いつなどのことが一切書かれていない

「どうだった」

まるでそれさえも分かっているような目で僕を見た

「・・・・死亡としか」

「・・・それどう思う」

「・・・もう読んだんですか」

「・・なめてるの」

「・・・と言うと」

「・・・それぐらいの読み物見ただけで分かるに決まっているって事」

「・・・・・・・・・・・・・」

「それでどう思うの」

つまり速読という物なのだろうか

しかし僕はこの人が読んでいる風には見えなかった

それどころか興味さえないような

しかしこのまま驚いていたらよけいはないが進まない

僕は思ったことを言う

「もう一度訪ねてみようかと」

「・・・あんた馬鹿ね」みたいな顔をされる

「・・そう言うことですか」

「・・・それくらい分からない」

「・・と言いますと」

「・・・・・それをわたしたって事はもう来るなって事なの」

「言っている意味が」

「・・・・教えることはないって意味何でしょ・・・少し折り目がついているから・・・もう数人ここに訪ねてきた

そしてあんな感じで人付き合いのうまい方じゃない

ならこれをわたしたみたいな」

「・・・面倒な」

「・・・まあ私たちの方が面倒なんでしょ・・・とにかく行きましょ」

「・・・ええ・・・っと・・待って下さい」

「・・・どうしたの」

「・・・いえ車の鍵はまだ僕が」

「・・・っあ、そう」

「・・っえ」

彼女は先ほどの彼女の席に僕に止めたにも関わらず歩いていった

・・・もしかしてトイレの位置でも教えて貰おうかなんて思っているとはさすがに僕も思えない

・・・それならば

僕はおそるおそるその行き先を見ると

やっぱり先ほどの

怖い眼鏡である

「・・あのすいません」

その言葉に対し

今度は手で征するわけでもなく

すっと立ち上がると彼女にメンチを切るようにジリっと先輩を睨む

かく言う先輩はこれ以上ないと言うほど普通に彼女を見た

「・・・なんですか」

彼女はそう言う

対する先輩はと言うと

それに対してただ彼女を何をするわけでもなく睨むなんて事もせず見て

ただ一言

「死因は何ですか」と、とんでもなくストレートにとんでもないことを言う

これで答えてくれるのであれば僕だって一流の記者にもしかするとなれる物なのかも知れない

しかしさらに驚くことに彼女

すなわち睨み眼鏡はその回答に対して

「・・・・マネー」と、言ったのだ

「・・・・・」

それはさらなる驚きの連鎖を生むことになった

なんと彼女すなわち僕の師匠ともとれる先輩が

自分の小さなポーチからなにやら茶色い袋を取り出す

ナッナニ

僕はその光景をただ見ている

気を使わすわけではないが周りを見たが皆それぞれ忙しいのかそうではないのか今一つ分からないが

それについて何も言うことはないようだった

・・・と言うかみてさえいない

逆に僕が見たことにより

(ナンダヨコイツ)みたいな睨みかたをされるようで物である

しかし問題は今目の前で繰り広げられようと言う

情報の漏洩もしくは金銭のやりとり

外郎ではなく賄賂である

どう言うことなのか

しかしそれを持って中身を見た女性はそれを受け取ると

「ついてきな」

そう短く言うと

仲間には

「お昼行ってきます」ともう夜になりかけの時間だというのにまだ食べていないのにそんなことを言って僕たちの前を歩き出す

「・・・どう言うことですか何わたしたんですか」

僕は彼女に聞こえないように先輩に聞く

「・・・秘密」

「・・・っえ」

「嘘よ・・・鯛焼き」

「・・・っえ」

果たしてこれは聞き間違いなのか

それともわざと僕に騙すようなことを言っているのか

はたまた僕を危険に巻き込まないためにはぐらかしているのか

どちらにしても僕はただそれに対して

「・・・何餡ですか」とは聞かずに

「・・・はあ」とさえない受け答えをして彼女のあるくほうに付いていく

時間体的にも夜が迫り

周りが徐々に暗くなっている

そんな中先輩は彼女のあとを

その先輩を僕が追っている

「どこに行くんですかね」

僕の問いに先輩は答えない

かく言う、その先を歩く警察の人も同様である

果たしてこの緊張感は

僕はふとやはりあの茶色い紙袋の中身が気になる

本当にどらやきやら鯛焼きなら

僕が見ていない間に購入したのだろうか

・・・・しかし、していないとなると

