月霞縦書き表示RDF


月霞
作:さきと





二人を包む夕焼け


静かに湖面を照らす夕日
いつもの様に沈んでいく
舞い散る葉はひらひらと
帰路を紅々と色付かせる

手を繋ぎ貴方と歩く
募っていくこの想い
ただ貴方が愛しくて
一つの言葉で紡いだ


夕闇に小さな光


街灯に照らされる道に降る紅葉
風に乗り想いと共に空へと昇る
輝く月は優しく
今が続くようにと永久に願った
積み重ねて来た日々と思い出を
重なり合う掌を 貴方の鼓動を
忘れないように


心に刻んだ遥か遠い日の記憶


数え切れない夜が過ぎ
優しい貴方はいなくて
想いだけが溢れていた

貴方の声が聞きたくて
貴方の笑顔が見たくて
貴方の心を感じたくて


闇夜の月はただ静かに揺れ
大切なものを照らしていた


哀しみの淵へと墜ちた心

(信じたくなかった…)

胸に遺された傷痕は深く

(嘘だと思いたかった…)

涙を流し月に祈り続けた

(でもこれは真実で…)

あの日の想いをもう一度

(貴方はもう…いない…)


失った代償に幸せの意味を知り
声が枯れ果てても叫び続けた
「独りにしないで」と


月は照らす


季節は止まる事無く廻り続けて
伝えきれなかった想いに泣いた
哀しみの雫は零れ
何気ない それでも大切な日々
もう二度と戻らない優しい貴方


貴方の温もりを…


澄んだ水面に輝く月よ
もしも一つ 一つだけ
願いが叶うというなら
もう一度だけ逢いたい


愛した貴方に



叶う事の無い
脆く儚い想い
それでも願う
最後の願いを



煌めく満月よ
あの人の元へ
私を導いて…



静かに告げた



「さよなら」






たまにはちゃんとした後書きゾーンに出現してみたさきとです。今回は前に書いた詩の「月花澄」をアレンジして書き直した詩です。暇があったら読み比べてみてね(笑













ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




◆BACK
小説家になろう