怒ってない
「いや、怒ってないよ。ほんとに、ほんとに怒ってないから」
と言いつつも、彼は明らかに怒っていた。
「全然怒ってないから。俺、全然怒ってないから」
と言いつつも、彼は完全に怒っていた。
「え? 怒ってるじゃないかって? 怒ってないよ! 全然怒ってないから!」
と言いつつも、彼は怒りに身を震わせていた。
「は? 何回も言わせるなよ! 別に怒ってないよ! ホクロの多さを指摘されたくらいで別に怒ったりなんかしないよ!」
ひとつ、ふたつ、みっつ…。
「数えるな! 数えたら怒る!」
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