この車に乗る前

すなわち元から考えていたことになる

そうなると果たしてあの袋の中身が鯛焼きに類するもの

またはそれほど安いものなのだろうか

だとすると少し表立って言えないもの

即ちは現金に類するのではないだろうか

しかしそんなお金どこから

僕の脳内でちらりと編集長の顔が浮かぶが

それはないだろう

あの何も考えていないような男が

そんなマネーを果たして・・・・

となると残るのは先輩だが

・・・そんな金を持っているのだろうか

少なくとも先輩の車はそこまで高いものではない

それどころか中古だと言っていた

別段そんな中古じゃなくては買えないようなものではない

しかし先輩は見計らったようにその話については

「アンティーク」の一点張りで

それに騙された棒よりも新米がそれを本気にしてしまう節さえあるが

どちらにしても今の案件とは限りなく関係ないだろう

・・・・先輩からでもない

・・・嫌々大体これが、お金のかかるものだと思っているのが大体の間違えかも知れない

そんな夢みたいな記者の話よりかは

もしかしたら女性が使うような

少し高いくらいの化粧品

またはそれに類するものなのかも知れない

・・・・・・・何なんだ

結果的に分かっていない僕に対して

「早くしろ」

前の方で先輩が呼んだ

「はっはい」

僕は前を歩く二人に急いで追いつく

・・・・・・・・

「どこに行くんでしょう」

僕は小声でまた聞く

あたりは先ほどよりだいぶくらい

僅かに電灯なんかが明るいが

結構暗くなってきた

僕はその回答を得られないまま二人のあとを続く

まったくどこに行くのだろうか

不意に一番先頭の彼女が一軒の喫茶店に入る

そこはネオンがコーヒーに形に映され

「カンパル」と書かれていた

彼女は気を追うこともなく

その中にはいる

もちろんそれに続か無いわけもなく

僕たちもなかに入った

中は急激とは行かないまでも坂になって地下へと続いていく

ここが田舎だと思うだけで別の世界に急に行くような気分になる

果たしてこんな地域に地下なんぞ必要なのだろうか

どちらにしても後を追うしかない

周りはすべて煉瓦づくりで唯一足下のと階段だけがコンクリートと石がちりばめられて練ったようなものである

かくして一番下に行くことになるのではあるが

そこは壁と同じくすべてが煉瓦に覆われた

一見すると、酒を飲めるようなおしゃれなバーにも見えなくもない

と言うか少なくとも喫茶店には見えない

「ここ本当に喫茶店ですかね」

そのといにまるで馬鹿なんじゃない

と言う怪訝な顔で先輩は

「ここら辺は昼夜で違う店が多いのよ・・・後ここが地下にわざわざ作ったのは暖かいからでしょうね」とも言った

「・・・・・」

そうかと反面目は思う

ここはワインセラーなんかをかねて地下に作られているとばかり思ってはいたが

どうやら別のことらしい

そう言えばこんな真夏でもこれほど暑いのだ

そんなことがあってもおかしくない

これが冬になったら大変な寒さだろう

・・・しかしもし火事になったら・・・

僕はそう思うともう一度、後ろにあったの階段を振り返ってしまった

そこにはまるで先など無いような暗い色の階段が口を開けている

・・・・僕はすぐさま先輩達の方を見るといない

・・・・つまりどこかにさらわれていないのであれば座ったのだろう

僕はあたりを見渡すと

バーには無いような、まるで本当に喫茶店のような、四人掛けで後ろ前が仕切られている場所に二人が対面する場所位置で座っているのを発見した

どちらにしても

僕は先輩の方に座るしかないだろう

もし反対側に座ったらどういう顔をされるか分かったものじゃない

・・・・しかし先ほど店内を見渡したとき

もう仕事が終わった人たちなのか

ちらほらと酒を飲んで談笑している輩がいた


「では本題ですが」

彼女は口を開いた

その声はまるでどこかの銀行員のような落ち着いたもので

正直さ気ほどの荒くれた刑事の面影がないのがどうも気になる

しかし先輩はと言うと

いつもの通りのポーカーフェイスのような笑顔を張り付かせてみていた

「この町には何をしに」

「・・・観光とでも・・・」

「・・・・記者さんでしたよね」

「ええ」

その二人に流れる空気

どうでも良いような会話かも知れないが

その先ほどもしていた会話を繰り返す意味とは

