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中学校に向うに連れて、だんだん明るくなってくる。
「・・・・・やっぱり火事だ」
「どこかで車とめるから、皆先行ってて」
そう言って谷は、他の者を下ろして車をどこかに止めに行く。
「10年前と同じ・・・・・」
「まさか・・・・・」
神保と武藤は校舎を見上げ、つぶやく。
宮村は何も言わず校舎を見上げていたが、
「!怖い・・・・」
「えっ・・・どうしたの宮村さん」
「怖い、怖い・・・」
俯いたまま怖いと繰り返す。そんな宮村の肩に着いたばかりの谷が手を置き、言った。
「大丈夫、怖くない」
「・・・うん・・」
「谷さん?」
「何でか知らないけど、火を見ると怖がるんだ。だから台所でガスコンロを使う事も無いの」
「・・・・多分、中学校の時に火事が起きてる中に取り残された事のトラウマじゃないでしょうか?」
「神龍、それどう言うこと?」
「僕が勤めてる病院の精神科にも結構いるんです。過去の何かしらの原因があって水を見るのが怖いとか先輩のように火を見るのが怖いて人が」
「そっか・・・・・ん?あれって京太?ほらあそこで並んでる消防士」
「・・・・あ、本当だ」
「この近くに配属されてるのかな?」
「そうじゃないですか?遠くからはないと思いますし」
小暮達、消防士が学校の中へ入っていくのを見届けた後、また校舎のほうに向き
燃えていく校舎を見つめていた。
「被害は最小限にしろ!」
「はい!」
「隊長、今入った連絡ですが中に残されている生徒がいると・・・」
「なっ・・・場所は?」
「音楽室なのですが、管理棟の3階へ行く階段付近は燃えが酷く、行く事が難しいです」
「・・・・・何人か、音楽室まで行ってくれる奴はいるか?」
「はい、僕が行きます」
「僕も」
「よし、じゃあ小暮と古谷、頼むぞ。戻る時は窓から2階のパソコン室に下りてくれ。他の者はそれまでに2階の消火をする。いいな」
「はい!」
小暮と古谷、2人とも消防士になり同じ場所に配属された。
「部長、副部長コンビ、復活かな?」
「そうだな」
古谷はにやりと笑いながら、音楽室へ続く階段を駆け上り小暮もそれに答え駆け上がる。
「うわ、燃え方凄いな。あの時と同じか?」
「そうじゃないかな?とにかく音楽室の中に行こう」
音楽室はまだ入り口付近と窓付近が燃え始めたばかりだが、全体が燃えるのも時間の問題だ。
「部室のほうかな?」
「だろ。まさか此処に居る訳には行かないし」
そんな会話をしながら、部室のほうに行く。
「誰かいる?」
「・・・・此処・・」
小暮が声を掛けたのに、1人の生徒が答えた。
「大丈夫?」
「私は大丈夫ですけど、国沢さ・・・彼女が足を挫いちゃって」
確かに彼女の後ろにはもう一人生徒がいた。
「他にはいないね。残されてる人は」
「はい。部長の私と、副部長の彼女が最後に避難しようとしましたから」
「部長か・・・・京太よりしっかりしてるな」
「うるせえ。さっさと行くぞ」
「はいはい。じゃ、ロープを下ろすから僕とえっと・・国沢さんが先、彼、小暮と貴方が後から降りてください」
古谷が二人の生徒に説明する間、小暮がロープを結びつける。
「ロープOKだ。古谷、行けよ」
「わかった。国沢さん、ロープで結んでいるけど、しっかりつかまっててね」
「はい」
古谷は国沢が自分の肩をしっかりつかんだのを確認して、
「じゃ、京太下についたら声掛けるから」
そう言ってロープを下っていく。
「下につくまでにこっちも準備するか。ロープで体、結ぶね。えっと・・・」
「西門です」
「西門さんか・・・」
「あの、小暮さん?吹奏楽部の部長だったんですか?」
「えっ、ああそうだよ。此処のね。ついでに言えば古谷、あいつも此処の吹奏楽で副部長やってたし」
「二人とも、此処の先輩なんですか」
「まあそうなるね」
そんな会話をしているうちに、古谷から降りていいと合図があった。小暮はそれを確認すると、西門の事を背負い、
「じゃ、降りるよ。しっかりつかまっててね」
「はい。あと、下に下りて一段落したら、昔の事教えて下さい」
「時間があればね」
そう言って、ロープを少しずつ下っていく。
窓の近くの耐震補強の柱に足をつけ、中に入る。
「はいよ」
小暮はそう言って西門を下ろす。
「京太、こっち。いつ火が吹き出すか分からないから、急いで」
「分かった。いくよ」
「はい」
3人はその教室から急いで飛び出した。 |