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黄昏の街
作:滾


僕の町にはある噂がある。
それは“黄昏の街”、という話。
僕の町に住んでいる人は大概この話を知っていて、嫌っている。
だから僕は、その話を学校で皆に話したんだ。


僕の携帯にメールが来た。
From  「タケシ」
題   「迷った」
本文  :やばい、迷った。ここどこか解らないかな?交番があるんだけど、こっからどうやって行けばお前の家に着く?

From  「タケシ」
題   「交番はもういい」
本文  :いや、そっちの交番じゃなくて、南のほう。ってかもういいや。なんか一本道に出たから、そっちを突っ走ってみる。

From  「シンヤ」
題   「おい、ここはどこだ」
本文  :ここはどこだぁぁぁああ!今自分がどこにいるのかワカラネェ!

From  「シンヤ」
題   「やばい」
本文  :マジで迷った。写真添付して送るから、教えてくれ。

From  「アツシ」
題   「迷子だ」
本文  :お前の家に行こうとしたら迷ったぞ。

From  「タケシ」
題   「いま六時だよな?
本文  :おい・・・、おかしいよ・・・。今六時過ぎてるのに、何でこんなに明るいんだ?絶対おかしいだろ?


From  「シンヤ」
題   「このやろう!」
本文  :あ?解らないじゃ困るんだよ。どうするよ?もう三時回ってるぞ?早く行かないとお前の家に行くの遅くなるんだけど。

From  「カズヤ」
題   「待っとけ」
本文  :お前の家ってどこだっけ?今駅出たから、あと三十分くらいで着くわ。てか十二時回ったから、適当に飯食ってから行く。

From  「タケシ」
題   「おかしい」
本文  :ここ、おかしいって。何にもない。誰も居ない。しかも、なんで太陽が出てるんだ?もう七時回ってるのに・・・。

From  「カズヤ」
題   「そろそろ」
本文  :交番が見えてきた。南のほうの。多分そろそろだと思うから、ゲーム用意して待っとけよ。

From  「アツシ」
題   「やべぇ」
本文  :なんか交番が見えるんだが、こんな所に一本道あったっけ?南の交番にいるんだけど、どっちに行けばいい?一本道?どれとも大通り?

From  「サトミ」
題   「急に何?」
本文  :急に何よ?今日はぐっすり眠る予定だったのに!まだ九時だよ!?今駅前だから、待ってなさい。

From  「カズヤ」
題   「交番」
本文  :交番の横に道あったけど、あっちじゃないよな?

From  「シンヤ」
題   「どこ?」
本文  :お前の家が見つからない。てか日が傾いてきた。俺もう帰るわ。もう四時過ぎてるし、やることないだろ。

From  「カズヤ」
題   「勘弁して」
本文  :なんだよ、あっちかよ。一本道、あんな所にあったっけ?

From  「アツシ」
題   「お前なぁ」
本文  :お前に言われたとおりに一本道の方行ったら、なんかワケ解らん道に出たぞ?てか今日日が沈むの早くないか?まだ三時なのに、もう夕暮れみたいになってんじゃん。あれか?     異常気象ってやつか?

From  「サトミ」
題   「疲れた・・・」
本文  :何でこんなに田舎なの・・・?畑ばっかりで家が見つからないよぅ・・・。さっき交番の隣過ぎたけど、あっちの一本道だっけ?そうだったら引き返さなきゃだけど・・・。

From  「シンヤ」
題   「ここはどこ?私は誰?」
本文  :やばいぞ。お前の家から引き返そうとしたのに、全くどこに居るのか解らない。やっぱりさっき、一本道と追ったのがまずかったか?こっちじゃなかったか?やべぇな、この勢     いだともう暗くなるんじゃねぇ?

From  「カズヤ」
題   「解らない」
本文  :なぁ、どんどん進んでっても何がなんだか・・・。ホントにこっちであってるのか?ずっと真っ直ぐの道で、周り田んぼなんだけど、家すらないぞ。

From  「タケシ」
題   「   」
本文  :もうだめだ折れどこを走ってるかわからないなんでみちがこんなにつづいてるんだよおかしいよだめだおれもうつかれ

From  「サトミ」
題   「怖いぃ・・・」
本文  :言われたとおり一本道通ったけど、何もないよ?もっと先?なんか急に日が暮れてきちゃったよ?おかしいよ・・・。今まだ十二時前なのに・・・。怖いから迎えに来てよ       ぉ・・・。

From  「アツシ」
題   「なんか」
本文  :おい、お前マジでさっきの道であってたのか?何も無いぞ?

From  「カズヤ」
題   「何だここ?」
本文  :なぁ、さっきから気になってたんだけど、さっき夕暮れみたいになったと思ってから、全く日が沈まないんだ。なぁ、これ、この前お前が話してたのと同じだよな?

From  「シンヤ」
題   「何か全然暗くならないな」
本文  :マジで以上強化?さっき日が暮れてから、全然日が落ちないぞ。てか、全然元の道に戻れねぇ。

From  「アツシ」
題   「   」
本文  :マジで変なことになった。自転車漕いでも漕いでも前に進まねぇ。お前まさか騙しやが

From  「サトミ」
題   「   」
本文  :助けに来て!本当に!怖い!前に進めてるのかもう解らない!何かに飲み込まれるみたいなかん

From  「シンヤ」
題   「   」
本文  :何にもない。ここれはどこだ?まさか本当にあの話を聞いたからか?もうだめだ。お前俺を実験につか

From  「カズヤ」
題   「   」
本文  :そうだじゃねぇよ!お前俺を試しに使いやがったな!?テメェマジふざけん


ここで彼等からのメールは全て途絶えた。
現在一時過ぎ。彼等は、全員“黄昏”の中に消えたようた。


黄昏の街。
それは僕の住む街に昔から伝わる噂であり伝説。
親はそれを子に伝えないように勤め、子は知れば目を瞑り耳を塞ぎ、身を丸めて体を振るわせる。
黄昏の街。
ある一本道。
それを、通り抜けた先。
それに、黄昏の街がある。
そこは常に黄昏に包まれていて、淡い光が溢れている。
その光は街に入った者を外に出さず、入ったものは二度と外に出られない。
そして、
この噂を聞くと黄昏の街に足を踏み入れることになる、との事。

お分かりの通り、僕は全員にこの話をした。勿論、『この噂を聞くと〜』の下りは教えずに。
解ったことは、やはり誰も帰ってこない、ということ。
それから、なぜかそれぞれの時間がずれている、ということ。
その理由は解らない。コレからもっと調べる必要がありそうだ。
黄昏の街への入り口は、普段無い交番の隣の一本道。が、コレが常にそうであるとは限らない。
彼等を僕の家に遊びに誘う、という口実で呼び寄せた。
勿論、他に人が来るとは伝えなかった。だからおそらく、彼等は僕と二人で遊ぶことを予想していたのだろう。
説明する必要は無かった。
“黄昏の街”に皆吸い寄せられると確信していたから。
その確信には理由があった。

前に、僕の妹が――――

そんな事はどうでもいいか。
ともかく、そういうことだった。

ただ、一つ。
ただ、
クラスメイト数人が一気に行方不明になって、それも全員が僕の家に来る途中だと知れた場合、
僕が怪しまれるのかなぁ、と、
少し、
そのことに少しだけ、
後悔した。


「ピエロの話」同様、作者自身書いててよく解らなくなりました。もっと詳しいヤツを暇があったら書こうかと思います。
なんにせよ、楽しんで頂ければ幸いです。













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