僕は二人の会話を見ていた

それしかないようだ

「・・・・・それで知りたいことは本当に死因だけですか」

「・・・それはそれから分かることがあれば犯人の・・・」

「まだ犯人がいる事故なのか事件なのか分かっていません」

それは本当につい口を割って出てきた言葉なのか

それともたまたまを装って出てきたのか

どちらにしてもこの時点で警察は分かっていないと言ったのだ

つまりどちらともとれる事故

そして五人の若者がそのよく分からない事故か事件により毎週死んでいる

・・・・・・・・・・・・・・・果たして・・・毎週と言うところが事故ではないと思わせるげいいんなのか

それともやはり死因なのか

「即ちそれは実に曖昧な死因なんですか」

「・・いえ事故なんです・・・・私たちの見解は事故

しかしこうも続くとそうもいえない・・・・・こんなところかしら」

「・・・ちょっと待って下さいガネー刑事」

「・・・別に刑事ではありませんが・・・何でしょう」

「死因は何ですか」

「・・・・心臓発作です」

「・・・・・全員」

「全員」

「・・・・・それはなぜここにこないと話せない内容なんですか」

「・・・・さっき言いましたよね・・昼食まだ食べてないって

ここの枝豆ピッザ美味しいいんですよ」

「・・・・それはすいません・・・では失礼を」

「・・・・・・あれはおやつにいただくわ」

「・・・ええ・・では」

そう言うと先輩は席を外した

僕もそれにならい一礼して後を追う

「・・・・・どうでしょうか」

車に乗り込んで僕は聞く

「・・・・・・・ねえ、小さな村でそんな毎週心臓発作で死ぬと思う」

「・・・確率の問題にしてはかなり少ないと」

「・・・あんた確率計算したの」

「・・・いえ」

「そう」

しばらく沈黙が車に流れる

「この後誰かの死んだご遺族宅に行くんですか」

僕は聞く

「そうね・・・・その裏も調べて置いた方が良いかも知れない」

「・・・・裏ですか」

「・・・まあ嘘言ってるかも知れないでしょ」

「何でまた」

「・・・だってあれだけ茶目っ気があるんだからそんんあことを百に一つでも言わないとは限らない」

「まあ・・しかし本当は何渡したんですか」

「・・・鯛焼きだけど」

「本当ですか」

「・・・・まあハバネロ入りって言う奴」

「・・・・ダイジョウブナンデスカ」

「・・・まあそれは茶目っ気次第でしょう」

「・・・と言うと」

「・・・いや彼女が食べるとは限らない」

「・・・・・・・・・何でそんなもの持ってきたんですか」

「さあ・・勘」

「・・・・・・・・今夜本当はどこ泊まるんですか」

「・・・・・・・何」

「・・・いやどこか泊まるとこ」

「・・・・・っえ」

「・・・いや、えではなく」

「・・・・・・・」

「・・・マジですか」

「・・・っえ」

「・・・・・・・・・・・」


かくして僕は地獄のような朝を向かえることになる

生憎それほどのお金もないことから

宿に泊まるべきかどうか悩んだが

どうせ一日分しか止めれない

そして先輩に借りた日には恐ろしい借金をすることになる

それは御と言う恐ろしいもの

しかし次の日までそれが恐ろしくて寒気と戦った僕は不思議な物音を聞く

それはぐずぐずという

濁った音

果たしてあれは何だったのか

しかしその音も

車の中から聞こえる爆音にかき消された

言うまでもなくいびきと形容詞難いものであったが

かくしてくまを何重にも作らせた

僕と

実に気分壮快に起き出した先輩とともに

その日朝一番でサウナに向かうことになった

正直これは僕としても仕事しろよと言う同行以前に

このままの寒さでは

ペン一本口一つまともに動かせない自信がある

かくして昨日調べて置いたという先輩が言うサウナに向かう

そこは、まるでトレーラーハウスのようなものが幾重にも積み重なり

僕は本当にここかと思ったが

先輩はその白銀に輝く場所に向かう

何でもここら辺は地熱発電があるくらいで

それを水蒸気にさせて一部分けて貰っているという

かく言う入り口は男と女に分けれており

一時間後にと言うことで

朝日七時の早朝

僕たちは別れることになる


中はまるで蛇のおなかを潜っているっているように

どこまでも細長く続いていて

果たしてここがサウナなのかと思うのだが

受付にいたホモのような筋肉向き向きで髭で

