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良薬口に苦し

作者: こんにゃく王子

ある博士が大発明を成し遂げた。これを飲むと不老不死になるという。


それを知った博士の友人は

「大発明じゃないか! すぐに発表したほうがいい」

と興奮しながら言った。しかし博士は

「いやしかしだね、まだ実用段階ではないんだよ」

とあまり乗り気ではない。博士の友人は、薬は偶然できたもので博士が薬を独り占めしようとしていると考え、その薬を盗み出すことにした。


盗むことに成功した博士の友人はこれをどうするか考えた。ふむ、この薬を発表するとともに被験体として私が飲もう。そうすれば名誉も不老不死も自分のものになる。作り方は不死身になった後、じっくり考えれば良い。発表の手はずを整え、全世界生中継の中

「お待たせしました! ついに人類の長年の夢、不老不死を実現する薬を作りました!まずは私が飲んで見せましょう!」

と息巻いた。薬を口に入れた瞬間、博士の友人は苦悶の表情を浮かべ死んだ。


博士の研究所のテレビではこの様子が映し出されていた。助手が博士に問う。

「何故彼は死んだのですか? 薬は失敗ですか?」

すると博士が言った。

「いや、違う、大成功さ、あの薬はかなりの良薬だった」

「では何故彼は死んだのですか?」

「言っただろう、まだ実用段階ではないと、あの薬は人が拒否反応で絶命するほど、苦いんだよ」

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― 新着の感想 ―
[良い点] タイトルと落ちがぴったりですね。これぞショートショートというべき面白さです。 お話に必要な部分のみを切り取ってあり、洗練されていると感じました。 [気になる点] あらすじをないがしろにする…
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