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異世界樹~ちょっぴりチートと転生と~ 作者:辻桐 あすら

一章 目覚めたとき、俺は双子葉植物であった。

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五話 あれは…獣耳じゃないか!

(あ~~…)

ユグドラシルは遠くを眺めていた…
転生してから三日ほどたっており、
やることがない彼は有り余る時間、
ひたすら寝るか遠くを眺めるかしていた。
見える景色といえば、相変わらずただただ広がる平原、
そして山々だ。

有り余る時間を使い、
元素属性魔法を試してもよかったのだが、
光魔法のことを考えるとどうしても調べるきになれなかった。
少し時間をさかのぼり、昨日。自分のステータスを眺めていたユグドラシル。

(このままでは、あと999日)

1p減った信仰値を見て、心の中でつぶやいた。
そう、信仰を集めなければまずい。
だが周りにはなにもないがゆえにユグドラシルは何もできず、
ひたすらぼーっとしていたのだった。

時間は今に戻る。暇を持て余していたユグドラシルは、
視線を移動させて遊んでいた。

(ふーん。なるほどなぁ)

神は、視線を自由に動かせると言っていたが、
1mい以内なら本当にかなり自由自在だ。
まるでジェットコースターのようだ。
脳がないから酔わないし。

そういえば、五感の内つかえるのは視覚と触覚のみで、
嗅覚、味覚は使えなかった。
もちろん以前からわかっていた聴覚も。悲しい…
この世界ではもう何かを味わうことはないのだろうか?

(おおー、おおー)

視線をぐるぐるまわしてあそんでいても、
見えるのは変わらず平原と山と何かの影…

(…んあ!?なんだあれ?)

遠くにこちらに向かってくる何かの影が見えた。
地平にゆらゆらと揺れる影たち。
遠いためか、増えたり減ったりしているようにも見える。
結構たくさんいるようだ。
まさか人かっ!もしそうだとしたら…

(た、たすかったぞ!)

こちらからは会いに行けないので、辛抱強く待つ。
本当なら今すぐ走っていきたいところだ。
一時間ほどしただろうか。だいぶ近づいてきた。
よ~く見るとやはり人間のようだ。だが…

(なんだ…あれは…?)

こちらにむかってくる人間みんなの頭に、
なにかもふもふしたものがついている。

(まさか…あれは、獣耳、か?)

そう、その集団の人間すべてに、獣耳がついていたのだ。

(獣耳があるということは、あれはすべて獣人ってことか)

まさにそれが正解で、そこにいたのは獣人という種族であった。

でも、どうしてあんなに沢山…?
集落か、町の一つもつくれそうな人数だ。
そんなにたくさんの人数が一度に移動するのは明らかにおかしい。
あれやこれやこれや考えていると、その集団はさらに大きくなる。
様子などからなにかわかればいいのだが…

先ほどのように、よ~く観察する。
すると、なんと獣人の半数が傷を負っており、
そのうち担がれている数人が重傷に見えた。

(い、いったいどうしたんだ?)

彼らは生気を失ったように暗い表情でトボトボと歩きながら、
ユグドラシルの目前までやってきた。
そこにあった不思議な双葉を前に、彼らは足を止める。

獣人達は虹色に輝くユグドラシルを見つけると、
一様に信じられないといった顔をしていた。

混乱や困惑とともに訪れた静寂。
一分ほどだろうか。そうして過ぎてゆく静寂を払い、
先に動きを見せたのは獣人達だった。
集団の中心辺りが少し体をずらす。

その状態で立ち止まった集団の中から、
一人の獣人の少女が他を押しのけて現れた。
ぱっぱと体についた汚れを数回はたいてある程度落とすと、
こちらに顔を向ける。

髪はこの集団には彼女しか見ない黒色で、少し汚れているはずだが、
服のボロさと比較するとまるで手入れされているように光を反射する。
目は美しい白。瞳は若干縦に細く、黒く光る髪に映える。
その頭部には可愛らしい黒い猫耳がついているのだが、
猫らしくない垂れ耳である。
垂れている品種は、前世で住んでいたであろう地球にも、
全くいないわけではないため多少珍しい程度だ。

少女は集団の前に出ると、
他の獣人と同時にユグドラシルに深~く頭を下げたのち、
何かをパクパクと話し始めた。

「……………………………………………(パクパクパクパク)」


(…)


いやわからんよ。



一通り話し終えたと思われる少女は、
何も反応がないことを疑問に思ったのか、
首を傾げた。髪と耳が同時に揺れる。
可愛い………ロリコンじゃないよ?


て!それどころじゃない!
ちょちょちょっ、喋れない以前に聞こえない!
助けて!神様!!!聴覚くれ~~!!!



だれか~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!




ピコンッ!
[現在所持している信仰値を400消費し、
聴覚を入手しますか?]

(………えっ?)
彼女は一体何者なのでしょうか・・・?
+注意+
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