その上どこか何か感じが違うぞと言う人の指さすままに

千円払って進む

それはどれくらいなんてほどは歩かないが

ついにサウナと建物の中に立てられている真っ赤な時の看板を見て分かる

「ついにか」

僕は行きよいよくそこをあけた

なかは脱衣所なっており

僕は足早にそれを脱ぐと区切られているドアを開けた

そして僕は愕然とすることになる

そこには


そこには氷があった

そして一面に張られた水

その中に数人の老人達が泳いでいた

いったいここはどこに来てしまったのか

僕は道を間違えたのだろうか

・・いや一本道だ

・・しかしサウナはいずこえ

僕はあたりを見渡すと

ナイスバディーなどくすんでしまうような寒さの中

奴はどこから運んだのか

パラソルとたてて

蛍光灯だというのに

その下にベッドチェアーを設置して寝ていた

「何やってるんですか」

僕は一つ文句を言おうと走った

ーーーぷーるでは走っちゃだめよ、ケガの元ーーーー

僕の脳裏に小学生の頃の語呂が浮かぶ

つるっつる似凍った地面のせいで

僕は空中を飛んでそこは幸い地面ではないところに落ちた

しかしそこはさらに地獄ともいえた


気が付くと僕はべっとりと何かに塗れていた

幸いそれを拭ってみたがそれほど粘着質で無いことから

それが血ではないことが分かる

しかしそれなら何だと少し嘗めてみるところに危険性がありそうだが

しかししょっぱい

・・・・

僕はようやく動けるからだ

ひどく暑い

・・・何だ

風邪でも引いたのか

そこでようやく目を開ける

そこはトレイラーハウスをつなげたような場所ではなく

木に囲まれた場所であった

「・・・いつのまにログハウスに」

しかし意識がはっきりしていると

そこがログハウスなんかではなく

あの本来行くべき場所だと分かった

「・・・・・・・」

僕は急いで起きあがると

そこには老人の顔がある

「・・・あの僕は」

「あまり動くんじゃない」

「・・・しかしこのままでは脱水症状に」

「・・・・・うむ・・・しかし今の状態で外にでるのもな」

そう言って目を振った入り口から見える丸窓には

まるで南国から北極を見るような光景が広がっている

「・・・・・もう少しいます」

「うむ」

かくして寡黙な老人と少しのあいだ時間をともにして僕はふと時計に目をやって30分時間を遅刻しているのに気が付き

僕はすぐに外に飛び出したのである


「さて何おごって貰おうかしら」

そんな先輩の死亡宣告にも似た言葉に殺されながら

僕は先輩の運転する車で朝食を食べに向かっている

時刻は8時40分ほど

果たして大丈夫だろうか

たいしてない残金を考えながらそんなことを思う

「では第一の被害者のところに行きますか」

「・・・・何でそんなこと知っているんですか」

「・・・・聞いたのよ、あの店のマスターに」

「・・・それはサウナですか」

「・・・まあね」

「・・・・そのために行ったんですか」

「そんなとこ」

果たして最後の意味はたまたまだったのだろうか

それとも本当なんだろうか

どちらにしても素っ気なくまた運転に戻ってしまう

しかしこの事件・・果たして本当に事故なのだろうか

昨日生死の時間をさまよいながら

僕はそんなことを暗闇の中光り輝く満天の星を眺めながら考えた

少なくとも都会やなんかなどではドラックや交通事故または不幸な病気なんかでしんでし待う若者がいる

しかし今の時代

ちょっとした病気で子供が死ぬなんて事はほとんどないはずだ

となると、ここまでかなりの数の子供が毎週死ぬなんて言うのはおかしい

少なくとも僕がいたここよりも小さな村ではそんな死ぬ人間がいたわけではないが

少なくとも若者よりかは老人が多い

そうかんがえると異常な数である

もしこれがたまたまな不運だとしても

それでももし不運ではないとしたら

何か人為的な何かだとしたら

・・・・僕は改めてその事件に対する何かを生死の境をさまよいながら感じていたのである

「しかし先輩」

「なんだ」

「どうせなら一番最新の死亡者の所に行かれてはどうでしょう」

「どうしてだ」

「もしかしたら死体に何かあるかもしれない」

「・・・・うん」彼女は首を傾げた

しかしすぐに頷く

「しかし一番最近の事件から早くも一週間近くたとうとしている

果たして残っているかどうか」

