『昌也の魔力反応が消えた…』
ユーキの言葉に全員が反応する
『まさか…昌也が?』
あわてる近藤
『慌てるな!昌也はそんな玉じゃない』
ナズチがなだめる
『それよりも…次の扉だ』
と、ユーキが扉をあけた
そこはこれといって何もなく、いたって殺風景な部屋だった
『いるな…』
と、ナズチ
『かなりの数だな』
『………』
反応のとうりにその床から大量のゴブリンが湧き出てきた
『ゴブリンか……いや、ただのゴブリンじゃないな』
ナズチが言った
『こいつら全員……ブルーゴブリン!?』
湧き出てきたのはゴブリンランク中、No.4に値するブルーゴブリンだった
『まずいですよ…グリーンゴブリンほどまでは言わないけどブルーゴブリンだってかなりの強敵……緊急クエストにも指定されるモンスターがこんなに…』
パーティにブルーゴブリンがジリジリと詰め寄ってくる
『俺がやる』
そう切り出したのはナズチだった
『ナズチ!?』
ケンクが叫ぶ
『いくらなんでもお前一人じゃ無理だ!!』
『俺を舐めるな!こんな奴ら、なんてこと……ガッ!?』
ナズチは倒れた
ユーキの手刀によって
『ユーキさん!?』
『近藤、お前はナズチをかついで上に登れ…』
『まさか…ユーキさん』
近藤の額から汗が滲み出る
『大人数あいては私の専門分野だ』
『でも!前回だって死にかけたじゃないですか!?』
『じゃあ全員ここで死ぬのか!?』
初めてユーキが発した大声に空気が固まる
『それに…したの昌也はどうするんだ?無事に生き、帰るには“ヒール”を使える私が行くしかないだろう』
沈黙が続く
『行くぞ…近藤』
ケンクがナズチを肩に担ぎ奥の扉をあける
『ケンクさん…』
『……』
ケンクは無言で扉の奥の階段を登りはじめる
『…無事に帰ってきて下さいね』
近藤も登り始めた
『いいのか?』
と、パチ
『ナズチも言ったが…お前達も私を舐めすぎだ……こんな数、訳はない』
『………そうか』
そう言ってパチも階段をかけ上がった
『……さて、待たせたなお前達』
まず一匹のブルーゴブリンが飛び出してきた
『気にくわない奴等だ…最初は一匹一匹戦うのをみて楽しむのか、へんな知恵を…』
そう言ってユーキはブルーゴブリンの腹部をバルディッシュで真っ二つに切り落とした
『つけている…』
青い体液が広がった
『なんだ?一匹で終わりか?』
すると今度は二匹のゴブリンが左右から襲いかかる
『芸のない…』
ユーキは右の一匹を柄で刺し殺し、左の一匹を立てにきりふせる
『しょせんこの程度か』
するとブルーゴブリンは恐れをなしたのか全員がユーキに飛びかかってきた
『悪いがサービスタイムは終わったよ』
言葉と同時に地面から岩が飛び出し、ユーキの周りを檻のようにして囲んだ
『グランドトリガー!』
飛びかかってきたブルーゴブリンは次々と岩石にぶち当たり、のたうち回る
『全体攻撃か…』
ユーキは地面にバルディッシュを突き立てる
『………旋律を忌ましめよ』
ユーキの回りの魔法陣がブルーゴブリン達を退ける
『大詠師ユーキの名のもとに具現せよ!』
魔力が高ぶり波動がブルーゴブリンの動きを封じる
『ミスティック……ガハッ!?』
ユーキの口からおびただしい量の血が吹き出た
(ここ数日の魔力負担がこんな時に…)
『……ゲー……ジ!!』
不完全なミスティックゲージが放たれた
『……ゼハァ…ゼハァ…』
息をあらげユーキは倒れた、それと同時にグランドトリガーの檻も崩れ落ちる
『……!?………私もこれまでか…』
崩れた檻の奥には大怪我を負いながらも立ち上がる無数のブルーゴブリンがいた
『すまん…昌也、行けそうにない…』
そこで、立ち上がった一匹のブルーゴブリンがエネルギー弾を吐き出した
『ぐっ…』
エネルギー弾はユーキを直撃する
『しかし…私はこいつらを…倒さねばいかん』
次々と立ち上がるブルーゴブリン
『この命に…』
立ち上がった全てねブルーゴブリンがエネルギー弾を吐き出す
『変えてでも!!』
ブルーゴブリンが放ったエネルギー弾の土煙でユーキの姿が見えなくなる
『グヒィ…』
少しの間をおき、土煙がはれた
『ヒャア……!?』
ブルーゴブリンが驚嘆の声をあげた
『………驚いているようだな』
ブルーゴブリンが後ずさりする
それもそのはず、ユーキの体は紫色の魔力を纏い、手にもったバルディッシュからまた紫色の魔力で構成された刃が備わっていた
『……リミッター解除』
そう言うとユーキはバルディッシュを力一杯振った
するとユーキを取り囲んでいた先頭のブルーゴブリンが真っ二つになり、倒れる
『……この調子で行きたいのだが…悪いがあまり時間がない…あまり時間をかけると死んでしまうんでな』
そう言うと同時にユーキの足元から長いグランドダッシャーが伸び、ユーキの身を10mほど高く押し上げる
『遥か彼方の星が爆発し、その光がこの大地に降り注ぐにはどれだけのエネルギーを抱えているか分かるか?』
言葉の発言と同時に、バルディッシュの先端に強大な魔力が蓄積されていく
『それが星ではなく一つの銀河系だとしたらどうなる?』
超高エネルギーが溜まったバルディッシュの先端に紫色の球体ができ、それにいくつもの魔法陣が絡み合う
『その凄まじいエネルギーを私の魔力と合成し放つ!それがこの術だ………その引き替えに』
溜まりに溜まった超高エネルギー体は大きすぎる波動をうみ、結晶の塔事態が激しい地震に巻き込まれ、しだいにこの大陸が大地震に巻き込まれた
『私の命を天に捧ぐ』
バルディッシュの先端が超高エネルギーによって空間を歪める
『うけてみよ…星の息吹に巻き込まれ消え果てろ!!!!』
バルディッシュの先端から半径100mはあるかと思われる超巨大魔堂砲が放たれた
(昌也…近藤…ケンク…パチ…ナズチ…それに協会や村の皆………すまない)
『スターライトォォ!!!!ブレイカーァァァ!!!!』
放たれた魔堂砲は塔の半分を消し去り、幻影の砂漠を無に帰し、この星を大地震で襲った
そして
ユーキの魔力は完全にゼロになり………
ユーキはその肉体ごとこの世から消えた
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