第一章の第一部分です。
面倒臭い投稿方法ですが、これからはこうやって投稿します。
第一章 学園都市 Harmony_Day 1
「…………………………うだ〜」
朝起きるなり、いきなり上条はヤル気ない声を出した。
ここは学園都市。
日々『頭の開発』に勤しんでいる、住民の大半が学生という都市だ。
この都市には、約二百三十万人の能力者がいる。
能力者を大きく分けると、無能力者(レベル0)から、超能力者(レベル5)にまで分けられる。
学生寮のバスタブから出てきた上条もまた、そんな能力者の一人だった。
彼の能力は『幻想殺し』という、なんとも変わった能力だ。
それが異能の力ならば、神様の奇跡でさえ打ち消す力。
幻想殺しとはそういうものなのだ。
しかし、それゆえに、異能の力にしか反応しない。
上条の身体検査での結果は、レベル0。
しかも、どれだけ頑張ってもスプーン一つ曲げられないような、そんなレベル0。
更に、この能力を右手に備えているだけあってか、上条は不幸体質である。
ことあるごとに不幸がやってくる。
そんな救われない子羊でもあるのだった。
ちなみに、何故上条がバスタブから出てきたのかというと、
「……インデックス。まだ寝てるのかよ」
本来なら上条が寝ているはずのベッドの中には、少女が一人、無防備な状態で眠っていた。
その少女は、恐らく上条のものだと思われるワイシャツを寝巻き代わりにして、布団を乱雑に床に落として眠っていた。
少女の名前はインデックス。
いかにも偽名っぽい名前だが、これは本当の名前なのである。
正式名称は『Index-Librorum-Prohibitorum』であり、別名、禁書目録。
とあることがきっかけで、インデックスは上条と一緒に住むことになったらしい。
らしいというのは、上条がそのことを覚えていないのである。
あまりにも衝撃的な出来事なのに、上条自身は何も覚えていない。
インデックスと出会い、事件に巻き込まれて、無事に解決したと思った刹那にやってきた、
頭への衝撃。
それがきっかけだった。
上条当麻は現在、記憶喪失なのである。
上条は、右手でツンツン頭をわしゃわしゃとかく。
インデックスの耳元に顔を近づけて、言ってみる。
「起きろー」
しかし、インデックスはまったく起きる気配を見せない。
しばらくそうしている内に上条は、頭に血が昇ってきた。
上条は、怒ったような顔をして、インデックスの耳元で、
「早く起きろー!!」
と、怒鳴りつけた後にベッドからインデックスを叩き落した。
「もうちょっと優しい起こし方があったと思うな!」
「しょーがねぇだろ。こっちはこっちで忙しいんだから」
上条は、パンを口にくわえながら学校へ行く支度をしていた。
今日は平日なので、平凡な高校生である上条は、学校へ行かなくてはならなかった。
インデックスのことも気にかかるのだが、こればかりは仕方ない。
学生の本分は、勉強することにあるのだ。
「んじゃ、昼は冷蔵庫の中に入ってるから、それをレンジで温め……られないんだったな」
「そ、そんなことないよ! 温められるもん!!」
インデックスは箸を持つのに悪戦苦闘しながらも、必死そうに答えた。
上条は、そんなインデックスの様子に呆れながらも、学校に遅れないように急いで家を出ようとする。
そんな時だった。
「あっとうま!」
珍しくインデックスが上条のことを引き止めた。
「ん?」
上条はインデックスの方を振り向くと、そう一言尋ねてみた。
やがてインデックスは上条に一言。
「……気をつけてね」
上条は今になって思う。
これは、何かの偶然だったのか、と。
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