「行ってみるだけ行ってみましょうよ」

そういうことで急遽別の場所に向かう

そこまあらかじめ聞いておいたのか、大して迷った形跡もなく

すぐにつく

「何でそんなに記憶力がいいんですか」

「おまえが馬鹿なだけだ」そういうと家の前に車を止めた

そこは白い家だが

何処か異様な雰囲気がした

それがすぐさま現実のものとなって僕たちに知らせることになる

「うわぁーーーーー」

その声はまるで獣か何かのように僕たちの耳に届いた

しかしすぐにそれが女性の・・もしかするとこの家の母親のものかもしれないと思う

というのも、その青い芝生の中に」寝間着姿の女性が泣いているのが目にはいるのだが

その女性の年がちょうど死んだ年の子供にそうに思えた

「・・・どうします」僕は目配せをした

先輩はそれをみたのかみなかったのか

そのまま青い芝生に敷かれた家に続く道からそれ

彼女つまりは母親と思われる女性に近づく

「大丈夫ですか」

先輩は聞く

しかし女性はその声など端から聞こえないように

うずくまり叫んでいた

「大丈夫ですか」

それは先輩の普段からは想像もつかないようなひどくスルドい声だった

その声に母親は一瞬顔を上げると

「わぁあああーー」とまた芝生に沈んだ

「こら起きろ」

今度は先ほどの倍くらいの大きさで叫ぶ

しかしそれは大きすぎるどころか

腹にどしんと来る叫びにもにるが

しかし声がかすれずにいることからもっと出せるだろうなどと考えていたが

しかし不意に女性が先輩につかみかかると

「なによ、あんた何なのよ」と揺さぶる

すると先輩は

「息子さんは」といった

もし本当に彼女がその子供の母親であればそれについてどういうのだろうか

しかし子供は11歳である

・・・・・・彼女はちらりと家の中をみた

「会わせていただいても」先輩は聞く

今度は怒鳴り声ではない

彼女はそれにたいしてこくりと頷く

・・・・どういうことだろう

もしかしたら何か別の客だと思ったのだろうか

僕たちは家の中にむかうが

ひどくその白い家が嘘に見えて不気味であった

中に入ってからもその広い家には似つかわしくないほど静かなそれに

先輩は何も感じないような不利をしているが気がついているだろうか

僕はその静けさも気になったが

それ以前に妙な感覚におそわれていた

それは何と形容詞がたいが

しかし少なくともいい感じはいない

「どうぞ」そういう母親と思われる人間つづいて

僕はその後に続く

先輩は少し待っていてください

そういって立ち去った母親をみていたが

いなくなると通された客室のような所にあるいすから立ち上がり

暖炉の前に置かれた写真立てをみた

僕もつられてそれをみたが

そこにはなかが良さそうな三人の人間

どうやらあの人の夫と子供が写っているようで

そうなるとやはりここの奥さんで間違いはなさそうだ

不意に向こうから足音が聞こえた

先輩は元のイスのまえに立っている

僕もそれに習ってここの奥さんが来るのを今かと待つ

しかしそれは予想に反してだった

奥さんは何か大切そうにビニールを下げて現れた

その時点で僕は嫌な感じが確信に変わる以前に、吐き気を催す

それに引き替え横目で見た先輩は普段と変わらない

そうだ、死んだはずの息子

それに取り乱す母親

しかし先輩は生きているようにいわれても何もいわなかった

それが果たして何かは良くはわからない

しかしそれは形がという意味で

実際はそこまでのものではないだろう

・・・そうわかっているのだ

その赤く染めている袋の中に

時おりへばりつくようにその袋の断面に白いものが押し当たってよく見える

(骨だ)何となくそうこころなかにそう浮かぶ

先輩はそれを見ていた

何もいわず

「ほらお客さんが・・」

彼女はそれを隣の席に座らせてそういった

・・・きっとあれが息子さんだ、しかしなぜにあそこまでなっても持っているのか・・嫌それ以前に彼女はなぜ

それに答えがあるとすれば、死んだと思えずそれでも持っている事になる

そういう感じなのだろうか

「先輩」僕は小声でそういう

しかし

「こんにちは」

先輩はそう反対側にいった

しかしだれもそれに返さない

「ほら挨拶しなさい」

果たして彼女はどう思ってそれを見ているのか

「・・すいませんね」

その顔には先ほどまでの疲れが少し和らいだようだが

