今日は私、矢田唯の誕生日。だが私は生きる意味を見出せないまま今日を迎えている。深夜、手にしているのはカッターナイフ。そうして今日もリストカットの傷が増えていく。突然のメールの着信。友人の湯河原リイからだ。バースデイを祝うその内容に、今日だけは死ぬのに失敗してよかったのだろうかと静かに思う。バースデイプレゼントをくれるのだと、リイ。彼女が渡してくれる物は、単なる「物」だけではなかったのだった。そして、学校の掲示板に張り出されていた退学処分の通知に書かれていた初めて知る人物とは。
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N8256B
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81625文字(約164分)
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通常小説[連載完結済作品(全10部分)]
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文学
高校生 学校/学園 感動 シリアス 社会問題 現代(モダン)
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午前零時。十七歳の誕生日に私はカッターナイフの刃を左手首に当てた。今度こそけりをつけよう、ほんの少し力を入れて刃を横に挽けばいい、そう思って、でも今回もやっぱり実行することが出来なかった。やんわりとした鋭利な刃先の冷たさにかすかな快感と言い知れぬ恐怖を感じながら、でもその感覚をもっとよく味わい |