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行間 1
春菜と出会ってからというものの、相原の生活は、徐々に変わり始めていた。
今まで一人でいることが多かった相原にとって、春菜の存在は、大きかった。

「私、この学校であまり友達っていなかったんですよね。その時、相原君の噂を聞いて、友達になれたらなって思って……」
「宇津木……何で俺なんかを?」
「……友達になるのに、理由なんていらないですよね?」

春菜から述べられるのは、正論だった。
友達になるのに、理由は要らない。
逆に、理由ある友達作りなど、崩れてしまうのが落ち。
きっかけ等はあるのかもしれないが、その人と友達でいる理由など、ない方がいいのだ。

「……まぁ、確かにな」
「それに、私、相原君のような人、結構好きですよ?」
「……!!」

思いもよらぬ一言に、相原は少し動揺する。
もっとも、春菜自身に、『その感情』はまるでなく、相原の一方的な勘違いでもあったのだが。

「そ、そうか……そう言ってもらえると、嬉しいな」
「本当ですか? ありがとうございます」

心からの笑顔。
相原の前で見せる、無垢な笑顔。
それを見るたびに、相原は少し、胸が痛んでいた。


―――俺と友達でいて、本当に幸せなのだろうか?―――


「……なぁ、宇津木」
「……何でしょうか?」
「……俺達、友達でいれるよな?」
「はい」
「……何があっても、友達で、いられるよな?」
「……はい」

その言葉に、嘘偽りはなかった。
切れぬ絆。
だが、その絆を崩すには、十分過ぎる程の事件が、彼らに襲いかかったのであった。



























それは、高校に進学した、とある日のことだった。
偶然相原が街を歩いていた時のことだった。

「……ハァ」

この日もまた、不良達と喧嘩をしていた。
その帰り道のこと。

「ったく、最近ここら辺の奴らが、俺によく関わってくるもんだから……肩凝っちまうっての」

悪態をつきながら、相原は夜の街を歩く。
その時。

「オイ」

後ろから、声をかけられる。

「ああん?」

それが、自分に向かってかけられた言葉なんだと理解するのに、そう時間はかからなかった。
相原は、その声の主を確認するために、後ろを振り向く。

「お前が、相原直行だな」

そこにいたのは、自分と同じくらいの背格好の男だった。

「そうだけど、何か用か? 喧嘩なら、後にしてくれ。もう今日はそんな気分じゃねぇんだ」
「この女、身に覚えあるな?」

そう言って、男は相原に写真を見せる。

「どの女だ……!!」

写真を見て、相原は愕然とした。














その写真には、少女が写っていた。
その写真には、自分と同じ学校の制服を着た少女が写っていた。
その写真には、いつも自分の前で無垢な笑みを浮かべる少女が写っていた。
その写真には、宇津木春菜の姿が写っていた。















「……おい、これはどういうことだ?」
「この女を、俺達は預かっている」
「……何だと?」

自分でも驚く程、ドスの利いた声を出す。
相原は、怒りをその顔に出していた。

「返して欲しくば、俺についてこい。これは、リーダーからの命令だ」
「リーダー……だと? テメェら、俺が能力者だってこと知ってて、こんなふざけたことやってんのか?」
「当然だ」
「……チッ」

相原は、短く舌打ちをすると、その男の後に従って、目的地へと向かった。




























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