どこまでもその焦点が揺らいでいるように見える

何も見ていない

「すいませんおくさん・・・息子さんはいつからこの姿に」

そうおくせず言う彼女

「・・・・・・さあ」

「・・・・・・・・」

「・・六日前」

「・・・・どのような形で」

「・・・裏庭で・・寝てたの」

「旦那さんは」

「いや」

「・・・」

「イヤーーーー」

彼女は急に頭を押さえてそう叫んだ

「いやいやいや・・・何であの人は、自分の息子を・・捨てようとするの

なんで・・・」

「・・・・旦那さんは今どこに」

「でてったわ」

「そうですか」

「何か息子さんがいたちかくで変わったことはありませんせしたか」

「・・・さあ・・・いつも通りの・・・っあ」

「何です、話してみて下さい」

「臭い」

「におい」

「何か臭いがしたわ」

「・・・それはどういう」

「獣のような」

「獣」

「ここら辺でグリズリーや狼は」

「・・・・少しはいると聞いたことがあります」

「・・・・息子さんはそれにやられたとは」

「・・・何でそんなことを聞くんですか・・それは少しやつれて削られていますが・・ねえサッテ」

どうやらサッテという名前らしい

「そうですか・・・では私たちはこれで」

「あら、まだそれほど息子と話していないじゃない」

「いえ、今日はこの辺で」

「・・・」

僕たちは足早と言う分けではないがその家を後にした

「あの後どうするんですか」

「・・・・・」

「病院にでも」

「・・・・・・」

「・・どうしたんですか」

「・・・・夫はどうしたと思う」

「っえ」

「・・・・もし心配ならもう病院にでも引き渡しているとは思えないか」

「・・・・・・しかし・・・でてったと」

「・・・・・それは誰の意思だと思う」

「・・・・つまり」

「もしも彼女と口論になって・・・もしもあれが夫のなれの果てだとしたら」

「・・・・・・そんなことしますか・・・だいたいする意味がない」

「何かを隠すために」

「・・・しかし確かに我々は足早に立ち去りましたが

しかしこれで騒ぎが大きくなる可能性だって」

「・・ないんだよ」

「無い」

「あの刑事が嘘を言った、これはきっと町ぐるみで何かあるな」

「・・・しかし夫を殺したのは」

「・・・・まあ、ただ愛そう尽かしただけかもしれない・・いちお電話しておいてくれ」

「はあ・・はい」

僕は病院に電話をかけておく

果たしてそこにきた人間がなんと思うのだろうか

「・・・おいどこにかけている」

「・・っえ・・病院ですか」

「警察だろ・・後鑑識」

「・・・・」

「それが誰の血なのか調べないと」

「・・・しかし」

「早くしろ」

「はい」

結果的に二本の電話を

そして鑑識もこの町ではない

先輩の知り合いなる怪しいものに電話をつないでもらってした

「・・・話しておきましたが・・・しかしこれは誰がやったんですか」

「・・・・熊だと思うか」

「熊ですか・・・そいうじけんもありますが」

「・・・私はどうもわからん」

「分からないんですか」

「熊ともなればもしかしたら観光客が減るかもしれん

それこそひとくいとなると尚更だ・・・」

「・・・それならそれを隠そうとして」

「だとしても若い人間だけなぜねらう」

「・・・美味しいんじゃないですか・・・新しい方が」

「・・・・もう少し調べてみる必要性があるな」

その後虱潰しというわけでもないが四件の家に向かう

その間に先輩はいろいろと嫌なことを話した

人間の雄雌は例に漏れず

若くそして女の方が肉が軟らかい

そのせいで一度人間の味を知った熊は、雌だけをねらうと

果たしてそれほどの知能があるのかと聞くと

人間が賢いのは一部だ

と言われた

しかしそうなると

最後に殺された息子はもちろん男であり

それは彼女に言う事とは反している

そして殺された順に言うと

「男 女 女 女 男」なのである

一見するとそれに順序はないような気がするが

「・・・最後が気になるな」と言う

そう、確かに最後だけまた男に戻っている

最初女の方がうまいと感じ取った熊は

女ばかりを後に続けていたとすると

そうなるとなぜかまた男をねらったことになる

「・・・・幼すぎてちがいが分からなかった」

「・・・うむ・・それもあるかもしれないが・・・もしかしたら遊んだのかもしれない」

「遊び」

