挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
水鏡に咲く白き花 作者:水城ゆま

序章

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

2/85

「 蓮の国の姫君 」( 二 )

 

花蓮(カレン)の父である(ハチス) 国王の死は突然だった。


余りにも突然で、王宮に仕える人間だけでなく国中が少なからず動揺していた。
(じか)(せっ)する機会の無かった国民の中にまで泣き崩れる者もいた。
それだけ、(ハチス)王は 多くの民達から愛されていたのだ。


(ハチス)王の盛大な葬儀が終わったその夜、
花蓮(カレン)姫は自室の寝台の上に座りこみ 静かに泣いていた。


父親だけじゃなく、母親もすでに ()()にはいない。

まだ幼さが残る少女には、その孤独と 父を継いで一国の(あるじ)になるという
二つの運命の重圧を受け止める事などできなかった。



――― 本来、リエン国では 王の息子・娘は 十六歳になるまでは、あまり人前に出る事が無く過ごす。


()れは、リエン国 王家の独特の仕来(しき)たりで
子供達は十六歳を迎えて、はじめて 国民や他国の王族などにお披露目される。


十六歳を迎えるまでの間は、自身の親である王と王妃と
身の回りの世話をする臣下(しんか)達と顔を合わせる程度で、基本的に王宮の中に引き籠ったように過ごしている。


兄弟姉妹がいる場合は、母親が同じであれば幼少の時から交流する事もあるが
そうじゃない場合は、十六歳になるまでは (ほとん)ど顔を合わせる事はない。


()れは、まだ幼いうちから跡目争(あとめあらそ)いや 敵国などによって
大事な次期国王候補者達が暗殺されたりしない(ため)の対策でもあった。



(ハチス)王は側室そくしつを持たなかったので、此度(こたび)は母親達とその子供達による(みにく)い 後継者争いは避けられそうだが
花蓮(カレン)姫は、まだ十五歳になったばかりだった。


(ハチス)の一人娘なので、次の国王には花蓮(カレン)姫しかいないのだが
十六歳になる際の顔見世・・・簡単に言えば ” 御披露目の儀式 ”をおこなっていない者が
王位を継承した事例はこれまでに無かった。


その(ため)花蓮(カレン)姫は まだ 王位を継ぐのに相応(ふさわ)しくないと云う意見も少なからずあった。
事実、花蓮(カレン)姫には 国王に必要な知識や作法など 全て 欠けている状態である。


(しか)し、一年近くも 国王不在にする事もできない。
そんな事をすれば、()ぐにどこかの国が攻め込んで来るだろう。


例え、十五の少女でも 誰もいないよりかは 幾分(いくぶん)かマシなのだ。


+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