「・・ああ、無力な子供にたいして・・・しかしこれほどペースを狂わずに襲うだろうか」

そういう先輩の言っていることは一理ある

なんと言っても毎週同じ日に殺されているのだ

「では人が」

「・・・何のために」

「・・・快楽殺人・・・またはカンバニズムにるいする異常犯罪」

「・・に見せかけた知能的犯罪者もあり得る」

「・・・」

最初の取材の後回った残り四件について

すべてが取材を拒否された

しかし何とかと先輩が言うと

わずかだがそれについて漏らす

しかしそれは皆思い出したくもないようなことである

と言う感じであった

「・・・・皆食い散らかされた・・またはそれくらいひどい状態だったんでしょうか」

「・・・・・あるいは、死んでさえいない」

「っえ」

「・・・まあ、そんなこともあるかもしれないと言う話だ」

「・・・どう言うことですか」

「何かはなせない事情があり、それで死んだことにした

あの最後の被害者以外、皆二十代近い

そうなると何かしらやらかす世代だと言ってもいい」

「・・・・・つまりは口を封じられたと」

「いや・・殺されたと言うべきか・・・何かをやって」

「でも今まで言ったことは憶測にでしか過ぎませんよね」

「いやそうとも言えない、現に人が誤認もそれも無惨な死に方で死んでいるとなると・・何かあるだろ」

「・・・いえ、だから証拠は」

「そんなもの後になったら適当に見つかることを祈ろう」

「・・・・・・・」

かくして二日目が過ぎていく中

僕たちは又しても警察署に向かう

そして昨日の彼女を見た

そこには昨日と打って変わることなく書類に書き込む彼女がいた

「・・・・・」

それは又しても我々が声をかけると

すっと立つと手で待ての姿勢で止めてから

「なんですか」と

睨むように聞いてきた

「・・・本当に心臓発作だったんですか」

「・・・何の話ですか」彼女はそう言いかねないような顔で僕たちを見た

「忘れたんですか」

「・・・・・どちら様です」

やっぱりそうだったようだ

しらを切るつもりだ

「忘れたんですか・・・昨日」

「ああ・・・邪魔です」

「・・っえ」

「邪魔ですからかえって下さい」

「何てこというの・・・あれは猟奇的犯罪かもしれないのに

あなた方は」

「・・・あなた方部外者に言うわけにはいきません」

「・・・・何を隠しているの」

「何も」

「なら何で心臓発作と」

「そんなの簡単です・・・本当のことですから」

「何」

「あなた方は検死に付き合いましたか」

「いいえ」

「ならどうして違うと」

「・・・・サッテさんは」

「誰ですかそれ」

「っえ」先輩の驚くよなかおを始めてみた気がした

「今回の事件は皆心臓発作です

そしてこれは全部が全部医療事件だと分かっているんです

しかしこの小さな町で突然その医師がいなくなった

さて私たちはどうするべきだと思いますか」

「・・・」

「簡単です・・秘密裏に調べなくてはいけない

少なくとも田舎なんて言うものは医療というか医者というものが神様のようなものでね

少なくともありがたがっているのは確かだ

そんな人間が実は犯罪を行っていると疑われて

警察に追われている

そうなると果たして住民はどちらを優先しますかね」

「・・・そんな」

「・・・まあとにかくこれはご内密に

・・・どうせ住民に騙されたんでしょう・・・少なくとも

医者を責める奴に良い奴はいないと思われて」

「・・まさか・・この町にグリズリーは」

「・・・いませんが」

「まさか」

「調べてみますか・・・最近では熊を狩りすぎてここら一体では一匹もいません、そのせいで鹿が増殖して大変困っている事態ですよ」

「・・・・・サウナ屋の」

「・・・ああ嘘つきハウスですか・・・あれは・・」


かくして事件はあっけない終幕になったのである

僕は、紅茶を口に浸しながらそんなことを思い出す

ある村でそんな事件が起きた

果たして今回は

今ここには誰もいない

僕以外誰も

一人また机の上にある二十束ばかりある新聞を眺めて又しても僕はそう思うのである


しかしあの老人の思惑通りには事件は進まなかった

それは別段不可思議なことでも何でもない

ただ普通のことなのだ

そう、事件は思わぬ方向に流れたのだから 





かくして僕たちはその驚愕の事実を持ったまま先輩の車に戻る

「本当だと思います」

「・・分からない」

「先輩にも分からないことがあるんですか」

皮肉混じりにそんなことを言うが

しかしそれにたいして

「・・・なぜそんなうそをついたのかが」と言う

果たしてそのことが誰を示すのか

僕はそれについて考えた

村か警察署か

誰が得をする

・・・・・・・・

無いんじゃないのか

しかしそんなわけはない

人間は意味のないことをしない生き物だ

どんなことでも自分に良いことになるようにする

それが人間と言うものだ

そうだとしたら、

僕が警察側なら

・・・上を守らなければならない

そんな考えと

みんなを守らなければならない

そんな考えが浮かぶ

なれば逆ならどうだ

彼らは警察を守るだろうか

それこそ医者を・・・

・・・いや自分たちを守るはずだ

だとしたら・・・一体・・・誰かを人質に取られているとか・・さもありなん

「先輩まさか人質なんて事無いですよね」

「それだ」

「え」


かくして先輩はいきなり警察署に走り出す

「どう言うことですか」

「なかなかおまえは筋が良いかもしれないぞ」

「・・・・どういうことですか」

「これですべては納得がいく・・・皆言われてやっていたんだ」

「・・・・・・・・・・・はい」

「・・気がつかないか・・・警察ではあまり事を騒ぎ立てられたくない

だから心臓発作という

これはなかなか自然に殺せない

そしてそれが数人となると尚更

そして住人は、何か言えば人質の命はないぞ

そんなことを言ったんだろ」

「それじゃあ最後の被害者は」

「・・・・きっとそれだけでは足りないと・・・あんな事を犯人側からやらされたんじゃ」

「・・しかし目立つのでは」

「それが狙いだったんだろう・・・騒ぎが大きなものほど

その裏の事件はくすんで見えなくなる・・・・」

「でそうするんですか」

「・・・・捜査に入れてもらおう」

「・・・無理でしょ」

「・・・さあ私だけしかできないこと・・いや私たち新聞記者でなければできないことがある」

「何ですかそれは」

「どこにでも居ると言うことだろう」

かくしてこの事件はあっけなく終わりを見せることになる

犯人は最後の居被害者宅の夫であった

そしてそれを目撃した奥さんは口論の末夫を殺害

その結果、あまりのに信じていたものからの裏切りで

感情が落ち着かない

いや異常をきたしていたと言える

かくしてその家の裏庭から

四体の死体が見つかる

あの奥さんがいっていた獣臭とは

このことだったようだ

かくして誘拐そして身代金

すべてが奥さんの手によって失敗した夫は

結果的に六人目の死体となってしまったわけだ

しかしなぜこんな事をしたのか

その後調べたところ

かなりの借金があったという

それはこの大きな家を建てるためのもの

その他、ギャンブルが祟っていたともいう

かくしてこの事件はうちが早く

と言うかトップに出すという快挙にでた

しかし、それについて先輩は

「・・・うれしくも何ともない」という

と言うのも

それをいうために我が社に急いでいる途中に

グリズリーに激突してしまい

そのせいで車がひどい状態になったのだ

幸い携帯電話で伝えたのだが

そのせいで記事が書けなかったと怒っていた

かく言うこれが事件のあらすじである


「と言うことなんです」

私は一人寝ているのか分からず

ただ新聞を見ている老人居訪ねた

「ああ」

まるで新聞紙をクシャクシャ言わすようにそれは言う

「・・・聞いてるんですか」

「・・ああ」

全く持って聞いているのかどうかも分からない

しかし何かあると私は元先輩を訪ねるようにしている

それは単純に楽しい会話相手を捜していくのではない

又別の事件を教えてもらうためにである

                          終   

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― 新着の感想 ―
[良い点]  読み終えて最初に思ったのは、非常に幻想的な作品だということでした。  現在と回想との境目が曖昧にされていたり、世界観もどこか不思議なら、登場人物たちも何やら妙な性格。  もし、夢の世界で…
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